サントラ・楽曲別使用状況

「天国へのカウントダウン」オリジナル・サウンドトラック

2022-05-27更新


「名探偵コナン『天国へのカウントダウン』オリジナル・サウンドトラック」は、前作「瞳の中の暗殺者」以上にサスペンス曲のスケールが大きく、聴いていて思わず力が入ります。また組織が中心的な役割を果たす初の映画作品でもあり、「ジンのテーマ」という組織用の楽曲も作られました(正直なところ、そこまでジンっぽい感じはしませんが…)。逆に「哀のテーマ」シリーズもテレビオリジナル曲から映画曲へと進出し、キャラクター用BGMの幅が拡がっています。
 テレビでは’01年12月10日放映の第261話「雪の夜の恐怖伝説(前編)」から使われ始めています。これは前作「瞳の中の暗殺者」BGM解禁から7ヶ月弱しか経過しておらず、前作BGMの解禁から新作BGMの解禁までこれほど短期間なのは初めてです。とはいえ、「世紀末の魔術師」と「瞳の中の暗殺者」の間が空き過ぎているので、これでようやく普通の間隔に戻ったと言えるでしょう。
なお、’01年5月14日以降「瞳の中の暗殺者」のBGMが猛威を振るい旧曲との世代交代が行なわれる中で、トドメを刺すかのように「天国へのカウントダウン」の楽曲が導入されたわけですから、浦上靖夫氏が音響監督を担当するようになる’02年10月14日放映の第296話「屋形船 釣りショック」までの10ヶ月間、新曲比率の異様に高い状態が続きます。

1.名探偵コナン メイン・テーマ(天国ヴァージョン)
2.ドライブ気分
3.阿笠博士を囲んで
4.阿笠クイズ
5.哀が電話を…~ジンのテーマA
6.ツインタワービルへ
7.10年後の歩美
8.パーティ会場へ
9.雄大な富士山
10.哀のサスペンス~ジンのテーマB
11.蘭のお姉さんぶり
12.捜査会議
13.容疑者は?
14.コナン登場~少年探偵団捜査へ
15.映画BGM
16.怪しげな部屋
17.哀のテーマA
18.第2の殺人事件
19.現場検証
20.ジンのテーマC
21.逆探知
22.哀のテーマB(ピアノ・ヴァージョン)
23.黒装束の謎
24.30秒当てゲーム
25.ゲームスタート~ピッタリ賞
26.日本画の紹介
27.第3の犠牲者
28.小五郎の推理
29.爆破計画スタート
30.出動開始
31.コナン推理
32.エレベーターからの脱出
33.煙が行く手を阻む~ジンのテーマD
34.蘭の決意~ホースに火が
35.危機迫る~コナン出動
36.コナンの直感
37.男の心情
38.怒りのメッセージ
39.コナンの決断
40.哀の予感~ジンのテーマE
41.テーブルの下に爆弾~急げ
42.コナンの賭け
43.作戦行動~いよいよ発進
44.ジンのテーマF
45.哀のテーマC
46.ほのぼの
47.エンディング
48.作戦行動(ロング・ヴァージョン)
未発表曲1(キャンプシーンのギャグブリッジ曲)
未発表曲2(常磐美緒のブローチ)
未発表曲3(ジンのテーマ 別バージョン;逆探知後)
未発表曲4(ジンのテーマ 別バージョン;これが動機だったんだ・ジンの銃撃)
未発表曲5(犯人の正体を暴く前のサスペンス)
未発表曲6(日本画の紹介 別バージョン;犯人の正体)
未発表曲7(自殺を喰い止めろ)



1.名探偵コナン メイン・テーマ(天国ヴァージョン)

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 263.大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城
281.小さな目撃者たち
合計2

 毎年、映画の度にアレンジされるメイン・テーマは非常に楽しみなものだ。ただ、前年の「瞳の中の暗殺者」のヴァージョンには期待を裏切られたので、今回はどうだろうかという思いがあった。ところがその不安を消し去ってくれる良アレンジ!初めてオーケストラ調にアレンジされた完全ニューバージョンで、それまでにない重厚感が漂っている。
 この天国ヴァージョンをリアレンジした派生型は、この後「ベイカー街の亡霊」「水平線上の陰謀」に登場する。3つのアレンジはそれぞれ少しずつ異なるが、天国ヴァージョンは生演奏のよさを存分に引き出していると思うのだが、音の拡がりがやや弱いのが唯一の弱点である。主旋律の迫力という点ではその後のアレンジの方が優れていると感じる。とは言え、ニューメイン・テーマの一作目ということで、その存在自体に大きな価値がある。
 テレビでは’02年のスペシャル第263話「大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城」と第281話「小さな目撃者たち」の、それぞれ犯人をやっつけるお馴染みのシーンで使われた。天国ヴァージョンはかなり映画向けのアレンジなのでテレビで流れるかどうか半信半疑だったが、あっさり使われている。音響監督の小林克良氏はメイン・テーマを本編で多用する傾向があったので実現したのだろう。
 なお、小林氏は’02年の9月でコナンから離れるので、今回の映画が最後の新曲導入となる。次回作の「ベイカー街の亡霊」BGMは浦上靖夫氏によって采配が振るわれる。以降、新しい映画のメイン・テーマがテレビ本編で使われることはなくなっている(テレビバージョンや紺碧ヴァージョンのイントロは除く)。


2.ドライブ気分

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 279.迷宮のフーリガン(前編)
280.迷宮のフーリガン(後編) 前編のおさらい
286.工藤新一NYの事件(事件編) 「ツインタワービルへ」とセット
294.愛と決断のスマッシュ(前編)
’03 316.汚れた覆面ヒーロー(前編)
’04 383.甲子園の奇跡!見えない悪魔に負けず嫌い
合計6

 映画では冒頭のビートル走行シーンで使われており、遠足気分を演出する元気な一曲になっている。
 テレビでは’02年から’04年に、スポーツ観戦に周囲が盛り上がるシーンでよく使用された。
 なお、この曲のアレンジが何曲かトラック内に収録されている。


3.阿笠博士を囲んで

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’04 377.桃太郎謎解きツアー(前編) (5) 全て「阿笠クイズ」とセット
378.桃太郎謎解きツアー(後編) 共に「阿笠クイズ」とセット
’05 400.疑惑を持った蘭
合計3(6)

 すっかり恒例となった映画における博士のクイズだが、この頃からその都度「クイズのテーマ」が作られている。「阿笠博士を囲んで」は映画本編では未使用だが、トラック4の「阿笠クイズ」とセットでひと括りにできそうな、いかにもなぞなぞに挑戦!という曲である。
 ’04年の「桃太郎謎解きツアー(前・後編)」と’05年の「疑惑を持った蘭」で使用されているが、トラック4の「阿笠クイズ」と常にセットで使われた「桃太郎謎解きツアー」の印象が強いのではないだろうか。探偵団が暗号の謎解きに挑むというシーンで、ひたすらこの曲が流れたのだ。


4.阿笠クイズ

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’04 377.桃太郎謎解きツアー(前編) (5) 全て「阿笠博士を囲んで」とセット
378.桃太郎謎解きツアー(後編) 共に「阿笠博士を囲んで」とセット
合計2(5)

 この曲も映画では使われていない。テレビでは上記の「阿笠博士を囲んで」とセットで「桃太郎謎解きツアー(前・後編)」で使用された。


5.哀が電話を…~ジンのテーマA

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 263.大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城 (7)
274.幽霊屋敷の真実(前編)
275.幽霊屋敷の真実(後編) 前編のおさらい
278.英語教師vs西の名探偵(後編)
290.迷いの森の光彦(後編)
293.孤島の姫と竜宮城(解決編)
’03 304.揺れる警視庁 1200万人の人質
305.見えない容疑者(前編)
314.壊れた柵の展望台
合計9(10)

