第1話「青空の守護者」
――青空の彼方まで、俺の戦場だぜ!
新学園都市上空、澄み切った青空に白い飛行機雲が走る。
その中心を突き抜けるのは、一機の蒼き機影。
「敵影補足、スカイファングの機体5機…いや、後方からさらに3機。相手も数を揃えてきたな」
ショウ少佐は冷静に情報を整理し、アズールウィングのスラスターを吹かす。
今、彼が対峙しているのは、新学園都市周辺で暴れ回る空賊集団**「スカイファング」**。
こいつらは最新鋭の戦闘機を強奪し、貨物輸送を繰り返し襲撃している厄介な連中だった。
「クク…HARPのエース様が直々に出張りやがったか…」
無線越しに響くのは、スカイファングのリーダー、ゲイル・ハウンドの声。
彼は元軍人でありながら、戦場を捨て、今では空の無法者として名を馳せる存在。
「貴様らのような奴に好き勝手はさせん。ここは俺の守る空域だ」
ショウ少佐は、振動剣**「ブリッツブレード」**を腰に備え、機体のスラスターを全開にする。
「スカイファング」の機体が次々と編隊を組み、こちらを包囲しようとするが――
「…遅いな」
ショウ少佐はその一瞬の隙を突き、急加速。アズールウィングが青空を切り裂くように旋回し、一気に敵機の背後へ回り込む。
ズガァァァン!!
「チッ、撃墜された!? こいつ、化け物かよ!」
一機、また一機と撃墜されていくスカイファングの機体。
だが、ゲイル・ハウンドは不敵な笑みを浮かべる。
「ほう…確かに噂通りの腕だ。だが、俺たちを舐めるなよ」
次の瞬間、雲間から現れる巨大な影。
それは、スカイファングが密かに強奪した高出力砲を搭載した飛行要塞、**「クラウド・ドラグーン」**だった!
「さて、ここからが本番だぜ、青空の守護者さんよ!」
ショウ少佐は、眼下の巨大要塞を見据え、軽く帽子を押さえながら呟く。
「面白い…ならば、存分に相手をしてやるぜ!」
青空の戦いが、今始まる!
第2話「飛行要塞、クラウド・ドラグーン」
――空は自由だ。だが、だからこそ、好き勝手にはさせねぇ!
新学園都市上空、漆黒の影が太陽を覆う。
それは、スカイファングの秘密兵器――「クラウド・ドラグーン」。
全長300メートルを超える巨大な飛行要塞であり、機関砲、ミサイルランチャー、高出力ビーム砲を備えた、まさに「空を支配する戦艦」だった。
「ハッ、どうした? さすがの青空のショウ少佐も、この威圧感にはビビったか?」
ゲイル・ハウンドの声が無線越しに響く。
「ビビる? こんなデカブツが相手なら、やりがいがあるってもんだ」
ショウ少佐は笑みを浮かべながら、アズールウィングのスラスターを最大稼働。
雲間を切り裂き、要塞の側面へ急接近する。
「迎撃体制、整ったぜ!」
クラウド・ドラグーンの対空砲が一斉に火を吹く。
無数の弾丸とビームが、ショウ少佐の機体へと襲いかかる。
「フッ、こんな攻撃…当たるかよ!」
ショウ少佐は**「エアダッシュ」**を発動し、瞬時に機体を横にスライド。
超高速で飛び回りながら、反撃の機会をうかがう。
「甘ぇな!」
ズガァァァン!!
ショウ少佐のレールガン**「ストームキャノン」**が唸り、要塞の機関砲の一つが爆発。
「チッ、やるじゃねぇか…! だが、これでどうだッ!」
ゲイルの指示により、クラウド・ドラグーンの中央砲塔が動き出す。
それは、超高出力のビーム砲「ヘルブラスター」。
「――ッ!」
次の瞬間、巨大な赤いエネルギー砲が放たれ、ショウ少佐の機体を直撃しかける!
