サントラ・楽曲別使用状況

オリジナル・サウンドトラック3

2023-07-27更新


 「名探偵コナン オリジナル・サウンドトラック3」は、番組が軌道に乗り始め長期化が決定したことで新たに制作されたテレビ用BGM集です。’96年の10月21日に放送された第34話「山荘包帯男殺人事件(前編)」から使用が開始されました。
 サントラ1や2とは異なり、明らかに使われるシーンを想定して作られた曲名が多いという特徴があります。しかしながら、実際には特定のシーンに限らず何度も使われて、すっかり「顔」になった楽曲もたくさんあります。





1.名探偵コナン 新メインテーマ

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’97 49.外交官殺人事件(後編) 前編のおさらい
52.霧天狗伝説殺人事件 ここまでのおさらい
合計2

 あの有名な『名探偵コナン』メイン・テーマに代わってか追加としてかは分からないが、新しいメインテーマが制作された。従来のものに比べるとインパクトは弱めだが、シャープでかっこいい仕上がりになっている。
 ’97年に二度使われただけだが、共に番組のおさらいシーンで用いられた。おさらいシーンのBGMが「コナンのテーマ」から「名探偵コナン 新メインテーマ」及び「コナンの勇気」へとシフトチェンジしていた時代であり、’96年後半から’97年前半はそのどちらかが前話回想を演出していた。
 二度しか流れていないにもかかわらず’07バージョンが制作され、遂に’12年に使用された。


2.ブラディーヴィーナス(vo.速水清司)

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 42.カラオケボックス殺人事件 現実音
’01 249.アイドル達の秘密(前編) 現実音
合計2

 ’96年第42話「カラオケボックス殺人事件」において、男性登場人物がこの歌を歌うシーンのために用意されたボーカル曲である。歌っている登場人物を演じている声優と実際に歌っている人物が異なるので、聞いていると若干違和感を抱いたのを覚えている。
 なお、第249話「アイドル達の秘密(前編)」では、冒頭に現実音として使用されているが、こちらはノンボーカルバージョンのため、正確にはこのトラックの楽曲でも12番の楽曲でもないが、便宜上ここにカウントすることを断っておく。


3.捜査開始

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’97 47.スポーツクラブ殺人事件 10
52.霧天狗伝説殺人事件
55.列車トリック殺人事件
60.イラストレーター殺人事件
66.暗闇の道殺人事件
71.ストーカー殺人事件
72.三つ子別荘殺人事件
75.金融会社社長殺人事件
79.銀行強盗殺人事件
83.総合病院殺人事件
’98 96.追いつめられた名探偵!連続2大殺人事件
99.名陶芸家殺人事件(後編)
’99 160.怪奇五重塔伝説(後編)
’00 187.闇に響く謎の銃声
195.意味深なオルゴール(後編)
211.五彩伝説の水御殿(後編)
216.ベイ・オブ・ザ・リベンジ(後編)
’02 263.大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城
’03 309.黒の組織との接触(交渉編)
310.黒の組織との接触(追跡編)
335.東都現像所の秘密(前編)
’04 378.桃太郎謎解きツアー(後編)
’05 402.宝石強盗現行犯(後編)
合計23

 コナンが証拠探しのために街中を駆けずり回るシーンを意識して作られたのだろうか。当時らしく、コナンがかっこよく動き回る様子に主眼を置いた作りになっている。
 使用頻度はそれほど高くないが、’97年はよく使われた。小林氏の時代には「麻酔針を射ち込む時のコナンのテーマ」として使われている。現在は同シーンにこんな曲を使わないので(というよりも射ち込む前には曲自体が流れず、麻酔針が射ち込まれた後で短い曲が挿入されることが多い)、なかなか特徴のある音の入れ方をしていたものだなと思う。
 ’07バージョンが制作されているが、イントロ部分が削られたためにオリジナルのよさがなくなったように思う。


4.新一のテーマ

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 36.月曜夜7時30分殺人事件 現実音
’97 64.第3の指紋殺人事件 現実音
’98 119.仮面ヤイバー殺人事件
’99 149.遊園地バンジー事件 (2)
’02 281.小さな目撃者たち (2) 共に現実音
’05 391.本庁の刑事恋物語6(後編) 現実音
合計6(8)

 「外交官殺人事件(後編)」の新一登場シーンを想定して作ったのかもしれないが、かっこよくはあるものの哀愁が漂っていないために蘭との再会シーンを盛り上げるのには適していなかった(そのシーンにはサントラ2の「対決のテーマ(落ち着きバージョン)」が使用された)。
 では結局どういう使われ方をしたかと言うと、これが面白いことに「仮面ヤイバーのテーマ」になったのだから驚きだ。近年はあまり見ないが、当時は劇中のテレビで放映されている「仮面ヤイバー」をコナン達が視聴するシーンが度々見られた。その背景音楽として流れていたのがこの楽曲なのだ。


5.新一・追跡のテーマ

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’97 74.死神陣内殺人事件
76.コナンvs怪盗キッド
’98 109.探偵団大追跡事件 (2)
’99 130.競技場無差別脅迫事件(前編)
合計4(5)

 「新一」とついているが別に新一限定の追跡曲ではなく、犯人を追いかけるシーンなら誰が追いかけても使えるメロディだ。なかなかスピード感のある曲で、途中で楽器が増える箇所はなかなか盛り上がる。
 使用頻度は低い。最初期なら「『名探偵コナン』メイン・テーマ」「コナンのテーマ」や「脅迫(part2)」が流れそうなシーンに使用された。第76話「コナンvs怪盗キッド」の終盤で、蘭に扮したキッドが逃走するのをコナンが追いかけるシーンや、第109話「探偵団大追跡事件」の前半、スケボーに乗ったコナン達が車を追いかけるシーンで使われたのは印象深い。’07バージョンが存在しているが、あまり使用されていない。

6.西の名探偵

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 36.月曜夜7時30分殺人事件
40.資産家令嬢殺人事件(後編)
41.優勝旗切り裂き事件
’97 43.江戸川コナン誘拐事件 15
45.顔パック殺人事件
47.スポーツクラブ殺人事件
51.ゴルフ練習場殺人事件
52.霧天狗伝説殺人事件
56.おじゃマンボウ殺人事件
58.ホームズフリーク殺人事件(後編)
60.イラストレーター殺人事件
66.暗闇の道殺人事件
71.ストーカー殺人事件
72.三つ子別荘殺人事件
74.死神陣内殺人事件
79.銀行強盗殺人事件
80.放浪画家殺人事件
83.総合病院殺人事件
’98 94.雪女伝説殺人事件
99.名陶芸家殺人事件(後編)
101.初恋の人想い出事件(後編)
115.スキューバダイビング殺人事件(後編)
119.仮面ヤイバー殺人事件
120.ハニーカクテル殺人事件
’99 145.上野発北斗星3号(後編)
149.遊園地バンジー事件
162.空飛ぶ密室 工藤新一最初の事件
’00 175.四回殺された男
179.喫茶店トラック乱入事件
186.殺された名探偵(後編)
195.意味深なオルゴール(後編)
204.黒いイカロスの翼(後編)
207.見事すぎた名推理
211.五彩伝説の水御殿(後編)
216.ベイ・オブ・ザ・リベンジ(後編)
’01 235.密室のワインセラー
237.南紀白浜ミステリーツアー(後編)
256.松江玉造連句十四番勝負(後編)
’02 272.隠して急いで省略(後編)
278.英語教師vs西の名探偵(後編)
’03 308.残された声なき証言(後編) (5)
317.汚れた覆面ヒーロー(後編)
331.疑惑の辛口カレー(前編)
333.似た者プリンセス(前編)
’04 360.不思議な春のかぶと虫 (7)
369.ツイてる男のサスペンス
370.逃げ回るゲームソフト
372.物言わぬ航路(後編)
381.どっちの推理ショー(前編)
382.どっちの推理ショー(後編)
’05 384.標的は毛利小五郎 18(24)
387.ストラディバリウスの不協和音 後奏曲
388.薩摩に酔う小五郎(前編)
389.薩摩に酔う小五郎(後編)
390.本庁の刑事恋物語6(前編)
392.謎めく身長差20cm
397.辛く苦く甘い汁
398.奇妙な一家の依頼(前編)
401.宝石強盗現行犯(前編)
405.救急車を呼びに行った男
406.コナン平次の推理マジック(仕掛編)
407.コナン平次の推理マジック(館編)
411.神社鳥居ビックリ暗号(前編)
412.神社鳥居ビックリ暗号(後編)
418.米花町グルニエの家
421.イチョウ色の初恋(前編)
422.イチョウ色の初恋(後編)
423.探偵団と青虫4兄弟
’06 427.超秘密の通学路(前編) 16(20)
429.もう戻れない二人(前編)
431.本庁の刑事恋物語7(前編)
433.コナン変な子
436.探偵団に注目取材(後編)
437.上戸彩と新一 4年前の約束
443.ため息 潮干狩り(前編)
445.ロシアンブルーの秘密
446.封印された洋窓(前編)
448.目黒の秋刀魚事件
449.本庁の刑事恋物語 偽りのウェディング
450.トリックvsマジック(前編)
451.トリックvsマジック(後編)
456.俺が愛したミステリー
457.園子の赤いハンカチ(前編)
458.園子の赤いハンカチ(後編)
合計84(96)