 「世紀末の魔術師」にも一部見られたが、今作からシーン名をそのまま曲名にしたとしか思えないもの(「○○~○○」という表記)が激増している。曲名を考えるのに苦心しているのが分かるもののネタバレ感満載であり、映画で使われたシーンは?と聞かれれば「曲名の通り」と答えれば十分に分かってもらえると思う。「哀の電話」相手に関しては後でフェイクだと分かるわけだが、哀に疑惑の目を向けるために静かなサスペンスに始まり「ジンのテーマ」の短いメロディが続く。
 テレビでの使用頻度は決して高くないが、小林氏が担当していた’02年はそこそこ役割を与えられていた。じわりと盛り上がる曲なので、推理シーンで犯人名を指摘したり「犯人はあの人だ!」と決めポーズを取ったり暗闇から犯人がにじり寄って来たりというシーンで使用された。
 ’07バージョンは作られていない模様。


6.ツインタワービルへ

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 286.工藤新一NYの事件(事件編) 「ドライブ気分」とセット
’04 383.甲子園の奇跡!見えない悪魔に負けず嫌い
合計2

 トラック2「ドライブ気分」のアレンジ曲だが、より正確にはアレンジと言うより、「ドライブ気分」のサビ部分から始めてロングバージョンに構成し直した曲と表現する方がいいかもしれない。とにかく元気いっぱいで、後半の「ドライブ気分」にはないポップな旋律に特徴がある。
 テレビでは二度使われているが、なんと言っても第286話「工藤新一NYの事件(事件編)」におけるドライブシーンのインパクトが強いだろう。工藤有希子が車を爆走させてニューヨークを駆け抜けるのだが、その間工藤新一は蘭を庇うような格好をしていた、一部の女子に大変人気のあったシーンのことである。そのバックに流れていたのがこの「ツインタワービルへ」だ。軽快なリズムと(極端ではあるが)アメリカンなイメージの行動がとてもマッチしていたと思う。


7.10年後の歩美

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 266.バレンタインの真実(事件編)
272.隠して急いで省略(後編)
273.クイズ婆さん失踪事件
282.水流るる石庭の怪(前編)
284.中華街 雨のデジャビュ(前編)
294.愛と決断のスマッシュ(前編)
’03 315.陽のあたる場所
329.お金で買えない友情(前編)
’04 360.不思議な春のかぶと虫
366.丸見え埠頭の惨劇(前編)
379.秘湯雪闇振袖事件(前編)
’05 414.青い鳥を追う探偵団
合計12

 映画では10年後の登場人物の顔を再現する機械を試すシーンがあったが、そこでは使われず、園子が髪をウェーブにして登場したシーンで歩美が自分も…と考えているシーンで使われている。歩美らしいとても可愛らしい曲で、ほのぼのとした日常風景を映す曲としても最適だろう。
 テレビでも安定して使われた。探偵団向けの日常曲という印象が強いが、小五郎や蘭が中心の話でも流されており、懐が広いと言えよう。
 残念ながら’07バージョンは制作されていないようである。


8.パーティ会場へ

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 294.愛と決断のスマッシュ(前編) (3)
合計1(3)

 「ドライブ気分」「ツインタワービルへ」に続く同系列のアレンジ曲だ。「ツインタワービルへ」のようなサビ部分からではなく「ドライブ気分」のようにイントロ部分からスタートするが、使っている楽器が異なる。また、曲の締め部分はスローテンポになり「ようこそ会場へ!」とエレガントに身をまとったスタッフが出迎えてくれそうな光景が目に浮かぶ。
 テレビでは’02年第294話「愛と決断のスマッシュ(前編)」でのみ、ただし3度も使われている。


9.雄大な富士山

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 269.犯罪の忘れ形見(前編) (6) 前半部分・現実音
283.水流るる石庭の怪(後編) 前半部分・1
285.中華街 雨のデジャビュ(後編) 前半部分
289.迷いの森の光彦(前編)
294.愛と決断のスマッシュ(前編)
’06 453.因縁と友情の試写会
合計6(7)

 この曲も「ドライブ気分」をアレンジした箇所が後半部分に流れる。前半は雲が晴れていくようなブリッジ曲、後半は「パーティ会場へ」のようにゆったりとした「ドライブ気分」のアレンジへと転ずる。
 テレビでは前半部分だけを取り出して使われることもあり、これが意外にサスペンス曲としての役割を担えていた。ひとつの謎が解けて次のステップに進む時や犯人が判明した時など、10秒程度の雰囲気作りには持ってこいの曲で、地味だがうまい使い方をしたものである。


10.哀のサスペンス~ジンのテーマB

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 274.幽霊屋敷の真実(前編) 前半部分
’03 331.疑惑の辛口カレー(前編) 前半部分
’04 345.黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー 前半部分
363.都会のカラス 前半部分
365.シンクロにシティ事件(後編)
’05 392.謎めく身長差20cm 前半部分
403.不思議な天使の館(前編) 前半部分
合計7

 曲名の通り、前半は不穏な空気を醸し出すサスペンス、後半は悪のテーマそのものと言って差支えないジンのテーマである。ジンのテーマBはややテンポが速く、しかも途中でアクション向けに変わる。
 テレビでは前半部分(哀のサスペンス部分)のみ使われることが多かった。もっと頻繁に使えそうな箇所であるだけに、やや使用回数が物足りなく感じる。
 なお、7回のうち6回は浦上氏と井澤氏による選曲であり、小林氏が使ったのは一度だけである。


11.蘭のお姉さんぶり

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’01 261.雪の夜の恐怖伝説(前編)
’02 263.大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城 (9)
266.バレンタインの真実(事件編)
273.クイズ婆さん失踪事件
278.英語教師vs西の名探偵(後編)
282.水流るる石庭の怪(前編)
284.中華街 雨のデジャビュ(前編)
286.工藤新一NYの事件(事件編)
294.愛と決断のスマッシュ(前編)
’03 335.東都現像所の秘密(前編)
’04 352.フィッシング大会の悲劇(前編)
366.丸見え埠頭の惨劇(前編)
373.猛毒蜘蛛の罠
377.桃太郎謎解きツアー(前編)
379.秘湯雪闇振袖事件(前編)
’05 388.薩摩に酔う小五郎(前編)
400.疑惑を持った蘭
411.神社鳥居ビックリ暗号(前編)
414.青い鳥を追う探偵団
415.仏滅に出る悪霊(事件編)
’06 425.ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間
453.因縁と友情の試写会
457.園子の赤いハンカチ(前編)
合計23(24)

 日常曲で蘭をイメージした曲だが、従来の「蘭のテーマ」に比べて蘭の乙女ゴコロを前面に押し出したと思われ、思春期の少女をイメージした可愛らしさと繊細さを併せ持っている。おそらくかなり人気の高い曲である。映画では吉田歩美が蘭に「相談」を持ちかけるシーンで使用された。
 楽曲の完成度と相まってテレビでの使用率も高めである。使用開始以来、かなり安定して使われ続けた。
 ’07バージョンまで作られているが、さすがに近年は流れなくなってきた。


12.捜査会議

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 285.中華街 雨のデジャビュ(後編)
’03 322.消えた誘拐逃走車(後編) 前編のおさらい
’04 345.黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー
’05 391.本庁の刑事恋物語6(後編)
399.奇妙な一家の依頼(後編)
’06 425.ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間
427.超秘密の通学路(前編)
合計7

 映画では未使用である。「捜査会議」と言っても物々しく緊迫感の高いイメージではなく、颯爽と動き仕事をこなす刑事のテーマといった趣である。
 テレビでは’02年にデビューして以降、年に1、2度だけ使われ続けた。謎を整理する推理曲としても事件現場の曲としても使えるので汎用性は高かったはずだが、ドロドロした雰囲気には馴染まないのか、使用回数はかなり抑えられた印象だ。
 ’07バージョンは作られていないと思われる。


13.容疑者は?

