サントラ・楽曲別使用状況

「14番目の標的」オリジナル・サウンドトラック

2023-04-30更新


 「名探偵コナン『14番目の標的』オリジナル・サウンドトラック」は、映画第二作目のために新たに書き下ろされたBGM集です。「時計じかけの摩天楼」の時はテレビ用BGMのアレンジが多かったのに対し、ここからは、あくまで映画のために作られたメロディが中心になります。毎回映画のイメージテーマ曲のようなものがあり、だいたいの場合、その曲を派生させたアレンジが多く作られています。(この作品では「ターゲット サスペンス」シリーズが該当します)
 テレビでは’98年9月21日放映の第118話「浪花の連続殺人事件」(一時間スペシャル)から使われ始めています。前年のスペシャル番組である「コナンvs怪盗キッド」でも、「時計じかけの摩天楼」の楽曲が使われまくりましたが、「浪花の連続殺人事件」でも、新たに仲間に加わった「14番目の標的」の楽曲がばんばん使われ、前週までの通常作品とは全く異なる選曲になっています。この頃から「スペシャルはBGMもスペシャル」という考え方がはっきりして来たように思います。「時計じかけの摩天楼」のBGM導入から一年と三ヶ月を経ての使用開始なので、ちょうどいい頃合でしょう。もう少し早くてもよかったかもしれませんが、そうすると’99年の正月スペシャル「黒の組織から来た女 大学教授殺人事件」で曲の新鮮さが薄れていたかもしれないので、特別感を大事にするためにも遅らせて正解だったのではないでしょうか。

1.名探偵コナン メイン・テーマ(標的ヴァージョン)
2.恋のトランプゲーム占い
3.母への想い
4.ワインをのんで
5.ターゲット サスペンスA
6.ターゲット サスペンスB
7.ターゲット サスペンスC
8.ターゲット サスペンスD
9.コナンの大作戦1
10.コナンが通る
11.カード賭博のボス
12.ターゲット サスペンスE
13.絆
14.犯人の謎
15.次のターゲット!
16。何かが起きる…
17.トリック
18.アクアクリスタル
19.アクアクリスタル内へ
20.ターゲット サスペンスF
21.ターゲット サスペンスG
22.ターゲット サスペンスH
23.ターゲット サスペンスI
24.ターゲット サスペンスJ
25.犯人の目星
26.迫り来る危機
27.コナンの大作戦2
28.真相究明
29.謎の解明(ターゲット サスペンスK)
30.スペードのエース
31.挫折
32.殺意
33.一触即発
34.Aの予感
35.別居の真相
36.KIZUNA(ヴォーカル ヴァージョン)
未発表曲1(水中キスを思い出す)



1.名探偵コナン メイン・テーマ(標的ヴァージョン)

 未使用曲。摩天楼ヴァージョンのメイン・テーマはよく使われたが、この標的ヴァージョンはテレビでは全く使われていない。近年のテレビバージョン及び映画バージョンのイントロの走りであり、初めて聞いた時はそのアレンジのうまさに興奮したのを覚えている。
 映画ではサントラ盤と異なり、主旋律が右に片寄っていた。どういう意図があったのだろうか。


2.恋のトランプゲーム占い

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’98 126.旅芝居一座殺人事件(前編)
’99 129.黒の組織から来た女 大学教授殺人事件
130.競技場無差別脅迫事件(前編)
138.最後の上映殺人事件(前編)
’00 182.大捜索 9つのドア (7)
197.スーパーカーの罠(前編)
200.容疑者 毛利小五郎(後編)
201.10人目の乗客(前編)
203.黒いイカロスの翼(前編)
205.本庁の刑事恋物語3(前編)
’02 303.戻って来た被害者
’03 306.見えない容疑者(後編)
314.壊れた柵の展望台
315.陽のあたる場所
316.汚れた覆面ヒーロー(前編)
325.炎の中に赤い馬(事件編)
328.バースデーワインの謎
329.お金で買えない友情(前編)
’04 352.フィッシング大会の悲劇(前編)
358.本庁の刑事恋物語5(前編)
368.魔女の棲むお菓子の家
369.ツイてる男のサスペンス
376.タイムリミットは15時!
’05 388.薩摩に酔う小五郎(前編)
394.奇抜な屋敷の大冒険(封印編)
409.同時進行 舞台と誘拐(前編)
411.神社鳥居ビックリ暗号(前編)
415.仏滅に出る悪霊(事件編)
418.米花町グルニエの家
419.八岐大蛇の剣(前編)
422.イチョウ色の初恋(前編)
424.ピエロからの写真メール
’06 425.ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間
431.本庁の刑事恋物語7(前編)
433.コナン変な子
435.探偵団に注目取材(前編)
445.ロシアンブルーの秘密
448.目黒の秋刀魚事件
450.トリックvsマジック(前編)
452.こんぴら座の怪人
459.怪人ガチガチ規則男
合計41(42)

 映画では吉田歩美がトランプ占いゲームをした結果がよくご機嫌な様子で「あたしとコナンくん、相性ぴったり!」と言った直後に挿入された曲である。「恋」と一部のファンを期待させる字がついているものの、少年探偵団との絡みを想定した、ごく一般的な日常テーマ曲になっている。「はずむ蘭」や「昼下がりの天使たち」などの仲間だと思われるが、「恋のトランプゲーム占い」は短めの曲なので、冒頭の日常感というよりも、日常のひとコマを演出する方が相応しいイメージがある。
 この曲はどちらかというと浦上氏・井澤氏になってから地位を固めたと言える。年間5回~10回程度安定して使われ、現在においても’07バージョンに姿を変えたが、最近は使用されていない。


3.母への想い

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 296.屋形船 釣りショック
300.友情と殺意の関門海峡(後編)
’03 313.夕陽に染まった雛人形(後編)
328.バースデーワインの謎
344.コンビニの落とし穴(後編)
’04 367.丸見え埠頭の惨劇(後編)
383.甲子園の奇跡!見えない悪魔に負けず嫌い
合計7

 映画では蘭が園子と、母・妃英理について回想するシーンで使われている。ほのぼのとした優しい雰囲気が耳に心地よい。
 この曲、実は小林氏は一度も使わず、後の音響監督によって初めて使用された。安定感とここぞという時の選曲に定評のある小林氏だが、この曲についてはなぜ使わなかったのだろうと今でも不思議に思う。
 ’02年の第300話「友情と殺意の関門海峡(後編)」では夕陽を背景にしたCパートで使われたが、絵と曲がマッチしてとても印象深いシーンに仕上がっていた。


4.ワインをのんで

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’00 174.二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件 (7) 現実音
192.命がけの復活 帰ってきた新一… 現実音
193.命がけの復活 約束の場所 現実音
197.スーパーカーの罠(前編)
’02 300.友情と殺意の関門海峡(後編)
’03 305.見えない容疑者(前編)
308.残された声なき証言(後編)
309.黒の組織との接触(交渉編) 「残された声なき証言」のおさらい
310.黒の組織との接触(追跡編)
333.似た者プリンセス(前編)
338.4台のポルシェ(前編)
’05 398.奇妙な一家の依頼(前編)
400.疑惑を持った蘭
401.宝石強盗現行犯(前編)
403.不思議な天使の館(前編)
409.同時進行 舞台と誘拐(前編)
413.完全半分犯罪の謎
’06 425.ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間
431.本庁の刑事恋物語7(前編)
433.コナン変な子
447.封印された洋窓(後編)
450.トリックvsマジック(前編)
452.こんぴら座の怪人
合計23(26)

