サントラ・楽曲別使用状況

オリジナル・サウンドトラック1(or無印)

2023-05-28更新


「名探偵コナン オリジナル・サウンドトラック1」は、発売当初には通し番号がついておらず、後に作られた盤で「1」がつくようになっています。この盤が世に出た頃はコナンが国民的アニメになっていませんでしたが、よくぞこの第一号を出してくれたと思います。感謝!




1.『名探偵コナン』メイン・テーマ

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 1.ジェットコースター殺人事件 10
2.社長令嬢誘拐事件 予告バージョンとセット
4.大都会暗号マップ事件 予告バージョンとセット
5.新幹線大爆破事件 予告バージョンとセット
7.月いちプレゼント脅迫事件
12.歩美ちゃん誘拐事件
14.謎のメッセージ狙撃事件 予告バージョンとセット
17.デパートジャック事件 予告バージョンとセット
24.謎の美女記憶喪失事件
38.赤鬼村火祭殺人事件
’97 52.霧天狗伝説殺人事件 名探偵コナンのおさらい
54.ゲーム会社殺人事件
59.初めてのお使い殺人事件 予告バージョンとセット
82.人気アーティスト誘拐事件(後編) 前編のおさらい・予告バージョンとセット
’98 109.探偵団大追跡事件
128.黒の組織10億円強奪事件
’99 129.黒の組織から来た女 大学教授殺人事件 (6) 名探偵コナンのおさらい
130.競技場無差別脅迫事件(前編) 名探偵コナンのおさらい
131.競技場無差別脅迫事件(後編) 前編のおさらい・1
140.SOS!歩美からのメッセージ
164.月と星と太陽の秘密(後編)
’00 183.危険なレシピ (3)
202.10人目の乗客(後編)
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド 番組イントロ
252.絵の中の誘拐犯
’03 317.汚れた覆面ヒーロー(後編)
322.消えた誘拐逃走車(後編)
’04 349.愛と幽霊と地球遺産(後編)
370.逃げ回るゲームソフト
375.星と煙草の暗号(後編)
’05 396.奇抜な屋敷の大冒険(解決編)
’06 425.ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間 (4) 名探偵コナンのおさらい・1
449.本庁の刑事恋物語 偽りのウェディング
458.園子の赤いハンカチ(後編)
合計34(37)

言わずと知れた名探偵コナンのメイン・テーマである(筆者より上の世代になるが、この曲を聞いて「太陽にほえろ!」を思い出すファンもいるのではないだろうか)。初期のテレビ用に作られただけあり、劇中で使われたメイン・テーマの中では最も使用頻度が高い。
備考欄に7つ「予告バージョンとセット」と表記してあるが、これは当時音響監督だった小林克良氏が、サントラ2のDisc1に収録されている「名探偵コナン」 メイン・テーマ(予告)の締め部分とくっつけて使っていたからである。本来、『名探偵コナン』メイン・テーマは「タッタッタッタ タッタッタッタ」という旋律で終わるが、予告バージョンは音が軽い上に「チャッチャッチャッチャ」と短いためすぐに区別できる。なお、現在リアルタイムで使われている’07バージョンの予告も短く終わるため、予告でない本来のロングバージョンとの区別をつけやすいと思う。
 摩天楼ヴァージョンの登場により一時期使われなくなったが、その摩天楼ヴァージョンの使用頻度が落ち始めると再び使われるようになった。’97~’98にかけてほとんど使われていないのはそのせいである。灰原哀の登場に合わせたかのように復活してきたが、以降は楽曲の幅が増えたこと、メイン・テーマ自体の使用頻度が落ちたことで年に2、3回程度のペースに落ち着き、劇場版『14番目の標的』・『世紀末の魔術師』のメインテーマをベースとした’07バージョンの登場により引退している。


2.蘭のテーマ

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 1.ジェットコースター殺人事件 26(33)
2.社長令嬢誘拐事件
3.アイドル密室殺人事件
4.大都会暗号マップ事件
5.新幹線大爆破事件
6.バレンタイン殺人事件
7.月いちプレゼント脅迫事件
8.美術館オーナー殺人事件
10.プロサッカー選手脅迫事件
12.歩美ちゃん誘拐事件
13.奇妙な人捜し殺人事件
14.謎のメッセージ狙撃事件
17.デパートジャック事件
18.6月の花嫁殺人事件
19.エレベーター殺人事件
20.幽霊屋敷殺人事件
21.テレビドラマロケ殺人事件
25.偽りの身代金誘拐事件
26.愛犬ジョン殺人事件
27.小五郎の同窓会殺人事件(前編)
29.コンピューター殺人事件
30.アリバイ証言殺人事件
31.テレビ局殺人事件
32.コーヒーショップ殺人事件
33.探偵団サバイバル事件
36.月曜夜7時30分殺人事件
’97 43.江戸川コナン誘拐事件 15(18)
44.堀田三兄弟殺人事件
46.雪山山荘殺人事件
47.スポーツクラブ殺人事件
49.外交官殺人事件(後編)
51.ゴルフ練習場殺人事件
52.霧天狗伝説殺人事件
54.ゲーム会社殺人事件
55.列車トリック殺人事件
58.ホームズフリーク殺人事件(後編)
68.闇の男爵殺人事件(事件篇)
72.三つ子別荘殺人事件
74.死神陣内殺人事件
81.人気アーティスト誘拐事件(前編)
82.人気アーティスト誘拐事件(後編)
’98 90.花の香り殺人事件 11
91.強盗犯人入院事件
94.雪女伝説殺人事件
97.別れのワイン殺人事件
108.モグラ星人謎の事件(後編)
114.スキューバダイビング殺人事件(前編)
115.スキューバダイビング殺人事件(後編)
116.ミステリー作家失踪事件(前編)
117.ミステリー作家失踪事件(後編)
118.浪花の連続殺人事件
123.お天気お姉さん誘拐事件
’99 129.黒の組織から来た女 大学教授殺人事件 16
131.競技場無差別脅迫事件(後編)
134.奇術愛好家殺人事件(解決編)
137.青の古城探索事件(後編)
140.SOS!歩美からのメッセージ
141.結婚前夜の密室事件(前編)
142.結婚前夜の密室事件(後編)
147.本庁の刑事恋物語(後編)
152.謎の老人失踪事件
153.園子のアブない夏物語(前編)
157.本庁の刑事恋物語2(後編)
158.沈黙の環状線
160.怪奇五重塔伝説(後編)
162.空飛ぶ密室 工藤新一最初の事件
164.月と星と太陽の秘密(後編)
168.鳥取クモ屋敷の怪(解決篇)
’00 179.喫茶店トラック乱入事件 14(15)
182.大捜索 9つのドア
183.危険なレシピ
186.殺された名探偵(後編)
188.命がけの復活 洞窟の探偵団
192.命がけの復活 帰ってきた新一…
193.命がけの復活 約束の場所
195.意味深なオルゴール(後編)
196.見えない凶器 蘭の初推理
198.スーパーカーの罠(後編)
202.10人目の乗客(後編)
207.見事すぎた名推理
209.龍神山転落事件
211.五彩伝説の水御殿(後編)
’01 221.偽りだらけの依頼人(後編)
224.そして人魚はいなくなった(解決編)
230.謎めいた乗客(前編)
234.消えなかった証拠(後編)
238.大阪3つの”K”事件(前編)
262.雪の夜の恐怖伝説(後編)
’02 263.大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城 10
272.隠して急いで省略(後編)
283.水流るる石庭の怪(後編)
286.工藤新一NYの事件(事件編)
291.孤島の姫と竜宮城(事件編)
293.孤島の姫と竜宮城(解決編)
294.愛と決断のスマッシュ(前編)
295.愛と決断のスマッシュ(後編)
298.法廷の対決Ⅱ 妃vs九条(後編)
299.友情と殺意の関門海峡(前編)
’03 337.転落事件の裏事情
’04 365.シンクロにシティ事件(後編)
372.物言わぬ航路(後編)
375.星と煙草の暗号(後編)
382.どっちの推理ショー(後編)
383.甲子園の奇跡!見えない悪魔に負けず嫌い 「どっちの推理ショー」のおさらい
’05 384.標的は毛利小五郎
389.薩摩に酔う小五郎(後編)
391.本庁の刑事恋物語6(後編)
397.辛く苦く甘い汁
400.疑惑を持った蘭
405.救急車を呼びに行った男
417.仏滅に出る悪霊(解決編)
’06 428.超秘密の通学路(後編)
429.もう戻れない二人(前編)
433.コナン変な子
439.そして誰もいなくなればいい
441.最後のアーン
447.封印された洋窓(後編)
448.目黒の秋刀魚事件
451.トリックvsマジック(後編)
合計119(130)