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 263.大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城 (7)
265.法廷の対決 妃vs小五郎(後編)
270.犯罪の忘れ形見(後編)
280.迷宮のフーリガン(後編)
283.水流るる石庭の怪(後編)
285.中華街 雨のデジャビュ(後編)
’03 305.見えない容疑者(前編)
308.残された声なき証言(後編)
310.黒の組織との接触(追跡編)
316.汚れた覆面ヒーロー(前編)
’04 360.不思議な春のかぶと虫
375.星と煙草の暗号(後編)
’05 395.奇抜な屋敷の大冒険(絡繰編) (6)
396.奇抜な屋敷の大冒険(解決編)
415.仏滅に出る悪霊(事件編)
’06 454.ひっくり返った結末(前編)
459.怪人ガチガチ規則男
合計17(21)

 映画では終盤の、車で向こうまで飛んで行けるかどうかを哀が計算式を使って説明するシーンで使用された(ただしこの時はスピードも上がり音程も高くなった別バージョンが使われている)。
 曲単体としてあまり面白いとは言い難い。役割はいかにも推理曲という構成をしており、安定感は抜群だが14番目~の「トリック」のような盛り上がりや音楽的な趣には欠ける。
それでもやはり便利なためか、テレビではまずまずの使用回数を誇る。主に推理シーンで使用されたが、特に捻った使い方をするBGMでもないのでそれでよしとしよう。ただ二度だけ、第395・396話「奇抜な屋敷の大冒険(絡繰編・解決編)」では、その曲の副旋律の音色をイメージした使い方をしている。この曲は裏で水が滴るようなピチャピチャという音が入っているのだが、この音と「奇抜な屋敷の大冒険」における洞窟のイメージがぴったりなのである。別に雰囲気作りの曲ではないと思うが、この時だけはうまい生かし方を見つけたものだと感じた。
 ’07バージョンは作られていないと思われる。


14.コナン登場~少年探偵団捜査へ

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 263.大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城
285.中華街 雨のデジャビュ(後編)
’06 454.ひっくり返った結末(前編) イントロ部分
合計3

 映画未使用曲。イントロは「ダダーン ダダーン」という軽いアクセント曲で、そのまま「少年探偵団のテーマ」をアレンジしたメロディへと移る。
 テレビでは3度使われた。うまさを感じたのは、第285話「中華街 雨のデジャビュ(後編)」において、コナンがいつものように小五郎を眠らせ推理を始めるタイミングで挿入された時だ。従来なら「悪のテーマ(part1)」などが典型的な「推理始め」の曲だったが、こういうコナンの活劇を前面に押し出した入り方が面白いと感じたのである。
 ’07バージョンはない。


15.映画BGM

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’01 262.雪の夜の恐怖伝説(後編)
’02 283.水流るる石庭の怪(後編)
299.友情と殺意の関門海峡(前編)
’03 304.揺れる警視庁 1200万人の人質 16(17)
305.見えない容疑者(前編)
306.見えない容疑者(後編)
307.残された声なき証言(前編)
315.陽のあたる場所
317.汚れた覆面ヒーロー(後編)
322.消えた誘拐逃走車(後編)
324.服部平次絶体絶命!(後編)
325.炎の中に赤い馬(事件編)
328.バースデーワインの謎
337.転落事件の裏事情
339.4台のポルシェ(後編)
340.トイレに隠した秘密(前編)
341.トイレに隠した秘密(後編)
343.コンビニの落とし穴(前編)
344.コンビニの落とし穴(後編)
’04 345.黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー
347.お尻のマークを探せ!(後編)
349.愛と幽霊と地球遺産(後編)
351.忘れられた携帯電話(後編)
356.怪盗キッドの驚異空中歩行
371.物言わぬ航路(前編)
383.甲子園の奇跡!見えない悪魔に負けず嫌い
’05 384.標的は毛利小五郎 10
391.本庁の刑事恋物語6(後編)
392.謎めく身長差20cm
405.救急車を呼びに行った男
409.同時進行 舞台と誘拐(前編)
410.同時進行 舞台と誘拐(後編)
413.完全半分犯罪の謎
415.仏滅に出る悪霊(事件編)
420.八岐大蛇の剣(後編)
424.ピエロからの写真メール
’06 439.そして誰もいなくなればいい
合計37(38)

 これも映画未使用曲(「天国へのカウントダウン」は未使用曲が非常に多い)。緊張感のあるミニサスペンス曲で、浦上氏好みの短さが使用頻度増加の原因になったのは間違いない。
 テレビでは大きな壁にぶつかった時、犯人が判明した時など、そのままCMに突入する際の盛り上げ役に徹した感がある。小林氏は二回しか使っていないが、浦上氏になってからレギュラーの地位を勝ち取り、そのまま井澤氏にも受け継がれ、’06年を持って引退している。数年間に渡り重要なポジションを守り、後継曲に役割を譲るタイミング・使用回数ともちょうどいいと個人的に感じている。50回を超えるとマンネリ感が漂うが、これぐらいの回数で、しかも全盛期に集中して使われると「役目を果たした」と感じられ好印象だ。使われ過ぎず使われなさ過ぎずの曲が増えると、安定感を持続しつつ新鮮さも失わない、バランスのいい組み立てになるのではないだろうか。
 ’06年で引退し’07バージョンも作られていないようなので、完全に消滅したと言えるだろう。


16.怪しげな部屋

 映画テレビ共に未使用の「幻の一曲」である。おそらく考察シーンで使われるのを想定していたのだろうが、なんとも奇妙な音色とメロディのクセが強くてお蔵入りになったのではないかと推測する。


17.哀のテーマA

 これも映画テレビ共に未使用の一曲である。サントラ4で「哀のテーマ」がデビューしたが、そのアレンジバージョンである。他のアレンジの中で最もオリジナルバージョンに近い。
 なお、なぜか’07バージョンが作られており、一度だけ使用されたことがある。


18.第2の殺人事件

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 263.大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城 (6)
272.隠して急いで省略(後編)
274.幽霊屋敷の真実(前編)
285.中華街 雨のデジャビュ(後編)
293.孤島の姫と竜宮城(解決編)
’03 304.揺れる警視庁 1200万人の人質
307.残された声なき証言(前編)
’05 395.奇抜な屋敷の大冒険(絡繰編)
合計8(9)

 出だしが強い事件発生曲である。目の前にいきなり遺体が飛び込んできたというシチュエーションで使うと効果的なので、「爆破犯人のテーマ」の担っていたポジションだと言えるだろう。
 使用頻度はそれほど高くない。小林氏の時代である’02年に5話使われたが、それ以降は少ししか流れていない。
 ’07バージョンは作られていないようである。


19.現場検証

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’03 311.黒の組織との接触(決死編) 交渉編・追跡編のおさらい
’06 458.園子の赤いハンカチ(後編) 現実音
合計2

 映画未使用曲。「事件現場(謎バージョン)」のようなドロっとした曲ではなく、軽い気持ちで考察するのに相応しいポップな感じの曲だ。ただ、はっきり言ってダサいと感じる。うまく表現できないのがもどかしいが、第311話のようにおさらい曲として使うにも緊張感が足りない。様にならないのである。