「クソッ…! 間に合うかッ!」
彼は瞬時に防御フィールドを展開し、直撃を避けるものの、機体の左翼がかすめ焼かれる。
「…大した火力だな。だが、もうお前らの手札は読めたぜ」
ショウ少佐は、アズールウィングの推進力を最大限に解放する。
ブースターが青い閃光を放ち、一気に要塞の上部へと急上昇。
「お前…まさか!」
「そのまさかよ。飛行要塞ってのはデカい分、死角も多い」
クラウド・ドラグーンの中央部、最も装甲が薄い箇所――そこに、ショウ少佐は振動剣**「ブリッツブレード」**を構えた。
「この一撃で終わらせる――!」
――青空の彼方まで、俺の戦場だぜ!!
次の瞬間、ショウ少佐は一直線に急降下。
ブリッツブレードが閃き、飛行要塞のコアへと深々と突き刺さる。
ドガァァァァン!!
「な、バカなァァァァァッ!!!」
ゲイルの絶叫とともに、クラウド・ドラグーンが大爆発を起こし、空の藻屑と消えた。
「フッ…これで空賊どもの牙は折れたな」
ショウ少佐はアズールウィングを旋回させ、青空を見上げる。
まだまだ、戦いは続く――。
第3話「アウトローたちの牙城」①
――青空の支配者は、俺たちだと思ってたか? 悪いな、こっちには"本物"がいるんでな。
飛行要塞クラウド・ドラグーンの爆発から数時間後――。
ショウ少佐はアズールウィングを学園都市の補給基地へ着陸させると、愛機の翼を撫でながら深く息をついた。
「派手にやらかしちまったな…」
クラウド・ドラグーンを撃破したことで、スカイファングの空賊どもは一気に戦力を削がれた。だが、これで終わりじゃない。空の支配権を狙うアウトローたちは、まだまだ存在する。
その中でも、次に狙うべき相手がいた。
「――グリムハウンズ」
スカイファング以上に狡猾で残忍、各地の戦争で生まれた"はぐれ者"たちの集団だ。金と暴力で領土を拡大し、学園都市にも食指を伸ばしている。
「ショウ少佐、お疲れさんだな!」
ふと、背後から朗らかな声が響く。振り返ると、学園都市の補給隊員たちに囲まれながら、ひとりの男が歩いてきた。
ランバルド・グリッケンス。
白銀の軍帽に黒いロングコート、気障な笑みを浮かべた男。戦場を渡り歩くベテランの戦士であり、アズール連邦のエージェントの一人だった。
「おう、ランバルドか。久々だな」
「へへっ、クラウド・ドラグーンをブッ飛ばしたって聞いてな。そろそろ顔を出す頃だと思ってたぜ」
ランバルドは懐から葉巻を取り出し、口に咥えると火をつけた。
「で、次はグリムハウンズってわけだろ? 俺も情報を仕入れてきたぜ」
「助かる。で、奴らの拠点は?」
「学園都市の外れ、『ダークメサ』って廃墟に根城を構えてる。ヤツら、最近になって妙な兵器を持ち込んだらしい」
「妙な兵器?」
ショウ少佐が眉をひそめると、ランバルドはニヤリと笑った。
「色彩兵器じゃねぇが…なんでも、"オーバーテクノロジー"ってやつらしいぜ」
「面白ぇな」
