6話「蒼と紅の共闘」
――狼は吠え、蒼と紅が交差する。
共闘、始まる
「……で、俺に手を貸せってわけか?」
ランバルド・グリッケンスは軽く帽子を直しながら、二挺の拳銃を構えた。
一方、ショウ少佐はストームキャノンをチャージし、戦闘態勢を取る。
「お前が勝手に飛び込んできたんだ。好きにしろ。」
「ハッ、つれねぇなァ。ま、そっちの方が燃えるってもんだぜ!」
ガルム・ヴァイスは未だ健在。
脚部を吹き飛ばされたものの、残った二脚でバランスを保ち、狩りを続ける狼のように睨みつけてくる。
「ターゲット・ロックオン……排除開始。」
ガルム・ヴァイスの赤い光学センサーが光り、
背部から無数のミサイルポッドが展開される!
「ミサイルの雨、避けられるかァ?」
ランバルドは口笛を吹きながら、
腰から一本の細身の剣を抜き取る。
その刃は血のように紅く染まっていた。
「そっちの空の少佐さんよォ、派手に行こうぜ!」
「あぁ、構わん。空の果てまで、俺の戦場だぜ!」
ミサイル発射――!!
ドォォォォン!!!
無数のミサイルが炎を上げながら発射される!
だが――
「アズールウィング、フルブースト!」
ショウ少佐が一瞬で上空へ躍り、ミサイルの死角に回り込む!
「ストームキャノン、最大出力!」
バシュウウウウウ!!!
雷撃の砲撃が、次々とミサイルを迎撃する!
「こっちも負けてられねぇな!」
ランバルドは紅い剣を回転させながら、
目にも止まらぬ速さで斬撃を繰り出す!
「カーネイジ・スラッシュ!!!」
刃の衝撃波が空を裂き、爆発寸前のミサイルを一刀両断!!
「フン……いい腕だな。」
ショウ少佐は感心したように呟く。
「お前さんほどじゃねぇよ、少佐さんよ。」
ニヤリと笑うランバルド。
ガルム・ヴァイス、最終モードへ
しかし――
「フェーズ2、起動。」
ガルム・ヴァイスのコアが青白く発光し、
機体全体にエネルギーフィールドが展開される!
「……自己修復機能持ちかよ。」
ショウ少佐が舌打ちする。
「ターゲット……抹殺……」
四肢が新たに再構築され、装甲が一段と硬化していく。
「こいつ……まるで"誰か"が意図的に設計したみてぇな動きだな。」
ランバルドが呟いた瞬間――
「ターゲット名称:"アズール" 確認」
「ターゲット名称:"グリッケンス" 確認」
「照合結果――識別コード、「黒-47」……」
「……なんだと?」
ショウ少佐とランバルドは顔を見合わせる。
識別コード、「黒-47」――。
「黒」――それは、あの男を連想させる言葉だった。
「黒」の影――黒城の気配
「黒-47……妙なコードネームだな。」
ショウ少佐は考え込む。
「いや……これはまさか――」
ランバルドの目が険しくなる。
「……"黒城"の仕業か?」
「……黒城……?」
ショウ少佐がその名前を口にすると、
まるで呼応するかのようにガルム・ヴァイスが突進してくる!!
「クソッ!考えてる暇はねぇな!」
ショウ少佐はすぐさま回避し、
ストームキャノンをフルチャージする!
「ランバルド、連携するぞ!」
「おうよ!」
「ブルーストーム・コンビネーション!!」
ショウ少佐の雷撃砲と、
ランバルドの紅の斬撃が交差する!
「撃ち抜けええええええ!!!!」
ドガァァァァン!!!!
蒼と紅のエネルギーが融合し、
ガルム・ヴァイスのコアを直撃――!!
ガルム・ヴァイス、機能停止。
戦いの終わり、そして新たなる脅威
「……ふぅ。」
ショウ少佐はアズールウィングを収め、地面に降り立った。
「お前さん、なかなか楽しいじゃねぇか。」
ランバルドは剣を鞘に戻しながらニヤリと笑う。
「……"黒-47"の件、調べる必要がありそうだな。」
「フン……面倒なことになりそうだ。」
「黒」。
それが意味するものとは一体――?
