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田中優の“持続する志”<br /><br />
優さんメルマガ 第154号<br />
2012.8.16発行<br /><br />
※このメルマガは転送転載、大歓迎です。<br /><br />
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◆ 世界レベルで穀物が危険なレベルに! ◆<br />
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◆◇◆ 田中優より ◆◇◆<br /><br />
枝廣淳子さんのメルマガで超特急で訳してくれたものです。<br />
穀物が危険なレベルになりました。日本はTPPだの、輸入だのと言う前に自給<br />
しないといけないです。<br /><br />
日本も放射能汚染されてしまった土地があったり、これからも原発事故の<br />
可能性がある国です。<br />
状況は厳しくなりますが、やはり自国でまかなっていくべきです。<br />
良いものを作ってくれている農家さんへ、きちんと支払うべきです。<br /><br />
―*--―*――*――*――*――*――*――<br /><br />
枝廣淳子さんメルマガ「環境メールニュース」より<br /><a href="http://www.es-inc.jp/lib/mailnews/index.html">http://www.es-inc.jp/lib/mailnews/index.html</a><br /><br />
『食料問題で世界は窮地に レスター・R・ブラウン』<br /><br />
アースポリシー研究所リリース<br />
2012年7月24日<br /><br />
2012年の早春、米国では約9,600万エーカーの土地でトウモロコシの作付が順調<br />
に始まろうとしていた。これは過去75年間で最大の面積だ。早春の暖かい気温の<br />
おかげで、滑り出しは上々だった。アナリストは史上最大の収穫量を予測してい<br />
た。<br /><br />
トウモロコシは世界中で飼料用穀物として使われている。米国はその主要生産国<br />
であり、主要輸出国でもある。国内では、穀物収穫高全体の4/5を占め、国際的<br />
には、中国における米と小麦を合わせた収穫高を超えている。小麦と米を含めた<br />
3大穀物の中で、トウモロコシは今やトップを走っており、小麦の収穫高をはる<br />
かに超え、米の収穫高の2倍近くに達している。<br /><br />
トウモロコシは生産性が高いと同時にデリケートな植物である。大量の水を要し、<br />
成長が速い一方で、高温と干ばつの両方に弱い。通常なら非常に生産性の高いト<br />
ウモロコシが、高温でショック状態に陥っている。<br /><br />
春から夏に移る頃、コーンベルト(トウモロコシ生産地帯)一帯の気温が上がり<br />
始めた。コーンベルト南部のミズーリ州、セントルイスでは、6月下旬から7月<br />
初めにかけて、気温が摂氏37.8度を超える日が10日間にわたり続いた。ここ数週<br />
間、コーンベルトは干上がってしまいそうな暑さに覆われている。<br /><br />
ネブラスカ大学が毎週発行している干ばつマップによると、干ばつ地域は国中に<br />
どんどん広がり、7月半ばまでには、コーンベルトのほぼ全域を飲み込んだ。コー<br />
ンベルトの土壌水分量は史上最低レベルを示した。<br /><br />
気温、雨量、干ばつが穀物成長条件の間接的指標である一方で、その実態につい<br />
ては、毎週、米国農務省がトウモロコシの収穫に関する報告書を発表している。<br /><br />
今年初めの報告書では明るい見通しだった。5月21日、米国のトウモロコシの作<br />
況は77%が優か良の評価だった。翌週、優と良の割合は72%に下がった。さらに<br />
8週間後は26%にまで落ち、史上最低の比率となった。残りの74%は劣悪から並<br />
と評価された。トウモロコシの作況は現在も悪化の一途だ。<br /><br />
気候変動に伴ってさらに激しい異常気象が起こり、それがどれほど食料安全保障<br />
に影響を及ぼしうるのか、私たちは数週間で目の当たりにした。6月初めから、<br />
トウモロコシ価格は50%近く上昇し、7月19日には史上最高値を記録した。<br /><br />
危険なレベルにまで低下した穀物備蓄量の回復の切り札として、世界中が米国の<br />
豊作を期待していたが、もはや当てにできない。世界の穀物繰越備蓄量は今年の<br />
収穫期の終わりにさらに落ち込み、食料事情をもっと不安定にするだろう。食料<br />
価格は既に高騰しているが、トウモロコシの価格上昇に続いて、最高値を記録す<br />
る可能性が大きい。<br /><br />
現在の食料事情だけでなく、世界の食料システムそのものが悪化している。世界<br />
の穀物価格が突然2倍に跳ね上がった後、2008年には破綻の初期症状が表れてい<br />
た。食料価格の世界的な上昇につれ、輸出国は国内の食料価格を据え置くために<br />
穀物輸出を制限し始めた。それに対して、輸入国の政府は慌てた。輸入国の中に<br />
は他国の土地を購入・貸借し、そこで食料の自力生産に乗り出す国もあった。<br /><br />
食料難の新しい地政学にようこそ。食料供給が厳しくなるにつれ、私たちは食料<br />
の新時代に移行しつつある。それは、どの国も「自分の分は自分で」という時代<br />
だ。<br /><br />
世界は食料問題で窮地に追い込まれている。しかし、今のところ政治の指導者が<br />
現状の深刻さを把握しているという形跡はほとんど見当たらない。ここ数十年か<br />
けて前進した飢餓撲滅の動きは逆戻りしてしまった。私たちが素早く行動して、<br />
人口、エネルギー、水に対する新たな政策を取り入れない限り、飢餓撲滅という<br />
目標は目標のままで終わるだろう。<br /><br />
残された時間は少ない。食料価格の高騰、食料不安の拡大、そして最終的には政<br />
情不安が次々に起こる─このような収拾不能な食料不足の事態に世界はまた一歩<br />
近づいたかもしれない─ほとんどの人が実感している以上に。<br /><br />
注釈:2012年7月24日(火)付ガーディアン紙掲載記事<br /><br />
この情報の友人、家族、同僚への転送はご自由にどうぞ。<br />
http://www.earth-policy.org/plan_b_updates/2012/update104<br /><br />
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