ショウ少佐はレールガンを肩に担ぎ直し、戦う気満々の表情を浮かべる。
そこへ、もう一人の男が近づいてきた。
「…この匂い、戦場の気配がするな」
鋭い瞳を持つ青年――レウス・A。
蒸気駆動の義手を持ち、鋼鉄のスーツを身に纏った男だ。
「お前も来たのか、レウス・A」
「俺は俺の目的で動いてるだけだ。だが、お前たちと利害が一致したらしいな」
レウス・Aは静かにブレードを手にする。
「グリムハウンズ…ヤツらは、俺が追っている"オーバーテクノロジー"を持っている」
「おいおい、こいつも巻き込むのか?」
ランバルドが苦笑しながら肩をすくめる。
「巻き込むも何も、こっちは歓迎だぜ。なぁ、ショウ少佐?」
「――ああ、"空の掃除"をするのに、仲間が多いに越したことはねぇ」
ショウ少佐は不敵な笑みを浮かべ、アズールウィングへと乗り込む。
次回:「アウトローたちの牙城②」
学園都市外れ、ダークメサに潜むグリムハウンズの拠点へと突入するショウ少佐たち。
しかし、そこで待っていたのは、想像を超える"兵器"だった――。
――ダークメサは死の匂いがする。だが、それを変えるのは俺たちだ。
学園都市の外れ、「ダークメサ」と呼ばれる廃墟地帯。
かつては高度な研究施設が点在していたが、戦争と時間の経過によって崩壊し、今では無法者の巣窟となっていた。
その奥深くに、グリムハウンズの拠点があった。
「ハッ…最悪な場所だな」
ランバルド・グリッケンスが煙草をふかしながら周囲を見回す。
鉄屑の山、朽ち果てた建物、焼け焦げた地面…ここには“死”だけが残っていた。
「だが、連中にはちょうどいい住処か」
「……油断するな」
レウス・Aは鋭い目つきで周囲を警戒する。
彼の義手がカチリと音を立て、ブレードが僅かに展開される。
「ショウ少佐、どう動く?」
「決まってる。敵の本拠地に突っ込んで、"掃除"するだけだ」
アズールウィングを物陰に隠し、ショウ少佐たちは徒歩でダークメサ内部へと潜入する。
グリムハウンズの拠点・ダークメサ最深部
ダークメサの奥地にある巨大な廃墟ビル。
そこがグリムハウンズの本拠地だった。
「ヘヘ…ようこそ、掃除屋さんよ」
錆びついた鉄骨の上から、不敵な笑みを浮かべる男が現れる。
鋲打ちのジャケット、鋭い目つき、腰には大型リボルバー――
グリムハウンズ幹部、"ジャギー・ザ・リーパー"
「貴様らが学園都市の犬か? …ふざけやがって、俺たちは自由な空を生きる"狼"だ」
「狼? 笑わせるな」
ショウ少佐はストームキャノンを構え、冷徹に言い放つ。
「ただの野良犬だろ。噛みついてくるなら、鎮圧するまでだ」
「クク…言うじゃねぇか。なら、見せてやるぜ…俺たちの"力"をな!」
ジャギーが指を鳴らすと、廃墟の奥から巨大な影がせり上がった。
錆びついた金属の装甲、無数の銃口、異常に発達した四肢――
「こいつが俺たちの新兵器…ヘルハウンドMk-Ⅱだ!」
巨大な犬型の戦闘兵器が咆哮し、地面を砕きながら突進してくる!