 タイトルから察するに服部平次の登場シーンに合わせて作られたのだろう。しかし同シーンには「闇の男爵ナイトバロンのテーマ」が使用された。
 いかにもギャグ風味に溢れた曲だが、小林氏の時代とそれ以降の時代とでは全く使い方が異なる。小林氏の時代には推理曲の定番のひとつであり、主に犯人の行動やトリックを説明するシーンで多用された。一方、浦上氏と井澤氏の時代には、完全にギャグシーンで使われた。そのため前後編作品において、小林氏の時代には100パーセント後編で使われていたのに、以降の時代では前編での使用率が異常に高い。
 そもそも小林氏が担当した中では’97年が全盛期であり、それ以降は意外に細々と使われていた。理由は「西の名探偵(摩天楼ヴァージョン)」「トリック」などの後継曲が幅を利かせたのと、前後編の増加に伴いこの曲が流れる機会のない前編が増えたことで必然的に使用頻度が落ちたことが挙げられる。
 ところが、それだけ楽曲の幅が増えた’05年と’06年は急激に使用頻度が上がる。井澤氏が担当したと推測されるが、年間使用話数がそれぞれ18話・16話であり主力級並にフル回転している。もし推理曲として使われていればいくらなんでもこれは多すぎる。しかも30分の中で複数回使われる機会も多かった。明らかにギャグ曲として重用したのである。
 ’07バージョンが制作されているが、近年はあまり使われていない。(’12年と’14年は使用あり)


7.闇の男爵ナイトバロンのテーマ

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’97 48.外交官殺人事件(前編) (5)
55.列車トリック殺人事件
76.コナンvs怪盗キッド
79.銀行強盗殺人事件
’98 96.追いつめられた名探偵!連続2大殺人事件
111.料理教室殺人事件(後編)
120.ハニーカクテル殺人事件
’99 164.月と星と太陽の秘密(後編)
’00 184.呪いの仮面は冷たく笑う
’01 257.世にも奇妙な天罰
’04 356.怪盗キッドの驚異空中歩行 (4)
381.どっちの推理ショー(前編)
382.どっちの推理ショー(後編) 前編のおさらい
’05 415.仏滅に出る悪霊(事件編) (3)
417.仏滅に出る悪霊(解決編)
’06 427.超秘密の通学路(前編)
437.上戸彩と新一 4年前の約束
441.最期のアーン
442.鉄骨に阻まれた男
445.ロシアンブルーの秘密
449.本庁の刑事恋物語 偽りのウェディング
450.トリックvsマジック(前編)
合計22(25)

 ナイトバロンと言うと、工藤優作が小説の中で創り出した神出鬼没の怪人であり、不気味なマスクを装着しているのが特徴だ。そのナイトバロンのテーマ曲ということだが、はっきり言って随分と軽いノリに仕上がっている。そのためか「闇の男爵殺人事件」では一切使用されず、実際にナイトバロンが暗躍するシーンは「怪人包帯男1」に譲った。
「闇の男爵ナイトバロンのテーマ」を聞くとマジックシーンを思い起こすのだが、不思議と事件の推理シーンでも使われており、それほど違和感がない。ただ、音響監督が代わってからは推理曲として使われることはなくなった。
 ’07バージョンが制作されているが、近年は耳にする機会が減った。


8.コナンの勇気

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 35.山荘包帯男殺人事件(後編) 前編のおさらい
40.資産家令嬢殺人事件(後編) 前編のおさらい
’97 58.ホームズフリーク殺人事件(後編) 前編のおさらい
’03 335.東都現像所の秘密(前編)
’05 390.本庁の刑事恋物語6(前編) 現実音
391.本庁の刑事恋物語6(後編) 現実音
合計6

 名探偵コナン メイン・テーマとは違うのだが、同じような位置づけにあるヒーローのテーマ曲であり、その勇ましいメロディに心をくすぐられるものがある。
 小林克良氏の時代には、‘96年後半から’97年前半にかけて、タイトルコール前の前編おさらい曲として使用された。小林氏の引退後は工藤有希子のイメージ曲として、それから初代仮面ヤイバーのテーマ曲として使われた。


9.怪人包帯男1

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 36.月曜夜7時30分殺人事件 (5)
38.赤鬼村火祭殺人事件
40.資産家令嬢殺人事件(後編)
41.優勝旗切り裂き事件
’97 44.堀田三兄弟殺人事件 12(14)
45.顔パック殺人事件
46.雪山山荘殺人事件
48.外交官殺人事件(前編)
49.外交官殺人事件(後編)
51.ゴルフ練習場殺人事件
54.ゲーム会社殺人事件
57.ホームズフリーク殺人事件(前編)
60.イラストレーター殺人事件
68.闇の男爵殺人事件(事件篇)
69.闇の男爵殺人事件(疑惑篇)
74.死神陣内殺人事件
’98 89.ドラキュラ荘殺人事件(後編)
91.強盗犯人入院事件
101.初恋の人想い出事件(後編)
103.時代劇俳優殺人事件(後編)
’99 134.奇術愛好家殺人事件(解決編)
161.流水亭に流れる殺意
’00 184.呪いの仮面は冷たく笑う
185.殺された名探偵(前編)
190.命がけの復活 第三の選択
200.容疑者 毛利小五郎(後編)
208.迷宮への入り口 巨大神像の怒り
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド
221.偽りだらけの依頼人(後編)
229.殺意の陶芸教室(後編)
257.世にも奇妙な天罰
’02 275.幽霊屋敷の真実(後編)
’05 392.謎めく身長差20cm
’06 425.ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間
合計34(37)

 怪人包帯男のテーマとして用意されたようだが、同じ怪人でもナイトバロンのテーマとして使われるぐらい、ヨーロッパ的な匂いが漂っている。
 全部で34話使用されたが、うち32話は小林氏による選曲である。特に解明推理シーンの終盤において流れると、非常に盛り上がることが多く、犯人が追いつめられているのを実感できる演出になっていたと思う。全盛期は’97年で、それ以降は縮小しながら、仮面の下に隠されていた人物が正体を現した時のテーマとしても使われるようになった。(犯人が判明するシーンで流すことの応用だと考えれば大きな違いはないかもしれないが)
 ’07バージョンはよりエンターテイメント性の強いアレンジになっている。一時期はギャグシーンでのみ使用されていたが、現在はオリジナル時代同様の使われ方をしている。


10.少年探偵団のテーマ

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 36.月曜夜7時30分殺人事件
’97 43.江戸川コナン誘拐事件
52.霧天狗伝説殺人事件
56.おじゃマンボウ殺人事件
57.ホームズフリーク殺人事件(前編)
59.初めてのお使い殺人事件
66.暗闇の道殺人事件
70.闇の男爵殺人事件(解決篇)
80.放浪画家殺人事件
’98 109.探偵団大追跡事件 (4)
111.料理教室殺人事件(後編)
118.浪花の連続殺人事件
’00 183.危険なレシピ
186.殺された名探偵(後編)
’01 253.本庁の刑事恋物語4(前編)
’02 303.戻って来た被害者
’03 305.見えない容疑者(前編)
314.壊れた柵の展望台
320.忍法アリバイ工作の術
333.似た者プリンセス(前編)
’04 348.愛と幽霊と地球遺産(前編) (2)
’05 400.疑惑を持った蘭
422.イチョウ色の初恋(後編)
’06 429.もう戻れない二人(前編)
432.本庁の刑事恋物語7(後編)
443.ため息 潮干狩り(前編)
合計26(28)

