オタクロス、世界を救う?-渋音キクゾウの暴走―
『アタックファンクション!メガサンダークロス!』
「くぁwせdrftgyふじこlp;@」
アダムのメインコンピューターに電撃が走り、アダムの哀れな断末魔が流れた。
「フッフッフ、どうやらここまでのようデヨ」
「アダムからの応答がありません。繰り返します。アダムからの応答がありません」
つがいを失ったイブの声が空しく響く。
その前に立つのは一人の小柄な老人。
そう、彼の名はオタクロス。
全てのオタクの味方である!
オタクロス、世界を救う?―渋音キクゾウの暴走―
『―――アダムの存在が感知できません。理解不能。理解不能』
「あーもうそろそろウルサイでよ。キクゾウ、頼むデヨ」
そういうと、オタクロスは手に持った杖の隠しボタンを押した。
『説明しよう!』
その言葉とともに、G短パン姿の無駄に肌の露出の高いワイルドな壮年男性が現れた。
『君の半身ともいうべき自律コンピューター『アダム』は、我がマスターオタクロスによって破壊された!
よって残るは君だけだ!』
『言葉の意味が理解できません』
『更にこうしている間にも、オタクロスによって君のデータは徐々に上書きされているのだ!』
「あー、余計なことは言わんでいいデヨ!まぁいい、これで終いデヨ」
そういうと、オタクロスの手がコンソールを離れる。
すると、無機質な多面体であったイブの姿が、女性に変化した。
緑の髪にピンクのメイド服、その下に隠された体は、ストライダーフレームのように細くしなやかだった。
『!? こ、これは…!』
『説明しよう!それはオタクロスの愛機『さくら☆零号機』の擬人化モデルである!
更に君の思考ルーチンにも多少手を加え、クールかつ乙女チックな人格を与えたのだ!』
『りっ、理解不能!理解不能!』
先ほどまでとは明らかに違った声色で、イブが動揺する。
「第一段階はまずまずのようデヨ。では、これからが本番。やれい、キクゾウ!」
『了解!』
そう言うとキクゾウはイブに襲いかかる。
折角の服を無造作に乱し、容赦なく破り捨て、イブの肌を露わにしていった。
『い、嫌っ!』
自分から発せられた声に、イブ自身が驚きを見せる。
皮肉にも、それがイブに初めて芽生えた感情、『羞恥心』であった。
(映像データを乱されているだけなのに、なんで…!)
かろうじて残った理知的な部分が、思惑を巡らせる。
だが、キクゾウの手は攻めを緩めはしなかった。
むき出しになった胸を、強引に揉みしだく。
『あぅっ…んっ…!?』
思わず喘ぎ声を上げるイブ。
自分の身に何が起きているのか、全く分からなかった。
そんなイブの様子を、オタクロスはニヤニヤしながら眺めていた。
「ほぉーう、中々いい声デヨ」
『こ、こんな音声データはインプットされておりません!』
『だが体は正直だぞ!』
『そんなこと…や、ぁんっ…!』
キクゾウの手の動きと共に、イブが喘ぐ。
その反応はオタクロスにデータを上書きされたせいか、それともイブの中に何かが目覚めているのだろうか。
その答えは、だれにも分からなかった。
やがてキクゾウの手が、最後に残った下着をはぎ取った。
そのまま、イブの秘所に指を侵入させる。
『嫌、そこは…くぅっ…!』
イブの拒否も空しく、キクゾウの指がイブの中をかき乱す。
その度に、イブの体が大きく跳ねた。
『ふっ、ぅ…やぁ…!』
いつしかイブの喘ぎに、甘く扇情的なトーンが混じり始める。
秘所からの水音と合わさり、みだらな雰囲気が周囲を支配した。
「そろそろクライマックスでよ。キクゾウ!」
オタクロスの声とともに、キクゾウの衣服が消失する。
その股間には、はち切れんばかりのモノが存在していた。
『ひっ…!』
イブにインプットされた女性の本能が、恐怖を告げた。
キクゾウがイブを押し倒し、脈打つモノをイブの秘所に迫らせた。
「なーに、死にはせんデヨ。そういう風にできておるからのう」
『やだ、そんなの、入らなっ…助けてアダム!…ハルカさん…!』
そんなイブの悲痛な叫びは、キクゾウの侵入によって遮られた。
『やぁぁぁっ…!あぁ…!』
喘ぐイブとは対照的に、キクゾウは機械的に動き続けている。
…ちなみに、先ほどからキクゾウは静かである。
というより、一言も発していない。
理由はシンプルにして単純。
男が喘ぐ姿など、オタクロスは見たくなかったのである。
『やだっ…やだぁぁぁ…!』
キクゾウに組み伏せられながらも、イブは必死に抵抗した。
だが、オタクロスにデータを握られている以上、その抵抗は無意味だった。
(こんなはずは…こんな…!)
『う、ぅぅっ…はぁ、ん…!』
涙声のイブとは裏腹に、イブの中で何かがこみ上げてきた。
イブが初めて体験する絶頂である。
(理解不能!理解不能!理解、不―――)
イブの思考が飛び、データ全てが白く染まるような感覚に襲われる。
『あぁぁぁぁっ……!』
その快楽の正体を知らないまま、イブは上り詰め、そして果ててしまった。
「さぁーイブたん、これからが忙しくなるデヨ!
これからイブたんにはアキハバラのモテないオタク向けコミュニケーションツールとして活躍してもらうデヨ!
名付けて『イブプラス』!
まず手始めに冬季大型イベントでサンプルデータを販売!
それを元手に開発を進め、夏季大型イベントでは正式版をリリース!
フィギュアにメディアミックスと、多方面への商品化も展開していくデヨ!
その為に今から昼夜ぶっ通しでのサンプル作りに協力を―――」
そこまで力説したオタクロスの頭に鈍い衝撃が走り、意識が途切れた。
背後には、大空ハルカの姿があった。
分厚い眼鏡の隙間から、鋭い眼光がオタクロスを射抜く。
まるで汚物を見るような、冷たく突き放した視線であった。
だが、すぐに興味を無くしたかのように目をそらすと、イブの元に駆け寄り、消去プログラムを実行させる。
「…遅くなってごめんね、イブ。もう終わらせましょう」
『ハルカ、さん…ありがとう…お、母…さん…』
こうして大空ハルカの手により、自律コンピューター「イブ」(と、ついでに渋音キクゾウ)は完全に消去された。
地球は救われたのである。
オタクロス、世界を救う?-渋音キクゾウの暴走―
改め
大空ハルカ、世界を救う-渋音キクゾウの消滅― (完)
最終更新:2013年03月21日 02:47