「――― 好きだから」
「好きだから」「この状況に陥れた」
「好きだから」「檻に入れた」
「好きだから」「首輪をかけた」
「好きだから」「逃がさない」
「好きだから」「容赦しない」
「好きだから」「あんたが欲しい」
「好きだから」「絶望に染まりきったあんたの姿が見たい」
「好きだから」「武器を持たせた」
「好きだから」「怒りを持たせた」
「好きだから」「あんたの前にばかり現れた」
「好きだから」「嘘をついた」
「好きだから」「あんたをこちら側につかせたかった」
「好きだから」「死にたかった」
「……好き、だから」「殺されたかった」
―――「好きだから」「愛してよ」
「好き……だから……」「愛してよ……苗木、誠」
「………………………」「好きだから、愛してるから」
「ボクが、好き、ならば、ボクを、愛してるなら」
「………………………」
「――――― 生きることに、希望を持ってよ」
「それだけは、出来ない」
「好きだから」 「それがいい」
「嫌いじゃないのか」「嫌いだよ」
「他の言弾は」 「いらないよ」
「やっぱり」 「…………?」
「好きだから?」 「それは違うよ」
「好きだから」 「論破して」
―――――。
「苗木君」 「霧切さん」
「泣いてるの?」「そうみたい」
「どうして?」 「わからない」
「……………」 「どうして、だろ」
「……………」 「……………」
「泣きなさい」 「濡れちゃうよ」
「良いのよ」 「……………」
「あなたは、頑張った」
「……………」
「自分を、誇りに思いなさい」
―――――。
「好きだから」「さよならは言わない」
「好きならば」「また会える」
「返事は」 「また会った時に」
「待ってるよ」「待てるのかい?」
「辛くても」 「……………」
「あんたの為なら」 「ありがとう」
「それじゃあ」 「……またね」
最終更新:2011年07月15日 11:52