大変なのは

「大変なのは」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

大変なのは」(2012/02/02 (木) 10:12:46) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

「苗木君、ダウトです」 ボクがカードを出し終えるのを、見計らったかのように発せられた柔らかな声。 嘘をつくこと、暴くことが勝利へつながるこのゲームは、まさに舞園さんの独壇場だった。 「どうして、わかったの?」 彼女から2枚手札を受け取り、たずねてみる。 答えはもちろん… 「エスパーですから」 ですよね。 クスクスと笑う彼女の隣に座る霧切さんと目が合い、どちらともなく苦笑が漏れる。 「すごい命中精度ね。本当に心が読めるのかと疑いたくなるわ」 「残念ながら、苗木君限定ですので。…はい、9です」  霧切さんの番ですよ。舞園さんの言葉に、霧切さんはいつもの無表情に戻って、 「わたしは、10ね」  ボクが怪しいと感じることもなく次のカードを探していると、不意に舞園さんが、 「…それもダウトです」 「…苗木君にしか通じないとさっき言っていたわよね」 また、正解だ。ボクの目には、怪しいアクションなど何も映らなかったが、舞園さんの第六感は何かを感じ取ったのか。 眉をひそめて、舞園さんからカードを受け取った霧切さんはボクに向かって、 「彼女がエスパーだと、苗木君も大変そうね」 へ?霧切さんだって苦戦中じゃないか。 言葉の意味を理解しかねて、目をぱちくりするボクに、 「本当に大変なのはあなたの方かしらね、舞園さん・・・」 彼、鈍いにも程があるわよ。そう言う霧切さんに、舞園さんは首を横に振って、 「まだ『彼女』じゃないですし、ご心配には及びません。それに、そんなところも彼の魅力ですから…」 だから何が? ため息をつく彼女たちに、ボクはなぜか申し訳無さを感じるのだった。 -----
「苗木君、ダウトです」 ボクがカードを出し終えるのを、見計らったかのように発せられた柔らかな声。 嘘をつくこと、暴くことが勝利へつながるこのゲームは、まさに舞園さんの独壇場だった。 「どうして、わかったの?」 彼女から2枚手札を受け取り、たずねてみる。 答えはもちろん… 「エスパーですから」 ですよね。 クスクスと笑う彼女の隣に座る霧切さんと目が合い、どちらともなく苦笑が漏れる。 「すごい命中精度ね。本当に心が読めるのかと疑いたくなるわ」 「残念ながら、苗木君限定ですので。…はい、9です」  霧切さんの番ですよ。舞園さんの言葉に、霧切さんはいつもの無表情に戻って、 「わたしは、10ね」  ボクが怪しいと感じることもなく次のカードを探していると、不意に舞園さんが、 「…それもダウトです」 「…苗木君にしか通じないとさっき言っていたわよね」 また、正解だ。ボクの目には、怪しいアクションなど何も映らなかったが、舞園さんの第六感は何かを感じ取ったのか。 眉をひそめて、舞園さんからカードを受け取った霧切さんはボクに向かって、 「彼女がエスパーだと、苗木君も大変そうね」 へ?霧切さんだって苦戦中じゃないか。 言葉の意味を理解しかねて、目をぱちくりするボクに、 「本当に大変なのはあなたの方かしらね、舞園さん・・・」 彼、鈍いにも程があるわよ。そう言う霧切さんに、舞園さんは首を横に振って、 「まだ『彼女』じゃないですし、ご心配には及びません。それに、そんなところも彼の魅力ですから…」 だから何が? ため息をつく彼女たちに、ボクはなぜか申し訳無さを感じるのだった。 -----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。