46話 オリオン高等学園の死闘!ハウリン・ウルフ襲来!
荒神六式――その存在が示すものは、あまりにも異質だった。
「……掴めていない。」
彼は玲美とシドを見つめながら言葉を続けた。
「黒の色彩をもってしても、あの兵器の本質を見極めることができん。通常の色彩エネルギーではなく、まるで……異なる法則の力で動いているかのようだ。」
黒城の情報網をもってしても、荒神六式の開発経緯や詳細なスペックは謎に包まれていた。
わかっているのは、
その巨体は数百メートル級。従来の兵器とは比較にならない規模。
黒帝の国の技術で生み出された存在。ロザーが関わっているのは間違いない。
ピジョンofロストを"チリ"にした。これは単なる火力の問題ではなく、兵器の根幹を破壊する何かがある。
その姿は"異形の生物"のようだった。黒城の色彩兵器とも違い、まるで"呪われた神"のような雰囲気を持つ。
黒城は静かに手を組み、低く呟いた。
「ロザーめ……何を企んでいる?」
一方、オリオン高等学園は混乱に包まれていた。
突如襲撃してきたのは、アウトローの中でも名の知れた精鋭部隊、「ハウリン・ウルフ」!
彼らは最新の兵器と高度な戦術を駆使し、学園を制圧しようとしていた。
「おいおい、随分とデカイ獲物が来たもんだな……!」
レウスがモップを構えながら呟く。
「ふん、ついやっちゃうんだぜ!」
ランバルドは帽子をかぶり直し、ハウリン・ウルフの手下たちを睨みつけた。
だが、その戦場にさらなる"異質"が現れる。
荒神五式、降臨
突如として、上空を覆うように影が広がった。
「荒神五式」――それはまるで一つの城が飛んでいるかのような巨大兵器だった。
20本の巨大な触手が蠢き、周囲には剣のような構造物が複数浮遊している。
禍々しい存在感が学園の生徒たちを恐怖に陥れた。
「……なんだ、アレは……」
ショウ少佐が思わず呟く。
しかし、荒神五式は何もせずに学園の上空を通過していく。
その巨体が空を静かに滑るたび、まるで世界の終わりを告げる鐘の音が鳴り響いているかのようだった。
ショウ少佐、包囲される!
荒神五式の圧倒的な威圧感に動揺した隙を突かれ、ショウ少佐はハウリン・ウルフの手下たちに包囲されてしまう!
「ククク……"青空のショウ"も、所詮は人間よ。」
リーダー格の男が銃を構え、不敵に笑う。
絶体絶命のこの状況……だが、頼れる仲間がいる!
「SWEEP!」
レウスがモップを振るい、鋭い突風を巻き起こす!
ハウリン・ウルフの兵士たちが吹き飛ばされる!
「ついやっちゃうんだ!」
ランバルドが魔法のような力を使い、ハウリン・ウルフの一部を洗脳!混乱を引き起こす!
「お前たち……!」
ショウ少佐は隙を突いて飛び上がり、空中で電磁レールガンを構えた!
「青空の彼方まで、俺の戦場だぜ!」
ここから反撃開始だ!
一方、オリオン高等学園の戦場が混乱する一方で、黒城たちの本拠地でも異変が起きていた。
黒城俊光、黒城玲美、暗黒のシド、そしてORDOのリーダーであるレイブリックは、荒神五式の飛行映像をモニターで見つめていた。
「……ふざけたものを生み出したものだ。」
黒城は腕を組みながら呟いた。
「ええ……あれは“兵器”の域を超えている……」
玲美の銀の髪が揺れる。
荒神五式、それは黒帝の国が生み出した異形の兵器。
城のような巨体、無数の触手、周囲を浮遊する剣型の構造物――それはまるで恐怖そのものの具現化だった。
ORDOのレイブリックは額に汗を滲ませながら言う。
「俺たちのRP兵器はまだ進化の余地があるが……あんなものとまともにやり合うのは無理だ。」
暗黒のシドはいつもの冷静な態度を崩さず、低く笑った。
「ふん……だが、あれを動かせるということは、ロザーにはまだ隠し玉があるということだ。」
黒城が目を細める。
「……厄介な存在だな。」
一方、荒神五式を遠くから見つめるロザーは、ゆっくりと微笑んだ。
「恐怖を植え付けるには効果がある。」
彼の目には、黒城たちの動揺がはっきりと見えていた。
この戦争は、もはや兵器の数や戦力の大小ではなく、**「恐怖を制する者」**が勝利するのだと――。