 初めてこの曲を聞いた時、コナンらしくないなと感じた。あまりにも大人っぽすぎるのである。いかにも高級レストランのBGMという趣であり、実際、映画でもテレビでもレストランでかかっているという設定の現実音として使われている。
 ところが、これも小林氏より後の音響監督の方が日常的に使用するようになった。しかも、それまでの「高級レストラン」のイメージとは打って変わり、屋外を歩いている時や、なんと事件後の捜査に行き詰まった後の小康状態の雰囲気を演出するのにも使われた。さすがに後者は違和感を禁じ得なかったが、それまでのコナンの日常シーンに対するイメージを変えるのに貢献したのは間違いない。’03年以降、妙にそれまでのコナンと「なにか違うな」と感じられることが増えたが、それはBGMの使われ方が変わったことと無関係ではあるまい。07バージョンは2007年公開の第11作「紺碧の棺」のボーナストラックに「FOLLOW WIND」という楽器名で制作されている。


5.ターゲット サスペンスA

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’98 118.浪花の連続殺人事件 (2)
’99 130.競技場無差別脅迫事件(前編) (4)
131.競技場無差別脅迫事件(後編) 前編のおさらい・1 「ターゲット サスペンスB」とセット・1
167.鳥取クモ屋敷の怪(疑惑篇)
’00 185.殺された名探偵(前編)
193.命がけの復活 約束の場所
196.見えない凶器 蘭の初推理
204.黒いイカロスの翼(後編)
210.五彩伝説の水御殿(前編)
214.レトロルームの謎事件
’01 248.癒しの森のアリバイ
’02 271.隠して急いで省略(前編)
273.クイズ婆さん失踪事件
296.屋形船 釣りショック 「ターゲット サスペンスB・C・D」とセット
’03 304.揺れる警視庁 1200万人の人質
315.陽のあたる場所
316.汚れた覆面ヒーロー(前編)
319.幸運のシガーケース(後編)
337.転落事件の裏事情
’04 338.本庁の刑事恋物語5(前編)
’05 386.ストラディバリウスの不協和音 間奏曲 前奏曲のおさらい
393.誘拐…らしい事件
416.仏滅に出る悪霊(疑惑編)
合計23(25)

 映画ではジョギングをしている目暮警部が撃たれるシーンで使われた、非常に短いショック音楽だ。
 明らかに事件発生曲で、それまで使われていた「謎解き(その1)」に変わるのかなと勝手に思っていたが、当時のアニメは「キャーー!→悲鳴の聞こえた方へ走るコナン→遺体発見」という流れが多く、これだけ短い曲でまとめることができなかったためか、それほどは使われなかった。


6.ターゲット サスペンスB

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’98 118.浪花の連続殺人事件 (2) 「ターゲット サスペンスD」とセット・1
’99 129.黒の組織から来た女 大学教授殺人事件
131.競技場無差別脅迫事件(後編) 「ターゲット サスペンスA」とセット
138.最後の上映殺人事件(前編)
149.遊園地バンジー事件
153.園子のアブない夏物語(前編)
166.鳥取クモ屋敷の怪(事件篇)
’00 180.赤い殺意の夜想曲(前編)
190.命がけの復活 第三の選択 「ターゲット サスペンスE」とセット
209.龍神山転落事件
212.きのこと熊と探偵団(前編)
215.ベイ・オブ・ザ・リベンジ(前編)
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド
227.バトルゲームの罠(後編)
’02 267.バレンタインの真実(推理編) (5)
277.英語教師vs西の名探偵(前編)
278.英語教師vs西の名探偵(後編) 前編のおさらい・1
296.屋形船 釣りショック 「ターゲット サスペンスA・C・D」とセット
’03 307.残された声なき証言(前編)
328.バースデーワインの謎
’05 394.奇抜な屋敷の大冒険(封印編)
411.神社鳥居ビックリ暗号(前編)
合計22(24)

 「ターゲット サスペンスA」と似たような曲だが、出だしに焦燥感が感じられる。映画では妃英理が毒入りのチョコレートを食べて苦しむシーンで使用された。
 「A」とほぼ同じ使用頻度だが、小林氏はやや多めで、浦上氏と井澤氏はやや少ない。


7.ターゲット サスペンスC

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’98 118.浪花の連続殺人事件 (6)
127.旅芝居一座殺人事件(後編)
’99 146.本庁の刑事恋物語(前編) (7)
150.自動車爆発事件の真相(前編)
155.水中の鍵密室事件
156.本庁の刑事恋物語2(前編)
162.空飛ぶ密室 工藤新一最初の事件
167.鳥取クモ屋敷の怪(疑惑篇)
’00 176.黒の組織との再会(灰原編) 17(18)
177.黒の組織との再会(コナン編)
178.黒の組織との再会(解決編) 前回までとシーン重複
188.命がけの復活 洞窟の探偵団
189.命がけの復活 負傷した名探偵
195.意味深なオルゴール(後編)
198.スーパーカーの罠(後編)
199.容疑者 毛利小五郎(前編)
200.容疑者 毛利小五郎(後編)
201.10人目の乗客(前編)
206.本庁の刑事恋物語3(後編)
210.五彩伝説の水御殿(前編)
211.五彩伝説の水御殿(後編)
212.きのこと熊と探偵団(前編)
214.レトロルームの謎事件
217.封印された目暮の秘密(前編)
218.封印された目暮の秘密(後編)
’01 223.そして人魚はいなくなった(推理編) (7)
226.バトルゲームの罠(前編)
227.バトルゲームの罠(後編)
229.殺意の陶芸教室(後編)
230.謎めいた乗客(前編)
250.アイドル達の秘密(後編)
’02 271.隠して急いで省略(前編)
272.隠して急いで省略(後編)
281.小さな目撃者たち
283.水流るる石庭の怪(後編)
296.屋形船 釣りショック 「ターゲット サスペンスA・B・D」とセット
’04 379.秘湯雪闇振袖事件(前編)
合計37(44)

 この曲は前者二曲のアレンジではなく、トラック14番「犯人の謎」のショートアレンジである。A・Bと同じく短いのでブリッジ曲と言っても過言ではない。新たな謎の登場、ひとつの考察から場面が移り変わっていくという繋ぎに多用された。
37話中35話を小林氏が使用し、特に’99年後半から’01年の前半にかけては存在感を示した。しかし長くは続かず、「瞳の中の暗殺者」のBGMが解禁されたことになりお役御免となった。