 初期の名探偵コナンは、タイトルコールが流れた直後にこの曲と共に本編が始まるというパターンが非常に多く、古くからのファンには特に馴染み深い日常テーマ曲だろう。初年度である1996年は顕著で、毎回のように使われていた印象がある。ところが翌年からは使用頻度が減少し(それでも多いが)、2001年以降は急激に影が薄くなっていった。
 まず’97年は「蘭のテーマ(摩天楼ヴァージョン)」や「昼下がりの天使たち」(サントラ3のオリジナルバージョン、摩天楼ヴァージョンの両方)が、また初期から地味に使われていた「のんびり気分」が「蘭のテーマ」の担っていた役割を担うようになり、これまでの冒頭ではなく、事件解決後に使われるケースが多くなったように思う。事件解決後の日常シーンとなると、ライバルがたくさんいるために、かつてほどの存在感を示すことができなくなったのではないか。
 今では’07バージョンが定期的に使用されている。


3.コナンのRock&Roll

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’01 245.ヒマワリ館の銃声
’04 360.不思議な春のかぶと虫
合計2

 あまりの使用頻度の低さに、逆にこのBGMが流れたことをはっきり覚えている人は凄い。ちなみに、サントラ2の方に別アレンジ曲が存在するものの、やはりこちらもほとんど使われていない。
 初期テイストの漂うノリのいい曲だが、絵に合わせづらかったのだろうか、それともマッチするシーンがなかったのだろうか。たまにこんな不運な曲が転がっている。現在では’07バージョンが年に数回使用されている。

4.コナンの夢

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 31.テレビ局殺人事件
35.山荘包帯男殺人事件(後編)
’97 60.イラストレーター殺人事件
79.銀行強盗殺人事件
85.スキーロッジ殺人事件(後編)
’98 105.盗賊団謎の洋館事件(後編)
123.お天気お姉さん誘拐事件
’02 296.屋形船 釣りショック
’03 334.似た者プリンセス(後編)
’05 420.八岐大蛇の剣(後編)
合計10

 旧バージョンは10回しか使われていない。哀愁を誘い、時には深い悲しみを表すので自白のテーマにも使われるのだが、使用頻度はかなり低い。どちらかというと近年の’07バージョンの方が使われているが、その話はその時に。
 使用頻度は低いながらも、今でもこの曲を聴いて思い出せるシーンがある。1997年最後の事件である「スキーロッジ殺人事件(後編)」だ。ラストシーンで使われたのだが、そこで強く心に打たれ思わず涙を禁じ得なかった。
 それから、これは涙腺のゆるい筆者でもお涙頂戴なシーンではないため号泣するには至らなかったのだが、’98年の「盗賊団謎の洋館事件(後編)」の、またまたラストシーンで使われたのも印象深い。ネタバレを避けるために最低限のことを書くと、閉じ込められていた女性に対する、ある人物の優しさが感じられるいい演出だった。


5.毛利小五郎のテーマ

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 32.コーヒーショップ殺人事件 (2)
’98 86.誘拐現場特定事件 (10)
96.追いつめられた名探偵!連続2大殺人事件
107.モグラ星人謎の事件(前編)
110.料理教室殺人事件(前編)
114.スキューバダイビング殺人事件(前編)
116.ミステリー作家失踪事件(前編)
121.バスルーム密室事件(前編)
’99 132.奇術愛好家殺人事件(事件編)
141.結婚前夜の密室事件(前編)
147.本庁の刑事恋物語(後編)
153.園子のアブない夏物語(前編)
158.沈黙の環状線
’00 199.容疑者 毛利小五郎(前編)
215.ベイ・オブ・ザ・リベンジ(前編)
’01 220.偽りだらけの依頼人(前編)
228.殺意の陶芸教室(前編)
243.毛利小五郎のニセ者(前編)
’02 284.中華街 雨のデジャビュ(前編)
’03 309.黒の組織との接触(交渉編)
331.疑惑の辛口カレー(前編)
合計21(25)