第47話:黒き嵐の襲来
バド王国跡地に現れた黒帝兵器
黒城たちの拠点であるバド王国跡地に、突如として**黒帝の兵器「吹雪」が複数出現した。それらはまるで氷の龍のような姿をしており、冷気を纏いながら空を覆う。さらに、より小型な黒帝兵器である「時雨」**も数百機確認された。
「時雨」は魚型とは言い難い流線型をしており、高速機動を活かして空を飛び回っている。それはまるで空を泳ぐ幽霊のような不気味さを漂わせていた。
黒城、玲美、シドの三人は、眼前に広がる黒帝兵器の群れを見て戦慄する。
「……どういうことだ、なぜ黒帝の兵器がここに?」
黒城は険しい表情を浮かべ、玲美とシドも警戒を強める。黒帝の国はバド王国跡地を狙っているのか、それとも何か別の目的があるのか――この謎は彼らを不安にさせた。
一方、ショウ少佐は……
オリオン高等学園では、ショウ少佐率いる部隊が「ハウリン・ウルフ」を撃退することに成功した。激戦の末、学園の防衛は果たされたが、ショウ少佐はまだ何かを探していた。
彼は学園の図書室へと足を踏み入れる。
「……何か手がかりがあるはずだ。」
黒帝の兵器、ロザーの目的、そしてORDOの動き――すべてが混ざり合い、世界は混乱の渦に包まれつつある。この学園の知識が、その謎を解く鍵になるかもしれない。
だが、彼はまだ知らなかった。
遠く離れたバド王国跡地で、黒帝の兵器が動き出していることを――
第48話:色彩と黒帝の戦場
バド王国跡地:黒城 vs 黒帝の兵器
黒帝の兵器**「吹雪」と「時雨」**の猛威がバド王国跡地を襲う中、黒城はすぐさま迎撃態勢を整えた。
「フン……黒帝の兵器を甘く見ていたか。」
彼が繰り出したのは、三種の色彩兵器――
「デファイアント」:強攻型の色彩兵器。巨大な装甲と強靭な腕を持ち、敵を力任せに粉砕する白兵戦仕様。
「ブレン」:砲撃型の四脚色彩兵器。機動力は低いが、広範囲に強力な砲撃を加えられる。重装甲で耐久力も抜群。
「ギルバート」:戦闘機型の高速色彩兵器。蒼眼システムを搭載し、超高速で戦場を駆ける制空戦闘機。
「――時雨の群れを殲滅する。ギルバート、先陣を切れ。」
黒城の命令を受け、ギルバートは一瞬で加速し、上空へと駆け上がる。まるで青い稲妻のように閃きながら、時雨の群れを次々に撃ち落としていった。
一方で、デファイアントは吹雪と肉弾戦を繰り広げ、強靭な拳で氷龍のごとき兵器を打ち砕いていく。ブレンも後方から支援砲撃を行い、黒帝の兵器群に応戦していた。
だが、黒城は違和感を覚えた。
「……奇妙だな。黒帝の軍勢がこれほどの兵器を送り込んでおきながら、ロザー自身の姿が見えない。」
黒帝の狙いは一体――?
オリオン高等学園:ショウ少佐、ORDOの秘密を探る
一方、オリオン高等学園の図書室にいるショウ少佐たちは、ORDOに関する情報を調べていた。
「ORDOの兵器技術……どうやら黒城の色彩兵器のデータを盗んでいた形跡があるな。」
「それだけじゃないぜ、ショウ少佐。」レウスが言う。「ORDOは黒帝の国とも接触している可能性がある。」
「つまり、ORDOは黒帝と黒城、両方の技術を取り込もうとしているってことか?」
「……そうなるな。」
情報を整理するショウ少佐の表情が険しくなる。ORDOが黒城と黒帝の力を狙っているとすれば、彼らが新たな脅威となる可能性は極めて高い。
だが、さらに問題はあった。
「どうやらORDOは『ピジョンofロスト』を失った直後、新たな兵器を準備しているらしい。」
「新たな兵器……?」
「名前は……『オブリビオン・ストライク』。」
ORDOの動きは、まだ始まったばかりだった――。
第49話:仕組まれた監視、迫る脅威
黒城玲美に忍び寄る影
玲美は奇妙な幻覚に悩まされていた。
「……父上……?」
朧げな視界の中、見えるはずのない光景が浮かぶ。滅びるバド王国、そしてかつての自分が歩んだはずの道とは違う可能性。
「私が……違う道を選んでいたら……?」
意識がぼやけ、頭の奥から奇妙なノイズが響く。それはまるで誰かが脳内に入り込んできているような感覚だった。