8.ターゲット サスペンスD

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’98 118.浪花の連続殺人事件 (4) イントロ部分・「ターゲット サスペンスB」とセット・1
’99 129.黒の組織から来た女 大学教授殺人事件 イントロ部分
140.SOS!歩美からのメッセージ
159.怪奇五重塔伝説(前編)
’00 177.黒の組織との再会(コナン編) 14
178.黒の組織との再会(解決編) 前回までとシーン重複
180.赤い殺意の夜想曲(前編) イントロ部分
184.呪いの仮面は冷たく笑う
189.命がけの復活 負傷した名探偵
192.命がけの復活 帰ってきた新一…
197.スーパーカーの罠(前編)
198.スーパーカーの罠(後編)
203.黒いイカロスの翼(前編)
204.黒いイカロスの翼(後編) 前編のおさらい
205.本庁の刑事恋物語3(前編)
206.本庁の刑事恋物語3(後編)
209.龍神山転落事件
213.きのこと熊と探偵団(後編)
’01 221.偽りだらけの依頼人(後編)
224.そして人魚はいなくなった(解決編)
226.バトルゲームの罠(前編)
231.謎めいた乗客(後編)
’02 289.迷いの森の光彦(前編)
296.屋形船 釣りショック 「ターゲット サスペンスA・B・C」とセット
301.悪意と聖者の行進(前編)
’03 310.黒の組織との接触(追跡編)
317.汚れた覆面ヒーロー(後編)
343.コンビニの落とし穴(前編)
’04 360.不思議な春のかぶと虫
378.桃太郎謎解きツアー(後編)
380.秘湯雪闇振袖事件(後編)
382.どっちの推理ショー(後編)
’05 385.ストラディバリウスの不協和音 前奏曲
391.本庁の刑事恋物語6(後編)
395.奇抜な屋敷の大冒険(絡繰編) 封印編のおさらい
396.奇抜な屋敷の大冒険(解決編) 封印編・絡繰編のおさらい
401.宝石強盗現行犯(前編) 「ターゲット サスペンスG」とセット
415.仏滅に出る悪霊(事件編)
’06 425.ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間
428.超秘密の通学路(後編)
合計40(43)

 「ターゲット サスペンスA・B」のアレンジだが、それらに比べると音がこもった感じになっているため、事件発生曲としての役割以外に、犯人を指摘したり「犯人はあの人だ」という決まり文句に続いてCMに入ったりする時に使われた。イントロが静かなサスペンス音で、そこから音が大きくなっていく。実際、雰囲気を盛り上げることそのものに注力した感がある。
 この曲は「ターゲット サスペンスA・B・D」の三点セットの中でも、それほど差がないとは言え最もよく使われており、’07バージョンも制作されている。


9.コナンの大作戦1

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’98 118.浪花の連続殺人事件 締め部分
合計1

 映画未使用曲。おそらく阿笠博士を襲った犯人をスケボーで追跡するシーンでの使用が予定されていたのだろうが、当シーンにはトラック15の「次のターゲット!」が使われた。「コナンの大作戦1」では軽すぎると判断したのかもしれない。アクション味が豊かな上に音まで面白いのだが、それだけに緊迫感が足りない。通常放送の軽い事件や、最初期のようにコナンの活躍を前面に押し出すシーンでなら使えたかもしれない。
 テレビでは「浪花の連続殺人事件」(14番目の標的BGM解禁回)のたった一度だけ、しかもメインのアクション部分ではなく締め部分だけ使用された。そのため、実質きちんと使われないままお蔵入りになった曲である。なお、トラック27の「コナンの大作戦2」は同話でアクション部分が使われている。


10.コナンが通る

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’98 118.浪花の連続殺人事件
122.バスルーム密室事件(後編)
’99 150.自動車爆発事件の真相(前編)
’00 174.二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件 (9)
176.黒の組織との再会(灰原編)
187.闇に響く謎の銃声
189.命がけの復活 負傷した名探偵
193.命がけの復活 約束の場所
196.見えない凶器 蘭の初推理
198.スーパーカーの罠(後編)
211.五彩伝説の水御殿(後編)
’01 225.商売繁盛のヒミツ
252.松江玉造連句十四番勝負(後編)
合計13(14)

 ハードボイルド探偵の捜査という風味の漂うサスペンス曲である。この曲は従来からあるコナンのBGMという感じがする。
 個人的には中心的存在を担えるぐらい使いやすい曲だと思うが、実際にはそれほど使用されていない。本格的に使われたのは’00年~’01年の前半にかけてだけで、それ以降は「ターゲット サスペンスC」と同じく「瞳の中の暗殺者」のBGMに完全に役割を奪われた。
 なお、浦上氏と井澤氏は一切使用していない。


11.カード賭博のボス

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’98 128.黒の組織10億円強奪事件
’99 129.黒の組織から来た女 大学教授殺人事件
131.競技場無差別脅迫事件(後編)
136.青の古城探索事件(前編)
137.青の古城探索事件(後編)
168.鳥取クモ屋敷の怪(解決篇)
’00 176.黒の組織との再会(灰原編)
190.命がけの復活 第三の選択
191.命がけの復活 黒衣の騎士 前回のおさらい
192.命がけの復活 約束の場所
211.五彩伝説の水御殿(後編)
213.きのこと熊と探偵団(後編)
合計12

 トラック14「犯人の謎」のアレンジ曲で、一度聞いただけだと同じ曲に聞こえるかもしれない。しかし二曲は明確に異なっており、「カード賭博のボス」はタイトルから察せられる通り、悪のテーマの香りがする。「犯人の謎」には哀愁が漂っているが、こちらは憎悪や悪意といった感情の方が先行する。
 ’99年と’00年を中心に、少しずつ使われた。やはり悪のテーマとしての色合いが濃く、凶悪な犯人の自白シーン、被害者が情状酌量の余地のない極悪人であることが語られるシーン(サントラ3の「事件の謎」に近いと思う)、そして黒の組織や青の古城の犯人のイメージテーマとして使用されている。


12.ターゲット サスペンスE

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’99 129.黒の組織から来た女 大学教授殺人事件
131.競技場無差別脅迫事件(後編)
’00 190.命がけの復活 第三の選択 「ターゲット サスペンスB」とセット
191.命がけの復活 黒衣の騎士 前回のおさらい
206.本庁の刑事恋物語3(後編)
合計5

 「犯人の謎」シリーズのアレンジ曲のひとつ。アクション風だがメインの旋律(「ターゲット サスペンスC」のメロディ)を二回繰り返すだけのシンプルな作りになっている。
 あまり曲としての味わいがないためかもしれないが使用頻度は低い。「ターゲット サスペンスA・B・D」のように事件発生曲としてもう少し使えたのではないだろうか。


13.絆

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 322.消えた誘拐逃走車(後編)
’06 438.お魚メールの追跡
合計2

 「母への想い」をスローテンポにし、伴奏をより温かみのあるものにしている。ホワイトクリスマスの日に部屋で恋人と語らうようなイメージだ。
 「母への想い」同様に小林氏によっては使われず、’02年と’06年に一度ずつ使用された。やはり愛情に満ちた心温まるシーンを演出している。