 毛利小五郎はいかにもヘボ探偵、というイメージをそのまま曲にした感じで、完成された情けなさが漂っている。そのため、あくまでギャグシーン専用の曲であり、かっこいい毛利名探偵を演出するには全く役に立たない。
 サントラ2の方にスピード感を増した別バージョンがあるが、不思議なことにそちらの方がはるかに印象に残っている(実際には使用頻度がほとんど変わらない)。
 このオリジナルバージョンは、使われ出した当初、小五郎ではなく「ギャグな雰囲気を漂わせた蘭のテーマ」だった。’96年の「コーヒーショップ殺人事件」では、「大事な人」に会いに行くと言って出かけた蘭を尾行するコナン、という構図のバックでこの曲が使われていた。今なら無音か真面目な曲が流れそうなところだが、初期ではそんなシーンさえも「アニメのノリ」で許される、そんな時代を感じさせてくれる一曲だった。
 また、’98年一発目の「誘拐現場特定事件」(青山剛昌氏のアシスタント原作)でも、蘭の破天荒な雰囲気にコナンが冷や汗を流すという冒頭のシーンで使われた。(この年の第一号がこの曲であった)


6.コナンのテーマ

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 2.社長令嬢誘拐事件 10 予告バージョンとセット
4.大都会暗号マップ事件
9.天下一夜祭り殺人事件 予告バージョンとセット
11.ピアノソナタ『月光』殺人事件 ここまでのおさらい
12.歩美ちゃん誘拐事件 予告バージョンとセット
13.奇妙な人捜し殺人事件 予告バージョンとセット
14.謎のメッセージ狙撃事件
23.豪華客船連続殺人事件(後編) 前編のおさらい・予告バージョンとセット
24.謎の美女記憶喪失事件 予告バージョンとセット
28.小五郎の同窓会殺人事件(後編) 前編のおさらい・予告バージョンとセット
’97 59.初めてのお使い殺人事件 予告バージョンとセット
’98 127.旅芝居一座殺人事件(後編)
’01 254.本庁の刑事恋物語4(後編)
259.シカゴから来た男(後編)
’06 425.ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間 ここまでのおさらい
合計15

 毛利小五郎のテーマに対して、こちらはとてつもなくカッコイイ曲である。この扱いの差は一体なんだ?なぜ小五郎はここまで不遇なのか…?と心配してしまうほどコナンのテーマは、ヒーローの颯爽たる姿を味つけしてくれる。
全部で15回使われたが、その3分の2である10回が’96年に使われているため、コナン最初期の定番イメージにもなっている。はじめ、現在のメイン・テーマとコナンのテーマのどちらをメイン・テーマにしようか迷っていたという話を何かで聞いたことがある。なるほどと思えるぐらい「第2のメイン・テーマ」としてインパクトが強い。物語が佳境に入る段階でのアクションシーンや、最初期における「前編のおさらい」曲として活躍した。
 なお、この曲も『名探偵コナン』メイン・テーマ同様に、「予告バージョンとセット」という表記のついたものがある。ここで言う「予告バージョン」とは、メイン・テーマの予告ではなく「コナンのテーマ」の予告バージョンのことだ。サントラ2のDisc1トラック34に収録されているのだが、こちらは全体的に音が軽くなっているのと、締め部分のメロディがオリジナルバージョンと大きく異なっている。当時の音響監督である小林克良氏は、この「締め部分」だけ、なぜかオリジナルバージョンとつなげて使うことが多かった。トラック1のメイン・テーマも「メイン・テーマの予告バージョン」とセットで使っていたが、それと全く同じである。’07バージョンは数年に一回程度使用されている。

7.蘭・愛のテーマ

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 8.美術館オーナー殺人事件
18.6月の花嫁殺人事件
21.テレビドラマロケ殺人事件
31.テレビ局殺人事件
32.コーヒーショップ殺人事件
34.山荘包帯男殺人事件(前編)
’97 49.外交官殺人事件(後編)
56.おじゃマンボウ殺人事件
64.第3の指紋殺人事件
’98 94.雪女伝説殺人事件 (10)
95.小五郎のデート殺人事件
96.追いつめられた名探偵!連続2大殺人事件
100.初恋の人想い出事件(前編)
114.スキューバダイビング殺人事件(前編)
118.浪花の連続殺人事件
124.謎の狙撃者殺人事件(前編)
125.謎の狙撃者殺人事件(後編)
’99 132.奇術愛好家殺人事件(事件編)
141.結婚前夜の密室事件(前編)
143.疑惑の天体観測
144.上野発北斗星3号(前編)
150.自動車爆発事件の真相(前編)
153.園子のアブない夏物語(前編)
169.ビーナスのキッス
171.暗闇の中の死角(後編)
173.よみがえる死の伝言(後編)
’00 184.呪いの仮面は冷たく笑う
189.命がけの復活 負傷した名探偵
199.容疑者 毛利小五郎(前編)
202.10人目の乗客(後編)
210.五彩伝説の水御殿(前編)
’01 220.偽りだらけの依頼人(前編)
226.バトルゲームの罠(前編)
239.大阪3つの”K”事件(後編)
240.新幹線護送事件(前編)
’02 269.犯罪の忘れ形見(前編)
298.法廷の対決Ⅱ 妃vs九条(後編) 音響調整バージョン
’03 333.似た者プリンセス(前編)
’04 358.本庁の刑事恋物語5(前編)
’05 402.宝石強盗現行犯(後編)
’06 452.こんぴら座の怪人
合計41(43)

 これは曲名にふさわしい楽曲で、まさに「蘭・愛のテーマ」である。ただ、ここで言う愛とは工藤新一に対するものだけでなく、母親である妃英理に対するものも含み、その他、旅情を誘うテーマとしても使われる。小林克良氏が音響監督を務めていた頃はそれなりに使用頻度が高かったが、以降は現在の’07バージョンも含め、ほぼ年に数回程度のペースで使われている。(このオリジナルバージョンは引退している)
 なお、サントラ2に別バージョンである「Guitarバージョン」が存在するが、こちらは浦上・井澤両氏によって頻繁に使われた。オリジナルバージョンに比べしっとりしていて、落ち着いた雰囲気を漂わせており、さながら旅先でゆっくり温泉に浸かりながら自然の音に耳を傾けるという情景が想起できる。逆にこのオリジナルバージョンにはエロティックな「音のうわつき」があり、小五郎が真面目な表情で女性を口説きにかかる時に流されると、思わずにやけてしまいそうになるという効果が期待できる。