新たなる脅威が、暗闇の中で蠢いていた。
第7話「新学園都市の影」
――コード「黒-47」。それは、この都市に潜む"歪み"の証明だった。
HARPの分析、コード「黒-47」の正体
「……コード解析は順調か?」
ショウ少佐はHARPの情報部が設けた分析室で、
巨大なホログラムスクリーンを見つめていた。
「……おい、少佐。これはただの戦闘AIのコードじゃないぞ。」
ターミナルの前でキーボードを叩いていたのは、
HARPの解析官フィオナ・ウィットリー。
「"黒-47"は、元々"学園都市"のセキュリティプロトコルに組み込まれていたコードだ。」
「……つまり?」
「このコードは、"何者か"が学園都市のシステムに干渉し、
特定の"敵対対象"を識別するために設定されたものだ。」
「敵対対象?」
ショウ少佐は眉をひそめる。
「"黒-47"のターゲットには、アズール連邦、HARP、そして……」
「お前の名前が登録されていた。」
「……!」
ショウ少佐はフィオナの言葉に息をのむ。
「どういうことだ……俺が"標的"だったってのか?」
「少佐……このコードを仕組んだのは、"学園都市の中枢"か、それとも……」
「黒城か……?」
アズール連邦との接触
「なるほどな。つまり、お前さんは"何者か"に狙われてるってわけだ。」
ランバルド・グリッケンスが帽子を被り直しながら言った。
「……それで、アズール連邦がどう関わってくる?」
ショウ少佐は腕を組む。
「アズール連邦は、学園都市と関係が深い。
それに、あいつらは"都市の影"に詳しいらしいぜ。」
「ふん……そう都合よく情報をくれるかどうか。」
「ま、それは"交渉次第"ってやつだ。」
アズール連邦――トップとの会談
アズール連邦の拠点「ブルースカイ・ハイ」は、
学園都市の中心部にそびえる巨大なタワーだった。
「おっと、噂をすればお出ましってか。」
ショウ少佐とランバルドがエントランスに足を踏み入れると、
すでに"彼女たち"が待ち構えていた。
アズール連邦のトップ、五人の少女たち――。
その中央に立つのは、リーダーのエリナ・アズール。
青い髪を靡かせながら、静かにショウ少佐を見つめる。
「"青空のショウ少佐"、あなたがここに来るとはね。」
「……知っていたのか?」
「ええ。"黒-47"のコードについてもね。」
「アズール連邦は、"この都市の闇"を知っている。」
ブルースカイ・ハイ――アズール連邦本部
「"青空のショウ少佐"、あなたがここに来るとはね。」
青く煌めく瞳を持つ少女が、ショウ少佐を見据える。
アズール連邦の統括者、ブルーグレア――エリス・アズール(別名シエラ・アズール)。
アズール連邦創設者の直系にして、冷徹な指導者だ。
「……知っていたのか?」
ショウ少佐が問うと、エリスは静かに頷いた。
「ええ。"黒-47"のコードについてもね。」
周囲には、彼女と並び立つ**四人の"耀"(グレア)**たちの姿がある。
「紅耀(レッドグレア)」ヴェルナ・イグニス──軍事・防衛担当。
「白耀(ホワイトグレア)」セレスティア・アルバス──科学技術、HARP総責任者。
「紫耀(パープルグレア)」ルミナ・ヴァイオレット──内政・経済担当。
「金耀(ゴールドグレア)」エリカ・オリハルコン──外交・情報担当。
アズール連邦の"ファイブスターズ"、この都市を支配する五本の柱。
「少佐。私たちに何を求めてここへ?」
紅耀ヴェルナが腕を組みながら尋ねる。
「"黒-47"の情報だ。このコードは、おそらく"色彩の者"に繋がる……。」
「色彩の者……」
ホワイトグレア・セレスティアが微かに目を細める。
「……やはり、関係していたのね。」
「色彩の者」――都市の裏に潜む影
「"黒-47"の起源は、約10年前に遡る。」
エリカ・オリハルコンが手元のデバイスを操作し、
ホログラムに"黒-47"の解析データを映し出す。
「これは、"学園都市の中枢"に仕込まれたセキュリティコード。