14.犯人の謎

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’98 118.浪花の連続殺人事件 (4)
122.バスルーム密室事件(後編)
’99 129.黒の組織から来た女 大学教授殺人事件 11(14)
132.奇術愛好家殺人事件(事件編)
133.奇術愛好家殺人事件(疑惑編)
137.青の古城探索事件(後編)
150.自動車爆発事件の真相(前編)
151.自動車爆発事件の真相(後編)
156.本庁の刑事恋物語2(前編)
159.怪奇五重塔伝説(前編)
165.少年探偵団消失事件
166.鳥取クモ屋敷の怪(事件篇)
168.鳥取クモ屋敷の怪(解決篇)
’00 176.黒の組織との接触(灰原編) 13(17)
177.黒の組織との接触(コナン編)
178.黒の組織との接触(解決編)
189.命がけの復活 負傷した名探偵
193.命がけの復活 約束の場所
202.10人目の乗客(後編)
205.本庁の刑事恋物語3(前編)
206.本庁の刑事恋物語3(後編)
212.きのこと熊と探偵団(前編)
213.きのこと熊と探偵団(後編)
216.ベイ・オブ・ザ・リベンジ(後編)
217.封印された目暮の秘密(前編)
218.封印された目暮の秘密(後編) 前編のおさらい
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド
222.そして人魚はいなくなった(事件編)
223.そして人魚はいなくなった(推理編)
224.そして人魚はいなくなった(解決編)
230.謎めいた乗客(前編)
231.謎めいた乗客(後編)
247.網にかかった謎(後編)
’02 263.大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城 11(13)
265.法廷の対決 妃vs小五郎(後編)
277.英語教師vs西の名探偵(前編)
279.迷宮のフーリガン(前編)
287.工藤新一NYの事件(推理編)
291.孤島の姫と竜宮城(事件編)
292.孤島の姫と竜宮城(追求編)
293.孤島の姫と竜宮城(解決編)
294.愛と決断のスマッシュ(前編)
296.屋形船 釣りショック
300.友情と殺意の関門海峡(後編)
’04 379.秘湯雪闇振袖事件(前編)
380.秘湯雪闇振袖事件(後編)
’05 405.救急車を呼びに行った男
合計47(58)

 「14番目の標的」のイメージを作っている代表的なテーマ曲である。既に紹介した「ターゲット サスペンスC」や「カード賭博のボス」のアレンジで、「犯人の謎」がこのシリーズの中で最もよく使われている。事件の予兆や胸に秘めた悪意、そしてその裏に見え隠れする哀愁など、それまでのコナンの楽曲では表現できなかった複雑な心理や雰囲気を表現してくれる重要曲であり、この曲があったからこそ「浪花の連続殺人事件」や灰原哀が登場する頃の独特の空気を演出できたと思う。
 ほとんどが小林氏による選曲で、’03年以降はほとんど使われず、残念ながらそのまま’06年をもって消滅した模様である。雰囲気を重視した曲なので、ほろ苦い事件など、何かしら哀愁が強く漂う話でよく使われ、しかも前後編セットで用いられることが多かった。こうすることでひとつの物語としての空気感ができあがっていたように感じる。
 ’07バージョンは聞いたことがなく、おそらく作られなかったのだろう。繰り返しになるが、誠に残念である。


15.次のターゲット!

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’98 127.旅芝居一座殺人事件(後編)
128.黒の組織10億円強奪事件
’99 154.園子のアブない夏物語(後編)
’00 205.本庁の刑事恋物語3(前編)
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド
230.謎めいた乗客(前編)
’03 304.揺れる警視庁 1200万人の人質
307.残された声なき証言(前編)
324.服部平次絶体絶命!(後編)
332.疑惑の辛口カレー(後編)
’04 345.黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー
356.怪盗キッドの驚異空中歩行
383.甲子園の奇跡!見えない悪魔に負けず嫌い
’06 425.ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間
449.本庁の刑事恋物語 偽りのウェディング
458.園子の赤いハンカチ(後編)
合計16

 映画ではスケボーで犯人を追跡するシーンと、水中から脱出できない蘭をコナンが伸縮サスペンダーを使って助けるシーンにて使用された。テレビでは小林氏の時代には追跡のテーマとして、浦上氏以降の時代には推理シーンなどアクションと関係ないシーンでも使用されるようになった。スペシャル作品での使用が目立つ。
 ’07バージョンが作られており、こちらもそれなりに使われている。「瞳の中の暗殺者」の運命の瞬間’07バージョンと似ており、組み合わせて使われたこともある。


16.何かが起きる…

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’98 118.浪花の連続殺人事件
124.謎の狙撃者殺人事件(前編)
128.黒の組織10億円強奪事件
’99 129.黒の組織から来た女 大学教授殺人事件 10(11)
130.競技場無差別脅迫事件(前編)
131.競技場無差別脅迫事件(後編) 前編とシーン重複・1
139.最後の上映殺人事件(後編)
140.SOS!歩美からのメッセージ
144.上野発北斗星3号(前編)
148.路面電車急停止事件
153.園子のアブない夏物語(前編)
154.園子のアブない夏物語(後編)
165.少年探偵団消失事件
’00 189.命がけの復活 負傷した名探偵
194.意味深なオルゴール(前編)
’01 221.偽りだらけの依頼人(後編)
227.バトルゲームの罠(後編)
245.ヒマワリ館の銃声
257.世にも奇妙な天罰
’02 263.大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城
278.英語教師vs西の名探偵(後編)
296.屋形船 釣りショック
298.法廷の対決Ⅱ 妃vs九条(後編)
300.友情と殺意の関門海峡(後編)
302.悪意と聖者の行進(後編)
303.戻って来た被害者
’04 360.不思議な春のかぶと虫
375.星と煙草の暗号(後編)
379.秘湯雪闇振袖事件(前編)
’05 387.ストラディバリウスの不協和音 後奏曲
388.薩摩に酔う小五郎(前編)
392.謎めく身長差20cm
398.奇妙な一家の依頼(前編)
’06 454.ひっくり返った結末(前編)
合計34(35)

 映画では、ヘリコプターを操縦する辻弘樹が太陽の眩しさに目が開けられないと苦しむシーンで使用された。「ジャーン ジャジャジャーーン」と切迫した状況を焦燥感と共に盛り上げる曲で、メロディは正直イマイチだと思うが、使いやすいのは間違いない。犯人を追い込む時の他、見えない何かがじわりと迫り来るイメージであればどんなシーンでもしっくり来そうだ。
 使用頻度は並。’99年の前半はかなりよく使われ、その後は音響監督に浦上氏が就任した’02年の秋にも集中的に使われた。’03年は全く流れず、’04年からは年に数回ペースが基本になった。
 ’07バージョンも制作され、’11年までは変わらないペースで使われたが、近年はいよいよ出番がなくなって来ている。