8.のんびり気分

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 15.消えた死体殺人事件
18.6月の花嫁殺人事件
19.エレベーター殺人事件
32.コーヒーショップ殺人事件
34.山荘包帯男殺人事件(前編)
41.優勝旗切り裂き事件
’97 44.堀田三兄弟殺人事件
47.スポーツクラブ殺人事件
48.外交官殺人事件(前編)
51.ゴルフ練習場殺人事件
55.列車トリック殺人事件
57.ホームズフリーク殺人事件(前編)
63.大怪獣ゴメラ殺人事件
75.金融会社社長殺人事件
’98 86.誘拐現場特定事件 12(13)
91.強盗犯人入院事件
96.追いつめられた名探偵!連続2大殺人事件
98.名陶芸家殺人事件(前編)
100.初恋の人想い出事件(前編)
107.モグラ星人謎の事件(前編)
109.探偵団大追跡事件
111.料理教室殺人事件(後編)
114.スキューバダイビング殺人事件(前編)
119.仮面ヤイバー殺人事件
126.旅芝居一座殺人事件(前編)
128.黒の組織10億円強奪事件
’99 129.黒の組織から来た女 大学教授殺人事件 13(14)
132.奇術愛好家殺人事件(事件編)
135.消えた凶器捜索事件
138.最後の上映殺人事件(前編)
140.SOS!歩美からのメッセージ
146.本庁の刑事恋物語(前編)
148.路面電車急停止事件
149.遊園地バンジー事件
152.謎の老人失踪事件
156.本庁の刑事物語2(前編)
162.空飛ぶ密室 工藤新一最初の事件
165.少年探偵団消失事件
166.鳥取クモ屋敷の怪(事件篇)
’00 174.二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件 18
179.喫茶店トラック乱入事件
182.大捜索 9つのドア
183.危険なレシピ
187.闇に響く謎の銃声
188.命がけの復活 洞窟の探偵団
189.命がけの復活 負傷した名探偵
190.命がけの復活 第三の選択
197.スーパーカーの罠(前編)
200.容疑者 毛利小五郎(後編)
201.10人目の乗客(前編)
203.黒いイカロスの翼(前編)
205.本庁の刑事恋物語3(前編)
206.本庁の刑事恋物語3(後編)
209.龍神山転落事件
214.レトロルームの謎事件
215.ベイ・オブ・ザ・リベンジ(前編)
217.封印された目暮の秘密(前編)
’01 226.バトルゲームの罠(前編) 10
228.殺意の陶芸教室(前編)
233.消えなかった証拠(前編)
236.南紀白浜ミステリーツアー(前編)
238.大阪3つの”K”事件(前編)
243.毛利小五郎のニセ者(前編)
248.癒しの森のアリバイ
253.本庁の刑事恋物語4(前編)
255.松江玉造連句十四番勝負(前編)
258.シカゴから来た男(前編)
’02 274.幽霊屋敷の真実(前編)
284.中華街 雨のデジャビュ(前編)
291.孤島の姫と竜宮城(事件編)
296.屋形船 釣りショック
’03 318.幸運のシガーケース(前編)
319.幸運のシガーケース(後編)
325.炎の中に赤い馬(事件編)
338.4台のポルシェ(前編)
’04 354.小さな依頼者(前編)
358.本庁の刑事恋物語5(前編)
366.丸見え埠頭の惨劇(前編)
383.甲子園の奇跡!見えない悪魔に負けず嫌い
’05 388.薩摩に酔う小五郎(前編)
398.奇妙な一家の依頼(前編)
401.宝石強盗現行犯(前編)
406.コナン平次の推理マジック(仕掛編)
411.神社鳥居ビックリ暗号(前編)
415.仏滅に出る悪霊(事件編)
419.八岐大蛇の剣(前編)
424.ピエロからの写真メール
’06 426.蘭へのラブレター
431.本庁の刑事恋物語7(前編)
438.お魚メールの追跡
445.ロシアンブルーの秘密
452.こんぴら座の怪人
合計92(94)

 日常テーマ曲のひとつで、「蘭のテーマ」以上に日常そのものの弛緩した雰囲気が漂っている。
もちろん番組開始当初から存在する曲だが、最初期の頃は存在感が薄く、ある程度番組が軌道に乗り始めた時期から使用頻度が高くなる。初期の冒頭における日常テーマと言えば、上にも書いた「蘭のテーマ」が思い起こされるところだが、これが次第に「のんびり気分」「昼下がりの天使たち」「蘭のテーマ(摩天楼ヴァージョン)」「昼下がりの天使たち(摩天楼ヴァージョン)」へと置き換えられていく。つまり「蘭のテーマ」を事件解決後の日常曲へと追いやった張本人の一人がこの「のんびり気分」である。
特にサントラ3が使われ始めた頃から使用頻度が上がり始め、’01年までは毎年のように10回以上使われている。その後は別の日常曲へとバトンタッチし、一線からは退いた。それでも年に5回前後は使われるという安定感を持続しながら引退。’07バージョンは年に数回程度使用されている。


9.阿笠博士のテーマ

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 1.ジェットコースター殺人事件
’97 59.初めてのお使い殺人事件 (4)
’98 106.スクープ写真殺人事件 (4)
107.モグラ星人謎の事件(前編)
’99 129.黒の組織から来た女 大学教授殺人事件
146.本庁の刑事恋物語(前編)
163.月と星と太陽の秘密(前編)
’00 182.大捜索 9つのドア
183.危険なレシピ
209.龍神山転落事件
’01 226.バトルゲームの罠(前編)
253.本庁の刑事恋物語4(前編)
254.本庁の刑事恋物語4(後編) 前編のおさらい
’02 283.水流るる石庭の怪(後編) (3)
299.友情と殺意の関門海峡(前編)
’04 359.本庁の刑事恋物語5(後編) (3)
371.物言わぬ航路(前編)
’05 385.ストラディバリウスの不協和音 前奏曲
413.完全半分犯罪の謎
424.ピエロからの写真メール
’06 428.超秘密の通学路(後編) (13)
429.もう戻れない二人(前編)
435.探偵団に注目取材(前編)
445.ロシアンブルーの秘密
449.本庁の刑事恋物語 偽りのウェディング
457.園子の赤いハンカチ(前編)
合計26(40)