「チッ…オーバーテクノロジーってのはコイツのことかよ!」
ランバルドが身を翻し、回避行動に入る。
「ならば、俺の仕事は決まったな」
レウス・Aが義手を展開し、ブレードが鈍く光る。
「おいおい…こいつはちょっとした"大掃除"になりそうだな」
ショウ少佐が青空を背に、不敵に笑う。――ダークメサは死の匂いがする。だが、それを変えるのは俺たちだ。
学園都市の外れ、「ダークメサ」と呼ばれる廃墟地帯。
かつては高度な研究施設が点在していたが、戦争と時間の経過によって崩壊し、今では無法者の巣窟となっていた。
その奥深くに、グリムハウンズの拠点があった。
「ハッ…最悪な場所だな」
ランバルド・グリッケンスが煙草をふかしながら周囲を見回す。
鉄屑の山、朽ち果てた建物、焼け焦げた地面…ここには“死”だけが残っていた。
「だが、連中にはちょうどいい住処か」
「……油断するな」
レウス・Aは鋭い目つきで周囲を警戒する。
彼の義手がカチリと音を立て、ブレードが僅かに展開される。
「ショウ少佐、どう動く?」
「決まってる。敵の本拠地に突っ込んで、"掃除"するだけだ」
アズールウィングを物陰に隠し、ショウ少佐たちは徒歩でダークメサ内部へと潜入する。
グリムハウンズの拠点・ダークメサ最深部
ダークメサの奥地にある巨大な廃墟ビル。
そこがグリムハウンズの本拠地だった。
「ヘヘ…ようこそ、掃除屋さんよ」
錆びついた鉄骨の上から、不敵な笑みを浮かべる男が現れる。
鋲打ちのジャケット、鋭い目つき、腰には大型リボルバー――
グリムハウンズ幹部、"ジャギー・ザ・リーパー"
「貴様らが学園都市の犬か? …ふざけやがって、俺たちは自由な空を生きる"狼"だ」
「狼? 笑わせるな」
ショウ少佐はストームキャノンを構え、冷徹に言い放つ。
「ただの野良犬だろ。噛みついてくるなら、鎮圧するまでだ」
「クク…言うじゃねぇか。なら、見せてやるぜ…俺たちの"力"をな!」
ジャギーが指を鳴らすと、廃墟の奥から巨大な影がせり上がった。
錆びついた金属の装甲、無数の銃口、異常に発達した四肢――
「こいつが俺たちの新兵器…ヘルハウンドMk-Ⅱだ!」
巨大な犬型の戦闘兵器が咆哮し、地面を砕きながら突進してくる!
「チッ…オーバーテクノロジーってのはコイツのことかよ!」
ランバルドが身を翻し、回避行動に入る。
「ならば、俺の仕事は決まったな」
レウス・Aが義手を展開し、ブレードが鈍く光る。
「おいおい…こいつはちょっとした"大掃除"になりそうだな」
ショウ少佐が青空を背に、不敵に笑う。
――この空に、悪党の居場所はない。掃討する。
ダークメサ最深部・戦闘開始
廃墟の街が轟音とともに震えた。
巨大な金属の獣――ヘルハウンドMk-Ⅱが咆哮し、無数の銃口から弾丸をばら撒く!
「クソがっ!こいつ、重武装すぎるだろ!」
ランバルド・グリッケンスが銃撃を躱しながら、素早く拳銃を抜く。
だが、ヘルハウンドMk-Ⅱの装甲は分厚く、通常弾では傷一つつかない。
「チッ…面倒だな」
レウス・Aが義手のブレードを展開し、一直線に駆け出す。
暗闇を切り裂く銀色の軌跡――しかし、獣型兵器の鋼鉄の顎がそれを阻む。
「おっと…速いな」
寸前で軌道を変え、レウス・Aはビルの残骸を蹴って後方へ飛ぶ。
ヘルハウンドの目が赤く輝き、さらなる攻撃の予兆を見せた。
「よそ見してる場合か?」
ズガァン!
ショウ少佐のストームキャノンが火を吹いた。
超高速の電磁弾がヘルハウンドの肩部を貫き、スパークを散らす!
「ほぉ、やるじゃねぇか」
ジャギー・ザ・リーパーが高みから見下ろしながら、不敵に笑う。
「だが、そいつはまだ"本気"じゃねぇ」
「は?」
次の瞬間、ヘルハウンドMk-Ⅱの背部装甲が展開し、隠された追加兵装が姿を現した。
――ミサイルポッド、ガトリング砲、プラズマエミッター
「フルバースト、起動。」
廃墟の闇が爆炎に包まれた。
猛攻――アズール連邦の介入
「…フン、バケモノじみた兵器だな」
ランバルドが舌打ちしながら、物陰へと飛び込む。
ガトリング砲の掃射がコンクリートの壁を粉砕し、爆風が周囲を巻き込む!