17.トリック

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’98 118.浪花の連続殺人事件 (8)
122.バスルーム密室事件(後編)
123.お天気お姉さん誘拐事件
124.謎の狙撃者殺人事件(前編)
125.謎の狙撃者殺人事件(後編)
127.旅芝居一座殺人事件(後編)
128.黒の組織10億円強奪事件
’99 129.黒の組織から来た女 大学教授殺人事件 18(19)
134.奇術愛好家殺人事件(解決編)
143.疑惑の天体観測
145.上野発北斗星3号(後編)
146.本庁の刑事恋物語(前編)
147.本庁の刑事恋物語(後編)
148.路面電車急停止事件
151.自動車爆発事件の真相(後編)
154.園子のアブない夏物語(後編)
155.水中の鍵密室事件
156.本庁の刑事恋物語2(前編)
157.本庁の刑事恋物語2(後編) 前編とシーン重複
160.怪奇五重塔伝説(後編)
161.流水亭に流れる殺意
162.空飛ぶ密室 工藤新一最初の事件
168.鳥取クモ屋敷の怪(解決篇)
169.ビーナスのキッス
173.よみがえる死の伝言(後編)
’00 174.二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件 25(26)
175.四回殺された男
176.黒の組織との再会(灰原編)
177.黒の組織との再会(コナン編)
179.喫茶店トラック乱入事件
181.赤い殺意の夜想曲(後編)
184.呪いの仮面は冷たく笑う
185.殺された名探偵(前編)
187.闇に響く謎の銃声
188.命がけの復活 洞窟の探偵団
189.命がけの復活 負傷した名探偵
190.命がけの復活 第三の選択
191.命がけの復活 黒衣の騎士
192.命がけの復活 帰ってきた新一…
193.命がけの復活 約束の場所
200.容疑者 毛利小五郎(後編)
204.黒いイカロスの翼(後編)
206.本庁の刑事恋物語3(後編)
207.見事すぎた名推理
208.迷宮への入り口 巨大神像の怒り
211.五彩伝説の水御殿(後編)
212.きのこと熊と探偵団(前編)
214.レトロルームの謎事件
216.ベイ・オブ・ザ・リベンジ(後編)
218.封印された目暮の秘密(後編)
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド 14(15)
221.偽りだらけの依頼人(後編)
227.バトルゲームの罠(後編)
228.殺意の陶芸教室(前編)
230.謎めいた乗客(前編)
232.マンション転落事件
236.南紀白浜ミステリーツアー(前編)
238.大阪3つの”K”事件(前編)
240.新幹線護送事件(前編)
241.新幹線護送事件(後編)
246.網にかかった謎(前編)
256.松江玉造連句十四番勝負(後編)
258.シカゴから来た男(前編)
262.雪の夜の恐怖伝説(後編)
’02 266.バレンタインの真実(事件編) 10
268.バレンタインの真実(解決編)
272.隠して急いで省略(後編)
275.幽霊屋敷の真実(後編)
278.英語教師vs西の名探偵(後編)
280.迷宮のフーリガン(後編)
283.水流るる石庭の怪(後編)
287.工藤新一NYの事件(推理編)
288.工藤新一NYの事件(解決編)
293.孤島の姫と竜宮城(解決編)
’03 304.揺れる警視庁 1200万人の人質 12
307.残された声なき証言(前編)
310.黒の組織との接触(追跡編)
313.夕陽に染まった雛人形(後編)
319.幸運のシガーケース(後編)
327.炎の中に赤い馬(解決編)
330.お金で買えない友情(後編)
332.疑惑の辛口カレー(後編)
337.転落事件の裏事情
338.4台のポルシェ(前編)
339.4台のポルシェ(後編)
341.トイレに隠した秘密(後編)
’04 345.黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー 11(12)
347.お尻のマークを探せ!(後編)
349.愛と幽霊と地球遺産(後編)
353.フィッシング大会の悲劇(後編)
355.小さな依頼者(後編)
356.怪盗キッドの驚異空中歩行
373.猛毒蜘蛛の罠
375.星と煙草の暗号(後編)
378.桃太郎謎解きツアー(後編)
380.秘湯雪闇振袖事件(後編)
383.甲子園の奇跡!見えない悪魔に負けず嫌い
’05 387.ストラディバリウスの不協和音 後奏曲
391.本庁の刑事恋物語6(後編)
393.誘拐…らしい事件
402.宝石強盗現行犯(後編)
408.コナン平次の推理マジック(解決編)
412.神社鳥居ビックリ暗号(後編)
417.仏滅に出る悪霊(解決編)
420.八岐大蛇の剣(後編)
’06 425.ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間 11
430.もう戻れない二人(後編)
433.コナン変な子
440.極限のカースタント
441.最期のアーン
444.ため息 潮干狩り(後編)
447.封印された洋窓(後編)
449.本庁の刑事恋物語 偽りのウェディング
451.トリックvsマジック(後編)
453.因縁と友情の試写会
455.ひっくり返った結末(後編)
合計116(121)

 「14番目の標的」のBGMの中で、テレビ放映で最も多く使われた曲である。映画内でも数回使われており、その重宝ぶりはサントラ2の事件曲群を彷彿させる。2分ちょっとに渡る推理シーンの説明曲で、考察段階での仮説推理や解明推理共に多用された。
 特に’01年夏までの使用頻度は半端ではなく、ほぼ毎週聞いていると感じられるぐらいよく使われた。「瞳の中の暗殺者」BGMの登場により全盛期は過ぎ去ったかに思われた。ところが音響監督が交代したあと、一時の勢いはなくなったものの駆逐されずに’06年まで年間10回前後のペースを落とさずに使用され続けた。その結果、計116話という使用話数を記録したのである。
 なお、当然のように’07バージョンが作られたが、’08年を最後に使われなくなった。しかし’16年~20年の間に何度か使用された。


18.アクアクリスタル

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’98 121.バスルーム密室事件(前編)
’99 132.奇術愛好家殺人事件(事件編)
’00 197.スーパーカーの罠(前編)
’01 238.大阪3つの”K”事件(前編)
249.アイドル達の秘密(前編)
’02 284.中華街 雨のデジャビュ(前編)
286.工藤新一NYの事件(事件編)
’03 316.汚れた覆面ヒーロー(前編)
’04 345.黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー (2)
’06 431.本庁の刑事恋物語7(前編) 現実音
合計10(11)

 「ウッ!」という声入りで有名な曲で、映画では無人モノレールでアクアクリスタルへ向かうシーンで使用された(トラック19の「アクアクリスタル内へ」とは、実際には順序が逆になっている)。テレビでは、華やかなシーンを盛り上げるテーマ曲として、有名人の登場シーンや手品のシーン等で使用された。
 最も印象的なのは’04年第345話「黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー」にて、「包帯男」が船内で事件の証拠探しをするためにあちこちを移動するシーンである。この音楽により、「包帯男」がコナン寄りの人間であることを暗に臭わせる演出になっていたと思う。


19.アクアクリスタル内へ

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’01 238.大阪3つの”K” 事件(前編)
’02 286.工藤新一NYの事件(事件編)
合計2

 「アクアクリスタル」と同じく男性の声が入っていて有名な曲で、明らかに派生バージョンである。映画ではコナン達がアクアクリスタルに到着した場面で使用された。
 2度しか使われていないが、その両方で「アクアクリスタル」も使用されている。


20.ターゲット サスペンスF

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’99 129.黒の組織から来た女 大学教授殺人事件
140.SOS!歩美からのメッセージ
’00 180.赤い殺意の夜想曲(前編) (3)
193.命がけの復活 約束の場所
合計4(5)