 発明家・阿笠博士のテーマ曲で、「さあ、みんなでやってみよう!」という体験コーナーのバックで流れそうなノリに仕上がっている。「はじめに皮を剥きます。ふたつめに…」というようなお料理教室の実演などにも合いそう。
 あまり使用頻度は高くないのだが、たまに使われるとその回で繰り返し使われやすいという特徴がある。そのため、使用話数26話に対し、実際に使われたのべ回数は40回とその差が14もある。
 筆者にとって特に印象に残っているのは、博士のテーマとして使われていない、’97年第59話「初めてのお使い殺人事件」である。初めてお使いに出かける少年のイメージ曲として繰り返し使われており、なんだか可愛くて微笑ましいシーンにマッチしていると感じた。’07バージョンは数年に一回程度使用されている。


10.それいけコナン~哀愁ヴァージョン

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 2.社長令嬢誘拐事件
3.アイドル密室殺人事件
9.天下一夜祭り殺人事件
16.骨董品コレクター殺人事件
29.コンピューター殺人事件
41.優勝旗切り裂き事件
42.カラオケボックス殺人事件
’97 44.堀田三兄弟殺人事件
59.初めてのお使い殺人事件
83.総合病院殺人事件
’98 96.追いつめられた名探偵!連続2大殺人事件
’99 139.最後の上映殺人事件(後編)
160.怪奇五重塔伝説(後編)
168.鳥取クモ屋敷の怪(解決篇)
169.ビーナスのキッス
’00 206.本庁の刑事恋物語3(後編)
208.迷宮への入り口 巨大神像の怒り
214.レトロルームの謎事件
216.ベイ・オブ・ザ・リベンジ(後編)
’01 224.そして人魚はいなくなった(解決編)
229.殺意の陶芸教室(後編)
232.マンション転落事件
’02 270.犯罪の忘れ形見(後編)
293.孤島の姫と竜宮城(解決編)
’03 327.炎の中に赤い馬(解決編)
341.トイレに隠した秘密(後編)
’05 389.薩摩に酔う小五郎(後編)
391.本庁の刑事恋物語6(後編)
397.辛く苦く甘い汁
399.奇妙な一家の依頼(後編)
合計30

 ほとんどのケースにおいて、犯人が動機や想いを吐露するいわゆる「自白シーン」において使用されている。最初期から存在する自白曲としてはポピュラーなもののひとつだ。
 演出ともマッチして特に印象に残っているのは、’99年の第139話「最後の上映殺人事件(後編)」だろうか。人のいない映画館に対する寂しい想いだけでなく、映画の素晴らしさを強調する少年探偵団の優しい声かけにふと安らぐような気持ちになる犯人の心情をとてもうまく表現している。この曲は後半部分が優しいメロディになっているため、苦しさや辛さや悔しさという負の側面だけでなく、ある意味で吹っ切れた、落ち着いた犯人の心情を代弁することができる。なお、この「後半部分」が流れたのはこの回だけだったと思うが、どうだろうか。
 ‘96年以降、ほぼ毎年変わらず定期的に使われ続けて(’04と’06は未使用)引退。’07バージョンは一時期使用された時期があったが、現在は使用されていない。


11.対決のテーマ

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 2.社長令嬢誘拐事件
10.プロサッカー選手脅迫事件
17.デパートジャック事件
31.テレビ局殺人事件
’00 176.黒の組織との再会(灰原編)
201.10人目の乗客(前編)
209.龍神山転落事件
’02 275.幽霊屋敷の真実(後編)
276.警察手帳紛失事件
302.悪意と聖者の行進(後編)
合計10

 他のみんなが大ピンチ!という絶体絶命の場面でコナンが駆けつけて来たり、犯人を推理で追い込んだりする時に使用される、ヒーローのテーマである(つまり主人公であるコナンのかっこよさや活躍っぷりを引き立てるための曲である)。
初期を知る者にとっては「あの曲か」とすぐに分かるほど有名なメロディだが、このオリジナルバージョンの使用率は極めて低い。多くの人が「あの曲か」と認識しているのは、サントラ2のDisc1に収録されている「落ち着きバージョン」の方である。
オリジナルバージョンの使用率が低いのは、その音色のせいではないかと思う。「落ち着きバージョン」には品や哀愁が漂っているが、こちらの方はコナンのかっこよさだけを追求しているので深みがないのである。また、ざわついたやかましいメロディなので「摩天楼ヴァージョン」と比べてもさらに使い道が限られてくる。’96年に4度使われて以降は放置されていたが、これではあんまりだということで’00年と’02年は意識して「使うようにした」のではないかと推測する。’07バージョンは年に数回使用されている。

12.はずむ蘭

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 4.大都会暗号マップ事件
17.デパートジャック事件
37.サボテンの花殺人事件
’97 59.初めてのお使い殺人事件
73.少年探偵団遭難事件
’98 96.追いつめられた名探偵!連続2大殺人事件
107.モグラ星人謎の事件(前編)
126.旅芝居一座殺人事件(前編)
’00 179.喫茶店トラック乱入事件
209.龍神山転落事件
’01 236.南紀白浜ミステリーツアー(前編)
251.OK牧場の悲劇
252.絵の中の誘拐犯
255.松江玉造連句十四番勝負(前編)
260.揺れるレストラン
’04 370.逃げ回るゲームソフト
’05 392.謎めく身長差20cm
421.イチョウ色の初恋(前編)
’06 434.名犬クールのお手柄
446.封印された洋窓(前編)
454.ひっくり返った結末(前編)
合計21

 「蘭のテーマ」に続き、またしても蘭というキャラクターとは関係のない使われ方をした日常曲である(どちらかと言うと少年探偵団のイメージに近い)。
日常曲とは言え、これまでに紹介したものと比べて使用頻度が低い。「はずむ蘭」は文字通り動きのあるメロディをしており、旅行へ出かける時のワクワク感や、ロケ先で遊戯に興じる際のハイな気持ちを演出する使い方がしっくり来る。コナン達は頻繁にあちこちを訪れているが、毎話ごとに旅行をしてわいわい遊んでいるわけではない(これではもはや黒の組織とは無縁の小学生の日常だ!)。従って「はずむ蘭」の出番も限られてくる、とそういうわけである。’07バージョンはあまり使用されていない。

