サントラ・楽曲別使用状況

「時計じかけの摩天楼」オリジナル・サウンドトラック

2023-06-05更新


「名探偵コナン『時計じかけの摩天楼』オリジナル・サウンドトラック」は、初の映画作品である「時計じかけの摩天楼」のために書き下ろされた新曲が収録されています。とは言え、この第一作はあくまでテレビの延長線上にあるという位置づけだったのか、完全新曲が少なく、既存のサントラ曲のアレンジが多く見られる他、そもそもテレビで普段から使われている楽曲をそのまま映画でも流していたため、収録曲が17曲しかありません。未発表曲を含めてもあまりにも少ないと言えますが、そのぶん一曲一曲に聴きごたえがあり、近年に多く見られる効果音とさして変わらないブリッジ曲がないため、純粋に音楽を楽しむことができると思います。
 楽曲は’97年の6月2日放映の第61話「幽霊船殺人事件(前編)」から使用が開始されました。映画作品自体は同年の4月19日に公開されているので、わずか一ヵ月半後にはテレビに流用されていることになります。

1.名探偵コナン メイン・テーマ(摩天楼ヴァージョン)
2.英国風館
3.時計じかけの摩天楼
4.爆破犯人のテーマ
5.犯人からの電話
6.爆破予告
7.爆弾処理
8.蘭のテーマ(摩天楼ヴァージョン)
9.少年探偵団のテーマ(摩天楼ヴァージョン)
10.陰謀(摩天楼ヴァージョン)
11.忍び寄る危機
12.緊急指令
13.対決のテーマ(摩天楼ヴァージョン)
14.捜査開始(摩天楼ヴァージョン)
15.西の名探偵(摩天楼ヴァージョン)
16.昼下がりの天使たち(摩天楼ヴァージョン)
17.想い出(摩天楼ヴァージョン)
キミがいれば
逢いたいよ
未発表曲1(黒川邸のサスペンス)
未発表曲2(「事件解決」アレンジ)



1.名探偵コナン メイン・テーマ(摩天楼ヴァージョン)

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’97 62.幽霊船殺人事件(後編) 前編のおさらい
65.カニとクジラ誘拐事件
69.闇の男爵殺人事件(疑惑篇) 事件篇のおさらい
70.闇の男爵殺人事件(解決篇) 事件篇・疑惑篇のおさらい
76.コナンvs怪盗キッド 名探偵コナンのおさらい
78.名家連続変死事件(後編) 前編のおさらい
81.人気アーティスト誘拐事件(前編)
85.スキーロッジ殺人事件(後編) 前編のおさらい
’98 86.誘拐現場特定事件
89.ドラキュラ荘殺人事件(後編) 前編のおさらい
91.強盗犯人入院事件
93.恐怖のトラヴァース殺人事件(後編) 前編のおさらい
99.名陶芸家殺人事件(後編) 前編のおさらい
101.初恋の人想い出事件(後編) 前編のおさらい
103.時代劇俳優殺人事件(後編) 前編のおさらい
115.スキューバダイビング殺人事件(後編) 前編のおさらい
’01 231.謎めいた乗客(後編)
242.元太少年の災難
合計18

 初代映画のOPシーンで使用されたメイン・テーマ曲であり、歴代の映画版メイン・テーマの中では最も多く使われている。テレビバージョンとイントロが基本的に同じで(長さは異なる)スピード感があるが、野暮ったさが消えてスマートになった印象だ。
 そのほとんどが’97年と’98年に使用され、主に犯人をキック力増強シューズを使って倒す場面と前話回想の場面で活躍した。’97年の前半は「名探偵コナン 新メインテーマ」と「コナンの勇気」が前編のおさらい曲として名を連ねたが、両者はこのメイン・テーマの登場により使われなくなった。その後しばらくは前編回想曲の任務を独占するが、サントラ3の「謎解き(その2)」に突如その座を奪い取られ一気に立場が危うくなった。犯人を倒すシーンではテレビバージョンのメイン・テーマが復活したことで路頭に迷うことになり、’99年と’00年は放置された。その後’01年に2度だけ使われた後、07バージョンが制作され、主にタイトルコール時に使われ、稀にだが本編BGMとしても汎用されている。


2.英国風館

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’97 67.舞台女優殺人事件
68.闇の男爵殺人事件(事件篇)
76.コナンvs怪盗キッド
’98 96.追いつめられた名探偵!連続2大殺人事件
110.料理教室殺人事件(前編)
’00 180.赤い殺意の夜想曲(前編)
’01 251.OK牧場の悲劇
’04 383.甲子園の奇跡!見えない悪魔に負けず嫌い (2)
合計8(9)

 曲名通り西洋の広々とした豪華な建築を彷彿させる、いわば平和な王宮のテーマといったところだろう。映画内では森谷邸のイメージ曲として使用されている。
 使用頻度は低い。’97年に三度、’98年に二度使われてからは数年に一度というペースである。もう少し使われたと思っていたが…
 ‘06年をもって引退。’07バージョンは今のところ聞かれない。