20.ジンのテーマC

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 263.大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城 (7) 「ジンのテーマF」とセット・1
270.犯罪の忘れ形見(後編)
285.中華街 雨のデジャビュ(後編)
286.工藤新一NYの事件(事件編) 「中華街 雨のデジャビュ(後編)」のおさらい
288.工藤新一NYの事件(解決編)
290.迷いの森の光彦(後編)
’03 307.残された声なき証言(前編) 「逆探知」とセット
311.黒の組織との接触(決死編) 「逆探知」とセット
314.壊れた柵の展望台 「逆探知」とセット
315.陽のあたる場所 「逆探知」とセット
320.忍法アリバイ工作の術 「逆探知」とセット
327.炎の中に赤い馬(解決編) 「逆探知」とセット
336.東都現像所の秘密(後編) 「逆探知」とセット
’04 345.黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー 「ジンのテーマ(別バージョン)」とセット
372.物言わぬ航路(後編) 「逆探知」とセット
383.甲子園の奇跡!見えない悪魔に負けず嫌い 「逆探知」とセット
’05 408.コナン平次の推理マジック(解決編) 「逆探知」とセット
409.同時進行 舞台と誘拐(前編)
413.完全半分犯罪の謎
’06 429.もう戻れない二人(前編) 「逆探知」とセット
434.名犬クールのお手柄
442.鉄骨に阻まれた男 「逆探知」とセット
449.本庁の刑事恋物語 偽りのウェディング
452.こんぴら座の怪人
454.ひっくり返った結末(前編) 「逆探知」とセット
455.ひっくり返った結末(後編) 「逆探知」とセット
合計26(27)

 「ジンのテーマ」シリーズの中で最もテレビでよく使われているバージョンである。テンポがゆったりとしており、出だしから音が強く盛り上がる。ジンの出現に始まり彼の冷たい視線が突き刺さる…そんな一連のシーンをイメージするのに相応しい楽曲だが、正直なところ「ジンらしさ」というのがもうひとつよく分からない。いかにも悪のテーマっぽい曲なのだが、出だしの「ターン ターン ターーン」と次第に音が強くなっていく下りはありきたりな印象を受ける。曲の終わりまでテンポが変わらないため、推理シーンや犯人の影がちらつくシーンなどで活躍した。
 なお表を見てもらえると分かるが、次のトラック21「逆探知」とセットで使われるケースが非常に多かった。小林氏の時代には一切そんな風には使われなかったが、浦上氏と井澤氏は好んで使用している。「ジンのテーマC」から「逆探知」に繋ぐまでの空白時間も、まるで当サントラの20~21番を聞き流しているような感じだったので妙な違和感を覚えた。この2曲をひとセットにした意図はよく分からないが、なんとなく「逆探知」の方がついでに流れているだけというイメージは拭い切れない。
 その後’07バージョンも作られたが、それからはセットでほとんど使われなくなった。近年は「ジンのテーマC」自体が屍と化しつつある。


21.逆探知

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’03 307.残された声なき証言(前編) 「ジンのテーマC」とセット
311.黒の組織との接触(決死編) 「ジンのテーマC」とセット
314.壊れた柵の展望台 「ジンのテーマC」とセット
315.陽のあたる場所 「ジンのテーマC」とセット
320.忍法アリバイ工作の術 「ジンのテーマC」とセット
327.炎の中に赤い馬(解決編) 「ジンのテーマC」とセット
336.東都現像所の秘密(後編) 「ジンのテーマC」とセット
’04 372.物言わぬ航路(後編) 「ジンのテーマC」とセット
383.甲子園の奇跡!見えない悪魔に負けず嫌い 「ジンのテーマC」とセット
’05 408.コナン平次の推理マジック(解決編) 「ジンのテーマC」とセット
419.八岐大蛇の剣(前編)
’06 429.もう戻れない二人(前編) 「ジンのテーマC」とセット
442.鉄骨に阻まれた男 「ジンのテーマC」とセット
454.ひっくり返った結末(前編) 「ジンのテーマC」とセット
455.ひっくり返った結末(後編) 「ジンのテーマC」とセット
合計15

 映画未使用曲で、浦上氏の時代になってからテレビでも使用されるようになった。短い曲だが、焦燥した気持ちを駆り立てるリズムと終盤に力強く盛り上がる流れから、サスペンス曲として十分に汎用性のある曲だ。
 前述したように、「逆探知」はトラック20「ジンのテーマC」とセットで使われるのがほとんど…と言うよりも、単体で使われたのはたったの一度だけである。つまり、この曲が流れる直前には必ずと言っていいほど「ジンのテーマC」が流れていたのだ。
 ’07バージョンも作られており、「ジンのテーマC」といつも一緒♪ということはなくなった。現在でも年に数回は使われている。


22.哀のテーマB(ピアノ・ヴァージョン)

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 265.法廷の対決 妃vs小五郎(後編)
268.バレンタインの真実(解決編)
270.犯罪の忘れ形見(後編)
285.中華街 雨のデジャビュ(後編)
288.工藤新一NYの事件(解決編)
’03 308.残された声なき証言(後編)
’04 363.都会のカラス 「哀のテーマC」とセット
’05 403.不思議な天使の館(前編)
合計8

 「哀のテーマ」の中でもピアノをメインとした、より哀愁が強く漂うバージョンだ。テレビでは小林氏の在籍していた’02年が全盛期で、自白曲としても遺憾なくその適性を見せつけた。新しい自白曲としてもう少し活躍してくれるかなと思っていたが、以降はほとんど使われることなく役目を終えている。
 ’07バージョンが作られてはいるのだが、’07年の1月に使われただけで、以降は全く流れていない。


23.黒装束の謎

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’03 304.揺れる警視庁 1200万人の人質
合計1

 またまたまたまた映画未使用曲である。静かな出だしから一気に盛り上がりアクションを臭わせるアップテンポかつ重厚なリズムで曲を締めくくる。
 テレビでは’03年第304話「揺れる警視庁 1200万人の人質」の一度だけ使われた。「そうか!」とコナンがひとつの答に達し次の段階へ向かうシーンで使われたが、お手本と言ってよいうまい流し方だった。この曲ももっと使えたのではないかと思うのだが…一度きりで残念である。
 ’07バージョンはなさそう。


24.30秒当てゲーム

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’03 304.揺れる警視庁 1200万人の人質
合計1

「ドライブ気分」シリーズ最後のアレンジ曲である。出だしは「ドライブ気分」や「パーティ会場へ」とよく似たものだが、いずれとも微妙に異なる。それ以降はその2曲とよく似たメロディであり、一応終わり方が異なるのだが、初めて聞いた人にとっては同じような曲にしか感じられないのではないだろうか。
 テレビではトラック23「黒装束の謎」と同じく「揺れる警視庁~」でのみ使用された。
 ’07バージョンはなし。


25.ゲームスタート~ピッタリ賞

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 276.警察手帳紛失事件 (5) 後半部分・「エンディング」とセット
277.英語教師vs西の名探偵(前編) 共に後半部分
278.英語教師vs西の名探偵(後編) 後半部分
279.迷宮のフーリガン(前編) 後半部分
’03 304.揺れる警視庁 1200万人の人質 前半部分
311.黒の組織との接触(決死編) 前半部分
333.似た者プリンセス(前編) 後半部分
’04 360.不思議な春のかぶと虫 後半部分
371.物言わぬ航路(前編) 後半部分
’05 391.本庁の刑事恋物語6(後編) 前半部分・前編のおさらい
’06 430.もう戻れない二人(後編) (4) 前半部分
431.本庁の刑事恋物語7(前編) 共に後半部分
440.極限のカースタント 後半部分
合計13(15)