 「少年探偵団のテーマ」オリジナルバージョンである。小学1年生のイメージ曲ではなく(そもそも彼らは小1に見えないが…)、小学生探偵としての頭脳的活躍を想起させる楽曲になっている。捜査シーンやわいわい言いながら議論を進めていく様子が窺える。
 実際の使用シーンは少年探偵団関係に限定されず、コナンが自分の考えを披露するシーン(「小さな巨人」に近い使い方)のほか、純粋に推理曲として使われることもある。


11.昼下がりの天使たち

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 36.月曜夜7時30分殺人事件
’97 45.顔パック殺人事件
46.雪山山荘殺人事件
47.スポーツクラブ殺人事件
50.図書館殺人事件
52.霧天狗伝説殺人事件
54.ゲーム会社殺人事件
57.ホームズフリーク殺人事件(前編)
60.イラストレーター殺人事件
’98 118.浪花の連続殺人事件
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド 10
226.バトルゲームの罠
233.消えなかった証拠(前編)
235.密室のワインセラー
236.南紀白浜ミステリーツアー(前編)
245.ヒマワリ館の銃声
249.アイドル達の秘密(前編)
253.本庁の刑事恋物語4(前編)
255.松江玉造連句十四番勝負(前編)
258.シカゴから来た男
’02 263.大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城
266.バレンタインの真実(事件編)
297.法定の対決Ⅱ 妃vs九条(前編)
’03 305.見えない容疑者(前編)
307.残された声なき証言(前編)
314.壊れた柵の展望台
328.バースデーワインの謎
333.似た者プリンセス(前編)
’04 383.甲子園の奇跡!見えない悪魔に負けず嫌い
’05 401.宝石強盗現行犯(前編)
406.コナン平次の推理マジック(仕掛編)
415.仏滅に出る悪霊(事件編)
419.八岐大蛇の剣(前編)
’06 425.ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間
426.蘭へのラブレター
429.もう戻れない二人(前編)
437.上戸彩と新一 4年前の約束
448.目黒の秋刀魚事件
452.こんぴら座の怪人
合計39

 タイトルにある「天使たち」とは少年探偵団のことだと思われ、彼らの日常シーンを想定して作曲されたのだろう。非常に可愛らしい音色に心が癒される。
 サントラ3の楽曲名は、あるワンシーンを想定したものが多いが、実際にそのシーンに即して使われたものは少ないか、それ以外の使われ方もしている。「昼下がりの天使たち」は少年探偵団に限らず毛利家や大阪組中心の話であっても使われ、最初期の「『蘭のテーマ』で始まる冒頭シーン」という観念を覆すには十分な活躍を見せた。
 ’99年と’00年は全く使われていないが、これは後から登場する「蘭のテーマ(摩天楼ヴァージョン)」「昼下がりの天使たち(摩天楼ヴァージョン)」に役割を乗っ取られたからである。’01年になって復活し、2年ぶんの鬱憤を晴らすかのように年間10話使用された。(この裏では「昼下がりの天使たち(摩天楼ヴァージョン)」の使用率が激減している)’07バージョンも制作され、近年も年に数回ずつ順当に使用されている。


12.ブラディーヴィーナス(vo.小坂水澄)

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 42.カラオケボックス殺人事件 現実音
合計1

 トラック2で紹介したブラディーヴィーナスの女声ボーカルバージョンである。劇中では犯人がこの曲を歌う場面で使用された。


13.激突

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’99 147.本庁の刑事恋物語(後編)
’02 270.犯罪の忘れ形見(後編) 現実音
’03 316.汚れた覆面ヒーロー(前編)
334.似た者プリンセス(後編)
’05 391.本庁の刑事恋物語6(後編) 現実音
’06 437.上戸彩と新一 4年前の約束
合計6

 「名探偵コナン 新メインテーマ」「コナンの勇気」と並ぶヒーローのテーマ曲…だと思うのだが、それら2曲が流れていた時代には全く使用されず、’99年以降に少しずつ使われるようになった。
 個人的には上の2曲と同じく前話のおさらいシーンで使ってもよかったのではないかと思うのだが、初めて使われた’99年第147話「本庁の刑事恋物語(後編)」のシーンも面白い。犯人が逮捕され、残った仲間もお縄についてめでたしめでたしというシーンだ(初期ならサントラ1の「前話回想」の使い方に近い)。美しくまとめるのもいいのだが、コナンの活躍を前面に押し出した選曲はかっこいい。


14.想い出

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 39.資産家令嬢殺人事件(前編)
41.優勝旗切り裂き事件
’97 68.闇の男爵殺人事件(事件篇)
’01 233.消えなかった証拠(前編)
249.アイドル達の秘密(前編)
’02 282.水流るる石庭の怪(前編)
’03 314.壊れた柵の展望台
334.似た者プリンセス(後編)
’05 406.コナン平次の推理マジック(仕掛編)
419.八岐大蛇の剣(前編)
421.イチョウ色の初恋(前編)
’06 431.本庁の刑事恋物語7(前編)
448.目黒の秋刀魚事件
452.こんぴら座の怪人
457.園子の赤いハンカチ(前編)
合計15

 「想い出」というタイトルだが、少なくともこのオリジナルバージョンに関しては「カクテルパーティー」という呼び名がしっくり来る、そんな夜の大人の世界を想起させるメロディになっている。ただ、曲の終盤は「想い出」を感じさせる寂寥感が漂っていて、美しくまとめてあると思う。
 個人的に最も印象に残っているのは第41話「優勝旗切り裂き事件」のCパートで「野球部が大会の優勝旗を目指して突き進む…」という終わり方をする場面だ。何か非常にピュアなものを見せてもらったと感じる。’07バージョンが存在するが、現在はあまり使用されていない。


15.悲劇のヒロイン

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 36.月曜夜7時30分殺人事件
’97 58.ホームズフリーク殺人事件(後編)
67.舞台女優殺人事件
’98 96.追いつめられた名探偵!連続2大殺人事件
101.初恋の人想い出事件(後編)
’99 158.沈黙の環状線
’01 224.そして人魚はいなくなった(解決編)
’08 ※工藤新一NYの事件(デジタルリマスター特別編集版) (1) オリジナルシーンの追加による
合計7(8)

 サントラ3の自白曲である。サントラ2までの激しく感情を吐露する自白曲に比べると、穏やかで女性的なメロディが特徴だ。また、ヘッドホンで聞いてみるとよく分かるのだが、主旋律がかなり右側に傾いている。
 印象に残ったのは’96年第36話「月曜夜7時30分殺人事件」、’98年第96話「追いつめられた名探偵!連続2大殺人事件」、それから第101話「初恋の人想い出事件(後編)」の3つだ。なぜかシーンとしては’97年第58話「ホームズフリーク殺人事件(後編)」が思い浮かぶのだが、動機がアレだっただけに心には残っていない。
 ’08年に、このオリジナルバージョンが一度たけ使われたことがある。とは言っても旧作のデジタルリマスター版なのだが、新たに追加されたシーンで流れたのだ。この時には’06年までに使用された楽曲は全て’07バージョンに切り替わっているのだが、例外的にオリジナルバージョンが使用されたのである。なお、表の上では例外的な扱いになるので、「7回+1回」という考え方をしている。


16.-星の愛-(vo.速水清司)

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 42.カラオケボックス殺人事件 現実音
’97 67.舞台女優殺人事件 現実音
’02 299.友情と殺意の関門海峡(前編)
’06 426.蘭へのラブレター (3)
432.本庁の刑事恋物語7(後編)
合計5(6)

