「アシスト力の差」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

アシスト力の差 - (2010/08/28 (土) 03:27:24) の編集履歴(バックアップ)



アシスト力の差

アシスト比の実際と表現

同じメーカー内でもアシスト比はモデルにより異なる
実際のアシスト比率は「1:2」に届かない物が殆ど
アシスト比率の具体的数値が分かる数少ない例として、自転車産業振興協会の2005年レポートにアシスト比率の調査結果が載っている。如何せん事例としては機種が古すぎるが、大まかなイメージが分かる例として下記に引用しておく。

■自転車産業振興協会のアシスト比率調査レポート
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20050406_1.pdf

■勾配4度でのアシスト比率(2005年度旧基準車)
銘柄 時速5 時速10 時速12 時速15 時速20 時速24
エナクルSN 0.88 0.88 0.88 0 0 0
New PAS リチウム 0.83 0.84 0.83 0.23 0 0
New PAS 0.72 0.74 0.64 0.07 0 0
リチウムデラックスビビ 0.58 0.66 0.58 0 0 0
Will ELECTRIC BIKE 0.59 0.63 0.52 0 0 0
※上記の表で例えば「0.88」と記されている場合、「アシスト比率が【1】:【0.88】」を示す。
※モード切り替えのある機種は強モードで計測。

■勾配2度でのアシスト比率(2005年度旧基準車)
銘柄 時速5 時速10 時速12 時速15 時速20 時速24
エナクルSN 0.71 0.74 0.72 0 0 0
New PAS リチウム 0.48 0.53 0.64 0.17 0 0
New PAS 0.64 0.76 0.72 0.16 0 0
リチウムデラックスビビ 0.59 0.59 0.46 0 0 0
Will ELECTRIC BIKE 0.65 0.13 0.13 0 0 0
※現行機種との関係
◆エナクルSN………エネループバイクの旧機種
◆New PAS リチウム……PASの旧機種
◆New PAS………PASの旧機種でニッケル水素
◆リチウムデラックスビビ……ビビの旧機種
◆Will ELECTRIC BIKE……オフタイムの旧機種

  • 上記の表の様に、「アシスト比率が最大【1】:【1】」の旧基準時代でも、多くの車種のアシスト比率は実際は【1】:【0.7】程度で、【1】:【1】に満たない事が分かる。また、法定上は時速24km/hでアシストがゼロになるのだが、実際は時速15km/h~20km/h辺りで実質的なアシストは殆どゼロになっている。そしてアシスト比率には機種による差がかなりある事や、負荷具合や電池の状態等によってもアシスト比率が細かく変化する事も分かる。
  • よく「新基準でアシスト比率“最大”1:2が可能に」と言う一文を見る機会があるが、【1】:【2】はあくまで法律上の上限値を示しているだけであり、実際のアシスト比率は【1】:【1.2】程度が多くて、殆どの車種が【1】:【2】には達していないのが現状。

  • 仮に最大アシスト比が【1】:【2】のモデルでも、常に【1】:【2】の出力が出せる訳では無い。よって、消費者保護法上の不当表示に抵触する可能性を避ける為には、メーカーから公式に「このモデルのアシスト比は1:2」等と具体的数値で明言する事ができない、と言った事情がある模様。
  • この為、電動アシスト自転車の場合は各車種のアシスト比率の具体的数値は非公開となっている。例えばオートバイや自動車ならば、「最高出力:112馬力」等と、パワーを表す目安の指標が公開されるが、電動アシスト自転車の場合はそういった具体的数値を知る事ができない。
  • ヤマハやブリヂストンはアシスト比率の具体的数値の明言を避け、「アシストレベル」や「ラクラク走行レベル」等と、単位の曖昧な目安としての大まかな表現で示している。またパナソニックはアシスト比率に関して完全にマスクデータで各モデル毎のアシスト比率の違いを一切明記しない。




■ヤマハの場合

「アシストレベル」…【アシストの強さ】を6段階評価した目安の値
  • ヤマハの場合は「アシストレベル」という指標で各モデル間のアシスト能力の違いを表している。ブリヂストンの「ラクラク走行レベル」と違いバッテリー容量を評価項目に含めていないが、基本的にバッテリー容量が大きくなればアシストレベルも上がるので、大半はブリヂストンの「ラクラク走行レベル」と似た様な感じとなる。

■ヤマハ全車種:装備・仕様一覧表(PDF書類)
http://www.yamaha-motor.jp/pas/lineup/method/img/spec.pdf