しかし、玲美は気づいていない。
ロザーは密かに**「冥府のリュウガ」**へ指示を出し、微小型黒帝兵器「脳喰(のうしょく)」を玲美に寄生させていたのだ。
「脳喰」は1cmにも満たない極小の生体機械。寄生した対象の脳神経と同調し、思考や視界の情報をロザーに送る。
これによってロザーは黒城の動向をリアルタイムで把握し、まるで未来を見透かすように行動していたのだ。
「黒城……貴様の一手は、すでに俺の手のひらの上だ。」ロザーは冷たく呟く。
オリオン高等学園:ORDOのRP兵器、迫る
一方、ショウ少佐たちはオリオン高等学園の図書室でORDOの情報を探っていたが、突如警報が鳴り響いた。
「ショウ少佐!外に小型のRP兵器が現れた!」
「来たか……!」
外を見ると、ORDOの小型RP兵器部隊が接近していた。その姿は蜘蛛のような四脚型の機械であり、各機体には長距離レーザー砲とマニピュレーターアームが備えられている。
「スパイダー・レギオン」――ORDOが新たに投入した強襲型RP兵器群だ。
「SWEEP!行くぜ!」レウスが飛び出し、モップを振りかざして突撃。
「俺もついやっちゃうんだぜ!」ランバルドも続く。
ショウ少佐は振動剣「ブリッツブレード」を抜き放ち、前線へと駆ける。
「こいつら、戦闘データを取るつもりか?……そんな暇は与えないぜ!」
ORDOのRP兵器との戦いが始まった――!
第50話:戦線の混迷、蠢く影
黒城軍、猛攻を凌ぐ
バド王国跡地――
黒城が繰り出した色彩兵器たちは黒帝兵器「吹雪」と「時雨」の大軍勢を相手に、壮絶な戦いを繰り広げた。
「この数……まるで悪夢だな。」
黒城は戦況を冷静に分析しながらも、眼前の敵を侮ることはなかった。
氷龍のような姿をした「吹雪」は凍てつくブレスを吐き出し、四方を氷塊で覆い尽くす。その一方で、流線型の「時雨」部隊は爆発的な速度で滑空し、鋭い爪のような刃で色彩兵器を引き裂いていく。
「デファイアント、ブレン、ギルバート……奴らの攻撃を凌ぎつつ、反撃に転じろ。」
黒城の命令のもと、**「デファイアント」は強烈な近接戦闘能力で時雨を迎え撃ち、「ブレン」**は四脚の安定性を活かしながら、強力な砲撃を浴びせて吹雪の装甲を砕いていく。
そして、空を切り裂く一閃――**「ギルバート」**が蒼眼の閃光を放ち、数機の時雨を撃墜した。
「フン……なんとか撃退できたか。」
黒城は眉をひそめながらも、戦場を見渡した。
しかし、これは明らかに異常だ。
黒帝の国がここまでの兵器を短期間で量産して投入できるとは思えない。背後にさらなる策があるのではないか――
「……玲美、無理をするな。しばらく休め。」
幻覚に苦しむ玲美の異変を感じ取った黒城は、彼女を戦場から退かせる判断を下した。
「……父上……」
玲美は反論する気力もなく、ただ黒城の言葉に頷いた。
彼女は気づいていない――己の脳内に「脳喰」が潜んでいることに……。
スパイダー・レギオン戦!
一方、オリオン高等学園の郊外では、ショウ少佐たちがORDOの**「スパイダー・レギオン」**部隊と交戦していた。
「クソッ!数が多すぎる!」
スパイダー・レギオンは四脚の高機動戦闘兵器であり、機体ごとに異なる特殊武装を備えている。
タイプA:レーザー砲搭載型
タイプB:高周波ブレード搭載型
タイプC:EMPジャマー搭載型
「SWEEP!」
レウスはモップを武器に、タイプBの高周波ブレードを叩き落とす!
「お前ら、掃除される準備はできてるかよ!」
一方、ランバルドは次々とタイプAのレーザー砲を避けながら、拳を叩き込む!
「ついやっちゃうんだぜ!」
「ランバルド、後ろだ!」
ショウ少佐が振動剣**「ブリッツブレード」**でタイプCのEMPジャマーを切り裂き、ランバルドの危機を救う。
「助かったぜ、少佐!」
しかし、戦闘はまだ終わらない――ORDOの新たな兵器が、暗闇の中から姿を現す……。
ロザーの策略、黒城の不安、ORDOの兵器――それぞれの思惑が絡み合い、戦場はさらなる混迷を極めていく……!
最終更新:2025年02月28日 20:55