13.犯人のアジト

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 6.バレンタイン殺人事件 10
9.天下一夜祭り殺人事件
11.ピアノソナタ『月光』殺人事件
14.謎のメッセージ狙撃事件
15.消えた死体殺人事件
18.6月の花嫁殺人事件
19.エレベーター殺人事件
26.愛犬ジョン殺人事件
28.小五郎の同窓会殺人事件(後編)
31.テレビ局殺人事件
’97 53.謎の凶器殺人事件
54.ゲーム会社殺人事件
64.第3の指紋殺人事件
71.ストーカー殺人事件
85.スキーロッジ殺人事件(後編)
’98 92.恐怖のトラヴァース殺人事件(前編)
96.追いつめられた名探偵!連続2大殺人事件
97.別れのワイン殺人事件
108.モグラ星人謎の事件(後編)
127.旅芝居一座殺人事件(後編)
’99 142.結婚前夜の密室事件(後編)
148.路面電車急停止事件
149.遊園地バンジー事件
156.本庁の刑事恋物語2(前編)
162.空飛ぶ密室 工藤新一最初の事件
164.月と星と太陽の秘密(後編)
170.暗闇の中の死角(前編)
’00 182.大捜索 9つのドア
198.スーパーカーの罠(後編)
214.レトロルームの謎事件
’01 229.殺意の陶芸教室(後編)
247.網にかかった謎(後編)
254.本庁の刑事恋物語4(後編)
257.世にも奇妙な天罰
’02 265.法廷の対決 vs小五郎(後編)
270.犯罪の忘れ形見(後編)
271.隠して急いで省略(前編)
275.幽霊屋敷の真実(後編)
277.英語教師vs西の名探偵(前編)
281.小さな目撃者たち
298.法廷の対決Ⅱ 妃vs九条(後編)
300.友情と殺意の関門海峡(後編)
303.戻って来た被害者
’03 307.残された声なき証言(前編)
326.炎の中に赤い馬(捜査編)
343.コンビニの落とし穴(前編)
344.コンビニの落とし穴(後編
’04 346.お尻のマークを探せ!(前編)
347.お尻のマークを探せ!(後編)
353.フィッシング大会の悲劇(後編)
362.帝丹高校学校怪談(後編)
373.猛毒蜘蛛の罠
’05 422.イチョウ色の初恋(後編)
424.ピエロからの写真メール
’06 426.蘭へのラブレター
436.探偵団に注目取材(後編)
456.俺が愛したミステリー
合計57

 事件用の曲で、極端に偏ったイメージ曲ではないため、なかなか汎用性が高い。ある時にはコナンの証拠探し、またある時には推理曲として使われる。メロディ自体は軽めなので、一気に盛り上げるシーンには適さない。
最初期から使われ続け、’06年に引退するまで安定して用いられた。使用頻度は並(初期から使われているにしては少ない方か?)。「犯人のアジト」と言えば、このオリジナルバージョンよりも、人によっては聞くだけで身の毛もよだつという「忍び込みバージョン」の方が超有名である。

14.沈む夕陽

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 3.アイドル密室殺人事件 19
5.新幹線大爆破事件
6.バレンタイン殺人事件
7.月いちプレゼント脅迫事件
8.美術館オーナー殺人事件
10.プロサッカー選手脅迫事件
11.ピアノソナタ『月光』殺人事件
13.奇妙な人捜し殺人事件
15.消えた死体殺人事件
16.骨董品コレクター殺人事件
17.デパートジャック事件
18.6月の花嫁殺人事件
20.幽霊屋敷殺人事件
23.豪華客船連続殺人事件(後編)
26.愛犬ジョン殺人事件
28.小五郎の同窓会殺人事件(後編)
29.コンピューター殺人事件
32.コーヒーショップ殺人事件
40.資産家令嬢殺人事件(後編)
’97 49.外交官殺人事件(後編)
62.幽霊船殺人事件(後編)
67.舞台女優殺人事件
69.闇の男爵殺人事件(疑惑篇)
71.ストーカー殺人事件
75.金融会社社長殺人事件
78.名家連続変死事件(後編)
83.総合病院殺人事件
85.スキーロッジ殺人事件(後編)
’98 95.小五郎のデート殺人事件 10
97.別れのワイン殺人事件
103.時代劇俳優殺人事件(後編)
105.盗賊団謎の洋館事件(後編)
108.モグラ星人謎の事件(後編)
111.料理教室殺人事件(後編)
115.スキューバダイビング殺人事件(後編)
116.ミステリー作家失踪事件(前編)
117.ミステリー作家失踪事件(後編)
119.仮面ヤイバー殺人事件
’99 129.黒の組織から来た女 大学教授殺人事件 10
142.結婚前夜の密室事件(後編)
144.上野発北斗星3号(前編)
147.本庁の刑事恋物語(後編)
155.水中の鍵密室事件
160.怪奇五重塔伝説(後編)
161.流水亭に流れる殺意
168.鳥取クモ屋敷の怪(解決篇)
169.ビーナスのキッス
173.よみがえる死の伝言(後編)
’00 174.二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件 10
178.黒の組織との再会(解決編)
181.赤い殺意の夜想曲(後編)
186.殺された名探偵(後編)
194.意味深なオルゴール(前編)
198.スーパーカーの罠(後編)
204.黒いイカロスの翼(後編)
206.本庁の刑事恋物語3(後編)
213.きのこと熊と探偵団(後編)
216.ベイ・オブ・ザ・リベンジ(後編)
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド 12
227.バトルゲームの罠(後編)
229.殺意の陶芸教室(後編)
232.マンション転落事件
235.密室のワインセラー
237.南紀白浜ミステリーツアー(後編)
244.毛利小五郎のニセ者(後編)
256.松江玉造連句十四番勝負(後編)
257.世にも奇妙な天罰
259.シカゴから来た男(後編)
260.揺れるレストラン
262.雪の夜の恐怖伝説(後編)
’02 265.法廷の対決 妃vs小五郎(後編)
270.犯罪の忘れ形見(後編)
273.クイズ婆さん失踪事件
275.幽霊屋敷の真実(後編)
’03 336.東都現像所の秘密(後編)
341.トイレに隠した秘密(後編)
342.ハウステンボスの花嫁
344.コンビニの落とし穴(後編)
’04 351.忘れられた携帯電話(後編)
357.恋人は春のまぼろし
362.帝丹高校学校怪談(後編)
365.シンクロにシティ事件(後編)
373.猛毒蜘蛛の罠
382.どっちの推理ショー(後編)
’05 389.薩摩に酔う小五郎(後編)
402.宝石強盗現行犯(後編)
420.八岐大蛇の剣(後編)
’06 425.ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間
441.最期のアーン
447.封印された洋窓(後編)
455.ひっくり返った結末(後編)
合計91