 映画ではミニギャグシーンで複数回、あとはタイトル通りの「30秒当てゲームスタート~ゲーム終わり」のシーンに使用された。初めてこの楽曲を聞いた時、なんて気持ちの悪い曲なんだろうと感じた。前半は「チャーーラン(チャラーン♪)」と妙に馬鹿っぽいし後半はトラック47「エンディング」そっくりの曲でギャグギャグし過ぎてダサいのである。慣れてくるとそうでもないのだが、誰かと一緒に聞くには羞恥心を抱きそうなメロディなのだ(大野さんスミマセン)。
 テレビでは前半、後半共に使われている。おそらく最も議論を呼ぶであろう使われ方は、第304話「揺れる警視庁 1200万人の人質」及び第311話「黒の組織との接触(決死編)」でのシーンだろう。この二度とも、使われたのは前半の「チャーーラン(チャラーン♪)」部分なのだが、なんと共に緊迫感マックスの見せ場だったのである。前者は2時間SPのクライマックス、ようやく犯人を発見し推理で追いつめていくシーンで、後者はジン・ウォッカと接触したあと酸欠で動けなくなっているコナンの元に忍び寄る足音…というシーンなのである。確かに徐々に加速していくテンポ、それによって焦燥感が生まれるという演出は分からなくないが、曲が根本的にみょうちくりんなのである。この選曲に違和感を覚えたのは筆者だけではあるまい。


26.日本画の紹介

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 269.犯罪の忘れ形見(前編) (3) 共に現実音
283.水流るる石庭の怪(後編)
合計2(3)

 映画ではタイトル通り、舞台で日本画を紹介するシーンで使われた。コナンにしては珍しく純和風の曲であり、「迷宮の十字路」のBGM以外でこれほど和を全面に押し出した曲はないだろう。
 テレビでも使われた。一度は第269話「犯罪の忘れ形見(前編)」の劇中劇のBGMとしてだが、第283話「水流るる石庭の怪(後編)」ではきちんとしたBGMとして用いられている。小五郎がミニ推理を披露する場面だが、なかなかマッチしていた。


27.第3の犠牲者

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 263.大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城 (7)
266.バレンタインの真実(事件編)
274.幽霊屋敷の真実(前編)
283.水流るる石庭の怪(後編)
294.愛と決断のスマッシュ(前編)
299.友情と殺意の関門海峡(前編)
’03 307.残された声なき証言(前編)
309.黒の組織との接触(交渉編)
合計8(9)

 「日本画の紹介」のあと舞台の幕が開き首吊り死体が発見されるシーンで使用された、事件発生曲である。基本的にはトラック18「第2の殺人事件」のアレンジなのだが、「第3の犠牲者」の方が動きのあるリズムでシーンを盛り立てている。
 テレビでも’02年から’03年の一年間程度であるが、複数回使用されている。事件発生曲としての任務のほか、大きく場面が転換する時などインパクトを強めるためにも使われた。
 ’07バージョンは未制作の模様。


28.小五郎の推理

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 263.大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城 16(19)
264.法廷の対決 妃vs小五郎(前編)
265.法廷の対決 妃vs小五郎(後編)
271.隠して急いで省略(前編)
272.隠して急いで省略(後編)
274.幽霊屋敷の真実(前編)
277.英語教師vs西の名探偵(前編)
278.英語教師vs西の名探偵(後編)
281.小さな目撃者たち
283.水流るる石庭の怪(後編)
284.中華街 雨のデジャビュ(前編)
289.迷いの森の光彦(前編)
290.迷いの森の光彦(後編)
292.孤島の姫と竜宮城(追求編)
294.愛と決断のスマッシュ(前編)
295.愛と決断のスマッシュ(後編)
’03 304.揺れる警視庁 1200万人の人質 14(15)
308.残された声なき証言(後編)
314.壊れた柵の展望台
317.汚れた覆面ヒーロー(後編)
319.幸運のシガーケース(後編)
320.忍法アリバイ工作の術
321.消えた誘拐逃走車(前編)
322.消えた誘拐逃走車(後編)
323.服部平次絶体絶命!(前編)
328.バースデーワインの謎
334.似た者プリンセス(後編)
339.4台のポルシェ(後編)
341.トイレに隠した秘密(後編)
343.コンビニの落とし穴(前編)
’04 345.黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー 15(16)
346.お尻のマークを探せ!(前編)
349.愛と幽霊と地球遺産(後編)
351.忘れられた携帯電話(後編)
353.フィッシング大会の悲劇(後編)
359.本庁の刑事恋物語5(後編)
360.不思議な春のかぶと虫
363.都会のカラス
372.物言わぬ航路(後編)
373.猛毒蜘蛛の罠
375.星と煙草の暗号(後編)
376.タイムリミットは15時!
378.桃太郎謎解きツアー(後編)
380.秘湯雪闇振袖事件(後編)
383.甲子園の奇跡!見えない悪魔に負けず嫌い
’05 391.本庁の刑事恋物語6(後編) 10
395.奇抜な屋敷の大冒険(絡繰編)
404.不思議な天使の館(後編) 前編のおさらい
410.同時進行 舞台と誘拐(後編)
413.完全半分犯罪の謎
414.青い鳥を追う探偵団
415.仏滅に出る悪霊(事件編)
417.仏滅に出る悪霊(解決編)
419.八岐大蛇の剣(前編)
423.探偵団と青虫4兄弟
’06 425.ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間
442.鉄骨に阻まれた男
449.本庁の刑事恋物語 偽りのウェディング
451.トリックvsマジック(後編)
合計59(64)

 第3の事件後の小五郎の(真面目な…と言っていいのだろうか)推理シーンで使われた。ありきたりなパターンサスペンスなので使いやすいためか、テレビでの使用頻度では「天国へのカウントダウン」一位を誇る。
 ということで非常によく使われた。事件現場から解明推理シーンまで、何か事件の考察が絡む場面では便利にあてはめることができる。
 ’07バージョンも順調に使われている。出だしの音が強くなったためか、近年では事件発生曲として使われることが多い。


29.爆破計画スタート

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 294.愛と決断のスマッシュ(前編)
’05 389.薩摩に酔う小五郎(後編) イントロ部分・前編のおさらい・「コナン推理」とセット
合計2

 ここからのトラックは当作品の見せ場であるツインタワービルの爆破アクションが展開される。曲もかなり激しいものが多く、「爆破計画のスタート」がその第一号となる。「世紀末の魔術師」の「赤い光のスナイパー」シリーズもスケールの大きさを感じさせられたが、「爆破計画~」シリーズはスケール以上に派手さ・激しさが強調されている。従ってテレビで使用される時はかなりインパクトのある場面に限られてくるだろう。
 テレビでは二度使われている。そのうちの一度はトラック31「コナン推理」とほぼ同じイントロ部分だけを流してそのまま「コナン推理」へと繋いでおり、この繋ぎにどれほどの意味があるか分からないが、もう一度は「激しい」メイン部分も使用されている。小林氏が担当した最終シリーズである第294話「愛と決断のスマッシュ(前編)」でのことだが、小林遺産として使っておきたい曲を悔いなく使い切るために多少強引に使った感は否めない。(このシリーズでは「瞳の中の暗殺者」の「5・4・3・2・1!」も使われている)
 この曲の’07バージョンは作られていないようだ。


30.出動開始

 ビルの爆発で消防隊が現場に急行するシーンで使われたアクション(前半)プラス「爆破計画スタート」のアレンジ(中盤)プラスアクション(後半)から成る一曲である。前半のアクション部分と後半のアクション部分はやや異なるが、勇ましくいよいよ感が漂っていてかっこいい。これを更にアレンジしたものが41「テーブルの下に爆弾~急げ」の後半部分である。
 なお、テレビでは未使用だった。