特定の対象を排除するための、"抹消指令"を組み込まれている。」
ショウ少佐はデータを覗き込み、眉をひそめた。
「学園都市のシステムに……"暗殺コード"が仕込まれていた、ってことか?」
「そう。"黒-47"の対象は、我々アズール連邦、HARP、
そして"ショウ少佐、お前"だ。」
「……俺もか。」
「更に問題なのは、このコードの"発信源"だ。」
セレスティアがデータを指差し、重大な事実を口にする。
「"黒-47"の命令を発したのは、"色彩の者"。」
「"色彩の者"……だと?」
ショウ少佐の目が鋭く光る。
「彼らは"学園都市の影"に潜む、真の支配者よ。」
エリス・アズールが静かに告げた。
「そして、黒城が"色彩の者"と繋がっている可能性は極めて高い。」
ショウ少佐の決意
「……なるほどな。」
ショウ少佐は腕を組み、深く考え込んだ。
黒-47のコードは、"色彩の者"によるもの。
そして、黒城がその背後にいる可能性が高い。
「……おいおい、事態がやべぇ方向に向かってんじゃねぇか?」
ランバルド・グリッケンスが軽く帽子を上げながら言った。
「ここまで来た以上、もう引くつもりはねぇよな?」
「当然だ。」
ショウ少佐は静かに拳を握る。
「"色彩の者"を暴き出す。そのためにはまず、"黒城"に繋がる手がかりを探す。」
「そのために、お前はどう動く?」
エリス・アズールが鋭い目で問いかける。
ショウ少佐は微かに笑い、言い放った。
「青空の彼方まで、俺の戦場だぜ。」
第8話「影の動き」
――"色彩の者"の影が、新学園都市に忍び寄る……。
新学園都市・地下区域
都市の下層に広がる"影の街"――そこには、闇の組織、密売人、犯罪者たちが蠢いていた。
ショウ少佐たちは「黒-47」の発信源を探るため、情報屋エリス・ナイトと共にこの地下区域を訪れていた。
「……こりゃまた、随分と腐った場所だな。」
ランバルド・グリッケンスが帽子を押さえながら呟く。
「ここに"黒-47"の発信者がいるのか?」
レウス・Aが警戒を解かないまま問いかける。
「"色彩の者"と繋がる者がいるのは確かだ。」
エリス・ナイトが軽く笑いながら先導する。
「それにしても、ここ最近"変な噂"が流れてるのよね。」
「変な噂?」
「"新たな王が目覚める"とか、"闇が再び動き出した"とかね。」
「……!」
ショウ少佐は、その言葉に嫌な予感を覚えた。
"新たな王"――それが何を意味するのか、まだわからない。
だが、もし"黒城"が関わっているのならば……。
暗黒の者の影
情報を求めて、ショウ少佐たちは地下区域の"黒市"へと足を踏み入れる。
そこでは、見たこともない技術の兵器や、"異様な力"を持つ装備が取引されていた。
その中で、ショウ少佐の目を引いたのは**"黒い炎を纏った剣"**。
「……こいつは?」
「"ナイトフォール・スタッフ"。"黒の預言者"が愛用していた杖の模造品らしいわ。」
エリス・ナイトが小さく呟く。
「黒の預言者……?」
「古代帝国を滅ぼした"暗黒のシド"の異名よ。」
ショウ少佐は剣を見つめながら、不気味な気配を感じ取っていた。
"暗黒のシド"……その名が、なぜ今になって浮上してくる?
まるで、何かが"目覚める"かのように……。
黒城の影
情報を集める中で、ショウ少佐たちは"黒-47"の発信源に繋がるデータを見つける。
「"黒城"……?」
エリカ・オリハルコンがデバイスを操作しながら、驚いたように呟いた。
「どういうことだ?」
「"黒-47"のコードを仕込んだのは、"黒城"の名を持つ者かもしれない。」
「黒城死瞳……!」
ショウ少佐の目が鋭く光る。
「黒城が関与しているのならば、"色彩の者"は確実に動いているな。」
「どうする、少佐?」
ランバルド・グリッケンスが肩をすくめながら尋ねる。
「決まってる。俺たちは"色彩の者"を暴き、黒城の企みを阻止する。」
青空の彼方まで、俺の戦場だ。
第9話「色彩の策謀」
――"青空の彼方まで、俺の戦場だぜ!"