「…なるほどな、こういう戦い方をする連中か」
ショウ少佐は冷静に戦況を分析する。
だが、ヘルハウンドMk-Ⅱの火力は圧倒的だった。
「チッ…俺たちだけじゃキツいな」
レウス・Aが苦々しく呟いたその時――
「だったら、援軍を呼ぶまでだろ?」
突如、上空に青と白の閃光が走る!
「"アズール連邦"、戦線に介入する!」
ビルの上から、スナイパーライフルの射撃が放たれる!
鋭い青い閃光がヘルハウンドのミサイルポッドを破壊し、爆発が広がった!
「テメェら、何者だ!?」
ジャギーが驚愕する中、空を切り裂く戦闘機の音が響く。
そこに降り立ったのは――
アズール連邦の精鋭部隊
青と白の軍服に身を包んだ少女たちが、機動ブーツの着地音を響かせながら地上へと降り立つ。
その中央に立つのは、アズール連邦のトップの一人――
「私たちがこの空の秩序を正す。」
青い髪を靡かせ、冷徹な瞳で戦場を見つめる少女がいた。
「アズール連邦・第一航空部隊隊長、"セリア・エアハート"。指示を出す。」
ヘルハウンドMk-Ⅱ vs ショウ少佐たち & アズール連邦――
戦場は、さらに激化する!*
第3話「青の閃光、空より来たる!」
――秩序なき空に、正義の裁きを。
グリムバウンズ、最期の抵抗
ヘルハウンドMk-Ⅱの咆哮が戦場に響く。
だが、既にその装甲はボロボロに剥がれ、機能停止寸前だった。
「まだやれるか…クソが…!」
ジャギー・ザ・リーパーは血まみれの顔を歪めながら、ヘルハウンドの操縦系を叩く。
しかし、その時――
「終わりだ。」
ショウ少佐のブリッツブレードが一閃!
青い雷光が走り、ヘルハウンドのコアを真っ二つに両断した。
――ドォン!!
*
機械獣は爆発と共に沈黙し、瓦礫の山となる。
「チッ…!」
ジャギーは即座に逃走を図るが――
「追撃する!」
アズール連邦の狙撃手が狙いを定める。
そして――
パンッ!
乾いた銃声と共に、ジャギーの足が弾かれた。
「グッ…!?」
膝をついた瞬間、レウス・Aのブレードが喉元へと突きつけられる。
「さて、どうする?」
「……クソッ、俺の負けだ。」
こうして、グリムバウンズは壊滅した。
だが、これはまだ序章に過ぎなかった。
数週間後――新学園都市の裏の顔
「都市内の武器密輸が増加している。お前たちも聞いているな?」
HARP情報部のオフィスにて、分析官がデータを映し出す。
画面には、違法兵器の取引記録と、それを裏で操る新たな組織の名が映っていた。
「ミッドナイトクロウ」
それは新学園都市の影で暗躍する闇の組織。
密輸、違法兵器取引、暗殺――都市の裏社会を支配する犯罪集団だった。
「そいつらが今回の敵ってわけか。」
ショウ少佐は腕を組み、映像を見つめる。
「そうだ。奴らはかなり慎重に動いているが、取引の兆候がある。」
「場所は?」
「東地区の廃倉庫街だ。……ただし、確証はない。」
ショウ少佐はしばらく考えた後、立ち上がった。
「なら、"確証"を掴みに行くとしよう。」
情報屋・エリス・ナイト
「アンタら、マジで厄介事が好きね。」
バーのカウンターでウイスキーを片手に笑うのは、情報屋・エリス・ナイト。
銀髪のロングヘア、赤いドレスに身を包み、妖艶な雰囲気を纏う女だ。
「お前の得意分野だろ?ミッドナイトクロウの動きを知りたい。」
ショウ少佐が問いかけると、エリスは煙草をくゆらせた。
「いいわ。その代わり、後で"貸し"にするわよ?」
「状況次第だな。」
エリスは苦笑しながら、封筒を差し出す。
そこには、ミッドナイトクロウのアジトの情報が記されていた。
「気をつけなさいよ。奴らのボス、"クロウ・ヴァルツ"は手強いわよ。」
「肝に銘じておく。」
封筒を受け取り、ショウ少佐はバーを後にした。
潜入――ミッドナイトクロウのアジト
東地区・廃倉庫街
闇に紛れて潜入するショウ少佐。
倉庫内では、黒服の男たちが密かに兵器の取引を行っていた。
「最新の戦闘用アンドロイドだ。HARPの連中にバレずに持ち込んだぜ。」
「上出来だ。これで、我々の"次の計画"も――」
ドンッ!!