 トラック2の速水清司氏によるボーカル曲である。氏は「『名探偵コナン』メイン・テーマ~ヴォーカルヴァージョン」(フーンフフーフーンという自白曲)のハミングも担当しているため、イントロの「フッフフフッフフ…♪」(犯人の笑い声ではない)という声が同曲と被って聞こえる。
 この曲は浦上氏・井澤氏によって発掘されたと言ってもいい。小林氏の時代にも使われたが、あくまで現実音として挿入されただけであり、劇中BGMとしての役割は担わなかった。ところが’02年第299話「友情と殺意の関門海峡(前編)」の夕暮れをバックに舟が進むシーンで突如使用された。当時の音響監督は浦上氏だが、こんな使い方があったのか!と感動したのを覚えている。


17.ひらめき

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 42.カラオケボックス殺人事件
’97 45.顔パック殺人事件
54.ゲーム会社殺人事件
58.ホームズフリーク殺人事件(後編)
’98 117.ミステリー作家失踪事件(後編) 前編のおさらい
122.バスルーム密室事件(後編) 前編のおさらい
合計6

 コナンの明晰な頭脳が犯人を追いつめていく…というシーンのために用意されたとしか思えないスマートでかっこいい曲である。「対決のテーマ(落ち着きバージョン)」に通じるものがあるが、哀愁はそれほど強くない。
 ’96年と’97年は上記の通り犯人を追いつめるシーンで、’98年は前編のおさらい用BGMとして用いられた。素敵な楽曲だが使用頻度が低く、’98年を最後に使われなくなった。
 なんと言ってもまず思い浮かぶのは’97年第58話「ホームズフリーク殺人事件(後編)」のシーンだ。麻酔針で服部平次を眠らせたコナンが服部の声で推理するのだが、その入り方がいい。「第241問…暗号『踊る人形』を使って、ホームズが犯人に出した手紙の内容は?」と犯人を誘導尋問にかけて追いつめていく最初の一言から挿入されたのである。コナンの中でも屈指の推理シーンではないか。’07バージョンが作られており、2019年に初めて使用された。

18.怪人包帯男2

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 37.サボテンの花殺人事件
41.優勝旗切り裂き事件
42.カラオケボックス殺人事件
’97 43.江戸川コナン誘拐事件 24(28)
45.顔パック殺人事件
46.雪山山荘殺人事件
47.スポーツクラブ殺人事件
48.外交官殺人事件(前編)
51.ゴルフ練習場殺人事件
52.霧天狗伝説殺人事件
54.ゲーム会社殺人事件
55.列車トリック殺人事件
58.ホームズフリーク殺人事件(後編)
60.イラストレーター殺人事件
61.幽霊船殺人事件(前編)
62.幽霊船殺人事件(後編)
64.第3の指紋殺人事件
66.暗闇の道殺人事件
68.闇の男爵殺人事件(事件篇)
69.闇の男爵殺人事件(疑惑篇)
74.死神陣内殺人事件
75.金融会社社長殺人事件
76.コナンvs怪盗キッド
78.名家連続変死事件(後編)
80.放浪画家殺人事件
82.人気アーティスト誘拐事件(後編)
84.スキーロッジ殺人事件(前編)
’98 86.誘拐現場特定事件 21(26)
88.ドラキュラ荘殺人事件(前編)
89.ドラキュラ荘殺人事件(後編)
90.花の香り殺人事件
93.恐怖のトラヴァース殺人事件(後編)
94.雪女伝説殺人事件
96.追いつめられた名探偵!連続2大殺人事件
97.別れのワイン殺人事件
98.名陶芸家殺人事件(前編)
102.時代劇俳優殺人事件(前編)
103.時代劇俳優殺人事件(後編)
104.盗賊団謎の洋館事件(前編)
105.盗賊団謎の洋館事件(後編)
107.モグラ星人謎の事件(前編)
108.モグラ星人謎の事件(後編)
112.帝丹小7不思議事件
114.スキューバダイビング殺人事件(前編)
115.スキューバダイビング殺人事件(後編)
121.バスルーム密室事件(前編)
126.旅芝居一座殺人事件(前編)
127.旅芝居一座殺人事件(後編)
’99 129.黒の組織から来た女 大学教授殺人事件 17(18)
130.競技場無差別脅迫事件(前編)
131.競技場無差別脅迫事件(後編)
133.奇術愛好家殺人事件(疑惑編)
137.青の古城探索事件(後編)
139.最後の上映殺人事件(後編)
141.結婚前夜の密室事件(前編)
152.謎の老人失踪事件
153.園子のアブない夏物語(前編)
154.園子のアブない夏物語(後編) 前編のおさらい
157.本庁の刑事恋物語2(後編)
159.怪奇五重塔伝説(前編)
162.空飛ぶ密室 工藤新一最初の事件
164.月と星と太陽の秘密(後編)
168.鳥取クモ屋敷の怪(解決篇)
171.暗闇の中の死角(後編)
173.よみがえる死の伝言(後編)
’00 175.四回殺された男 16
178.黒の組織との再会(解決編)
179.喫茶店トラック乱入事件
181.赤い殺意の夜想曲(後編)
182.大捜索 9つのドア
183.危険なレシピ
186.殺された名探偵(後編)
188.命がけの復活 洞窟の探偵団
190.命がけの復活 第三の選択
191.命がけの復活 黒衣の騎士
196.見えない凶器 蘭の初推理
202.10人目の乗客(後編)
205.本庁の刑事恋物語3(前編)
206.本庁の刑事恋物語3(後編)
208.迷宮への入り口 巨大神像の怒り
213.きのこと熊と探偵団(後編)
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド
221.偽りだらけの依頼人(後編)
224.そして人魚はいなくなった(解決編)
230.謎めいた乗客(前編)
231.謎めいた乗客(後編) 前編のおさらい
232.マンション転落事件
244.毛利小五郎のニセ者(後編)
258.シカゴから来た男(前編)
’03 309.黒の組織との接触(交渉編) 「残された声なき証言」のおさらい
310.黒の組織との接触(追跡編)
326.炎の中に赤い馬(捜査編)
’05 387.ストラディバリウスの不協和音 後奏曲
392.謎めく身長差20cm
400.疑惑を持った蘭
401.宝石強盗現行犯(前編)
402.宝石強盗現行犯(後編) 前編のおさらい
424.ピエロからの写真メール
’06 425.ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間
426.封印された洋窓(前編)
454.ひっくり返った結末(前編)
455.ひっくり返った結末(後編) 前編のおさらい
合計102(112)

 メロディをよく聞くと「怪人包帯男1」と被っているのを発見できるが、基本的には別の曲である。おどろおどろしい音色で、緊張感の高まりと共に事件を起こした犯人の恐ろしさを感じることができる。
 使用シーンは事件後の考察シーン、Bパートの締めから推理シーンまで幅広く使用されており、サントラ3における代表的な事件曲のひとつだ。
’97年から’00年までの間は使用頻度が非常に高く、小林氏引退後は使用頻度が大きく低下した(とは言え、「瞳の中の暗殺者」サントラ導入が決定打になる’01年の段階で全盛期から後退している)。’07バージョンが制作され、現在は数年に1回程度使用されている。


19.謎解き(その1)