 初期から、特に小林克良氏の時代に頻繁に使われた推理曲である。タイトルからして自然の情景曲かと思ってしまうが、決してそうではない。
稀に事件の関係者からアリバイを訊くというシーンで流れるが、ほとんどのケースにおいて解明推理シーン(麻酔針で小五郎や園子を眠らせてコナンが事件の全容を明らかにするシーン)で用いられた。’07バージョンに活躍の場を譲っており、こちらは以前ほどの勢いはないものの、現在でもたまに使われている。


15.小さな巨人

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 2.社長令嬢誘拐事件 (12)
4.大都会暗号マップ事件
6.バレンタイン殺人事件
7.月いちプレゼント脅迫事件
13.奇妙な人捜し殺人事件
17.デパートジャック事件
27.小五郎の同窓会殺人事件(前編)
31.テレビ局殺人事件
33.探偵団サバイバル事件
’97 52.霧天狗伝説殺人事件
53.謎の凶器殺人事件
59.初めてのお使い殺人事件
62.幽霊船殺人事件(後編)
70.闇の男爵殺人事件(解決篇)
71.ストーカー殺人事件
76.コナンvs怪盗キッド
’98 86.誘拐現場特定事件 (11)
95.小五郎のデート殺人事件
96.追いつめられた名探偵!連続2大殺人事件
99.名陶芸家殺人事件(後編)
100.初恋の人想い出事件(前編)
117.ミステリー作家失踪事件(後編)
123.お天気お姉さん誘拐事件
126.旅芝居一座殺人事件(前編)
128.黒の組織10億円強奪事件
’99 129.黒の組織から来た女 大学教授殺人事件 (8)
132.奇術愛好家殺人事件(事件編)
134.奇術愛好家殺人事件(解決編)
147.本庁の刑事恋物語(後編)
163.月と星と太陽の秘密(前編)
164.月と星と太陽の秘密(後編)
173.よみがえる死の伝言(後編)
’00 182.大捜索 9つのドア
183.危険なレシピ
194.意味深なオルゴール(前編)
196.見えない凶器 蘭の初推理
206.本庁の刑事恋物語3(後編)
209.龍神山転落事件
218.封印された目暮の秘密(後編)
’01 220.偽りだらけの依頼人(前編)
225.商売繁盛のヒミツ
226.バトルゲームの罠(前編)
233.消えなかった証拠(前編)
256.松江玉造連句十四番勝負(後編)
258.シカゴから来た男(前編)
’02 271.隠して急いで省略(前編) (9)
272.隠して急いで省略(後編)
275.幽霊屋敷の真実(後編)
279.迷宮のフーリガン(前編)
284.中華街 雨のデジャビュ(前編)
298.法廷の対決Ⅱ 妃vs九条(後編)
301.悪意と聖者の行進(前編)
303.戻って来た被害者
’03 312.夕陽に染まった雛人形(前編)
335.東都現像所の秘密(前編)
’05 399.奇妙な一家の依頼(後編) (4)
421.イチョウ色の初恋(前編)
422.イチョウ色の初恋(後編)
’06 429.もう戻れない二人(前編) (8)
430.もう戻れない二人(後編)
435.探偵団に注目取材(前編)
451.トリックvsマジック(後編)
458.園子の赤いハンカチ(後編)
合計63(74)

 「コナンの知恵袋」というタイトルの方が分かりやすいのではないかと思う。ほとんどのケースにおいて、コナンが「テレビで見聞きしたこと」「新一兄ちゃんに教えてもらったこと」を披露する場面で使われる。へぇ凄いなぁと思うようなウンチクを聞かせていただき、勉強になりましたねというイメージで完全に小学生目線の楽曲である。
これも小林克良氏の時代によく使われた。近年(’07バージョン)は細々とした使われ方をしており、以前ほどの「お約束」感はなくなっている。


16.コナンのテーマ~バラードヴァージョン

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 1.ジェットコースター殺人事件
15.消えた死体殺人事件
18.6月の花嫁殺人事件
19.エレベーター殺人事件
20.幽霊屋敷殺人事件
23.豪華客船連続殺人事件(後編)
25.偽りの身代金誘拐事件
30.アリバイ証言殺人事件
’97 45.顔パック殺人事件
47.スポーツクラブ殺人事件
53.謎の凶器殺人事件
74.死神陣内殺人事件
80.放浪画家殺人事件
’98 95.小五郎のデート殺人事件
’99 149.遊園地バンジー事件
’00 179.喫茶店トラック乱入事件
184.呪いの仮面は冷たく笑う
198.スーパーカーの罠(後編)
’03 320.忍法アリバイ工作の術
336.東都現像所の秘密(後編)
’04 353.フィッシング大会の悲劇(後編)
373.猛毒蜘蛛の罠
380.秘湯雪闇振袖事件(後編)
’05 393.誘拐…らしい事件
402.宝石強盗現行犯(後編)
’06 441.最期のアーン
455.ひっくり返った結末(後編)
459.怪人ガチガチ規則男
合計28

 被害者の涙と共に語られる殺人動機…犯人の嗚咽が聞こえて来そうなシーンによく似合う自白曲である。なかなか音に力があるので、感情を剥き出しにしてくれる方がこの曲には合う。なお、音色が同じであり、かつ「メイン・テーマ」と「コナンのテーマ」という紛らわしいアレンジ違いなので間違えやすいが、この曲とサントラ2Disc1のトラック35に収録されている「名探偵コナン」メイン・テーマ(バラードバージョン)とは別物である。
「コナンのテーマ~バラードヴァージョン」は初期のイメージが強い。実際、28回中半分近くの13回が、’96年と’97年に流れている。その後は年に1~3回のペースを守って’06年まで活躍した。ちなみに’01年と’02年は全く使用されておらず、’03年に久しぶりに使われたが、この頃には「過去から掘り出してきた曲」という印象が強くなっていた。