31.コナン推理

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’03 304.揺れる警視庁 1200万人の人質 (11)
311.黒の組織との接触(決死編)
324.服部平次絶体絶命!(後編)
327.炎の中に赤い馬(解決編)
331.疑惑の辛口カレー(前編)
332.疑惑の辛口カレー(後編)
341.トイレに隠した秘密(後編)
342.ハウステンボスの花嫁
344.コンビニの落とし穴(後編)
’04 349.愛と幽霊と地球遺産(後編) (11)
355.小さな依頼者(後編)
367.丸見え埠頭の惨劇(後編)
369.ツイてる男のサスペンス
370.逃げ回るゲームソフト
371.物言わぬ航路(前編)
376.タイムリミットは15時!
382.どっちの推理ショー(後編)
383.甲子園の奇跡!見えない悪魔に負けず嫌い
’05 384.標的は毛利小五郎 13
388.薩摩に酔う小五郎(前編)
389.薩摩に酔う小五郎(後編) 前編のおさらい・「爆破計画スタート」とセット
395.奇抜な屋敷の大冒険(絡繰編)
396.奇抜な屋敷の大冒険(解決編)
399.奇妙な一家の依頼(後編)
400.疑惑を持った蘭
402.宝石強盗現行犯(後編)
403.不思議な天使の館(前編)
407.コナン平次の推理マジック(館編)
414.青い鳥を追う探偵団
416.仏滅に出る悪霊(疑惑編)
422.イチョウ色の初恋(後編)
’06 425.ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間 (6)
430.もう戻れない二人(後編)
449.本庁の刑事恋物語 偽りのウェディング
452.こんぴら座の怪人
455.ひっくり返った結末(後編) 前編のおさらい・1
合計36(41)

 いい名前が浮かばなくて苦し紛れにつけたとしか考えられない曲名だが、曲のイメージとしてはその通りだなと思う。「小五郎の推理」とはまた別タイプだが、典型的な繰り返し型サスペンス曲で、強い緊迫感を保ちながら徐々に盛り上がっていく感じが「時計じかけの摩天楼」の「忍び寄る危機」を彷彿させる。
 この曲も使いやすいのでかなり多用された。なお初回が’03年になってからなので、小林氏はノータッチだった一曲である。
 ’07バージョンが作られ、近年はよく使用される。


32.エレベーターからの脱出

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 268.バレンタインの真実(解決編)
’04 359.本庁の刑事恋物語5(後編)
383.甲子園の奇跡!見えない悪魔に負けず嫌い
合計3

 映画では蘭が空手パワーでエレベーターをこじ開けるシーンで使用された。イントロはサスペンス感が漂っているが、メイン部分は勇ましいメロディで手に力が入る。
 テレビでは犯人を倒すシーンの印象が強い。小林氏も第268話「バレンタインの真実(解決編)」で使っているが、メイン・テーマ大好きの小林氏が犯人退治のシーンで他の曲を使ったので意外だったのを覚えている。従来ならメイン・テーマが流れそうなシーンにマッチするのだから、つまりはコナン側の活躍を演出する一曲ということだ。
 ’07バージョンはありません。(多分)


33.煙が行く手を阻む~ジンのテーマD

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 300.友情と殺意の関門海峡(後編) 前半部分
’03 304.揺れる警視庁 1200万人の人質 後半部分
合計2

 映画未使用曲。前半は「爆破計画スタート」のメイン部分の出だしを若干音響強化したバージョン、後半は「ジンのテーマ」のアレンジだ。「ジンのテーマB」に似ているが、もう少し落ち着いたペースで後半にアクション型リズムに変動する。
 前半部分、後半部分と一度ずつテレビで使われたことがある。


34.蘭の決意~ホースに火が

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 269.犯罪の忘れ形見(前編) 後半部分・現実音
280.迷宮のフーリガン(後編) 前半部分
288.工藤新一NYの事件(解決編) 前半部分
295.愛と決断のスマッシュ(後編) 前半部分
302.悪意と聖者の行進(後編) 前半部分
’03 306.見えない容疑者(後編) 前半部分
309.黒の組織との接触(交渉編) 前半部分・「残された声なき証言(後編)」のおさらい
316.汚れた覆面ヒーロー(前編) 後半部分
342.ハウステンボスの花嫁 後半部分・「危機迫る~コナン出動」とセット
合計9

 映画では本作の見所のひとつである、蘭がバンジーする際にコナン(新一)と語り合うシーンで使われた。従来の予定では、バンジー中ホースに火が迫り来るシーンで後半部分の「爆破計画スタート」のハイテンポアレンジに切り替えることになっていたのだろうが、シーンの繋がりを考慮して最後まで前半のコーラス部分が採用された。
 テレビでも、特に前半のコーラス部分を中心に使われた。オリジナルバージョンでは自白曲としても使われたのが面白い。
’07バージョンになってからは「蘭の決意」部分だけ一曲扱いになり、蘭と新一が心を通わせるシーンや、そう試みるもののすれ違うといった涙のシーンで使われることが多く、ややくどい印象を与えたこともある。


35.危機迫る~コナン出動

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 269.犯罪の忘れ形見(前編) 現実音
’03 304.揺れる警視庁 1200万人の人質
332.疑惑の辛口カレー(後編)
342.ハウステンボスの花嫁 「蘭の決意~ホースに火が」(後半部分)とセット
’04 345.黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー
383.甲子園の奇跡!見えない悪魔に負けず嫌い
合計6

 出だしは「コナン推理」型メロディ、そのあとやや音を抑えた「爆破計画スタート」のミニアレンジ、そしてオリジナルの重厚感あるメロディへと転じる。映画では消防隊による消火活動が始まるシーンで使われた。
 テレビではかなり重要な使われ方をしている。静かな緊迫感→強い切迫感→生か死か!?というクライマックスへと向かう流れを完全に代弁できてしまう曲であるため、スペシャルでの使用率が異常に高い。いずれも終盤の最大の見せ場へと向かう直前の引きで使われた。このあとCMを挟み最終パートへと突入していくのである。
 ’07バージョンも作られ稀に現在でも使われているが、以前ほどカリスマ的な場面では用いられなくなったように感じる。


36.コナンの直感

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’01 261.雪の夜の恐怖伝説(前編)
’02 263.大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城
268.バレンタインの真実(解決編)
277.英語教師vs西の名探偵(前編)
287.工藤新一NYの事件(推理編)
’04 357.恋人は春のまぼろし
380.秘湯雪闇振袖事件(後編)
’05 385.ストラディバリウスの不協和音 前奏曲
398.奇妙な一家の依頼(前編)
403.不思議な天使の館(前編)
’06 426.蘭へのラブレター
429.もう戻れない二人(前編)
440.極限のカースタント
447.封印された洋窓(後編)
452.こんぴら座の怪人
456.俺が愛したミステリー
合計16

 推理曲にも自白曲にもなる珍しいタイプの曲である。映画では複数回使われており、自白シーンでなくとも事件のやるせなさや僅かに漂う哀愁を演出するのに使える。この曲はコナンのBGMに奥行きと深みを与えたと思う。
 テレビでもかなり安定して使われた。自白シーンでの使用の方が少ないだろうか。
 ’07バージョンも作られているが、近年は使用頻度が落ちている。

37.男の心情

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 289.迷いの森の光彦(前編)
合計1

 映画では犯人の自白シーンで使われているが、珍しくかなり短い曲である。哀愁の漂い方がよい。
 テレビではたった一度だけ使われた。第289話「迷いの森の光彦(前編)」で山村刑事が絶望?するシーンで流れたのだが、もっといい使い方ができなかったのかと思う。一度限りで済ませるには惜しい。