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 34.山荘包帯男殺人事件(前編) (5)
35.山荘包帯男殺人事件(後編)
37.サボテンの花殺人事件
38.赤鬼村火祭殺人事件
’97 43.江戸川コナン誘拐事件 26(28)
45.顔パック殺人事件
47.スポーツクラブ殺人事件
48.外交官殺人事件(前編)
50.図書館殺人事件
52.霧天狗伝説殺人事件
53.謎の凶器殺人事件
54.ゲーム会社殺人事件
56.おじゃマンボウ殺人事件
57.ホームズフリーク殺人事件(前編)
59.初めてのお使い殺人事件
61.幽霊船殺人事件(前編)
62.幽霊船殺人事件(後編)
65.カニとクジラ誘拐事件
69.闇の男爵殺人事件(疑惑篇)
71.ストーカー殺人事件
72.三つ子別荘殺人事件
73.少年探偵団遭難事件
74.死神陣内殺人事件
77.名家連続変死事件(前編)
79.銀行強盗殺人事件
81.人気アーティスト誘拐事件(前編)
82.人気アーティスト誘拐事件(後編)
83.総合病院殺人事件
84.スキーロッジ殺人事件(前編)
85.スキーロッジ殺人事件(後編)
’98 86.誘拐現場特定事件 21(23)
87.鶴の恩返し殺人事件
88.ドラキュラ荘殺人事件(前編)
90.花の香り殺人事件
92.恐怖トラヴァース殺人事件(前編)
93.恐怖のトラヴァース殺人事件(後編)
96.追いつめられた名探偵!連続2大殺人事件
97.別れのワイン殺人事件
98.名陶芸家殺人事件(前編)
99.名陶芸家殺人事件(後編)
100.初恋の人想い出事件(前編)
108.モグラ星人謎の事件(後編)
112.帝丹小7不思議事件
114.スキューバダイビング殺人事件(前編)
117.ミステリー作家失踪事件(後編)
119.仮面ヤイバー殺人事件
120.ハニーカクテル殺人事件
121.バスルーム密室事件(前編)
123.お天気お姉さん誘拐事件
124.謎の狙撃者殺人事件(前編)
127.旅芝居一座殺人事件(後編)
’99 129.黒の組織から来た女 大学教授殺人事件 13
133.奇術愛好家殺人事件(疑惑編)
134.奇術愛好家殺人事件(解決編)
139.最後の上映殺人事件(後編)
141.結婚前夜の密室事件(前編)
143.疑惑の天体観測
146.本庁の刑事恋物語(前編)
152.謎の老人失踪事件
156.本庁の刑事恋物語2(前編)
161.流水亭に流れる殺意
165.少年探偵団消失事件
170.暗闇の中の死角(前編)
172.よみがえる死の伝言(前編)
’00 180.赤い殺意の夜想曲(前編) 14
181.赤い殺意の夜想曲(後編)
183.危険なレシピ
187.闇に響く謎の銃声
188.命がけの復活 洞窟の探偵団
189.命がけの復活 負傷した名探偵
194.意味深なオルゴール(前編)
197.スーパーカーの罠(前編)
199.容疑者 毛利小五郎(前編)
203.黒いイカロスの翼(前編)
208.迷宮への入り口 巨大神像の怒り
210.五彩伝説の水御殿(前編)
212.きのこと熊と探偵団(前編)
218.封印された目暮の秘密(後編)
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド 11(12)
223.そして人魚はいなくなった(推理編)
224.そして人魚はいなくなった(解決編)
231.謎めいた乗客(後編)
232.マンション転落事件
235.密室のワインセラー
238.大阪3つの”K” 事件(前編)
240.新幹線護送事件(前編)
251.OK牧場の悲劇
253.本庁の刑事恋物語4(前編)
260.揺れるレストラン
’02 263.大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城 10
271.隠して急いで省略(前編)
274.幽霊屋敷の真実(前編)
275.幽霊屋敷の真実(後編)
279.迷宮のフーリガン(前編)
282.水流るる石庭の怪(前編)
283.水流るる石庭の怪(後編) 前編のおさらい
290.迷いの森の光彦(後編)
296.屋形船 釣りショック
303.戻って来た被害者
’03 306.見えない容疑者(後編)
308.残された声なき証言(後編)
328.バースデーワインの謎
330.お金で買えない友情(後編)
337.転落事件の裏事情
342.ハウステンボスの花嫁
’04 353.フィッシング大会の悲劇(後編)
372.物言わぬ航路(後編) 前編のおさらい
374.星と煙草の暗号(前編)
375.星と煙草の暗号(後編)
376.タイムリミットは15時!
378.桃太郎謎解きツアー(後編) 前編のおさらい
’05 410.同時進行 舞台と誘拐(後編)
’06 425.ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間 (9)
429.もう戻れない二人(前編)
438.お魚メールの追跡
439.そして誰もいなくなればいい
440.極限のカースタント
446.封印された洋窓(前編)
448.目黒の秋刀魚事件
450.トリックvsマジック(前編)
合計120(127)

 何かが起きたと感じさせるサスペンスフルなメロディに始まり、後半は静かで緊迫感のある場面へと転調する作りになっている。
 初期の使われ方としては「二代目事件発生曲」である。「脅迫(part2)」は最初期の事件発生を飾るテーマだったが、「謎解き(その1)」が登場してからは一気に衰退し、一時期はこれしか流れないというほどよく使用された。
 音響監督交代後は事件発生よりも考察シーンであったり、証拠探しのシーンであったり、推理曲であったりと、どちらかと言うとスピーディない場面での使用が目立つようになった。’07バージョンが存在し、現在は年に数回程度使用されている。


20.サスペンス-危機感-

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 38.赤鬼村火祭殺人事件
’97 45.顔パック殺人事件 11
50.図書館殺人事件
53.謎の凶器殺人事件
59.初めてのお使い殺人事件
60.イラストレーター殺人事件
63.大怪獣ゴメラ殺人事件
64.第3の指紋殺人事件
65.カニとクジラ誘拐事件
67.舞台女優殺人事件
73.少年探偵団遭難事件
78.名家連続変死事件(後編)
’98 106.スクープ写真殺人事件 (5)
120.ハニーカクテル殺人事件
123.お天気お姉さん誘拐事件
125.謎の狙撃者殺人事件(後編)
’00 183.危険なレシピ
185.殺された名探偵(前編)
201.10人目の乗客(前編)
207.見事すぎた名推理
208.迷宮への入り口 巨大神像の怒り
209.龍神山転落事件
’01 233.消えなかった証拠(前編)
’02 263.大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城 ここまでのおさらい
296.屋形船 釣りショック
’03 307.残された声なき証言(前編)
’04 346.お尻のマークを探せ!(前編)
378.桃太郎謎解きツアー(後編)
382.どっちの推理ショー(後編)
’05 385.ストラディバリウスの不協和音 前奏曲
401.宝石強盗現行犯(前編)
410.同時進行 舞台と誘拐(後編)
合計32(33)

 タイトルほど危機感を煽るものではなく、少なくとも「あと10秒で爆発するぞ!急げ!」というような絶体絶命大ピンチの状況で流すほど切迫した曲ではない。リズムに乗っているので、どちらかと言うと、少しずつ謎が氷解し真実に迫る雰囲気を盛り上げる曲である。
 使用頻度は普通だろう。小林氏の時代に、特に’97年は結構流れている。その後は思ったほど用いられていないが、個人的にはもう少し多く使われたイメージがある。使われる時には集中して使われているからそう感じるのかもしれない。
 稀に解明推理シーンに用いられることもあるが、主にコナンが証拠探しのために街中を駆けずり回り、その証拠を発見し「犯人はあの人だ」というお決まりの台詞へと繋ぐシーンで使用された。すぐに「犯人は~」という流れにならなくとも、とにかくコナンが探索するシーンでは頻繁に使われている。これが後の「瞳の中の暗殺者」の楽曲である「顛末(TENMATSU)」へと受け継がれていく。’07バージョンが存在し、現在は年に数回程度使用されている。

21.謎解き(その2)