17.コナンの勝利

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 5.新幹線大爆破事件
6.バレンタイン殺人事件
26.愛犬ジョン殺人事件
30.アリバイ証言殺人事件
35.山荘包帯男殺人事件(後編)
38.赤鬼村火祭殺人事件
40.資産家令嬢殺人事件(後編)
’97 43.江戸川コナン誘拐事件
45.顔パック殺人事件
50.図書館殺人事件
52.霧天狗伝説殺人事件
53.謎の凶器殺人事件
55.列車トリック殺人事件
59.初めてのお使い殺人事件
67.舞台女優殺人事件
’98 103.時代劇俳優殺人事件(後編)
122.バスルーム密室事件
127.旅芝居一座殺人事件(後編)
’99 148.路面電車急停止事件
149.遊園地バンジー事件
152.謎の老人失踪事件
154.園子のアブない夏物語(後編)
164.月と星と太陽の秘密(後編)
165.少年探偵団消失事件
173.よみがえる死の伝言(後編)
’00 184.呪いの仮面は冷たく笑う
187.闇に響く謎の銃声
214.レトロルームの謎事件
216.ベイ・オブ・ザ・リベンジ(後編)
’01 225.商売繁盛のヒミツ
229.殺意の陶芸教室(後編)
235.密室のワインセラー
239.大阪3つの”K”事件(後編)
245.ヒマワリ館の銃声
’02 265.法廷の対決 妃vs小五郎(後編)
273.クイズ婆さん失踪事件
275.幽霊屋敷の真実(後編)
281.小さな目撃者たち
293.孤島の姫と竜宮城(解決編)
299.友情と殺意の関門海峡(前編)
303.戻って来た被害者
’03 329.お金で買えない友情(前編)
335.東都現像所の秘密(前編)
’04 374.星と煙草の暗号(前編)
’06 430.もう戻れない二人(後編)
434.名犬クールのお手柄
442.鉄骨に阻まれた男
443.ため息 潮干狩り(前編)
合計48

 日常用の曲ではあるのだが、出だしがなんだか情けないメロディなので、小五郎のイメージが強い。
小林克良氏の時代と浦上・井澤氏の時代とでは、使い方が大きく異なる楽曲のひとつである。小林氏の時代にはCパートのオチに、浦上・井澤氏の時代には「はずむ蘭」のような、事件前の戯れシーンに使われることが多かった。‘07バージョンも存在し、一時期は使用されていなかったが現在ではCパートにて高い頻度で使用されている。

18.事件解決

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 4.大都会暗号マップ事件
12.歩美ちゃん誘拐事件
’97 58.ホームズフリーク殺人事件(後編)
82.人気アーティスト誘拐事件(後編)
83.総合病院殺人事件
’98 89.ドラキュラ荘殺人事件(後編)
98.名陶芸家殺人事件(前編)
116.ミステリー作家失踪事件(前編)
’99 151.自動車爆発事件の真相(後編)
’00 202.10人目の乗客(後編)
206.本庁の刑事恋物語3(後編)
’01 225.商売繁盛のヒミツ
260.揺れるレストラン
’02 276.警察手帳紛失事件
’04 377.桃太郎謎解きツアー(前編)
’05 396.奇抜な屋敷の大冒険(解決編)
402.宝石強盗現行犯(後編)
420.八岐大蛇の剣(後編)
424.ピエロからの写真メール
’06 432.本庁の刑事恋物語7(後編)
437.上戸彩と新一 4年前の約束
448.目黒の秋刀魚事件
456.俺が愛したミステリー
457.園子の赤いハンカチ(前編)
459.怪人ガチガチ規則男
合計25

 日常曲だが、半分は小五郎的な旋律になっているため、ギャグシーンに使われることが多い。
「コナンの勝利」と同じく、小林克良氏の時代と、浦上・井澤氏の時代とでは使われ方が異なる。ギャグ中心ということでは一致するが、これまた「コナンの勝利」と同じく、Cパートのオチで使われるか、そうでないかという傾向が出ている。
サントラ2に収録されている「意気揚々バージョン」の方が高い使用頻度を誇る。’07バージョンは最近では使用されていない。

19.前話回想

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 4.大都会暗号マップ事件
15.消えた死体殺人事件
’97 50.図書館殺人事件
59.初めてのお使い殺人事件
82.人気アーティスト誘拐事件(後編)
’00 206.本庁の刑事恋物語3(後編)
’04 357.恋人は春のまぼろし
376.タイムリミットは15時!
合計8

 「前話回想」ということは、そんな使い方を予定していたのだろうか。実際にはメイン・テーマの短縮アレンジ曲で、非常に快活な雰囲気が伝わってくる。
 使用頻度はとても低い。初期では犯人を倒した時や「少年探偵団大勝利~!」と全てが解決した後に流れていた。


20.『名探偵コナン』メイン・テーマ~ヴォーカルヴァージョン

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 6.バレンタイン殺人事件
8.美術館オーナー殺人事件
18.6月の花嫁殺人事件
26.愛犬ジョン殺人事件
40.資産家令嬢殺人事件(後編)
’97 46.雪山山荘殺人事件
49.外交官殺人事件(後編)
64.第3の指紋殺人事件
66.暗闇の道殺人事件
70.闇の男爵殺人事件(解決篇)
71.ストーカー殺人事件
72.三つ子別荘殺人事件
78.名家連続変死事件(後編)
85.スキーロッジ殺人事件(後編)
’98 89.ドラキュラ荘殺人事件(後編)
94.雪女伝説殺人事件
97.別れのワイン殺人事件
99.名陶芸家殺人事件(後編)
111.料理教室殺人事件(後編)
118.浪花の連続殺人事件
127.旅芝居一座殺人事件(後編)
’99 129.黒の組織から来た女 大学教授殺人事件
135.消えた凶器捜索事件
151.自動車爆発事件の真相(後編)
155.水中の鍵密室事件
162.空飛ぶ密室 工藤新一最初の事件
173.よみがえる死の伝言(後編)
’00 218.封印された目暮の秘密(後編)
’01 260.揺れるレストラン
’02 280.迷宮のフーリガン(後編)
合計30

数ある自白のテーマの中で最も有名だと思われる一曲である。「フーンフフーフーーーン♪」という男声ハミングの曲だと言えばお分かりになるだろうか。初期コナンで犯人が胸中をさらけ出すシーンの代名詞と言えばこの曲だった。
’97年の途中まではそう頻繁に使われていなかったが、それからの3年間は微妙に使用頻度が上がり、またかなり集中的に使われた時期もあるため、耳に残っているファンも多いと思う。’97年の第78話「名家連続変死事件(後編)」や第85話「スキーロッジ殺人事件(後編)」、’98年の第99話「名陶芸家殺人事件(後編)」での使用は、今でも映像と共に思い起こされる。
ところが’00年からは年一度しか使用されず、小林克良氏がコナンを退くと同時に完全に使われなくなってしまった。浦上氏・井澤氏は一度も用いなかったのだ。そういえば最近は聞いてないなーと感じた方もいるかもしれないが、「最近」どころではなく、10年以上使われていない。’07バージョンも制作されていないようなので、完全に引退したものと思われる。あと一回だけでいいので最終回が近づいた頃に聞きたい。
最終更新:2023年05月28日 18:20