突如、倉庫の天井が砕ける!
青い閃光が舞い降り、ショウ少佐が着地した。
「残念だったな。もうバレてる。」
「……誰だ貴様ッ!!」
「青空のショウ少佐。貴様らを一掃しに来た。」
クロウ・ヴァルツ登場
「ふむ、随分と派手にやってくれるじゃないか。」
闇の中から、男が姿を現す。
漆黒のコートを纏い、鋭い瞳でショウ少佐を見据える男――
「ミッドナイトクロウの頭目、クロウ・ヴァルツだ。」
彼が手を挙げると、倉庫内に隠れていた無数のアンドロイドが起動する。
「戦闘用アンドロイド・"ナイトレイブン"、起動。」
金属の爪を持つアンドロイドたちが、一斉にショウ少佐へ襲いかかる!
「フッ…いいね。相手に不足はない。」
――"アズールウィング、ブースト起動。"
ショウ少佐は空中へと跳び、戦場を駆ける!
鋼鉄の爪が宙を裂き、ブリッツブレードが閃く!
超高速戦闘が、今始まる――!
第4話「闇を裂く青い刃」
――都市の闇に舞う、青の閃光。
ミッドナイトクロウの迎撃
「ナイトレイブン、全機迎撃!」
クロウ・ヴァルツの命令が飛ぶと同時に、
アンドロイド兵たちが一斉にショウ少佐へ襲いかかる!
シュンッ!
金属の爪が高速で振り下ろされるが――
「遅い!」
ショウ少佐は「アズールウィング」を展開し、瞬時に空中へ回避。
続けざまに振動剣「ブリッツブレード」を振るい、一体を真っ二つにする!
「チッ…こいつ、速いな!」
クロウ・ヴァルツは舌打ちしつつ、アンドロイドの追加投入を指示する。
「どうした?この程度で俺を仕留められると思っていたのか?」
ショウ少佐は不敵に笑い、次の一撃を叩き込む!
超高速戦闘――ブリッツブレード VS ナイトレイブン
ザンッ!!
振動剣がうなり、二体目のナイトレイブンを両断。
だが、残りの機体がショウ少佐を囲むように展開する。
「包囲網を敷け!」
クロウの指示により、アンドロイドたちはショウ少佐の逃げ道を完全に封じる。
だが――
「甘いな。」
ショウ少佐は、ニヤリと笑う。
「アズールウィング・アクセルブースト!」
――ゴオオオオッ!!
瞬間、青い光の残像を描きながら、ショウ少佐が加速する!
目にも止まらぬ速度で包囲網を突破し、逆に敵の懐へ飛び込む!
「なっ――!?」
ドォン!!
衝撃と共に、アンドロイドが吹き飛ぶ!
ショウ少佐は、超高速戦闘を展開しながら次々と敵を撃破していく。
「貴様らの武器、悪くはない。だが――」
「俺の戦場(そら)には届かない!」
クロウ・ヴァルツの切り札
「なるほど…たしかに速いな。」
クロウ・ヴァルツは静かに呟きながら、一つのスイッチを押した。
「では、コイツでどうだ?」
ガコン!ガコン!