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 35.山荘包帯男殺人事件(後編)
’97 74.死神陣内殺人事件
’98 105.盗賊団謎の洋館事件(後編) 前編のおさらい
108.モグラ星人謎の事件(後編) 前編のおさらい
111.料理教室殺人事件(後編) 前編のおさらい
123.お天気お姉さん誘拐事件
125.謎の狙撃者殺人事件(後編) 前編のおさらい
’99 129.黒の組織から来た女 大学教授殺人事件 17 ここまでのおさらい
133.奇術愛好家殺人事件(疑惑編) 事件編のおさらい
134.奇術愛好家殺人事件(解決編) 事件編・疑惑編のおさらい
137.青の古城探索事件(後編) 前編のおさらい
139.最後の上映殺人事件(後編) 前編のおさらい
142.結婚前夜の密室事件(後編) 前編のおさらい
145.上野発北斗星3号(後編) 前編のおさらい
147.本庁の刑事恋物語(後編) 前編のおさらい
151.自動車爆発事件の真相(後編) 前編のおさらい
154.園子のアブない夏物語(後編) 前編のおさらい
157.本庁の刑事恋物語2(後編) 前編のおさらい
160.怪奇五重塔伝説(後編) 前編のおさらい
164.月と星と太陽の秘密(後編) 前編のおさらい
167.鳥取クモ屋敷の怪(疑惑篇) 事件篇のおさらい
168.鳥取クモ屋敷の怪(解決篇) 疑惑篇のおさらい
171.暗闇の中の死角(後編) 前編のおさらい
173.よみがえる死の伝言(後編) 前編のおさらい
’00 177.黒の組織との再会(コナン編) 19 灰原編のおさらい
178.黒の組織との再会(解決編) 灰原編・コナン編のおさらい
181.赤い殺意の夜想曲(後編) 前編のおさらい
186.殺された名探偵(後編) 前編のおさらい
189.命がけの復活 負傷した名探偵 命がけの復活シリーズのおさらい
190.命がけの復活 第三の選択 命がけの復活シリーズのおさらい
191.命がけの復活 黒衣の騎士 命がけの復活シリーズのおさらい
192.命がけの復活 帰ってきた新一… 命がけの復活シリーズのおさらい
194.意味深なオルゴール(前編) 命がけの復活シリーズのおさらい
195.意味深なオルゴール(後編) 前編のおさらい
198.スーパーカーの罠(後編) 前編のおさらい
200.容疑者 毛利小五郎(後編) 前編のおさらい
202.10人目の乗客(後編) 前編のおさらい
204.黒いイカロスの翼(後編) 前編のおさらい
206.本庁の刑事恋物語3(後編) 前編のおさらい
211.五彩伝説の水御殿(後編) 前編のおさらい
213.きのこと熊と探偵団(後編) 前編のおさらい
216.ベイ・オブ・ザ・リベンジ(後編) 前編のおさらい
218.封印された目暮の秘密(後編) 前編のおさらい
’01 221.偽りだらけの依頼人(後編) 15 前編のおさらい
223.そして人魚はいなくなった(推理編) 事件編のおさらい
224.そして人魚はいなくなった(解決編) 事件編・推理編のおさらい
227.バトルゲームの罠(後編) 前編のおさらい
229.殺意の陶芸教室(後編) 前編のおさらい
231.謎めいた乗客(後編) 前編のおさらい
234.消えなかった証拠(後編) 前編のおさらい
237.南紀白浜ミステリーツアー(後編) 前編のおさらい
239.大阪3つの”K”事件(後編) 前編のおさらい
241.新幹線護送事件(後編) 前編のおさらい
244.毛利小五郎のニセ者(後編) 前編のおさらい
247.網にかかった謎(後編) 前編のおさらい
250.アイドル達の秘密(後編) 前編のおさらい
259.シカゴから来た男(後編) 前編のおさらい
262.雪の夜の恐怖伝説(後編) 前編のおさらい
’02 265.法廷の対決 妃vs小五郎(後編) 14 前編のおさらい
267.バレンタインの真実(推理編) 事件編のおさらい
268.バレンタインの真実(解決編) 事件編・推理編のおさらい
270.犯罪の忘れ形見(後編) 前編のおさらい
272.隠して急いで省略(後編) 前編のおさらい
275.幽霊屋敷の真実(後編) 前編のおさらい
278.英語教師vs西の名探偵(後編) 前編のおさらい
283.水流るる石庭の怪(後編) 前編のおさらい
285.中華街 雨のデジャビュ(後編) 前編のおさらい
287.工藤新一NYの事件(推理編) 事件編のおさらい
290.迷いの森の光彦(後編) 前編のおさらい
292.孤島の姫と竜宮城(追求編) 事件編のおさらい
293.孤島の姫と竜宮城(解決編) 事件編・追求編のおさらい
295.愛と決断のスマッシュ(後編) 前編のおさらい
’03 317.汚れた覆面ヒーロー(後編) 前編のおさらい
319.幸運のシガーケース(後編) 前編のおさらい
326.炎の中に赤い馬(捜査編) 事件編のおさらい
’04 362.帝丹高校学校怪談(後編) 前編のおさらい
365.シンクロにシティ事件(後編) 前編のおさらい
’05 386.ストラディバリウスの不協和音 間奏曲 前奏曲のおさらい
389.薩摩に酔う小五郎(後編) 前編のおさらい
395.奇抜な屋敷の大冒険(絡繰編) 封印編のおさらい
402.宝石強盗現行犯(後編) 前編のおさらい
416.仏滅に出る悪霊(疑惑編) 事件編のおさらい
’06 430.もう戻れない二人(後編) 10
431.本庁の刑事恋物語7(前編)
435.探偵団に注目取材(前編)
436.探偵団に注目取材(後編) 前編のおさらい
438.お魚メールの追跡
444.ため息 潮干狩り(後編) 前編のおさらい
447.封印された洋窓(後編) 前編のおさらい
450.トリックvsマジック(前編)
451.トリックvsマジック(後編) 前編のおさらい
458.園子の赤いハンカチ(後編) 前編のおさらい
合計92

 お化けでも出てきそうなメロディのサスペンス曲だが、これはサントラ3の中でも特に重要な曲である。というのは、前編のおさらいシーンを飾ったBGMの中で最も使用頻度が高いからである。
 制作されたはじめの2年は全く目立たず、’96年と’97年に一度ずつ使われただけだった。ところが’98年に入り第105話「盗賊団謎の洋館事件(後編)」の前編回想シーンで突如使われ始めると、ここから怒涛のように前話回想曲として使用されるようになった。これまで前話回想は「コナンのテーマ」「名探偵コナン 新メインテーマ」「コナンの勇気」「名探偵コナン メイン・テーマ(摩天楼ヴァージョン)」などが務めて来たが、「謎解き(その2)」が担当するようになってからは大きく勢力図が変わり、ほぼ95パーセントこの曲が占めるようになった。’02年頃から別の曲が使われることも出てきて少し傾向が変わったが、’99から’01年までは「謎解き(その2)」の独壇場だったと言っても過言ではない。
 それにしても、なぜ急にこの曲が前話回想曲として定着するようになったのだろうか。回想曲としてのスタートである’98年の第105話「盗賊団謎の洋館事件(後編)」の頃は、これまで特別扱いだった前後編というタイトルが、アニメが原作に追いつくのを防ぐために一般化した時期でもある(’98年はアニメオリジナルが多く、原作のストックが極端に不足し始めていたのは明らかである。その状況を作り出したのは灰原哀の存在だと思われる。灰原哀を’99年の正月SPで登場させるために哀の登場する話を削っていった結果、原作がすっからかんに近い状態になったのだ)。ちょうど第98話「名陶芸家殺人事件(前編)」から第105話「盗賊団謎の洋館事件(後編)」まで、前後編ものが4回連続(計8話)続いたが、そもそも前後編が連続して放映されるのはこれが初めてであった。その少し前である’97年の末頃から、1・2話だけ一話完結の作品を挿入してまた前後編が来るという形がちらほら見られ始めていたが、原作3話以上=前後編というスタイルが確定したのはこの時が初めてだろう。
 あくまで個人的な見解に過ぎないが、前後編が「特別でもなんでもない」というメッセージをこの曲に込めたのではないだろうか。これまでの前話回想曲は、総じてメイン・テーマ系統のかっこいい曲ばかりであった。それが急に現実的なサスペンス曲に変わったことで、派手なヒーローものとしてのコナンではなく、現実的な事件ものへと変貌していった、という気がする。’07バージョンも制作され、一時期使用されていない時期があったが、現在では前話回想曲として安定して使用されている。