■アシストレベルとアシスト比の関係イメージ
※「推定アシスト比率」の項目は仮の予想値。実際の値がこの数値になっている訳ではない。
アシストレベル 推定アシスト比率 電池容量
★★★★★★ 【1】:【1.8】位? 8.1Ah
★★★★★☆ 【1】:【1.6】位? 8.1Ah
★★★★☆☆ 【1】:【1.4】位? 8.1Ah、6.0Ah
★★★☆☆☆ 【1】:【1.2】位? 4.0Ah、2.9Ah

■各モデル別アシストレベル
★★★★★★ リチウムLスーパー、City-SリチウムLスーパー、等
★★★★★☆ パスGEAR、等
★★★★☆☆ リチウムM、リチウムL、City-Mリチウム、ラフィーニ、リトルモアリチウム、等
★★★☆☆☆ パスブレイス、パスブレイスL、リチウムT、リチウムS、City-Sリチウム、City-Fリチウム、City-Xリチウム、City-Cリチウム、コンパクトリチウム、ワゴンリチウム、等
  • ヤマハ&ブリヂストン製の車種は全てモーターが車体中央に有る。そして高耐久型ハブ搭載機種以外は、非電動の普通自転車と同じ内装変速ハブ「SG-3R40」等を使っている。元々電動のパワーを想定していない強度設計なので、通常の内装変速ハブ搭載車種は、最大アシスト比率を1:2近くまで高められないという事情がある。
  • 2010年より高耐久型ハブSG-3R75」が登場し、同時にチェーンやリアスプロケ等の駆動系部品も従来より太くて頑丈な高耐久型にしたモデルが登場した。これにより1:2に近いパワーを掛けても耐久性を確保できる様になった。★×6の上位モデルの高耐久型ハブ搭載型は、アシスト比率を最大値1:2近くまで高めている。
  • 一方、小容量のモデルはハブの耐久性への安全マージンや、航続距離を稼ぐ目的から出力を抑え目にされ、アシスト比は【1】対【1.2】位に抑えていると推定される。その為、安いモデルを買うと上位モデルに比べてアシスト力の面では弱くなる事がある。

  • 耐久性の問題だけでなく、パワーと航続距離は反比例する関係にあり、日常使用では高いアシスト比よりも航続距離の方が大事な事が多い点も挙げられる。急坂が無ければ旧基準アシスト比率でも十分乗り切れる場合も多く、徒にパワーを求めるよりも適切なパワーで長時間走れる方が実用的であり、その意味で全ての車種が1:2に近いパワーを持つ必要は無いとも言える。
  • 特にバッテリー容量が少ない車種は、現状でも例えば2.9Ahモデルはパワーモードでたった11kmしか無い。これ以上アシスト比率を上げると、もはや自転車として実用レベルの航続距離を保てなくなる。どの道バッテリー容量が少ないと、アシスト比率も低くなるのは必然の事情とも言える。

  • アシストレベルが高いのは、業務用高耐久型タイプや、ママチャリ型の上位機種に多い。ママチャリ型の上位機種のアシスト比率が高いのは、内装3段の幅の狭いギア比で強烈な急坂に対抗する為や、筋力の低い年配の人や女性の使用も想定している為と思われる。
  • 逆にスポーツタイプは比較的低めのアシストレベルになっている。「スポーツモデル購入者には比較的脚力のある人が多く、脚力があるとモーター出力も比例して高くなる」「しかし現時点では高耐久型内装3段ハブに相当する高負荷対応設計の多段変速が存在しない」「内装8段や外装8段の広いギア比なら、アシストだけに頼らなくても急坂にもある程度対応できる」「健康維持目的の長距離通勤など、低速パワーよりも航続距離が重視される用途に使われる機会が多い」等が主な要因と思われる。
  • スポーツタイプ車体性能(主にギア比とホイール性能)の高さもあり時速24km/hにはすぐ達してしまうので、「坂道と発進でのアシストだけ必要で、後はある程度自分で漕ぐから航続距離が一番欲しい」という要望が増える使い方になり易い。