3.時計じかけの摩天楼

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’97 63.大怪獣ゴメラ殺人事件
65.カニとクジラ誘拐事件
73.少年探偵団遭難事件
’98 86.誘拐現場特定事件
90.花の香り殺人事件
91.強盗犯人入院事件
100.初恋の人想い出事件(前編)
106.スクープ写真殺人事件
’99 132.奇術愛好家殺人事件(事件編)
’00 201.10人目の乗客(前編)
202.10人目の乗客(後編)
’01 231.謎めいた乗客(後編)
’02 301.悪意と聖者の行進(前編)
’03 311.黒の組織との接触(決死編)
333.似た者プリンセス(前編)
342.ハウステンボスの花嫁
’04 345.黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー
356.怪盗キッドの驚異空中歩行
’05 396.奇抜な屋敷の大冒険(解決編)
406.コナン平次の推理マジック(仕掛編)
’06 425.ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間 (5)
449.本庁の刑事恋物語 偽りのウェディング
450.トリックvsマジック(前編)
合計23(25)

 映画のタイトルと全く同じ名前のアクション曲で、映画ではコナンが自転車を漕いで疾走するシーンの他、ラストの「赤か青か」を蘭が決断する最も緊迫感の高い場面で使用された。使用回数はそれなりだが、メロディが特徴的なため耳に残っているファンも多いと思う。
 小林氏の時代には’97年と’98年にそこそこ使用され、全体的に無難な使われ方であった。浦上氏・井澤氏の時代にはスペシャルや怪盗キッドなどマジシャン系のキーワードが出てくる話でよく使われている。
 なお、この曲は中盤に転調する面白い作りをしているが、その転調部分が使われるようになったのは浦上氏・井澤氏の時代になってからであり、小林氏の時代には使用されなかったことを付け加えておきたい。
 ‘07バージョンが制作。現在でも数年に一回程度は使用されている。


4.爆破犯人のテーマ

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’97 76.コナンvs怪盗キッド (4)
82.人気アーティスト誘拐事件(後編)
’98 86.誘拐現場特定事件 (8)
88.ドラキュラ荘殺人事件(前編)
92.恐怖のトラヴァース殺人事件(前編)
100.初恋の人想い出事件(前編)
110.料理教室殺人事件(前編)
’00 177.黒の組織との再会(コナン編)
215.ベイ・オブ・ザ・リベンジ(前編)
216.ベイ・オブ・ザ・リベンジ(後編) 前編のおさらい
217.封印された目暮の秘密(前編)
’01 243.毛利小五郎のニセ者(前編)
’02 292.孤島の姫と竜宮城(追求編)
合計13(18)

 このトラック4.爆破犯人のテーマから6.爆破予告までは同一アレンジ曲である。その中でも「爆破犯人のテーマ」は非常に力強いサスペンス曲で、映画では犯人が、最後に爆破しようとしていた場所が判明するショッキングなシーンで使われており、これで犯人の狂気と恐ろしさを演出した。
 全て小林氏の時代に使用された。はじめは怪盗キッドのテーマとして使われており(当時はまだキッド専用の楽曲がない)、その後は事件発生シーン(「脅迫(part2)」や「謎解き(その1)」のようにキャーという悲鳴を聞いて駆けつけ遺体を発見するという流れでなく、いきなり目の前に遺体が現れたという発見のされ方をする時)を中心に使用された。近年はむしろこのような遺体発見のされ方が主流になっており、短い曲が流れることが多く、この「爆破犯人のテーマ」はその先駆けであると言えるだろう。
 なお、トラック3の「時計じかけの摩天楼」と同じく途中で転調するのだが、この箇所はこれまでに一度も流れたことがない。