 「犯人の謎」シリーズのアクションアレンジで、「ターゲット サスペンスE」や次に紹介する「ターゲット サスペンスG」に近い曲だ。「E」はやや音が軽かったがこちらの「F」はかなり重く、危機迫る感が強化されている。アクションアレンジと書いたが、どちらかと言うと危機感を煽る曲である。
 初めて使われた’99年第129話「黒の組織から来た女 大学教授殺人事件」では、灰原哀がコナンに対し自らの正体を明かし、いま阿笠博士の家に住んでいることが判明するシーンで挿入されたが、その事実に絶望的な恐怖を与えるのに十分な役割を果たした。


21.ターゲット サスペンスG

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’98 118.浪花の連続殺人事件 (2) 共にメイン部分
’99 140.SOS!歩美からのメッセージ
’00 198.スーパーカーの罠(後編) イントロ部分
201.10人目の乗客(前編)
202.10人目の乗客(後編) 前編のおさらい
’05 401.宝石強盗現行犯(前編) 「ターゲット サスペンスD」とセット
合計6(7)

 「ターゲット サスペンスF」の重厚的な雰囲気とは異なり、アクション面に重きを置いた曲である。映画では旭勝義が水槽で亡くなっているのを発見したシーンで使用された。
 この曲も事件発生曲としてもっと使えたんじゃないかと思う。「浪花の連続殺人事件」での使い方が一番かっこよかった。


22.ターゲット サスペンスH

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’99 132.奇術愛好家殺人事件(事件編)
137.青の古城探索事件(後編)
140.SOS!歩美からのメッセージ
162.空飛ぶ密室 工藤新一最初の事件
’00 180.赤い殺意の夜想曲(前編)
188.命がけの復活 洞窟の探偵団
196.見えない凶器 蘭の初推理
197.スーパーカーの罠(前編)
207.見事すぎた名推理
218.封印された目暮の秘密(後編)
合計10

 「ターゲット サスペンスC」と同じく、「犯人の謎」のショートアレンジだが、その「C」よりも更に短く、また事件のおどろおどろしい雰囲気が追加されている。いわゆるブリッジ曲と言えるが、「犯人はあの人だ」と指摘する際にも使える他、背後に潜む犯人(黒タイツ)のイメージ曲としても使われたため、意外と汎用性が高い。映画では犯人がナイフを取り出すシーン(黒タイツ+一瞬ナイフに犯人の顔が映るシーン)で使われた。
 ‘99年と’00年の二年間で計10回使われた。もう少し便利に使われるかと思ったが、’00年を最後に消滅してしまった。


23.ターゲット サスペンスI

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’98 118.浪花の連続殺人事件 締め部分
’99 137.青の古城探索事件(後編)
’02 300.友情と殺意の関門海峡(後編)
’03 312.夕陽に染まった雛人形(前編)
合計4

 「ターゲット サスペンス」シリーズだが、この曲だけは主旋律ではなく副旋律(しかもアクションアレンジバージョン)を基に作られている。かなり雰囲気重視の曲で、メロディが面白いわけではないが、「いよいよ感」が漂っている。
 4度しか使われていないが、「青の古城探索事件(後編)」の、犯人が梯子を登って目の前にある「お宝」を手に入れようとするシーン、そして「友情と殺意の関門海峡(後編)」でのBパートの締めに使われたのはよかった。一方で「夕陽に染まった雛人形(前編)」では、誰かが亡くなったわけでもないのに大袈裟すぎると感じた。


24.ターゲット サスペンスJ

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’98 118.浪花の連続殺人事件
’99 129.黒の組織から来た女 大学教授殺人事件
166.鳥取クモ屋敷の怪(事件篇)
167.鳥取クモ屋敷の怪(疑惑篇)
’00 176.黒の組織との再会(灰原編) (8)
177.黒の組織との再会(コナン編)
178.黒の組織との再会(解決編) 灰原編とコナン編のおさらい・1
192.命がけの復活 帰ってきた新一…
205.本庁の刑事恋物語3(前編)
’01 221.偽りだらけの依頼人(後編)
223.そして人魚はいなくなった(推理編)
合計11(14)

 「ターゲット サスペンス」シリーズの標準アレンジで、「カード賭博のボス」や「犯人の謎」に近い。「カード賭博のボス」は悪のテーマだと書いたが、この「J」はもっと悪のテーマっぽい。そのため、「犯人の謎」で感じられるような哀愁や神秘性は微塵も感じられない。
表を見てもらうと分かるが、大半がスペシャルや三部作(黒の組織を含む)で使われており、重要事件に位置づけられるものばかりである。そんな陰惨で難解な事件における犯人像を暗示していると言えよう。


25.犯人の目星

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’98 124.謎の狙撃者殺人事件(前編)
125.謎の狙撃者殺人事件(後編)
’99 154.園子のアブない夏物語(後編)
’00 185.殺された名探偵(前編)
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド
合計5

 映画では未使用だったが、テレビでは5回使われた。初期のコナンっぽい曲で、コナンの優位性と活躍をイメージしたものと思われる。
 実際、使われているシーンがいかにも初期から中期にかけてのコナンという感じがする。「謎の狙撃者殺人事件(前編)」と「殺された名探偵(前編)」では前編Bパートの締めに、「謎の狙撃者殺人事件(後編)」では麻酔針を小五郎に撃ち込むシーンに、「園子のアブない夏物語(後編)」では京極真が犯人をやっつけるシーンで、それぞれ使用された。近年Bパートの締めにこれほど前向きな曲を使うことは減っているので貴重だ。
 しかし頻繁に使用する曲でもないので、’01年を最後に使われなくなった。


26.迫り来る危機

 未使用曲。映画でもテレビでも使われなかったので幻の一曲である。
 文字通り危機感を煽るアクション曲だが、正直ごちゃごちゃとやかましいので使いにくかったものと思われる。


27.コナンの大作戦2

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’98 118.浪花の連続殺人事件
’06 437.上戸彩と新一 4年前の約束 締め部分
合計2

 これも映画未使用曲だ。「コナンの大作戦1」はアクション曲ではあるがややリズムが悪く音が浮いた感じになっているが、「2」はきちんとしたアクション曲として仕上がっている。メインメロディの箇所は「浪花の連続殺人事件」で一度だけ使用された。コナンと服部平次が車から飛び出し、被害者の一人がいるマンションに向かうシーンで使用された。