38.怒りのメッセージ

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 263.大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城 (6)
280.迷宮のフーリガン(後編)
288.工藤新一NYの事件(解決編)
295.愛と決断のスマッシュ(後編)
299.友情と殺意の関門海峡(前編) 締め部分
’03 304.揺れる警視庁 1200万人の人質
309.黒の組織との接触(交渉編)
311.黒の組織との接触(決死編)
323.服部平次絶体絶命!(前編)
324.服部平次絶体絶命!(後編)
328.バースデーワインの謎
’04 345.黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー
378.桃太郎謎解きツアー(後編)
’06 426.蘭へのラブレター
434.名犬クールのお手柄
440.極限のカースタント
452.こんぴら座の怪人
456.俺が愛したミステリー
合計18(19)

 映画では自白の続きで、犯人が動機を強い口調で語りながらその内容を体現するシーンで使用された。一般的な自白曲とは言いがたいが、低音が効果的で犯人の絶望感を演出するにはぴったりである。
 テレビでもまずまず使われている。ただし自白曲の一部ではなく、むしろ犯人を追いつめるシーンの印象が強い。いわゆる解明推理シーンのトドメの部分である。
 ’07バージョンも作られており、しばらくは順調に使われていたが井澤氏が退いてからはほとんど使われなくなっている。


39.コナンの決断

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 263.大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城
277.英語教師vs西の名探偵(前編)
280.迷宮のフーリガン(後編)
285.中華街 雨のデジャビュ(後編)
288.工藤新一NYの事件(解決編)
289.迷いの森の光彦(前編)
’03 306.見えない容疑者(後編)
317.汚れた覆面ヒーロー(後編)
342.ハウステンボスの花嫁
344.コンビニの落とし穴(後編)
’04 367.丸見え埠頭の惨劇(後編)
382.どっちの推理ショー(後編)
’05 404.不思議な天使の館(後編)
410.同時進行 舞台と誘拐(後編)
’06 426.蘭へのラブレター
合計15

 映画では全てが終わった後に犯人が穏やかな面持ちで連行されていくシーンで使われた。大団円のテーマであると共に犯人の心にかかっていた雲が晴れていくことを暗示するテーマでもある。既存曲で言うならば「コナンの勝利(夜空バージョン)」に似たポジションだと思うが、そちらはほろ苦さも含有しているのに対し「コナンの決断」はすっきりした印象を与える。
 テレビでも同様のシーンで使われることが多く、犯人を追いつめた後、穏やかな表情で素直な気持ちを吐露する犯人とコナンのやり取りや後日談のテーマとして使用されている。
 残念ながら’07バージョンは作られていないようだ。


40.哀の予感~ジンのテーマE

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 263.大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城 前半部分
272.隠して急いで省略(後編) 前半部分
277.英語教師vs西の名探偵(前編) 前半部分
281.小さな目撃者たち 前半部分
289.迷いの森の光彦(前編) 前半部分
’03 304.揺れる警視庁 1200万人の人質
合計6

 前半は強い緊迫した空気を醸し出すサスペンス、後半はジンのテーマをアクションにアレンジした曲で構成されている。映画では前半と後半を分けて複数のシーンで使われた。
 テレビでも使われたが、小林氏時代の’02年は前半のサスペンス部分だけ、浦上氏になってから後半部分も使われるようになったが、それを最後に全く使われなくなった。盛り上がり方が映画向けなのは確かだが、小林氏は定期的に使っていただけにちょっともったいない気がする。
 ’07バージョンも作られていないようだ。


41.テーブルの下に爆弾~急げ

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’03 306.見えない容疑者(後編) 前半部分
336.東都現像所の秘密(後編) 前半部分
’04 345.黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー 前半部分・音響調整バージョン
347.お尻のマークを探せ!(後編) 前半部分・音響調整バージョン
371.物言わぬ航路(前編) 前半部分・音響調整バージョン
381.どっちの推理ショー(前編) 前半部分
383.甲子園の奇跡!見えない悪魔に負けず嫌い
’05 385.ストラディバリウスの不協和音 前奏曲 前半部分
413.完全半分犯罪の謎 前半部分
415.仏滅に出る悪霊(事件編) 前半部分
423.探偵団と青虫4兄弟 前半部分
’06 439.そして誰もいなくなればいい 前半部分
440.極限のカースタント 前半部分
合計13

 映画では文字通り、テーブルの下に仕掛けられた爆弾を発見するシーンで使われた。楽曲は爆弾発見の重いサスペンス(前半)とトラック30「出動開始」アクション部分のアレンジ(後半)から成り立つ。
 テレビではほとんどが前半のサスペンス部分のみ使用された。強い緊張感が走るシーン(危機的状況)を演出した。後半のアクション部分は一度だけ、第385話「甲子園の奇跡!見えない悪魔に負けず嫌い」で使用された。絶体絶命!時間がない!という山場の引きで使われた。「5・4・3・2・1!」や「危機迫る~コナン出動」タイプだが、それらに負けていない切迫感・焦燥感があって個人的に気に入っている。
 ’07バージョンは前半のサスペンス部分だけアレンジされて作り直されたようだ。近年も稀に使われる。
 なお、「音響調整バージョン」というのは前半サスペンス部分の音がエコーがかかった音色で使われている時の名称である。サントラに収録されているのは調整していないバージョンだが、調整したバージョンの方が雰囲気が出ていると思う。


42.コナンの賭け

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 263.大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城 (5) 前半部分・1
295.愛と決断のスマッシュ(後編) 前半部分
298.法廷の対決Ⅱ 妃vs九条(後編)
301.悪意と聖者の行進(前編) 前半部分
’03 308.残された声なき証言(後編) 前半部分
322.消えた誘拐逃走車(後編) 「作戦行動~いよいよ発進」とセット
’05 388.薩摩に酔う小五郎(前編) 前半部分・「作戦行動~いよいよ発進」とセット
合計7(8)

 映画ではクライマックスである「車」を発進させる直前の準備シーンで使われた。非常に緊張感があり心拍数が跳ね上がりそうだ。後半部分はリズムが変わって音も強くなり緊張感がマックスになる。いよいよ感が漂うとっておき曲のひとつだろう。曲の構成や存在感が「世紀末の魔術師」の「古城のテーマ」に似ていると感じる。
 10回に満たないもののテレビでも使用された。時間がなくなり焦燥感を駆り立てられるシーンの他、素直に推理の締めにも使われた。
 ’07バージョンはないようである。


43.作戦行動~いよいよ発進

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 263.大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城 メイン部分
301.悪意と聖者の行進(前編) 締め部分
’03 308.残された声なき証言(後編) 締め部分
322.消えた誘拐逃走車(後編) イントロ部分・「コナンの賭け」とセット
’05 388.薩摩に酔う小五郎(前編) 締め部分・「コナンの賭け」とセット
合計5

 映画では元太の「米粒」の台詞が聞ける最後の最後の脱出シーンで使われた、とてもかっこいい曲である。コナンには勇ましい曲・かっこいい曲がたくさんあるが、個人的には間違いなく10本の指に入る名曲である。
 テレビでも5回だけだが使われたことがある。ただ、締め部分が近年パターン化しつつある「アップテンポにし音階を上げて同じメロディを繰り返す」だけのものになっており、意図はよく理解できるが曲としての面白みがなく、2回はその締め部分だけが使用された。実質かっこいい部分がきちんと流れたのは第263話「大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城」のみである。前半の学校事件の犯人との対決シーンで流れている。
 ’07バージョンはないようだ。なお、この「作戦行動」のロングバージョンがボーナストラックとしてトラック48に収録されている。やはり名曲ならではの待遇を受けていると思う。