5.犯人からの電話

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’97 63.大怪獣ゴメラ殺人事件 (7)
67.舞台女優殺人事件
72.三つ子別荘殺人事件
76.コナンvs怪盗キッド
’98 91.強盗犯人入院事件 16(17)
93.恐怖のトラヴァース殺人事件(後編)
96.追いつめられた名探偵!連続2大殺人事件
99.名陶芸家殺人事件(後編)
100.初恋の人想い出事件(前編)
106.スクープ写真殺人事件
112.帝丹小7不思議事件
113.白い砂浜殺人事件
115.スキューバダイビング殺人事件(後編)
116.ミステリー作家失踪事件(前編)
117.ミステリー作家失踪事件(後編)
119.仮面ヤイバー殺人事件
121.バスルーム密室事件(前編)
125.謎の狙撃者殺人事件(後編)
126.旅芝居一座殺人事件(前編)
128.黒の組織10億円強奪事件
’99 129.黒の組織から来た女 大学教授殺人事件 19(20)
130.競技場無差別脅迫事件(前編)
132.奇術愛好家殺人事件(事件編)
133.奇術愛好家殺人事件(疑惑編)
135.消えた凶器捜索事件
139.最後の上映殺人事件(後編)
154.園子のアブない夏物語(後編)
155.水中の鍵密室事件
157.本庁の刑事恋物語2(後編)
158.沈黙の環状線
162.空飛ぶ密室 工藤新一最初の事件
163.月と星と太陽の秘密(前編)
164.月と星と太陽の秘密(後編)
165.少年探偵団消失事件
167.鳥取クモ屋敷の怪(疑惑篇)
168.鳥取クモ屋敷の怪(解決篇)
171.暗闇の中の死角(後編)
172.よみがえる死の伝言(前編)
173.よみがえる死の伝言(後編) 前編のおさらい
’00 175.四回殺された男 22(24)
176.黒の組織との再会(灰原編)
180.赤い殺意の夜想曲(前編)
181.赤い殺意の夜想曲(後編)
182.大捜索 9つのドア
183.危険なレシピ
184.呪いの仮面は冷たく笑う
186.殺された名探偵(後編)
187.闇に響く謎の銃声
188.命がけの復活 洞窟の探偵団
195.意味深なオルゴール(後編)
198.スーパーカーの罠(後編)
199.容疑者 毛利小五郎(前編)
201.10人目の乗客(前編)
202.10人目の乗客(後編)
204.黒いイカロスの翼(後編)
205.本庁の刑事恋物語3(前編)
207.見事すぎた名推理
209.龍神山転落事件
211.五彩伝説の水御殿(後編)
213.きのこと熊と探偵団(後編)
216.ベイ・オブ・ザ・リベンジ(後編)
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド 11(13)
220.偽りだらけの依頼人(前編)
221.偽りだらけの依頼人(後編) 前編のおさらい・1
223.そして人魚はいなくなった(推理編)
226.バトルゲームの罠(前編)
227.バトルゲームの罠(後編) 前編のおさらい
228.殺意の陶芸教室(前編)
229.殺意の陶芸教室(後編)
231.謎めいた乗客(後編)
235.密室のワインセラー
256.松江玉造連句十四番勝負(後編)
’02 266.バレンタインの真実(事件編)
267.バレンタインの真実(推理編) 事件編のおさらい
276.警察手帳紛失事件
282.水流るる石庭の怪(前編)
285.中華街 雨のデジャビュ(後編)
294.愛と決断のスマッシュ(前編)
’03 304.揺れる警視庁 1200万人の人質
307.残された声なき証言(前編)
合計80(89)

 「爆破犯人のテーマ」からアクション性を取り除いたようなメロディで、汎用性の高いサスペンス曲に仕上がっている。映画では文字通り、犯人からコナンへの電話シーンで使われた(その後も複数のシーンで用いられている)。
 1分程度の楽曲で適度の緊迫感があり、なおかつ曲調が安定しているために事件に関係する色々なシーンで使われた。主に考察や解明推理シーンが中心で、引き用の曲としても使い勝手がよかった。「時計じかけの摩天楼」の楽曲の中では非常に使用頻度が高い。
 ところが、この曲も小林氏によって78話使用されたあと、浦上氏・井澤氏の時代にはわずか2回しか使われずに引退している。
 それにもかかわらず’07バージョンが制作され、ここ数年は安定して年に数回ずつ使われるという「出戻り」を果たしている。この’07バージョンは解明推理シーンの締めの曲として使用されている。


6.爆破予告

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’97 63.大怪獣ゴメラ殺人事件
76.コナンvs怪盗キッド
82.人気アーティスト誘拐事件(後編)
’98 93.恐怖のトラヴァース殺人事件(後編)
102.時代劇俳優殺人事件(前編)
106.スクープ写真殺人事件
116.ミステリー作家失踪事件(前編)
117.ミステリー作家失踪事件(後編) 前編のおさらい
’99 129.黒の組織から来た女 大学教授殺人事件 ここまでのおさらい
’00 208.迷宮への入り口 巨大神像の怒り
合計10

 初めて聞くと「爆破犯人のテーマ」と混同してしまいそうな曲だが、そちらがアクションや犯人の狂気を前面に押し出しているのに対し、こちらの「爆破予告」はもう少し哀愁の漂う心情演出に一役買っている。映画内でも、ある模型を見たコナンが「犯人はあの人だ」と呟き、「いよいよ」真相が明かされていく…と予感させられるシーンで使われた。「あの人が犯人だったんだ…」という受け止めにくい真実をこの曲が代弁しているように感じられた。
 通常放送でこの曲が最もマッチしていると感じたのは’99年第129話「黒の組織から来た女 大学教授殺人事件」におけるおさらいシーンである。コナンがとあるビルに駆け込んでいく時に流れたのだが、この時に「コナンは謎を解き明かすべく、真実への階段を駆け上がる!仲間を助けるために…そして…工藤新一を取り戻すために!!」というコナンではない第三者視点のナレーションが入った(担当した声優は横溝刑事の中の人だったはず)。この「いよいよ」感を「爆破予告」が大いに盛り上げたということでとても印象に残っている。


7.爆弾処理

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’98 113.白い砂浜殺人事件
115.スキューバダイビング殺人事件(後編)
’00 176.黒の組織との再会(灰原編)
208.迷宮への入り口 巨大神像の怒り
合計4

 よく聞くと音の変化が面白いのだが、映画の曲としては非常に地味で、進んで使うほどの曲ではない気がする。映画では文字通りのシーンで流された。
 「時計じかけの摩天楼」BGMは、めでたくもサントラに収録された17曲全てが通常放送でも使用されたが、この曲は初登場が’98年になってからで、初めて摩天楼のBGMが使われ始めてから一年以上が経過している。使用頻度はご覧の通りで、かなりマイナーな楽曲であることは言うまでもない。


