シェーダーによる影生成技術に関するメモ
ステンシルシャドウボリューム技法
シャドウボリューム法
モデルなどの輪郭を光源ベクトル方向に引き伸ばし、影の領域を作り、表面を描画した後、裏面を描画し
描画されなかった部分を影とする方法。
欠点 カメラが領域内に入ると影が破綻する。 ピクセルフィルレートを大量に消費する。
デプスシャドウ技法
シャドウマップ法
光源からの深度値(デプスバッファ)をテクスチャ(深度テクスチャ・デプステクスチャなどと呼ぶ)に書き出し
深度値を参照しながら、物の影をつける方法。
欠点 影の精度がテクスチャの解像度に依存。 負荷が高い。
パースペクティブシャドウマップ法 PSM技法
シャドウマップの改良版
特殊なバイアスをかけ、「視界からの座標系に考慮して生成しよう」という考えを取り入れた技法。
視点に近い位置のシャドウマップを高解像度で、遠い位置のシャドウマップはそれなりの解像度でシャドウマップを
生成する。
シャドウマップを、透視投影変換して生成するため、パースペクティブシャドウマップと名が付いた。
欠点 影のみが視界に入るとうまく行かない。
ライトスペース・パースペクティブシャドウマップ法 LSPSM技法
パースペクティブシャドウマップ法の改良版
パースペクティブシャドウマップ法の最良の状態を得られるようにシャドウマップ生成時に
座標系を調整する。
調整する条件1 視点の背後にあるオブジェクトの影が視界に入り込んでくる
シャドウマップを生成する範囲を影生成の元になるオブジェクトすべてを捉えるように
調整し、視点からの視界に全体を含めるようにする。
調整する条件2 なるべくパースペクティブシャドウマップ法の長所が得られやすいように
シャドウマップの生成を行うために都合の良い座標系を求める。
都合の良い座標系とは、「視点に近い位置のシャドウマップを高解像度で、
遠い位置のシャドウマップはそれなりの解像度で」というパースペクティブシャドウマップ法の
特長を一定に維持できる座標系のこと。これは「視点からの視界になるべく近いこと」が条件となる。
カスケード・ライトスペース・パースペクティブシャドウマップ法 Cascaded LSPSM技法
ライトスペース・パースペクティブシャドウマップ法の改良版
広大な屋外シーンでは、一枚のシャドウマップでは解像度不足になってしまうことがあり、
一枚で不足するなら、複数枚のシャドウマップを利用する方法。
ソフト・シャドウ技術
バリアンス・シャドウマップ法 VSM技法
デプスシャドウ系技法の影のジャギーをぼかしてソフトシャドウにするための技術。
シャドウマップをパースペクティブシャドウマップ法やライトスペース・パースペクティブシャドウマップ法で
生成することができる。ただし、シャドウマップは浮動少数点テクスチャでなければならない。
影の判定にチェビチェフの不等式が使われる。
チェビチェフの不等式の解説
以下、続く・・・・
最終更新:2009年08月05日 20:03