28.真相究明

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’98 122.バスルーム密室事件(後編)
125.謎の狙撃者殺人事件(後編)
’99 129.黒の組織から来た女 大学教授殺人事件 12
135.消えた凶器捜索事件
138.最後の上映殺人事件(前編)
145.上野発北斗星3号(後編)
147.本庁の刑事恋物語(後編)
148.路面電車急停止事件
150.自動車爆発事件の真相(前編)
162.空飛ぶ密室 工藤新一最初の事件
163.月と星と太陽の秘密(前編)
168.鳥取クモ屋敷の怪(解決篇)
170.暗闇の中の死角(前編)
172.よみがえる死の伝言(前編)
’00 175.四回殺された男 17
179.喫茶店トラック乱入事件
182.大捜索 9つのドア
183.危険なレシピ
184.呪いの仮面は冷たく笑う
187.闇に響く謎の銃声
190.命がけの復活 第三の選択
192.命がけの復活 帰ってきた新一…
194.意味深なオルゴール(前編)
195.意味深なオルゴール(後編)
196.見えない凶器 蘭の初推理
198.スーパーカーの罠(後編)
199.容疑者 毛利小五郎(前編)
200.容疑者 毛利小五郎(後編)
201.10人目の乗客(前編)
207.見事すぎた名推理
208.迷宮への入り口 巨大神像の怒り
’01 220.偽りだらけの依頼人(前編)
221.偽りだらけの依頼人(後編)
224.そして人魚はいなくなった(解決編)
228.殺意の陶芸教室(前編)
232.マンション転落事件
233.消えなかった証拠(前編)
262.雪の夜の恐怖伝説(後編)
’02 263.大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城
267.バレンタインの真実(推理編)
271.隠して急いで省略(前編)
272.隠して急いで省略(後編)
281.小さな目撃者たち
293.孤島の姫と竜宮城(解決編)
297.法廷の対決Ⅱ 妃vs九条(前編)
301.悪意と聖者の行進(前編)
’03 319.幸運のシガーケース(後編)
330.お金で買えない友情(後編)
333.似た者プリンセス(前編)
’04 345.黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー
367.丸見え埠頭の惨劇(後編)
’05 393.誘拐…らしい事件 (3)
420.八岐大蛇の剣(後編)
’06 425.ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間
437.上戸彩と新一 4年前の約束
446.封印された洋窓(前編)
448.目黒の秋刀魚事件
合計57(58)

 映画では解明推理シーンで使われる予定だったのだろうが、曲が軽いためか未使用だった(実際のシーンには「トリック」が使われている)。考察段階での推理、解明推理シーンの序盤で使うと映える曲であり、なかなか面白い音が入っている。
 「14番目の標的」BGMの中ではよく使われた方で、’99年から’01年の前半まではかなり中核的な位置を占めた。その後’03年からは年に数回というペースを守り抜いた。
 ’07バージョンが作られており、数年に一回程度使用されている。


29.謎の解明(ターゲット サスペンスK)

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’98 128.黒の組織10億円強奪事件
’99 129.黒の組織から来た女 大学教授殺人事件
151.自動車爆発事件の真相(後編)
’00 202.10人目の乗客(後編)
218.封印された目暮の秘密(後編)
合計5

 数多くある「ターゲット サスペンス」シリーズのラストナンバーがこの曲である。他のアレンジと聞き比べて「犯人の謎」に最も近い。「犯人の謎」以上に哀愁に満ちており、推理曲というよりは悲しい犯人のテーマという趣である。映画では犯人が味覚障害にかかっていると判明するシーンで使用された。
 使用頻度は低いが、やはりいずれも哀愁漂うストーリーが基盤にあり、そのクライマックス部分で流れている。


30.スペードのエース

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’98 123.お天気お姉さん誘拐事件
125.謎の狙撃者殺人事件(後編)
128.黒の組織10億円強奪事件
’99 129.黒の組織から来た女 大学教授殺人事件 (2)
’00 174.二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件
191.命がけの復活 黒衣の騎士
206.本庁の刑事恋物語3(後編)
合計7(8)

 非常に人気の高い曲で、コナンが犯人を追いつめて観念させる、いわゆる「ヒーローのテーマ」のひとつである。それまでの楽曲で言うとサントラ3の「ひらめき」や「時計じかけの摩天楼」の「対決のテーマ(摩天楼ヴァージョン)」の系統に位置づけられると思う。映画では犯人に証拠を突きつけるシーンで流れた。
 なお使用頻度は低いが、テレビではなかなか印象的な使われ方をしている。特に第128話「黒の組織10億円強奪事件」と第129話「黒の組織から来た女 大学教授殺人事件」では共に最終パートのラストシーン(予告に入る手前)で使われたが、これが勇ましく、組織との長き戦いに向けての新たな決意がこれでもかと伝わってくる。この2話は灰原哀登場前の回と登場回であり、組織に向かっていくコナンの姿勢がこの音楽を通じて感じられた。本当にうまい演出と選曲だったと思う。
 残念ながらその後は’00年を最後に使われなくなった。もし使われる機会があれば、今でも是非聞いてみたい楽曲のひとつである。


31.挫折

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’98 118.浪花の連続殺人事件
121.バスルーム密室事件(前編)
122.バスルーム密室事件(後編)
128.黒の組織10億円強奪事件
’99 129.黒の組織から来た女 大学教授殺人事件
134.奇術愛好家殺人事件(解決編)
148.路面電車急停止事件
171.暗闇の中の死角(後編)
’00 174.二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件
191.命がけの復活 黒衣の騎士
218.封印された目暮の秘密(後編)
’01 227.バトルゲームの罠(後編)
’04 345.黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー 番組イントロ
’05 384.標的は毛利小五郎
413.完全半分犯罪の謎
合計15

 文字通り、打ちのめされた犯人が絶望的な思いを吐露するシーンで使われる自白曲である。それまでにも印象的な自白のテーマがたくさん存在したが、この「挫折」も非常に個性的である。なんと言ってもサックス以外に全く他の楽器がないため、異様な存在感を放っている。初めて聞いた時は、本当にこれはアニメの音楽なのかと疑ってしまった。メロディもよく、楽曲終盤には、犯人が溜まったものを吐き出すように力強くなり、最後は悲しみに暮れて終わるイメージになっている。もちろん、映画では犯人が動機を話すシーンで使われた。ところで映画版では随分とエコーがかかっており、サントラに収録されているものとは印象が異なって聞こえる。
 ‘98年から’00年までの3年間は、普通に自白曲のひとつとしてストックされていたが、その後は出番を減らしていった。音響監督が交代してからは不思議な使われ方をすることが多く、自白曲ではなくなっていた。