8.蘭のテーマ(摩天楼ヴァージョン)

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’97 61.幽霊船殺人事件(前編) 14(16)
63.大怪獣ゴメラ殺人事件
64.第3の指紋殺人事件
65.カニとクジラ誘拐事件
68.闇の男爵殺人事件(事件篇)
70.闇の男爵殺人事件(解決篇)
71.ストーカー殺人事件
72.三つ子別荘殺人事件
73.少年探偵団遭難事件
75.金融会社社長殺人事件
76.コナンvs怪盗キッド
77.名家連続変死事件(前編)
79.銀行強盗殺人事件
84.スキーロッジ殺人事件(前編)
’98 86.誘拐現場特定事件 17(18)
90.花の香り殺人事件
91.強盗犯人入院事件
93.恐怖のトラヴァース殺人事件(後編)
94.雪女伝説殺人事件
98.名陶芸家殺人事件(前編)
100.初恋の人想い出事件(前編)
104.盗賊団謎の洋館事件(前編)
106.スクープ写真殺人事件
112.帝丹小7不思議事件
113.白い砂浜殺人事件
114.スキューバダイビング殺人事件(前編)
118.浪花の連続殺人事件
119.仮面ヤイバー殺人事件
120.ハニーカクテル殺人事件
121.バスルーム密室事件(前編)
126.旅芝居一座殺人事件(前編)
’99 130.競技場無差別脅迫事件(前編)
136.青の古城探索事件(前編)
139.最後の上映殺人事件(後編)
’00 180.赤い殺意の夜想曲(前編)
181.赤い殺意の夜想曲(後編)
210.五彩伝説の水御殿(前編)
213.きのこと熊と探偵団(後編)
218.封印された目暮の秘密(後編)
’01 225.商売繁盛のヒミツ 17
227.バトルゲームの罠(後編)
228.殺意の陶芸教室(前編)
232.マンション転落事件
236.南紀白浜ミステリーツアー(前編)
241.新幹線護送事件(後編)
244.毛利小五郎のニセ者(後編)
246.網にかかった謎(前編)
248.癒しの森のアリバイ
249.アイドル達の秘密(前編)
251.OK牧場の悲劇
252.絵の中の誘拐犯
254.本庁の刑事恋物語4(後編)
255.松江玉造連句十四番勝負(前編)
256.松江玉造連句十四番勝負(後編)
257.世にも奇妙な天罰
258.シカゴから来た男(前編)
’02 263.大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城
273.クイズ婆さん失踪事件
275.幽霊屋敷の真実(後編)
276.警察手帳紛失事件
279.迷宮のフーリガン(前編)
282.水流るる石庭の怪(前編)
284.中華街 雨のデジャビュ(前編)
290.迷いの森の光彦(後編)
’03 315.陽のあたる場所
327.炎の中に赤い馬(解決編)
332.疑惑の辛口カレー(後編)
333.似た者プリンセス(前編)
’04 353.フィッシング大会の悲劇(後編)
369.ツイてる男のサスペンス
’05 400.疑惑を持った蘭
406.コナン平次の推理マジック(仕掛編)
408.コナン平次の推理マジック(解決編)
410.同時進行 舞台と誘拐(後編)
413.完全半分犯罪の謎
418.米花町グルニエの家
423.探偵団と青虫4兄弟
’06 426.蘭へのラブレター (7)
434.名犬クールのお手柄
449.本庁の刑事恋物語 偽りのウェディング
455.ひっくり返った結末(後編)
457.園子の赤いハンカチ(前編)
458.園子の赤いハンカチ(後編)
合計83(87)

 サントラ1「蘭のテーマ」をもう少しバカンスっぽく躍動感のあるアレンジにした楽曲である。イントロ部分がオリジナルバージョンとは変わっていて、より快活な雰囲気が伝わってくる。
 初めて使われてからはオリジナルバージョンほどではないにせよ、非常によく使用された。’99年と’00年は他の曲に日常シーンを譲る機会も多かったが、その後また復活して役割を果たし続けた。音響監督がバトンタッチしてからは使用頻度を減らしつつも安定して使われて引退している。
 ‘07バージョンは「蘭のテーマ’07」という表記だが、イントロ部分は完全にこの摩天楼ヴァージョンを土台にしている。


9.少年探偵団のテーマ(摩天楼ヴァージョン)

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’97 73.少年探偵団遭難事件
76.コナンvs怪盗キッド
’98 96.追いつめられた名探偵!連続2大殺人事件 (5)
108.モグラ星人謎の事件(後編)
112.帝丹小7不思議事件
123.お天気お姉さん誘拐事件
’99 147.本庁の刑事恋物語(後編)
149.遊園地バンジー事件
164.月と星と太陽の秘密(後編)
171.暗闇の中の死角(後編)
’00 182.大捜索 9つのドア
200.容疑者 毛利小五郎(後編)
’01 247.網にかかった謎(後編)
259.シカゴから来た男(後編)
’03 333.似た者プリンセス(前編)
’04 351.忘れられた携帯電話(後編) (3)
378.桃太郎謎解きツアー(後編)
’05 414.青い鳥を追う探偵団
’06 436.探偵団に注目取材(後編)
合計19(21)

