A-14:34-00771-01:皆見一二三:リワマヒ国 さん

「ボク」



ここはともて暗い世界、ボクしかいない、なにもない世界
どこか暖かい世界、なぜかはわからないけど暖かい世界
ボクしかいないから考えたことなんて、考えるなんてしたことないけど

ほんのり暖かい―――

たまにボクを呼ぶなにかが聞こえる、意味はわからないけど
ボクしかいないから、聞こえてくるのがなんなのかわからないけど、聞こえてるのかもわからないけど

感じる―――

ボクは手探りで周りを探ってみる、でもやっぱりなにもない
考えたことなんて一度もないから、考える必要なんてない世界だから
ただ漠然と思っただけかもしれない

ここから出てみたいな―――

そのときはじめて世界が変わった気がした
知らなかっただけかもしれないけど、知ろうともしなかったけれど


目の前で白いのがボクを興味深そうに見ている
「はじめまして、ボクは***、今日はボクの日、月溶日。きみの友達さ」
白いのがボクに向けて言ってくる、言っているのかわからないけど、あってるのかわからないけど
「今日はボクの日、月溶日。お話しを聞かせてあげる、今は分からないかもしれないけれど」
「いつか君は分かってくれる、きっと君は思い出す、どんなに暗くてもボクは君と共にあるから」
何を言ってるのだろう、よくわからない、わからないってなんだろう、でも

うれしいな―――

お話しを終えた白いのはボクに
「今日はボクの日、月溶日―――月溶日の終わりはボクの終わり。でもまた会えるから、だからそれまでバイバイ」
そして、白いのはボクの胸のなかに飛び込んで消えてしまった
また一人ぼっち、胸がしめつけられる気分、これはなんだろう

寂しいな―――

そんなボクの前に、今度は赤いのがぐるぐる、ボクのまわりをぐるぐる
「やあやあ、ボクは***、今日はボクの日、火溶日。友達になってあげる」
さっきのとは何かがちがう、何が違うのだろう、あれは何だろう
「今日はボクの日、火溶日。お話しをしようか。今は分からないだろうけど。」
「いつか分かるよ、ボクは君の友達で、協力者。君のこれからの協力者、だからきっと思いだす。」
赤いのは笑ってる、笑うってなんだろう、わからないけどなんだか

うれしいな―――

お話しを終えるとと赤いのはボクに
「今日はボクの日、火溶日―――火溶日の終わりはボクの終わり。でもまた会えるんだ、だからそれまでバイバイ」
赤いのはボクの頭を撫でてくれた気がした、笑いながらボクの胸に飛び込んで消えてしまったけれど
また一人ぼっち、胸はぽかぽかしてるけど、心が震えてる、これはなんだろう

寂しいな―――


青いの、緑の、ピカピカの、薄汚れたの、次々に現れてボクにお話しを聞かせてくれた
お話しが終わるとみんなボクの胸に飛び込んで消えていってしまう
結局ボクは一人ぼっち、寂しいな、寂しいってなんだろう、わからないけど

寂しいな―――

そしてボクは思うことを覚えた


そんなボクの前にまぶしいのがひょっこり現れて言った
「ようこそ、ボクは***、今日はボクの日、日耀日。ボクは君の友達。」
またいなくなっちゃうのかな、それは寂しいな、ボクは心の中で思ってる、思うことを覚えたから
「ボクはいつでも君の友達。さぁお話しをしよう、今は分からないかもしれないけど。」
「ボクは必ずそこにあるから、迷ったときはボクを探してくれればいい。ボクはいつも君とある、ボクは迷うことはないから。」
わからない、わからない、わからないけど

うれしいな―――

お話しが終わるとボクは寂しくなって

いなくなるのは寂しい、だから―――

まぶしいのはけらけら笑っている
「今日はボクの日、日耀日―――日耀日が終わってもボクは終わらない。ボクは常に輝いてるから、さぁ行こう光ある世界に。」
ボクにそっと、まぶしいのが手を伸ばしてくれた
ボクは目を閉じその手をとる

一人は嫌だ、寂しいのは嫌だ―――

一人は寂しい―――



ボクが目を開けた時、目の前には知らないのがいっぱい
「生まれてきてくれてありがとう、本当によかった」
なんだろう、なんて言っているんだろう、聞こえるけどよくわからない
よくわからないけど、喜んでくれているみたい
どうやら、ボクのまわりにはよくわからない、知らないものだらけ、でもみんな喜んでいる

うれしいな―――

うれしいから、どうすればいいんだろう、どうすればいいのかわからないから
ボクはとりあえず思いっきり泣いみてようと思う




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最終更新:2008年06月12日 01:33