コンボノミコン

コンボノミコンとは、DMデッキ開発部レボリューションvol.02にて登場した書物である。執筆者はユウヤ。その本には、ユウヤがどのような思考回路でコンボを作っているのかが全第7章という大ボリュームで書き残されている。また、コンボデッキ製作の一種のチュートリアルも含んでおり、この本を読んでいくだけでコンボデッキが(勝手に)出来上がってしまう。コンボ耐性の低い人物はこの本を読んでしまうと精神を蝕まれてしまう危険性を孕んでおり、現にこの書物を読んだ八重子は「八重子は正常ですのよ」とエーツーに指摘されるまでずっと台詞の最後につけていた。

この書物の文章は小学生が書いたとは思えないほど仰々しく、哲学的な表現になっている。そのためか、この書物について研究する研究者も存在しており、人によって様々な中身の解釈が存在しているとのことである。

書物の中身は次のような形になっている。

1章『わぁい、コンボだよー』……コンボを考えるきっかけになりそうなカードの見つけ方が書かれている。例えば、今までにやらなかったことをやるカードを見つけるために、そもそもデュエマが何ができるゲームで、これまでに何をやってきたかについてかなり長い理論が書かれている他、すべてのカードにコンボの可能性があり、そんな中でも複数の踏み倒しをするカードと、圧倒的なデメリットを持つカードは初心者向けのコンボ発見カードであると書かれている。

2章『「鍵のかかったコンボ」をいかに解体するか』……相方となるカードをどのように探すかが書かれている。基本的には逆として補い合えるカードを見つけるべきとのことであり、場合分けをして自動的に必要なカードが見つかるようになっている。

3章『世界の中心で愛を叫んだコンボ』……コンボパーツの代替品を探したり、必要な踏み倒し方法を探したりして、中核となるコンボ部分を強化する方法が書かれている。時にはここで、そのコンボに見合ったループを見つけたりする。

4章『コンボはリソース管理の夢を見るか』……中核となるコンボに適したマナ加速や手札補充、コンボパーツサーチの手段などを見つけて、実際にコンボがデッキになるために下地を作る方法が書かれている。

5章『純粋コンボ批判』……実際にそのデッキがコンボを発動するまでに何ターンかかるかを見て、相手の攻撃を耐えきれる力があるかを判断したり、相手の妨害を耐えられるか、もしくは自分自身が妨害するカードを入れる余裕があるかを判断する方法が書かれている。この時点でデッキにならなかった場合、そのコンボがちゃんとデッキになるためにどういうカードが必要なのかを知る方法も書かれており、それをちゃんとメモしておくと、後日第一章の段階で足りないパーツを発見して、一気にコンボが完成することもあるという。

6章『コンボ黙示録』……本来、勝利条件で無いものを勝利条件に変換することでコンボデッキを成立させているコンボが7つの大罪になぞえられて書かれている。例えば《偽りの名 iFormulaⅩ》と《ドンドン打つべしナウ》は手札を10枚以上揃えるコンボを瞬殺デッキとして完成させる「暴食の罪」といった具合。こういった原罪を背負ったコンボは殿堂入りを免れないという。

7章『コンボ哲学論考』……「コンボしえぬカードについては、沈黙するしかない」と一行だけ書かれている。※ただ、走り書きに「すべてのカードがコンボをする可能性と、コンボしえぬカードの存在の矛盾に関して、私は真に驚くべき証明をみつけたが、この余白はそれを書くには狭すぎる」と書かれている。

 

■非常に危険な書物ではあるが、5章までに書かれているいくつかのことは普通にデッキやコンボを作る際にも重要なことである。このことは、この書物が厚い理由にデッキ、コンボ製作の際の基礎まで盛り込んでいる要素が大きいことからもわかる。読んだ際に精神を蝕まれる危険性さえ度外視すれば、デッキビルディング力を高める際にこれほど効果的な本もないだろう。

■このコンボノミコンに使われているパロディネタは非常に豊富かつ多彩である。以下は、元ネタと考えられるものの一例である。

・『コンボノミコン』⇒『ネクロノミコン』(クトゥルー神話に登場するアイテム)

・『「鍵のかかったコンボ」をいかに解体するか』⇒『「鍵のかかった部屋」をいかに解体するか』(バジリコが出版した評論集)

・『世界の中心で愛を叫んだコンボ』⇒『世界の中心で、愛を叫ぶ』(日本の恋愛小説)

・『コンボはリソース管理の夢を見るか』⇒『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(アメリカのSF小説)

・『純粋コンボ批判』⇒『純粋理性批判』(ドイツの哲学者であるイマヌエル・カントによる著書)

・『「コンボしえぬカードについては、沈黙するしかない」』⇒『「語りえぬものについては沈黙しなければならない」』(オーストリア出身の哲学者であるルードヴィヒ・ヴィトゲンシュタインの言葉)

・『すべてのカードがコンボをする可能性と、コンボしえぬカードの存在の矛盾に関して、私は真に驚くべき証明をみつけたが、この余白はそれを書くには狭すぎる』⇒『私はこの定理について真に驚くべき証明を発見したが、ここに記すには余白が狭すぎる』(フランスの数学者であるピエール・ド・フェルマーがフェルマーの最終定理のメモと共に記したコメント)

■この書物の特性として、効率重視で体系的にコンボを作ってしまうため、やりたいだけのコンボに対応できないということが挙げられる。そのため、コンボノミコンを生み出す中で、コンボにとらわれデッキを作る楽しさを見失ったことが、7章及びユウヤの失踪につながったのではないか、とアンたちに推測されている。

 

■主任KのTwitterにて、その内容の一部が「読者の精神の安全に可能な限り配慮した現代語訳」がなされた上で公開されている。その画像に曰く「これはコンボデッキで勝利するための構築論ではなく、見出したあるカードをコンボデッキの形にするまでの方法論について書かれた文書である」とのこと。
・その後、2020年12月18日にデュエマ公式Twitterで公式関係者の私物を配る企画があり、カードプロテクトデッキ開発部Ver.(通常販売された、アイコンの顔が散りばめられたもの)及びストレージボックスとともに抽選で1名に配布された。内容は序章の現代語訳5ページが2部とのことであり、コンボノミコン全体の概要、および1~7章で取り扱う内容の紹介であると思われる。
・2021年12月15日、DMデッキ開発部 デュエル・マスターズ プレイス特別編公開を記念して、序章現代語訳がセブンイレブンのNetPrintで一週間限定で配布され、その後同じ内容が主任KのTwitterでも一般公開された。

■以下はその現代語訳に使われているパロディの一例である。一応言っておくが、これの原本を書いたユウヤは小学生である。

・『「はじめに神は天と地を創造された~」』⇒『創世記』(旧約聖書)

・『「かつて、たまたま「神は死んだ」といった哲学者がいる」』⇒ドイツの哲学者フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェのこと

・『「神の存在証明は神学における大きなテーマである」』⇒中世哲学において、イマヌエル・カントなどが、神の存在の根拠を理性を以て提示しようとしたこと

・『「パスカルの賭け」』⇒フランスの哲学者ブレーズ・パスカルが提案した、不確実性を相手にした人生の賭け

・『「本書はおそらく、ここに表された考えか~」』⇒ルードヴィヒ・ヴィトゲンシュタイン著作『論理哲学論考』序文

・『付録2:「(1)メインのコンボ、(2)フレームワーク、が与えられたとせよ」』⇒美術家マルセル・デュシャンのアート作品『(1)落ちる水、(2)照明用ガス、が与えられたとせよ』

 

 

 

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最終更新:2022年01月13日 00:51