 サントラ3の「少年探偵団のテーマ」のアレンジ曲で、「蘭のテーマ」同様に、オリジナルバージョンとイントロが異なる。摩天楼ヴァージョンの方はギャグっ気が強く出ている。
 実際、映画では少年探偵団のシーンではなく、毛利小五郎が白鳥刑事を犯人だと名指ししてその理由を得意気に説明するシーンで使用された。これは小五郎のヘボっぷりを演出するための選曲だろう。なお、当時のこだま監督だったかプロデューサーだったかは忘れたが、確か白鳥を犯人だと思うようにミスリードして作ったのに小五郎が白鳥を犯人だと言った時の映画館の反応が爆笑だったのであれれーと思った、というようなことを述べていたと記憶している。筆者も白鳥を全く疑わなかったわけではなく、確かに怪しそうに感じたのを覚えている。にもかかわらず、当時の自分より年下の子ども達が、白鳥を全く怪しまなかったというのも腑に落ちない。ではなぜ例のシーンで映画館が爆笑に包まれたのだろうか?それはこの曲のせいだと確信している。出だしからギャグの曲だと分かるので、小五郎がトンチンカンなことを言っているのだなということが、推理ができたかできないかにかかわらず理解できる。つまり、そのお約束に対する笑いではないだろうかと考えるのだ。それを制作側が「白鳥に誘導できなかった」と解釈したのではないだろうか。もしこのシーンで、次に紹介する「陰謀(摩天楼ヴァージョン)」などが使用されていれば、映画館の反応が違ったものになっていたかもしれない。BGMは視聴者の心を誘導し、支配するとつくづく感じるものである。
 ’07バージョンが作られているが、’08年からはご無沙汰である。


10.陰謀(摩天楼ヴァージョン)

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’97 62.幽霊船殺人事件(後編)
70.闇の男爵殺人事件(解決篇)
76.コナンvs怪盗キッド
’98 96.追いつめられた名探偵!連続2大殺人事件
109.探偵団大追跡事件
121.バスルーム密室事件(前編)
125.謎の狙撃者殺人事件(後編)
’99 134.奇術愛好家殺人事件(解決編)
171.暗闇の中の死角(後編)
’00 174.二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件
209.龍神山転落事件
211.五彩伝説の水御殿(後編)
216.ベイ・オブ・ザ・リベンジ(後編)
’01 224.そして人魚はいなくなった(解決編)
241.新幹線護送事件(後編)
’02 275.幽霊屋敷の真実(後編)
’03 310.黒の組織との接触(追跡編)
327.炎の中に赤い馬(解決編)
330.お金で買えない友情(後編)
’04 345.黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー
349.愛と幽霊と地球遺産(後編)
’05 384.標的は毛利小五郎
387.ストラディバリウスの不協和音 後奏曲
388.薩摩に酔う小五郎(前編)
389.薩摩に酔う小五郎(後編)
405.救急車を呼びに行った男
423.探偵団と青虫4兄弟
’06 430.もう戻れない二人(後編) (5)
436.探偵団に注目取材(後編)
449.本庁の刑事恋物語 偽りのウェディング
456.俺が愛したミステリー
合計31(32)

 サントラ3の「陰謀」をより緊迫感のある推理曲に仕上げたバージョンである。オリジナルバージョンが、推理曲としての役割も担ったがどちらかと言うと捜査や考察段階での曲だったのに対し、摩天楼ヴァージョンは解明推理曲として使う方が様になる。当時では、かなりとっておき感の強い雰囲気が漂っている。後の楽曲では瞳の中の暗殺者「漆黒の殺意」、水平線上の陰謀「真打ち登場~推理」、天空の難破船「サスベージュ」などがこれに該当し、解明推理シーンを大きく盛り上げるための重要曲だと考えられる。
 映画では冒頭の黒川邸での推理シーンに使われているが、逆にメインストーリーの推理シーンでは流れていない。
 ’97年の使用開始から年に数回ペースをずっと守り続けて’06年に引退した。