  • アシスト比が最大となるのは、走行モードが「強モード」の場合となる。標準モードでは全体的にアシスト比率がが下がり、オートエコモードプラスでは下り坂や平地の低負荷状態でのアシストを無くして節電を行っている。
  • ヤマハやブリヂストンの走行モードの傾向として、最大アシスト比1:2の上位モデルは「強モード」と「標準モード」の間で、パワーと航続距離の差が大きいのが特徴。強モードは多少の航続距離を犠牲にしてでもパワーが欲しい時に使い、標準モードは全体的にパワーは落ちるが航続距離との両立を図りたい場合に使う等、かなりメリハリの効いた落差があるので、状況に応じて使い分けをする形になっている。
  • また踏み込みトルクに応じてアシストの強さが変わる度合いも大きい。発進時に踏み込む力の強弱を変えた際のアシストの強弱の差が分かり易い。脚力の高い人が力強く踏むと、アシスト比の低いスポーツモデルでも発進に比較的大きなトルクを引き出せる。逆に脚力が極端に低いとモーターの力をフルに引き出せない事もある。


ヤマハ部品情報検索HP

■ヤマハ部品情報検索(パーツリスト)
http://www.yamaha-motor.co.jp/parts-search/index.jsp
各モデル・各年式毎に使われているパーツを調べられる
各パーツ単位で個別に注文・購入が可能
  • ヤマハの公式HPにはパーツ検索サイトがあるので、各年式、各モデル毎に使われているパーツの違いを調べられる
■各モデル毎の部品の違い
年式 モデル名 型番 モーター型番 コントロールユニット型番
2010 リチウムS PZ26LS X21-81890(10,080円) X65-86500(7,770円)
2010 リチウムM PZ26LM X21-81890(10,080円) X67-86500(9,030円)
2010 リチウムL PZ26LL X21-81890(10,080円) X67-86500(9,030円)
2010 リチウムLスーパー PV26LL X45-81890(10,920円) X68-86500(18,690円)
2010 ブレイス PV26S X45-81890(10,920円) X63-86500(18,669円)
2010 ブレイスL PV26SL X45-81890(10,920円) X63-86500(18,669円)
2009 PAS GEAR PV26B X45-81890(10,920円) X60-86500(18,669円)
  • 上記検索結果から、リチウムS、M、Lには型番の同じモーターが使われていて、リチウムMとLには同じコントロールユニットが使われていると分かる。この事と上記「アシストレベル」の結果と照らし合わせると、アシスト力は「リチウムS≦リチウムM≒リチウムL」と推定できる。
  • 高耐久型ハブ対応のリチウムLスーパーと、スポーツモデルのブレイス&ブレイスLと、業務用のPAS GEARは、同じ型番のモーターが使われていて、ヤマハ公式HPに記載されている「耐久性、静粛性などを向上させたアルミケース製の新設計ドライブユニット」が使われている点と合致する。また、ブレイスとブレイスLは同じコントロールユニットが使われているので、「アシストレベル」の項目が同じ点と合致する。

  • なお、上記部品検索HPは部品の購入も可能なので、壊れた部品だけ取り寄せて自分で修理すると言った使い方ができる(もちろん自己責任になるが)。特殊な使い方では、「自分の車種は白いプラスチックカバーだが、同じ形で別モデルの黒いカバーの部品を取り寄せて、外見をブラックパーツにカスタマイズ」と言った事も可能。



■ブリヂストンの場合

「ラクラク走行レベル」…【バッテリー容量】と【アシストの強さ】を総合した評価
  • ブリジストンの場合は「ラクラク走行レベル」という指標で各モデル間のアシスト能力の違いを表している。ヤマハの「アシストレベル」と違い、バッテリー容量も評価内容に含めた指標となっている。大まかにはバッテリー容量とアシスト比率は比例関係にあるので、電池容量が大きければアシスト比率も大きくなり、ラクラク走行レベルの値が高くなると思って良い。

■ブリジストン全車種:スペック一覧表(PDF書類)
http://www.assista.jp/lineup/pdf/spec_list.pdf

■ラクラク走行レベルの主な内容
ラクラク走行レベル 電池 公式HP表記
★★★★★★ 8.1Ah 最大容量・新最高出力タイプ(ロイヤルクラス)
★★★★★☆ 8.1Ah 最大容量・最高出力タイプ(ハイクラス+ロングライド)
★★★★☆☆ 6.0Ah 大容量・最高出力タイプ(ハイクラス)
★★★☆☆☆ 4.0Ah 大容量・高出力タイプ(ミドルクラス)
★★☆☆☆☆ 2.9Ah 標準容量・標準出力タイプ(スタンダードクラス)

■各モデル別ラクラク走行レベル
★★★★★★ アシスタリチウムロイヤル、A.C.L.ロイヤル、等
★★★★★☆ リアルストリームDX、アシスタビジネス、等
★★★★☆☆ アシスタリチウムDX、ボーテアシスタ、アンジェリーノアシスタDX、等
★★★☆☆☆ リアルストリーム、アシスタリチウム、アシスタスティラL、A.C.L.、ベルトロE.A.、マリポーサE.A.mini、アシスタリチウムコンパクト、アシスタアンジェリーノアシスタ、アンジェリーノミニアシスタ、等
★★☆☆☆☆ アシスタリチウムライト、ベガスE.A.、等