倉庫の奥から、重々しい機械音が響く。
暗闇の中から姿を現したのは――
「ナイトレイブン・コマンダー」
通常のアンドロイド兵とは一線を画す、巨大な戦闘機体。
全身を装甲で覆い、両腕には電磁クローを装備。
背部に推進装置を搭載し、空中戦すら可能なカスタムモデル。
「貴様一人に好き勝手やらせるわけにはいかんのだよ。」
クロウ・ヴァルツは高らかに笑いながら、コマンダーの起動コードを入力する。
「ナイトレイブン・コマンダー、戦闘開始。」
青い眼光が光り、戦闘モードが起動――
ショウ少佐 VS ナイトレイブン・コマンダー
「ふっ、面白い!」
ショウ少佐は笑みを浮かべ、即座に構えを取る。
コマンダーが地面を蹴り、一気に加速!
その巨大なクローが、ショウ少佐へ襲いかかる!
「ブリッツブレード・マッハスラッシュ!」
ショウ少佐は迎撃に出るが――
ガギィィィン!!
衝撃!
ブリッツブレードが、コマンダーの装甲に弾かれる!
「ほう、耐えるか…!」
「この機体の装甲は特殊合金製だ。貴様の剣が通用するかな?」
クロウ・ヴァルツの余裕の笑み。
だが、ショウ少佐は冷静に戦況を分析する。
「装甲が硬いなら、他の方法を試すまでだ。」
ショウ少佐は、ブリッツブレードを収め――
「ストームキャノン、起動!」
ドォンッ!!
青い電磁エネルギーが炸裂し、砲撃がコマンダーを直撃!
「……!? 装甲が歪んだ!?」
クロウ・ヴァルツが驚愕する。
「フッ…この電磁砲、装甲を無視して内部構造にダメージを与えるんだよ。」
ショウ少佐は一気に勝負を決めるべく、空中へと舞い上がる!
「ブリッツブレード・超加速!」
――ヒュンッ!
目にも止まらぬ速度で接近し、コマンダーのコア部分を一刀両断!
ズバァァァン!!!
コマンダーの機体が爆発し、崩れ落ちる!
クロウ・ヴァルツの撤退
「クソッ…!」
クロウ・ヴァルツは悔しげに歯を噛みしめる。
だが、既に戦況は決した。
「降伏するか?」
ショウ少佐が問うが――
「ハッ…まさか。」
クロウ・ヴァルツは煙幕弾を投げつける!
――シュウウウウッ!!
視界が白く染まり、ショウ少佐が姿を見失う。
「フン、今回はここまでだ。」
クロウ・ヴァルツは、影へと姿を消した。
戦いの余波
翌日、HARP情報部はミッドナイトクロウの武器密輸ルートを完全に封鎖した。
しかし、ボスであるクロウ・ヴァルツは逃亡中。
「まあ、いずれまた現れるだろうな。」
ショウ少佐は、青い空を見上げながら呟いた。
その時――
「少佐、報告が入った!」
HARPのオペレーターが駆け寄る。
「都市北部で、謎の兵器が目撃されたらしい。」
「ほう?」
ショウ少佐は微笑みながら、次の戦場へと思いを巡らせるのだった――
第5話「青の戦場、響く銃声」
――その兵器は、かつての戦争の亡霊。
謎の兵器「ガルムシリーズ」出現
新学園都市・北部地区。
そこは元々軍事工場が立ち並ぶ産業エリアだったが、
都市再開発のため、現在は廃工場が点在するゴーストタウンとなっている。
その寂れたエリアで、謎の兵器が目撃された――。
「……確認できたか?」
ショウ少佐はHARPの偵察部隊からの報告を受けながら、双眼鏡で目標を覗き込む。
「……間違いない。旧戦争時代の機体、ガルムシリーズだ。」
「ガルムシリーズ?」
「30年前の戦争で使用されていた、自律戦闘兵器だ。」
「AIによる独自の戦術判断が可能な機体だが、戦争終結後は全機破棄されたはずだった。」
「なのに、なぜこんなところに……?」
ショウ少佐は眉をひそめる。
――そして、その時だった。
「ガルルルル……!」
低く唸るような駆動音が響き、
ガレキの中から巨大な四足歩行兵器が姿を現した!