11.忍び寄る危機

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’97 63.大怪獣ゴメラ殺人事件
73.少年探偵団遭難事件
76.コナンvs怪盗キッド
81.人気アーティスト誘拐事件(前編)
85.スキーロッジ殺人事件(後編)
’98 86.誘拐現場特定事件
87.鶴の恩返し殺人事件
91.強盗犯人入院事件
96.追いつめられた名探偵!連続2大殺人事件
113.白い砂浜殺人事件
125.謎の狙撃者殺人事件(後編)
’99 130.競技場無差別脅迫事件(前編) 11(12)
131.競技場無差別脅迫事件(後編)
134.奇術愛好家殺人事件(解決編)
137.青の古城探索事件(後編)
140.SOS!歩美からのメッセージ
152.謎の老人失踪事件
154.園子のアブない夏物語(後編)
158.沈黙の環状線
160.怪奇五重塔伝説(後編)
166.鳥取クモ屋敷の怪(事件篇)
173.よみがえる死の伝言(後編)
’00 176.黒の組織との再会(灰原編) 13(14)
177.黒の組織との再会(コナン編) 灰原編のおさらい
179.喫茶店トラック乱入事件
182.大捜索 9つのドア
184.呪いの仮面は冷たく笑う
185.殺された名探偵(前編)
198.スーパーカーの罠(後編)
202.10人目の乗客(後編)
204.黒いイカロスの翼(後編)
206.本庁の刑事恋物語3(後編)
208.迷宮への入り口 巨大神像の怒り
212.きのこと熊と探偵団(前編)
218.封印された目暮の秘密(後編)
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド
236.南紀白浜ミステリーツアー(前編)
237.南紀白浜ミステリーツアー(後編) 前編のおさらい
247.網にかかった謎(後編) 前編のおさらい
259.シカゴから来た男(後編)
’02 263.大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城
268.バレンタインの真実(解決編)
275.幽霊屋敷の真実(後編)
’03 308.残された声なき証言(後編) 前編のおさらい
310.黒の組織との接触(追跡編)
325.炎の中に赤い馬(事件編)
326.炎の中に赤い馬(捜査編)
329.お金で買えない友情(前編)
335.東都現像所の秘密(前編)
337.転落事件の裏事情
’04 345.黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー (5)
353.フィッシング大会の悲劇(後編)
379.秘湯雪闇振袖事件(前編)
383.甲子園の奇跡!見えない悪魔に負けず嫌い
’05 384.標的は毛利小五郎
392.謎めく身長差20cm
’06 428.超秘密の通学路(後編)
合計57(60)

 非常に緊迫感が高く、息の詰まりそうな恐怖が迫り来る感覚を覚える。ラストは「タン タン タン チャーーーン♪」とじわりじわりと迫っていた恐怖が一気に襲いかかって来て絶体絶命!という盛り上がりで曲が終わる。初めて聞くとサントラ2の「悪のテーマ(part2)」によく似た単純なメロディだが、緊迫感は比べ物にならない。映画では、蘭がこれから爆弾の配線を切るという手に汗握る緊張感が漂う場面で使用された。
 この曲もはじめの頃はかなり「とっておき」臭が漂っていたように思う。’97年から’00年まで年を追うごとに使用回数が増えていき、’01年からは年間5話前後に落ち着いた。
 ‘07バージョンが制作され、一時期かなりよく使われたが、最近はあまり使用されていない。

12.緊急指令

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’97 62.幽霊船殺人事件(後編)
65.カニとクジラ誘拐事件
81.人気アーティスト誘拐事件(前編)
’99 130.競技場無差別脅迫事件(前編)
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド
231.謎めいた乗客(後編)
合計6

 非常に勇ましいアクション曲で、使用頻度が少ないのだがかなり人気が高いと思われる。映画ではコナンのスケボー疾走シーンと、文字通り東都環状線で爆弾の存在が確認されたため「緊急指令!緊急指令!」と楠司令官から運転席へ発せられるシーンで使用された。
 テレビ放送で最も印象に残っているのは’97年第81話「人気アーティスト誘拐事件(前編)」だ。犯人の命令に従って電車を乗り継いでいくシーンで使用されたが、曲が最も盛り上がる部分は台詞がなく、映像と音だけで構成されていたためにとてもかっこよかった。
 ’07バージョンは制作されているが、元来使用頻度の低い曲なのでなかなか耳にする機会がない。と思っていたら’14年にサントラ収録バージョンが初めて使われた。


13.対決のテーマ(摩天楼ヴァージョン)

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’97 63.大怪獣ゴメラ殺人事件
73.少年探偵団遭難事件
76.コナンvs怪盗キッド
’98 109.探偵団大追跡事件
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド
225.商売繁盛のヒミツ
241.新幹線護送事件(後編)
’04 345.黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー (6)
349.愛と幽霊と地球遺産(後編)
372.物言わぬ航路(後編)
376.タイムリミットは15時!
382.どっちの推理ショー(後編)
’05 396.奇抜な屋敷の大冒険(解決編) (5)
402.宝石強盗現行犯(後編)
412.神社鳥居ビックリ暗号(後編)
418.米花町グルニエの家
’06 428.超秘密の通学路(後編)
437.上戸彩と新一 4年前の約束
438.お魚メールの追跡
448.目黒の秋刀魚事件
449.本庁の刑事恋物語 偽りのウェディング
合計21(23)

 サントラ1の「対決のテーマ」及びサントラ2Disc1の「対決のテーマ(落ち着きバージョン)」のアレンジである。どちらかと言うとサントラ1のオリジナルバージョンに近いが、音は上品に抑えられ洗練されたかっこよさが備わっている。
 小林氏の時代には「落ち着きバージョン」がずっと主流だったこともあり、あまり使われていない。以降の時代では反対に「落ち着きバージョン」が使われなくなり、この摩天楼ヴァージョンが使われるようになった。
 ’06年で引退。


14.捜査開始(摩天楼ヴァージョン)

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’97 65.カニとクジラ誘拐事件
67.舞台女優殺人事件
70.闇の男爵殺人事件(解決篇)
’99 156.本庁の刑事恋物語2(前編)
’06 425.ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間 名探偵コナンのおさらい
合計5