32.殺意

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’98 118.浪花の連続殺人事件 (6)
122.バスルーム密室事件(後編)
125.謎の狙撃者殺人事件(後編)
127.旅芝居一座殺人事件(後編)
128.黒の組織10億円強奪事件
’99 129.黒の組織から来た女 大学教授殺人事件 18(19)
132.奇術愛好家殺人事件(事件編)
133.奇術愛好家殺人事件(疑惑編)
135.消えた凶器捜索事件
137.青の古城探索事件(後編)
139.最後の上映殺人事件(後編)
140.SOS!歩美からのメッセージ
142.結婚前夜の密室事件(後編)
143.疑惑の天体観測
147.本庁の刑事恋物語(後編)
150.自動車爆発事件の真相(前編)
151.自動車爆発事件の真相(後編)
160.怪奇五重塔伝説(後編)
163.月と星と太陽の秘密(前編)
164.月と星と太陽の秘密(後編) 前編のおさらい
167.鳥取クモ屋敷の怪(疑惑篇)
168.鳥取クモ屋敷の怪(解決篇) 事件篇・疑惑篇のおさらい
173.よみがえる死の伝言(後編)
’00 184.呪いの仮面は冷たく笑う 11
188.命がけの復活 洞窟の探偵団
189.命がけの復活 負傷した名探偵
191.命がけの復活 黒衣の騎士
193.命がけの復活 約束の場所
198.スーパーカーの罠(後編)
202.10人目の乗客(後編)
206.本庁の刑事恋物語3(後編)
207.見事すぎた名推理
208.迷宮への入り口 巨大神像の怒り
213.きのこと熊と探偵団(後編)
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド 10
223.そして人魚はいなくなった(推理編)
227.バトルゲームの罠(後編)
231.謎めいた乗客(後編)
232.マンション転落事件
241.新幹線護送事件(後編)
246.網にかかった謎(前編)
255.松江玉造連句十四番勝負(前編)
256.松江玉造連句十四番勝負(後編)
260.揺れるレストラン
’02 266.バレンタインの真実(事件編)
273.クイズ婆さん失踪事件
276.警察手帳紛失事件
281.小さな目撃者たち
293.孤島の姫と竜宮城(解決編)
300.友情と殺意の関門海峡(後編)
’03 307.残された声なき証言(前編)
308.残された声なき証言(後編)
311.黒の組織との接触(決死編) 交渉編・追跡編のおさらい
315.陽のあたる場所
320.忍法アリバイ工作の術
327.炎の中に赤い馬(解決編)
’04 355.小さな依頼者(後編)
362.帝丹高校学校怪談(後編)
’05 391.本庁の刑事恋物語6(後編) 10 前編のおさらい
396.奇抜な屋敷の大冒険(解決編) 封印編・絡繰編のおさらい
401.宝石強盗現行犯(前編)
407.コナン平次の推理マジック(館編) 仕掛編のおさらい
408.コナン平次の推理マジック(解決編) 仕掛編・館編のおさらい
410.同時進行 舞台と誘拐(後編) 前編のおさらい
412.神社鳥居ビックリ暗号(後編)
417.仏滅に出る悪霊(解決編) 事件編・疑惑編のおさらい
422.イチョウ色の初恋(後編)
424.ピエロからの写真メール
’06 428.超秘密の通学路(後編) 前編のおさらい
430.もう戻れない二人(後編) 前編のおさらい
432.本庁の刑事恋物語7(後編) 前編のおさらい
合計71(73)

 「14番目の標的」のBGMの中では「トリック」に次いで多く使用されたサスペンス曲である。映画では犯人の独白の後半で使われた(決して自白曲ではない)。一部音を抜いて使われ、楽曲の後半部分で本来の曲に戻して流された。
 ’99年が全盛期で、その後もある程度レギュラーの地位に座り続け少しずつ使用頻度を減らしていったが、なぜか’05年は年間10回も使われている。なお、この’05年からは前話のおさらいシーンの曲として使用されることが多くなった。
 これだけ使用されたので当然’07バージョンが作られた。が、近年は減少傾向にある。


33.一触即発

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’98 122.バスルーム密室事件(後編)
125.謎の狙撃者殺人事件(後編)
’99 129.黒の組織から来た女 大学教授殺人事件 (10)
130.競技場無差別脅迫事件(前編)
131.競技場無差別脅迫事件(後編) 前編とシーン重複・1
132.奇術愛好家殺人事件(事件編)
133.奇術愛好家殺人事件(疑惑編)
134.奇術愛好家殺人事件(解決編)
137.青の古城探索事件(後編)
157.本庁の刑事恋物語2(後編)
165.少年探偵団消失事件
’00 178.黒の組織との再会(解決編) (6)
183.危険なレシピ
191.命がけの復活 黒衣の騎士
207.見事すぎた名推理
213.きのこと熊と探偵団(後編)
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド
221.偽りだらけの依頼人(後編)
’03 307.残された声なき証言(前編)
’04 345.黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー
’05 393.誘拐…らしい事件
’06 448.目黒の秋刀魚事件
合計22(24)

 強い緊迫感が漂う危機一髪のテーマであり、手に汗握るタイムサスペンスや解明推理における詰めのシーンでよく使われた。映画では犯人が蘭を人質に取り、コナンに拳銃を持って来させようとする絶体絶命の場面で使用された。
 ’99年は1月と2月だけで7話も使用された。そのため、ちょうど灰原哀が登場するのに合わせて使われるようになった印象が強い。「黒の組織から来た女 大学教授殺人事件」では哀が自らの正体をコナンに明かし、鬼気迫るコナンが阿笠博士の家に向かって走るという力の入るシーンで使用された。また「青の古城探索事件(後編)」では、真っ暗な中から顔を出した犯人から哀と歩美が逃走し、犯人が彼女たちを追いかけるというシーンで使用された。曲の怖さと犯人が無表情に走る背景とが相まってトラウマを植えつけられたファンもいるのではないかと推測する…いずれにせよ、この曲が流れる時は盛り上がるシーンが大半だった。ところが浦上氏以降の代になり、あまり似つかわしくないシーンでも使われるようになった。わざわざそんな緊迫感を演出するようなストーリー展開や雰囲気でもないのに、と思うことが何度かあった。
 ’07バージョンが作られ、稀に使用されているが頻度は低い。


34.Aの予感

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’99 157.本庁の刑事恋物語2(後編)
’04 376.タイムリミットは15時!
合計2

 「ラーーラララーラーラーラーラーーーララーー♪」という大団円の曲であり、映画では全てが解決し夕暮れをバックにヘリコプターが街へ戻る…というシーンで挿入された。
 テレビではわずか二回だが流れている。


35.別居の真相

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’99 148.路面電車急停止事件
157.本庁の刑事恋物語2(後編)
171.暗闇の中の死角(後編)
’00 183.危険なレシピ
208.迷宮への入り口 巨大神像の怒り
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド
’05 391.本庁の刑事恋物語6(後編)
’06 452.こんぴら座の怪人
458.園子の赤いハンカチ(後編)
合計9

 「真相」と大層な表現だが、ただのギャグオチのテーマである。映画ではその名の通り、最終パートで小五郎と妃英理がなぜ別居したのかを妃英理の口から語られてチャンチャンと幕引きをするシーンで使用されている。テレビでの使われ方も同じで、従来から存在するギャグオチの曲に加えてもうひとつ仲間が増えましたという感じで時々使われた。’07バージョンが作られており、2019年に初めて使用された。



36.KIZUNA(ヴォーカル ヴァージョン)

 テレビでは未使用のボーカル曲。トラック13「絆」に歌詞がついたものを伊織が歌ったものである。映画では蘭と新一(コナン)が電話で会話をしていて、新一が「小五郎が蘭を撃ったのは事実でもそれが真実とは限らないんじゃないか」とかなんとか言っていたシーンで流れていた。


未発表曲1(水中キスを思い出す)

 テレビ未使用曲及びサントラ未収録曲。映画では「Aの予感」よりも後に流れた締めの曲で、この曲が終わるのに合わせてED曲である「少女の頃に戻ったみたいに」が挿入される。(ちなみに「水中キスを思い出す」と書いたのはふざけているのではない。それ以外の表現が思いつかないのである。)
最終更新:2023年04月30日 03:09