自律戦闘兵器「ガルム・ヴァイス」
全長7メートル、全高3メートルの四足歩行兵器。
その姿はまるで狼のようなフォルムをしており、
装甲の各部には無数のバーニアが搭載されている。
「ターゲット・ロックオン。」
電子音声が響くと同時に、
ガルム・ヴァイスの背部に搭載されたキャノン砲がショウ少佐を照準する!
「……面倒なことになったな。」
ショウ少佐は苦笑しながら、アズールウィングを展開!
「仕方ねぇ、少し暴れるか!」
ショウ少佐 VS ガルム・ヴァイス
ズドォォォン!!!
ガルム・ヴァイスのキャノン砲が火を吹く!
超高速のエネルギー弾がショウ少佐を狙うが――
「アズールウィング・アクセルブースト!」
ショウ少佐は超高速で回避し、上空へ舞い上がる!
「この鈍重な機体に、俺を捉えられると思うなよ!」
彼は瞬時に距離を詰め、振動剣「ブリッツブレード」を振るう!
「マッハスラッシュ!!」
剣閃がガルム・ヴァイスの装甲に叩き込まれる――
だが、
ガギィィィン!!!
「……クソッ、固いな!」
ガルム・ヴァイスの装甲は、高密度ナノメタル合金製。
通常の兵器では容易に破壊できない防御力を誇る!
「なら――」
ショウ少佐はブリッツブレードを収め、ストームキャノンを構える!
「ストームキャノン、最大出力!」
バシュウウウウウッ!!
青い雷撃が走り、ガルム・ヴァイスの装甲に直撃!!
バチバチバチバチ!!!
ガルム・ヴァイスの表面にひび割れが走る!
「……よし、いける!」
ショウ少佐がトドメを刺そうとしたその瞬間――
ガルム・ヴァイスの「目」が、赤く輝いた。
「……ッ!?」
ガルム・ヴァイスの暴走
「ターゲット……抹殺……」
ガルム・ヴァイスのAIが異常な反応を示す。
すると、四肢のバーニアが全開になり――
――ドゴォォォン!!!
突如、超高速で跳躍し、ショウ少佐に襲いかかる!!
「なにィ!?」
予想以上の機動力!
ショウ少佐は急旋回して回避するが、
ガルム・ヴァイスは高速移動を繰り返しながら追跡してくる!
「クソッ、こいつ……!」
まるで「獲物を追い詰める狼」のように、
ガルム・ヴァイスはしつこくショウ少佐を追い詰めてくる!
乱入者――ランバルド・グリッケンス
「ついやっちゃうんだ☆」
突如、どこからか軽快な声が響く。
「……ッ!? 誰だ!?」
ショウ少佐が驚きの声を上げると、
上空から光の弾丸が放たれ、ガルム・ヴァイスの脚部を吹き飛ばした!
ドガァァァン!!!
その瞬間、建物の上から一人の男が飛び降りてくる。
「ランバルド・グリッケンス」
赤と黒の戦闘服を身に纏い、派手な帽子を被った男。
彼はニヤリと笑いながら、二挺拳銃をクルクルと回す。
「ガルムシリーズか……懐かしいなァ。」
「さて、青空の少佐さんよ……こいつ、どう料理する?」
ショウ少佐は、一瞬だけ警戒しながらも、微笑を浮かべる。
「フッ……助け舟か? 面白い。」
「なら、手を貸してもらおうか。」
――青と赤、二人の戦士が、共闘する時が来た!
次回、第6話「蒼と紅の共闘」
ランバルド・グリッケンスとショウ少佐、異色のタッグが結成!
暴走するガルムシリーズに、二人の銃弾が火を吹く――!
最終更新:2025年02月28日 20:18