44.ジンのテーマF

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 263.大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城 10(14) ここまでのおさらい・1
267.バレンタインの真実(推理編)
270.犯罪の忘れ形見(後編)
274.幽霊屋敷の真実(前編)
275.幽霊屋敷の真実(後編) 前編のおさらい
279.迷宮のフーリガン(前編)
284.中華街 雨のデジャビュ(前編)
285.中華街 雨のデジャビュ(後編)
286.工藤新一NYの事件(事件編) 「中華街 雨のデジャビュ(後編)」のおさらい
290.迷いの森の光彦(後編)
’03 304.揺れる警視庁 1200万人の人質 (7)
311.黒の組織との接触(交渉編)
314.壊れた柵の展望台
316.汚れた覆面ヒーロー(前編)
318.幸運のシガーケース(前編)
328.バースデーワインの謎
’04 345.黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー
371.物言わぬ航路(前編)
380.秘湯雪闇振袖事件(後編)
’05 417.仏滅に出る悪霊(解決編)
423.探偵団と青虫4兄弟
’06 441.最期のアーン
449.本庁の刑事恋物語 偽りのウェディング
合計23(28)

 映画未使用曲。「ジンのテーマ」シリーズの中でも核になる旋律をなぞらずに、雰囲気重視で作られている。なかなか怖い曲で、魔の手が迫っているという雰囲気を演出する効果がある。
 テレビでもかなりよく使われている。小林氏が一年間で10話も使っていたが、浦上氏以降も数を減らしつつも安定して用いている。
 ’07バージョンも作られたが、近年は聞かれなくなってきた。


45.哀のテーマC

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 286.工藤新一NYの事件(事件編)
’04 363.都会のカラス 前半部分・「哀のテーマB(ピアノ・ヴァージョン)」とセット
合計2

 映画未使用曲。「哀のテーマB(ピアノ・ヴァージョン)」によく似ている。前半部分はキラキラ音が入っており「哀のテーマB」よりソフトに仕上がっている。ところが後半部分はほとんど「哀のテーマB」そのもので、本家より若干音が小さいかなという程度の違いしかない。
 テレビでは二度使われた。第363話「都会のカラス」の方はこの曲の後半部分か「哀のテーマB」かが流れており悩んだが、「B」なのではないかと判断した。


46.ほのぼの

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 277.英語教師vs西の名探偵(前編)
302.悪意と聖者の行進(後編)
’04 354.小さな依頼者(前編)
’05 400.疑惑を持った蘭
411.神社鳥居ビックリ暗号(前編)
’06 435.探偵団に注目取材(前編)
449.本庁の刑事恋物語 偽りのウェディング
合計7

 映画ではED「always」に入る直前のコナン、哀、歩美の微笑ましいやり取りのシーンで使用された。「トュートュ トュートュ トュルル トュットュリュー♪」という声つきの音楽と言えば分かるだろうか。
 テレビでも定期的に使われた。日常用BGMとしての地位を築いたと言っていいだろう。
 ’07バージョンが作られ、それ以降もペースを変えずに定期的に使われ続けている。


47.エンディング

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’02 264.法廷の対決 妃vs小五郎(前編) 前半部分
276.警察手帳紛失事件 前半部分・「ゲームスタート~ピッタリ賞」(後半部分)とセット
’03 324.服部平次絶体絶命!(後編) 前半部分
’05 414.青い鳥を追う探偵団 前半部分
’06 429.もう戻れない二人(前編) (11) 前半部分
430.もう戻れない二人(後編) 前半部分
435.探偵団に注目取材(前編) 前半部分
438.お魚メールの追跡 前半部分
440.極限のカースタント 前半部分
441.最期のアーン 前半部分
445.ロシアンブルーの秘密 全て前半部分
449.本庁の刑事恋物語 偽りのウェディング 後半部分
458.園子の赤いハンカチ(後編) 前半部分・前編のおさらい
合計13(15)

 ラストのオチシーンで使われた。前半部分は「ゲームスタート~ピッタリ賞」の後半をアレンジした曲、後半部分は「14番目の標的」の「別居の真相」のアレンジだ。いかにも小五郎で締めるというのが丸分かりの構成である。
 テレビではほとんど前半部分が使われている。ただしギャグオチで画面に合いそうなら普通に使っており、取り立てて小五郎というキャラクターにこだわった使い方はしていない。
 ’07バージョンが作られており、’09年まで毎年使われたもののしばらくはご無沙汰で、’14年第743話「偶然は二度かさなる」で5年ぶりに使用された。オリジナル時代の’06年、「ロシアンブルーの秘密」で三回も使われたのだが、「偶然は二度かさなる」においてもそのロシアンブルーこと「ゴロちゃん」が登場するシーンで流れている。もしかしてゴロのテーマという位置づけになったのだろうか…


48.作戦行動(ロング・ヴァージョン)

 映画は未使用で、トラック43「作戦行動~いよいよ発進」のメインアクション部分を、ややスローテンポにして構成し直した曲だ(スローテンポと言っても原曲が速いだけで、こちらが特別に遅いというわけではない)。ボーナストラックとは言え思わず聞き惚れてしまう。最終回間近にもし使われるチャンスがあったら、とても絵にマッチするだろうなと想像するのに難くないだけの魅力がある。なお、音楽が終わった後に「やっぱりちょっと速いですよね、これ?」というバンドメンバーの声が意図的に収録されている。こういうお遊びもボーナストラックならではだろう。


未発表曲1(キャンプシーンのギャグブリッジ曲)

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’04 345.黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー 番組前説明
合計1

 映画では冒頭のキャンプのギャグシーン用に用いられたブリッジ曲である。「瞳の中の暗殺者」の「THE END(あれまぁ~)」のイントロに似ている。
 テレビでは第345話「黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー」の、番組冒頭で登場人物が本編の番宣をするシーンで使われた。


未発表曲2(常磐美緒のブローチ)

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’04 345.黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー (2)
合計1(2)

 未発表のサスペンス曲としてはかなり有名ではないだろうか。映画本編では3度使用され、続編の「ベイカー街の亡霊」でも使用された。登場人物の一人である常磐美緒のブローチについて言及する場面で初めて使われた。
 テレビでも第345話「黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー」で二度使われた。包帯男が台帳に「工藤新一」と記す場面で使われたのが印象深い。


未発表曲3(ジンのテーマ 別バージョン;逆探知後)

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’04 345.黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー 「ジンのテーマC」とセット
合計1

 「天国へのカウントダウン」では、未収録のジンのテーマが他にもある。ひとつめが逆探知の後にジンがシェリーについて言及する場面で使われた。「ジンのテーマC」によく似ているのだが後ろが異なった盛り上げ方をしている。
 テレビでもやはり第345話「黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー」で「ジンのテーマC」とセットで用いられた。意識して聴かないと気づきにくいが、サントラ収録と異なるバージョンが付け足されていた。


未発表曲4(ジンのテーマ 別バージョン;これが動機だったんだ・ジンの銃撃)

 ジンのテーマ未収録その2。映画ではコナンがビル上階の大窓へと走り「これが動機だったんだ」と目を見開いて心の声を叫ぶシーンと、髪をウェーブにした園子が哀と間違われてジンに銃撃されるシーンで使われた。このバージョンはかなり力が入っており、サントラに収録されなかったのがとても残念でならない。


未発表曲5(犯人の正体を暴く前のサスペンス)

 犯人の正体を暴く前の推理シーンで使われた。メロディが「陰謀」(サントラ3)や「事情聴取」(瞳の中の暗殺者)に似ている。


未発表曲6(日本画の紹介 別バージョン;犯人の正体)

 これは未発表曲5に続いて流された「日本画の紹介」別バージョンで、犯人の正体が明らかになった時と犯人が証拠についてコナンに指摘されるシーンで使われている。


未発表曲7(自殺を喰い止めろ)

 犯人が毒薬を取り出して自殺しようとするのを麻酔針で阻止するシーンで使われたブリッジ曲である。
最終更新:2022年05月27日 20:10