  • ヤマハの「アシストレベル」と比較すると、バッテリー容量が2.9AhのアシスタリチウムライトとベガスE.A.が★×2になっているが、これはバッテリー容量が4.0Ahより少ない事を加味した評価と思われる。ヤマハとブリヂストンはOEMで殆ど同じ性能な点を考えると、リチウムライトとベガスのアシスト力自体は★×3の4.0Ahモデル達と同クラスと予想される。
  • 同様に、リアルストリームDXもバッテリー容量最大な点が評価されて★×5になっていて、アシスト力は下位のブレイスと同一でバッテリー容量だけ違うと予想される。ただし一般的には、電池残量は電圧に影響を与え、電圧はアシスト力の制御に影響を与え、電池容量はトルクなどに影響を与える傾向があるので、大容量化する事で実質的なパワーが上がる可能性はある。




■パナソニックの場合

アシスト比率の目安になる指標は特に無し
  • パナソニックの場合も、上位機種はヤマハやブリヂストンと同じく高耐久型ハブ等を搭載しており、その駆動系一式を「ラクラクドライブ」と呼称している。「ラクラクドライブ」搭載車種は最大1:2に近いアシスト比率に対応している。また、業務用高耐久モデルや前輪回生モデルも航続距離等から高めのアシスト比率と予想される。
  • 「ラクラクドライブ」以外のモデルに関しては詳細なアシスト比率は非公開で、ヤマハやブリヂストンの様に「アシストレベル」や「ラクラク走行レベル」等の大まかな目安の値も公表していないので詳細は不明。おそらく【1】:【1.2】~【1】:【1.4】前後の機種が多いのではと予想される。
■パナソニックの推定アシスト比
※仮の予想値。実際の値がこの数値になっている訳ではない。
電池容量 推定アシスト比率 車種
ラクラク
ドライブ
搭載車
【1】:【1.8】位? リチウムビビEX、リチウムビビタフネス、
リチウムビビFXスペシャルデザイン、リチウムビビFXシティ、
ビジネスビビ、リチウムビビRX-5U、リチウムビビRX-10S、等
ラクラク
ドライブ
非搭載
【1】:【1.2】位? リチウムビビDX、リチウムビビ・ラッテ、リチウムビビ・アンサンブル、エーガールズ、
アルフィットビビ、リチウムビビNX、リチウムビビSS、リチウムビビSSシティ、
ハリヤ、ジェッター、ラスティック、チタンフラットロードEB、チタンライトEB、
オフタイム、シュガードロップ、イーゼット、リトルビー、リチウムViVi20、等

  • 体感では、ビビEXではペダル1回転後にグワッと太いトルクが盛り上がる感じがあり、DXになるとそれが無くなり漕ぎ出しが普通の自然な立ち上がりとなる。パナソニックのアシストの特徴として、ペダルの1回転目から強いトルクが盛り上がるのではなく、徐々に力が大きくなる傾向にある。漕ぎ出し直後のペダル1回転目は僅かに控えめで、2回転目以降にアシストが最大になる。踏み込みに対するキビキビしたレスポンスよりも、急発進による事故防止を最優先した制御の仕様と思われる。
  • また、アシスト比1:2に近い最上位機種ではパワーモードと標準モードの航続距離差が少なく、標準モードとエコモードの航続距離差が大きいのも特徴。航続距離はほぼパワーに反比例するので、標準モードでもそこそこアシスト重視で、エコモードがかなり節電重視の設定となっている模様。

  • パナソニックのビビEXはパワーモードと標準モードの差が少なく(+4km差)、標準モードとエコモードの差が大きい(+17km差)。ヤマハのリチウムLスーパーはパワーモードと標準モードとエコモードの差がほぼ等間隔(+7km差)。
■パワー・標準・エコモードの燃費比較
車種名 パワーモード 標準モード エコモード
ビビEX 36km(3.6km/Ah) 40km(4km/Ah) 57km(5.7km/Ah)
リチウムLスーパー 29km(3.5km/Ah) 36km(4.3km/Ah) 43km(5.2km/Ah)