新学園都市・郊外
ショウ少佐たちは、黒-47の発信源を追い、郊外の廃工場へと辿り着いていた。
「……ここが、"黒-47"の通信元か?」
ランバルド・グリッケンスが、鋭い目つきで建物を見上げる。
「だが、どう見てもただの廃墟だぜ?」
レウス・Aがライフルを構えながら警戒する。
「違うわ。」
エリス・ナイトが端末を操作しながら言う。
「ここは"何か"に隠されている。」
次の瞬間、彼女の端末がノイズを発した。
――ガ、ガガ……
"目覚めよ、夢幻の闇に沈め"
「!? これは……!」
突如、工場の内部から黒い霧が溢れ出す。
「気をつけろ! これは"色彩の力"だ!」
ショウ少佐が叫ぶと同時に、黒霧の中から**"異形の影"**が姿を現した。
色彩兵器《The Mirage of Nightmares》出現!
黒霧が形を成し、巨大な影が現れる。
「……化け物かよ。」
ランバルドが剣を構える。
その"モノ"は、まるで巨大な異形の兵士のようだった。
しかし、その姿は"曖昧"で、揺らめいている。
"夢幻の影"……それが"ミラージュ・オブ・ナイトメア"。
「なるほど、幻影を操る兵器ってわけか。」
ショウ少佐がストームキャノンを構える。
「だが、実体がなけりゃ倒せねぇぞ?」
レウス・Aが苦々しく呟く。
その瞬間――
"幻影の刃"**が空間を引き裂き、ショウ少佐たちに襲いかかる!
戦闘開始!
「チッ……厄介な相手だぜ!」
ショウ少佐がアズールウィングの機動力を活かし、空中へと飛び上がる。
だが――
「!? 影が……ついてくる!?」
ミラージュ・オブ・ナイトメアは、影のように分裂しながら襲いかかる!
「これじゃ狙いが定まらねぇ……!」
ランバルドが剣で斬りかかるが、刃は"空を切る"ばかりだった。
「これは"実体"がある瞬間を狙うしかないな。」
レウス・Aがライフルを構える。
「どうやら、攻撃を放つ瞬間だけ"実体化"するようだ。」
「なるほど……なら、カウンターを叩き込む!」
ショウ少佐はストームキャノンをチャージする。
そして――
"青空の閃光"が幻影を打ち砕いた!
黒城死瞳、現る
「フッ……流石は"青空のショウ少佐"だな。」
突如、黒霧の中から**"黒き影"**が姿を現す。
「貴様は……!」
ショウ少佐が振り返ると、そこには黒いローブを纏った男が立っていた。
"黒城死瞳"――バド王国の亡霊、色彩の支配者。
その隣には、冷徹な眼差しの黒城玲美が佇んでいる。
「少し様子を見に来ただけだ。ショウ少佐、貴様がどこまで抗えるか興味がある。」
黒城死瞳が不気味に微笑む。
「……!」
ショウ少佐は即座にブリッツブレードを構える。
しかし――
「今はまだその時ではない。」
黒城死瞳が手をかざすと、彼の周囲に黒霧が渦巻く。
「いずれ貴様も、"色彩の者"の意味を知ることになるだろう。」
次の瞬間、黒城と玲美の姿は消えた。
「……逃げたか。」
ショウ少佐は歯を食いしばる。
次回予告!
ついに現れた黒城死瞳と黒城玲美。
彼らの目的とは何か? そして"色彩の者"とは一体……?
だが、ショウ少佐に休息の暇はない。
次なる敵――暗黒のシドの影が迫る……!
次回、第10話「暗黒の序曲」!
漆黒の炎が、新学園都市を飲み込む――!!
TO BE CONTINUED…!
最終更新:2025年02月28日 20:22