及台子
【きゅうだいす】
天板に筆返しとか落込みと呼ばれる縁取りがあり、柱の上下に雲形の力板(鰭板)の入った、二本柱の「行」の格の台子。 及台子は「及第台子」ともいい、元来は唐物。科挙の進士及第の者のみが通れる門あるいはその門の額を象ったとも、進士及第の作文を置くための台に由来するともいわれる。
及台子は、紹鴎好み、利休好み、宗旦好みなどがあり、天板に筆返しがないものもある。
紹鴎好及台子は、雲形の力板(鰭板)が柱の上下の前後だけでなく内側にもついて、三葉で支えるようになったもの。
利休好の及台子は、真塗で、炉・風炉ともに用いる(大)。宗旦の桑台子は小で爐にのみ用いる。覚々斎(原叟)好桑台子は「爪紅の通りを桑にて写したるなり」とされるが、風炉にも用いることから、大の寸法と考えられる。
■寸法■大
天板:上端は二尺九寸五分、幅一尺四寸、裏側で長さ二尺八寸九分、幅が一尺三寸五分。上端の両端に筆返し。
筆返し:厚さ一寸。
地板:上端は二尺八寸九分、幅が一尺三寸五分、畳付長さ二尺九寸五分、幅が一尺四寸、厚み一寸四分、
柱:八分、高さ一尺九寸となっている。
■寸法■小
総高:一尺八寸三分
天板:長さ二尺三寸三分、幅一尺二寸一分、板厚五分五厘
地板:長さ二尺四寸、幅一尺二寸八分、板厚一寸一分五厘、
柱:七分一分面取
・紹鴎好
真塗、三葉鰭、大
・利休好
真塗、大。筆返しあり。
・表千家覚々斎好
桑台子、桑木地。炉・風炉ともに用いるとあることから大と思われる。
・元伯宗旦好
桑木地、小。筆返しあり。炉用。
・元伯宗旦好
一閑黒、大?
・裏千家又玄斎(一燈)好
桐木地。大?
・表千家惺斎好
桐木地、小。
・元伯宗旦好
青漆爪紅、小。筆返しあり。爪紅台子。炉用。
・裏千家圓能斎好
青漆爪紅、大?
・裏千家又玄斎好
銀杏木地
・裏千家圓能斎好
杉木地
・裏千家不休斎好
黒塗爪紅
最終更新:2014年09月18日 19:16