■サンヨーの場合

最大値は【1】:【2】に近く、モデル間でアシスト比に差が殆ど無い
  • 前輪にモーターを搭載しているエネループバイクの場合、後輪ハブにはモーターの負荷がかからないという特徴がある。センターモーター車がアシスト比率を1:2にしない理由の1つに「高出力に設定すると、長年使用した時に後輪ハブ等の耐久性に問題が出る」という点があるが、前輪モーターならフロントフォーク周辺の強度さえ十分なら1:2に近いアシスト比率を実現しやすい。
  • その為、サンヨーの車種はモデル間でのアシストの差が殆ど無く、最大アシスト時は1:2に近い比率が可能となっている。モデル間の違いは装備内容と機能の違いだけで、パワーはどのモデルでもほぼ同じとなる。ただし、「バッテリー残量、温度、勾配、モーター空転」等の諸条件で細かく制御数値が変わるので、パワーモードなら常に1:2に近い性能が発揮できる訳ではない
■サンヨーの推定アシスト比
※アシストの強さは全車種同じで、パワーモード時に最大【1】:【2】にギリギリ近い値まで出せると予想される。
アシスト比 車種
【1】:【2】近く エネループバイク全車種ともほぼ同じ
(SPF、SPH、SPA、SPL、SPJ、SPK、等)

  • 高耐久ハブ等のコストのかかる部品が使えない低価格モデル帯でも、他社の上位モデル並の高いアシスト比が得られるのは前輪モーター構造の強みと言える。その反面、回生モデルの短所も併せ持つので常にパワーがあるとは言い難い面もある。車体が上を向く登り坂や発進時は後輪に荷重が集中するので前輪のグリップが不足したり、超急坂で前輪が空転しかけるとスリップ転倒を防ぐ安全装置が働いてアシストが停止する場合があり、仕様上の都合でパワーに制限が掛かる場合がある。
  • 2009年モデル時は、エネループバイクが1:2に近いアシスト比に設定したのに対し、同じく回生充電モードを搭載するパナソニックのRX-10Sは1:1の旧基準時代とほぼ同じアシスト比のままだった。2010年モデルではパワーモードと標準モードはほぼ同格の値になり、エコモード時のパワーと航続距離に違いが見られる(RX-10Sの方がパワー控え目で航続距離重視の仕様)。
■2010年モデルの燃費比較
車種名 パワーモード 標準モード エコモード
8Ah搭載エネループバイクSPL 36km(4.5km/Ah) 45km(5.6km/Ah) 55km(6.9km/Ah)
10Ah搭載エネループバイクSPL 45km(4.5km/Ah) 56km(5.6km/Ah) 68km(6.8km/Ah)
10Ah搭載ビビRX-10S 48km(4.8km/Ah) 56km(5.6km/Ah) 97km(9.7km/Ah)




アシスト比率の法定上限

  • 以下の内容は法律上の上限の値に関しての話題であり、各車種の実際の値では無いので注意。法律上の上限値は【1】:【2】でも、各車種の実際の設定値は【1】:【1.2】位の場合が殆ど。

  • アシスト比率」は、例えば新基準で時速10km/h以下だと「人力【1】:電力【2】」等の様に表す。
  • この「アシスト比率」を、「実際には人間が何%負担して、電力が何%負担しているのか?」と言う形で分かりやすく表現する為に、「アシスト補助率」の形で表現する事がある。
「アシスト比率」が「人力【1】:電力【2】」
≒「アシスト補助率」は「人力【33%】:電力【67%】」
  • 上記の2つは同じ内容であり、表現方法が異なるだけである。後者は出力合計を人力+電動=100%とした時にそれぞれが何%の割合になるかを表している。
■アシスト補助率とアシスト比率の算出式
【1】「アシスト補助率」=2-(時速-10)÷7
※ただし時速10km/hまでは常に1:2で固定
【2】「アシスト比率」=「アシスト補助率」÷(補助率+1)×100(%)

■人力と電動アシストの補助比率の割合の目安
時速 新基準
人力分
新基準
電動分
旧基準
人力分
旧基準
電動分
10km/m 33 67 50 50
11km/m 35 65 50 50
12km/m 37 63 50 50
13km/m 39 61 50 50
14km/m 41 59 50 50
15km/m 44 56 50 50
16km/m 47 53 53 47
17km/m 50 50 56 44
18km/m 54 46 60 40
19km/m 58 42 64 36
20km/m 64 36 69 31
21km/m 70 30 75 25
22km/m 78 22 82 18
23km/m 87 13 90 10
24km/m 100 0 100 0
※速度が上がる程人力の負担は増えていき、時速24km/hで電動のアシスト比率は0になる。