 サントラ3「捜査開始」のアレンジである。映画では使用されなかった。(毎回、必ずそういう曲がある)
 もともと麻酔針を発射するためにコナンが狙いを定めるシーン限定で使われていた曲のアレンジだけに、使われる範囲が限られてしまい、使用頻度はかなり低い。オリジナルバージョンと同じ使われ方をしたこともあるが、摩天楼ヴァージョンはアクション曲としての使い方(’99年第156話「本庁の刑事恋物語2(前編)」が印象に残っている。


15.西の名探偵(摩天楼ヴァージョン)

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’97 70.闇の男爵殺人事件(解決篇)
’98 87.鶴の恩返し殺人事件
103.時代劇俳優殺人事件(後編)
108.モグラ星人謎の事件(後編)
109.探偵団大追跡事件
113.白い砂浜殺人事件
’99 134.奇術愛好家殺人事件(解決編)
139.最後の上映殺人事件(後編)
155.水中の鍵密室事件
158.沈黙の環状線
160.怪奇五重塔伝説(後編)
161.流水亭に流れる殺意
’00 182.大捜索 9つのドア
’01 254.本庁の刑事恋物語4(後編)
’02 276.警察手帳紛失事件
’03 343.コンビニの落とし穴(前編) (2)
’04 345.黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー (6)
358.本庁の刑事恋物語5(前編)
359.本庁の刑事恋物語5(後編)
’05 418.米花町グルニエの家
’06 425.ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間 (2)
合計21(26)

 サントラ3「西の名探偵」のアレンジ曲である。イントロ部分が追加されたのが特徴。
 なお、「時計じかけの摩天楼」には西の名探偵こと服部平次は登場しない。それにもかかわらずこんなタイトルの曲があるのは、オリジナルバージョンの「西の名探偵」が、完全に推理曲として使われていたからである。このアレンジ曲を映画の推理シーンで使うことになったのでそのまま「西の名探偵(摩天楼ヴァージョン)」となっただけである。近年なら曲名そのものが一新されていたのだろうが、当時のアレンジ曲と言えば「○○(□□ヴァージョン)」と記すのが一般的だったのだから仕方あるまい。
 ’97年から使われているが、本格的に使われ始めたのは’98年からでそこから2年間が全盛期であった…とは言っても「それなりに流れたな」という程度であって、高頻度で流れたわけではない。これは、推理シーンの後継曲として14番目の標的のBGMの方が優先されるようになったからだと考えられる。
 またオリジナルバージョン同様に、小林氏と以降の時代とでは全く使われ方が異なる。特に’04年の「本庁の刑事恋物語5(前・後編)」での使用は顕著で分かりやすい。個人的にはこの時に関しては面白くて笑ってしまったが、高木&佐藤のデートに張り込みをする多数の刑事たちのイメージ曲として使われた。完全にギャグなので、推理曲として使われていた時とは180度異なる。それでもなぜかこの時の使い方は笑えた。しかしながら、オリジナルバージョンの方は中途半端に使われたことが多く、今でも違和感を拭い切れない。


16.昼下がりの天使たち(摩天楼ヴァージョン)

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’97 61.幽霊船殺人事件(前編) 10
64.第3の指紋殺人事件
66.暗闇の道殺人事件
71.ストーカー殺人事件
72.三つ子別荘殺人事件
73.少年探偵団遭難事件
77.名家連続変死事件(前編)
81.人気アーティスト誘拐事件(前編)
83.総合病院殺人事件
84.スキーロッジ殺人事件(前編)
’98 87.鶴の恩返し殺人事件
92.恐怖のトラヴァース殺人事件(前編)
94.雪女伝説殺人事件
102.時代劇俳優殺人事件(前編)
104.盗賊団謎の洋館事件(前編)
106.スクープ写真殺人事件
110.料理教室殺人事件(前編)
113.白い砂浜殺人事件
121.バスルーム密室事件(前編)
’99 135.消えた凶器捜索事件 11
136.青の古城探索事件(前編)
143.疑惑の天体観測
155.水中の鍵密室事件
159.怪奇五重塔伝説(前編)
163.月と星と太陽の秘密(前編)
165.少年探偵団消失事件
166.鳥取クモ屋敷の怪(事件篇)
169.ビーナスのキッス
170.暗闇の中の死角(前編)
172.よみがえる死の伝言(前編)
’00 174.二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件 14(15)
184.呪いの仮面は冷たく笑う
185.殺された名探偵(前編)
189.命がけの復活 負傷した名探偵
190.命がけの復活 第三の選択
192.命がけの復活 帰ってきた新一…
194.意味深なオルゴール(前編)
196.見えない凶器 蘭の初推理
199.容疑者 毛利小五郎(前編)
203.黒いイカロスの翼(前編)
205.本庁の刑事恋物語3(前編)
208.迷宮への入り口 巨大神像の怒り
214.レトロルームの謎事件
215.ベイ・オブ・ザ・リベンジ(前編)
’01 228.殺意の陶芸教室(前編)
229.殺意の陶芸教室(後編)
260.揺れるレストラン
’02 264.法廷の対決 妃vs小五郎(前編)
282.水流るる石庭の怪(前編)
’03 331.疑惑の辛口カレー(前編)
’05 409.同時進行 舞台と誘拐(前編)
合計51(52)