22.忍び寄る影

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 39.資産家令嬢殺人事件(前編)
40.資産家令嬢殺人事件(後編)
’97 43.江戸川コナン誘拐事件 14(15)
52.霧天狗伝説殺人事件
56.おじゃマンボウ殺人事件
57.ホームズフリーク殺人事件(前編)
58.ホームズフリーク殺人事件(後編)
61.幽霊船殺人事件(前編)
62.幽霊船殺人事件(後編)
68.闇の男爵殺人事件(事件篇)
70.闇の男爵殺人事件(解決篇)
74.死神陣内殺人事件
77.名家連続変死事件(前編)
79.銀行強盗殺人事件
84.スキーロッジ殺人事件(前編)
85.スキーロッジ殺人事件(後編)
’98 88.ドラキュラ荘殺人事件(前編) 10(12)
89.ドラキュラ荘殺人事件(後編)
91.強盗犯人入院事件
92.恐怖のトラヴァース殺人事件(前編)
96.追いつめられた名探偵!連続2大殺人事件
104.盗賊団謎の洋館事件(前編)
106.スクープ写真殺人事件
108.モグラ星人謎の事件(後編)
116.ミステリー作家失踪事件(前編)
125.謎の狙撃者殺人事件(後編)
’99 129.黒の組織から来た女 大学教授殺人事件 12
136.青の古城探索事件(前編)
138.最後の上映殺人事件(前編)
140.SOS!歩美からのメッセージ
141.結婚前夜の密室事件(前編)
144.上野発北斗星3号(前編)
153.園子のアブない夏物語(前編)
159.怪奇五重塔伝説(前編)
163.月と星と太陽の秘密(前編)
164.月と星と太陽の秘密(後編)
166.鳥取クモ屋敷の怪(事件篇)
167.鳥取クモ屋敷の怪(疑惑篇)
’00 180.赤い殺意の夜想曲(前編)
181.赤い殺意の夜想曲(後編)
184.呪いの仮面は冷たく笑う
199.容疑者 毛利小五郎(前編)
201.10人目の乗客(前編)
205.本庁の刑事恋物語3(前編)
207.見事すぎた名推理
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド
222.そして人魚はいなくなった(事件編)
230.謎めいた乗客(前編)
262.雪の夜の恐怖伝説(後編)
’02 267.バレンタインの真実(推理編) (8)
274.幽霊屋敷の真実(前編)
292.孤島の姫と竜宮城(追求編)
297.法廷の対決Ⅱ 妃vs九条(前編)
298.法廷の対決Ⅱ 妃vs九条(後編)
300.友情と殺意の関門海峡(後編)
302.悪意と聖者の行進(後編) 前編のおさらい
’03 320.忍法アリバイ工作の術 12
321.消えた誘拐逃走車(前編)
324.服部平次絶体絶命!(後編)
325.炎の中に赤い馬(事件編)
326.炎の中に赤い馬(捜査編)
328.バースデーワインの謎
329.お金で買えない友情(前編)
330.お金で買えない友情(後編)
332.疑惑の辛口カレー(後編)
336.東都現像所の秘密(後編)
337.転落事件の裏事情
339.4台のポルシェ(後編)
’04 346.お尻のマークを探せ!(前編) 13
347.お尻のマークを探せ!(後編)
350.忘れられた携帯電話(前編)
351.忘れられた携帯電話(後編)
352.フィッシング大会の悲劇(前編)
354.小さな依頼者(前編)
357.恋人は春のまぼろし
360.不思議な春のかぶと虫
363.都会のカラス
364.シンクロにシティ事件(前編)
371.物言わぬ航路(前編)
377.桃太郎謎解きツアー(前編)
382.どっちの推理ショー(後編)
’05 384.標的は毛利小五郎 (8)
392.謎めく身長差20cm
393.誘拐…らしい事件
399.奇妙な一家の依頼(後編)
402.宝石強盗現行犯(後編)
405.救急車を呼びに行った男
416.仏滅に出る悪霊(疑惑編)
’06 430.もう戻れない二人(後編)
431.本庁の刑事恋物語7(前編)
432.本庁の刑事恋物語7(後編)
438.お魚メールの追跡
439.そして誰もいなくなればいい
441.最期のアーン
443.ため息 潮干狩り(前編)
合計95(100)

 文字通りじわじわと見えない影が近づいてくる感じの怖い音色が特徴で、’96年から’06年まで大きくペースを崩さず多用されたサスペンス曲である。
 推理曲というよりも、現場が物語る惨状とその恐怖を演出するのに相応しい曲だと感じる。そのため、サントラ2の「事件現場(謎バージョン)」が流れる事件現場よりも重い現場(これから第二の事件が続く予兆であったり二番目・三番目の事件現場の雰囲気であったり)で使われると効果的だろう。また、事件前の「何かが起きそう」感を演出するためのテーマとして、特に容疑者同士の会話シーン(「過去にこんな事件があったんですよ」)で使用された。
 小林氏の時代と浦上氏・井澤氏の時代とでは使われ方がやや異なる。小林氏の時代には、上に書いたようなシーンが多かったが、浦上氏以降の時代には推理曲としても使用された。表を見てもらうと分かるが、小林氏の時代(第292話「孤島の姫と竜宮城(追求編)」まで)では、二話以上の作品において前編など解決編に当たらない回で使われていることが多い。これは事件前や事件が起きてからまもなくのシーンで使われていることを意味する。それに対し、以降の作品では後編など解決編に当たる回での使用率が上がっている。
 これもサントラ3を代表する一曲なので、当然’07バージョンが作られた。この際に幾つかのバージョンに派生しているが、「忍び寄る影’07」というタイトルの曲にはリズムがつくようになったため、以前よりは推理シーンで使われても違和感がなくなったように思う。


23.陰謀

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 34.山荘包帯男殺人事件(前編) (8)
35.山荘包帯男殺人事件(後編)
36.月曜夜7時30分殺人事件
39.資産家令嬢殺人事件(前編)
40.資産家令嬢殺人事件(後編)
41.優勝旗切り裂き事件
42.カラオケボックス殺人事件
’97 44.堀田三兄弟殺人事件 12
45.顔パック殺人事件
46.雪山山荘殺人事件
48.外交官殺人事件(前編)
52.霧天狗伝説殺人事件
53.謎の凶器殺人事件
56.おじゃマンボウ殺人事件
58.ホームズフリーク殺人事件(後編)
66.暗闇の道殺人事件
73.少年探偵団遭難事件
78.名家連続変死事件(後編)
81.人気アーティスト誘拐事件(前編)
’99 141.結婚前夜の密室事件(前編)
149.遊園地バンジー事件
151.自動車爆発事件の真相(後編)
152.謎の老人失踪事件
160.怪奇五重塔伝説(後編)
’00 176.黒の組織との再会(灰原編)
202.10人目の乗客(後編)
212.きのこと熊と探偵団(前編)
216.ベイ・オブ・ザ・リベンジ(後編)
’01 220.偽りだらけの依頼人(前編)
223.そして人魚はいなくなった(推理編)
224.そして人魚はいなくなった(解決編)
226.バトルゲームの罠(前編)
229.殺意の陶芸教室(後編)
231.謎めいた乗客(後編)
236.南紀白浜ミステリーツアー(前編)
241.新幹線護送事件(後編)
246.網にかかった謎(前編)
’02 267.バレンタインの真実(推理編)
299.友情と殺意の関門海峡(前編)
’03 307.残された声なき証言(前編) 10(11)
308.残された声なき証言(後編)
311.黒の組織との接触(決死編)
313.夕陽に染まった雛人形(後編)
315.陽のあたる場所
317.汚れた覆面ヒーロー(後編)
320.忍法アリバイ工作の術
326.炎の中に赤い馬(捜査編)
332.疑惑の辛口カレー(後編)
334.似た者プリンセス(後編)
’04 347.お尻のマークを探せ!(後編) (9)
350.忘れられた携帯電話(前編)
351.忘れられた携帯電話(後編)
355.小さな依頼者(後編)
358.本庁の刑事恋物語5(前編)
367.丸見え埠頭の惨劇(後編)
380.秘湯雪闇振袖事件(後編)
383.甲子園の奇跡!見えない悪魔に負けず嫌い
’05 386.ストラディバリウスの不協和音 間奏曲 (10)
390.本庁の刑事恋物語6(前編)
391.本庁の刑事恋物語6(後編)
397.辛く苦く甘い汁
399.奇妙な一家の依頼(後編)
402.宝石強盗現行犯(後編)
407.コナン平次の推理マジック(館編)
413.完全半分犯罪の謎
420.八岐大蛇の剣(後編) 前編のおさらい
’06 432.本庁の刑事恋物語7(後編)
433.コナン変な子
435.探偵団に注目取材(前編)
440.極限のカースタント
444.ため息 潮干狩り(後編)
合計71(75)

 「忍び寄る影」と基本的な旋律は同じだが、楽器が全く違うため全体の印象も大きく異なる。「陰謀」は考察シーンや推理シーンの方が向いている。
 初めて使用された’96年の第34話「山荘包帯男殺人事件(前編)」から’97年にかけてはかなり多用されたが、なぜか’98年は全く使用されず、’99年の途中に復帰した。以降は無難に年間回数をこなしていったが、音響監督の交代によって再び使用頻度が上がった。’07バージョンが存在し、現在は割と高頻度で使用されている。


24.新一の事件解明

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 34.山荘包帯男殺人事件(前編)
’97 61.幽霊船殺人事件(前編)
’98 96.追いつめられた名探偵!連続2大殺人事件
122.バスルーム密室事件(後編)
127.旅芝居一座殺人事件(後編) 前編のおさらい
’00 193.命がけの復活 約束の場所 命がけの復活シリーズのおさらい
’02 299.友情と殺意の関門海峡(前編)
302.聖者と悪意の行進(後編)
303.戻って来た被害者
’03 305.見えない容疑者(前編)
316.汚れた覆面ヒーロー(前編)
326.炎の中に赤い馬(捜査編)
’04 346.お尻のマークを探せ!(前編)
355.小さな依頼者(後編)
356.怪盗キッドの驚異空中歩行
’05 394.奇抜な屋敷の大冒険(封印編)
407.コナン平次の推理マジック(館編)
422.イチョウ色の初恋(後編)
’06 445.ロシアンブルーの秘密
合計19

 辛く長かった難事件の謎が解け、推理シーンに入る…そんな「いよいよ感」が漂う幕開け・推理のテーマであり、普通のサスペンス曲とは異なる、どこか特別な香りが漂っている。
 実際、この曲が使われたシーンは幾つか印象に残っている。初回の第34話「山荘包帯男殺人事件(前編)」のラストパートで、蘭が包帯男に狙われて「なぜ蘭を狙う!?」とコナンの切迫した表情と包帯男の構図をバックに前編が終わるというシーン、そして第96話「追いつめられた名探偵!連続2大殺人事件」において、藪内家の事件の推理に入り、これから犯人を指摘しようという盛り上げどころで使用された場面。その他、前話回想の曲としても使われたことがある。特に第193話「命がけの復活 約束の場所」では、「謎解き(その2)」の項目で説明したように、前話回想曲がその曲に落ち着いていたのだが、特別なシリーズである「命がけの復活」編の最終回の冒頭を「新一の事件解明」で飾ったのは印象深い。「長かった旅がいよいよここで完結する」といった雰囲気を醸し出すのに十分な効果があったと思う。
 浦上氏・井澤氏に交代してからの方が使用頻度は上がった。ただ、安っぽく使われるなと感じるシーンもあったので微妙なところである。
 ’07バージョンが制作されているが、使用頻度はめちゃくちゃ低い。


25.新一の名推理

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 34.山荘包帯男殺人事件(前編) (12)
35.山荘包帯男殺人事件(後編)
37.サボテンの花殺人事件
38.赤鬼村火祭殺人事件
39.資産家令嬢殺人事件(前編)
40.資産家令嬢殺人事件(後編)
41.優勝旗切り裂き事件
42.カラオケボックス殺人事件
’97 43.江戸川コナン誘拐事件 (8)
44.堀田三兄弟殺人事件
45.顔パック殺人事件
47.スポーツクラブ殺人事件
48.外交官殺人事件(前編)
54.ゲーム会社殺人事件
69.闇の男爵殺人事件(疑惑篇)
’98 89.ドラキュラ荘殺人事件(後編) 12(14)
96.追いつめられた名探偵!連続2大殺人事件
99.名陶芸家殺人事件(後編)
102.時代劇俳優殺人事件(前編)
104.盗賊団謎の洋館事件(前編)
106.スクープ写真殺人事件
108.モグラ星人謎の事件(後編)
110.料理教室殺人事件(前編)
112.帝丹小7不思議事件
113.白い砂浜殺人事件
124.謎の狙撃者殺人事件(前編)
127.旅芝居一座殺人事件(後編)
’99 129.黒の組織から来た女 大学教授殺人事件 12
136.青の古城探索事件(前編)
146.本庁の刑事恋物語(前編)
152.謎の老人失踪事件
158.沈黙の環状線
159.怪奇五重塔伝説(前編)
160.怪奇五重塔伝説(後編)
163.月と星と太陽の秘密(前編)
166.鳥取クモ屋敷の怪(事件篇)
167.鳥取クモ屋敷の怪(疑惑篇)
170.暗闇の中の死角(前編)
172.よみがえる死の伝言(前編)
’00 174.二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件 17(18)
179.喫茶店トラック乱入事件
181.赤い殺意の夜想曲(後編)
183.危険なレシピ
185.殺された名探偵(前編)
187.闇に響く謎の銃声
188.命がけの復活 洞窟の探偵団
191.命がけの復活 黒衣の騎士
194.意味深なオルゴール(前編)
196.見えない凶器 蘭の初推理
197.スーパーカーの罠(前編)
200.容疑者 毛利小五郎(後編)
201.10人目の乗客(前編)
203.黒いイカロスの翼(前編)
207.見事すぎた名推理
213.きのこと熊と探偵団(後編)
217.封印された目暮の秘密(前編)
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド
220.偽りだらけの依頼人(前編)
228.殺意の陶芸教室(前編)
’02 263.大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城
264.法廷の対決 妃vs小五郎(前編)
267.バレンタインの真実(推理編)
271.隠して急いで省略(前編)
273.クイズ婆さん失踪事件
274.幽霊屋敷の真実(前編)
279.迷宮のフーリガン(前編)
’03 310.黒の組織との接触(追跡編)
’04 371.物言わぬ航路(前編)
’05 390.本庁の刑事恋物語6(前編)
’06 443.ため息 潮干狩り(前編)
合計70(78)

 タイトルのように新一をクローズアップした曲ではなく、極めて地味なサスペンス曲である。ただ、声のような(?)音でメロディが構成されているためにインパクトはある。
 メロディが一定しているため非常に使いやすい曲だ。事件前に容疑者が被害者と口論したり罵りあったりしているシーンの他、初期の考察シーンにはかなり定番の楽曲だった。
 70話中66話で小林氏によって用いられている。浦上氏・井澤氏の時代には、なぜか’03年から年に一度ずつだけ使われていたのでほとんど記憶に残っていないのではないだろうか。


26.事件の謎

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 37.サボテンの花殺人事件
40.資産家令嬢殺人事件(後編)
’97 43.江戸川コナン誘拐事件
49.外交官殺人事件(後編)
73.少年探偵団遭難事件
’98 96.追いつめられた名探偵!連続2大殺人事件
119.仮面ヤイバー殺人事件
’02 300.友情と殺意の関門海峡(後編)
’03 339.4台のポルシェ(後編)
合計9

 怨念がまとわりついてきそうで恐ろしく、壮大な楽曲である。かなり「とっておき感」が強く、使用頻度は低いもののここぞという使われ方をしている。
 コナン達が絶体絶命の危機に陥っているシーンの他、犯人もしくは被害者の表情の裏に隠された強烈な悪意や恨みが明らかになる自白曲としても使用された。この曲が流れる時は背筋が寒くなるような恐怖を感じる。
 シーンと曲が凄くマッチしていると思ったのは、第40話「資産家令嬢殺人事件(後編)」の犯人自白シーン、第96話「追いつめられた名探偵!連続2大殺人事件」の犯人自白シーン、第300話「友情と殺意の関門海峡(後編)」の推理シーンだ。唯一推理シーンで使われた第300話は、意外な犯人像とにこやかな表情の裏に隠されたどす黒いものを見た気がしてとても印象に残っている。


27.希望

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’96 36.月曜夜7時30分殺人事件
’99 157.本庁の刑事恋物語2(後編)
’05 388.薩摩に酔う小五郎(前編)
’06 428.超秘密の通学路(後編)
445.ロシアンブルーの秘密
合計5

 他の楽曲とは一線を画していて、随分と穏やかで優しい曲である。イメージとしてはクリスマスの夜を演出するのにピッタリだと思う。こたつにでも入りながらのんびりと雪を眺めたり今年一年を振り返ったりする、という光景が脳裏に浮かぶ。
 使用頻度は低い。かなりマイナーな曲であまり印象に残っていないためか、特に心に刻まれているシーンがないのは残念だ。
最終更新:2023年07月27日 14:15