 サントラ3「昼下がりの天使たち」のアレンジ曲だ。オリジナルバージョンが探偵団の日常を想起させる音色であるのに対し、摩天楼ヴァージョンはもう少し大人の日常を思い起こさせる。
 やはり冒頭の日常シーンで使われることが多く、初期の「蘭のテーマ」を受け継いだ代表的な楽曲のひとつである。’01年は「蘭のテーマ(摩天楼ヴァージョン)」とオリジナルの「昼下がりの天使たち」の使用頻度が上がったために使用頻度が下がり、そこからは一気に消滅への道を辿る。51話中49話は小林氏による選曲である。
 なお、楽曲の冒頭にはジュエリーな音が入っているが、筆者が記憶する限りこの箇所が使われたのは’98年第102話「時代劇俳優殺人事件(前編)」のみである。


17.想い出(摩天楼ヴァージョン)

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’97 68.闇の男爵殺人事件(事件篇)
’98 97.別れのワイン殺人事件
100.初恋の人想い出事件(前編)
110.料理教室殺人事件(前編)
120.ハニーカクテル殺人事件
124.謎の狙撃者殺人事件(前編)
’99 132.奇術愛好家殺人事件(事件編)
136.青の古城探索事件(前編)
159.怪奇五重塔伝説(前編)
170.暗闇の中の死角(前編)
’00 185.殺された名探偵(前編)
187.闇に響く謎の銃声
196.見えない凶器 蘭の初推理
203.黒いイカロスの翼(前編)
208.迷宮への入り口 巨大神像の怒り
214.レトロルームの謎事件
215.ベイ・オブ・ザ・リベンジ(前編)
’01 246.網にかかった謎(前編)
255.松江玉造連句十四番勝負(前編)
’03 342.ハウステンボスの花嫁
’04 377.桃太郎謎解きツアー(前編)
’05 409.同時進行 舞台と誘拐(前編)
418.米花町グルニエの家
’06 427.超秘密の通学路(前編)
合計24

 サントラ3「想い出」のアレンジ曲である。前作にあった、いかにもカクテルパーティーな音色ではなくなり、かなり風流になっている。
 そのため、むしろ地味目で趣のある風景や(ミステリーツアーなど)、どこかを訪問した時に快く出迎えてくれるといった上品な香りの漂う日常シーンで使われることが多い(別にオリジナルバージョンが下品というわけではないが、誘惑臭がしていたので…)。
 特に’98年から’00年にかけては定期的に使われ、日常曲のひとつとしてオリジナルバージョンよりも一定の役割を果たしたと思う。


キミがいれば

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’97 62.幽霊船殺人事件(後編)
65.カニとクジラ誘拐事件
合計2

 ここからはサントラ未収録曲を紹介する。まずは挿入歌からだが、この曲はコナンの映画を見ている人なら誰もが「あの曲か」と分かるだろう。「うつむーくー そのせーなーかに いたいあめーがつきーさーさる♪」という歌詞で有名なアレである。原曲は「名探偵コナン メイン・テーマ」なので、楽曲だけがはじめにあり、映画に合わせて後から歌詞を作ったことになる。
 映画「時計じかけの摩天楼」では東都環状線を貨物線に引き入れて危機を乗り越えるという感動的なシーンで使用された。また「14番目の標的」でも、犯人を倒すシーンに同曲が用いられた。「世紀末の魔術師」「瞳の中の暗殺者」「迷宮の十字路」でも「キミがいれば」が使用されているが、それぞれ新たにアレンジ曲が作られている。また、「探偵たちの鎮魂歌」では「世紀末の魔術師」のバージョンが二度目の登場となった。それ以外の作品では使用されていない。
 そして初代バージョンは、実は二回だけテレビ放送でも使われたことがある。’97年の第62話「幽霊船殺人事件(後編)」と第65話の「カニとクジラ誘拐事件」だ。前者は犯人を倒すシーンで、後者は捜索シーンで使われたが、捜索シーンではそれ以外の音を消して音楽と映像だけで演出された。


逢いたいよ

 映画挿入歌で、テレビでは使われていない。映画ではラストの「赤か青か」を決めかねているシーンで、新一さんが「死ぬ時はいつも一緒だぜ」とかなんとか言っていたバックに流れていた。出だしがやたらと渋い。


未発表曲1(黒川邸のサスペンス)

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’04 345.黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー
合計1

 ここからの未収録曲は挿入歌ではなくインストのBGMである。まずは冒頭の黒川邸で小五郎が犯人を指摘する時に使われた短いサスペンス曲からだ。ドコドコドコドコ~♪というパーカッション音で始まりそのまま盛り上がっていくだけの曲だが、便利そうなので、近年に使われていたら使用頻度が高くなりそうだ。
 この曲だが、’04年の第345話「黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー」で、そのドコドコドコドコ~♪の部分だけ地味に使用された模様である。きちんとした確認が取れたわけではないのだが、おそらくこの曲だと思われる。


未発表曲2(「事件解決」アレンジ)

 コナンが阿笠邸で「天才型…ねぇ」と呟くバックで博士の発明品が崩れ落ちるというギャグなシーンで使用された。「事件解決(意気揚々バージョン)」の締め部分に似ているが、明らかに異なる音が入っているので別の曲だと認定した。
 テレビでは一切使われていない。
最終更新:2023年06月05日 04:14