舞とアズマはとっても仲良し。
いつも一緒にお散歩するの。
「今日はお花畑を探検しよっか」
「モルモル!(オイラこんな喋り方だっけモル?)」
舞とアズマがお花畑に行くと、女の人がいました。
「ごきげんよう!私は猫岸舞だよ!」
「モルモル!(オイラはアズマだモル!)」
だけど、おやおや?女の人の様子がおかしいです。
何やら元気がないようです。
「どうしたの?おなかでもすいちゃった?」
「モルモル!(死んでるからすかないモル!)」
「あのね。大好き人がいるんだけど、私のためにっていけないことをしてて……それが私、悲しくって」
そう言うと、女の人はしくしくと顔を覆ってしまいました。咲き乱れる花々も、なんだか少し悲しそうです。
「可哀想だね」
「モルモル(なんとかしてあげたいモル)」
「そうだ、こんなところにスコップがあるよ!」
「モルモル!(やったーモル!)」
舞とアズマはスコップを取り出すと、それを女の人に手渡しました。
女の人はきょとんとしています。
「これは?」
「スコップだよ!」
「モルモル!(見れば分かるモル!)」
「これで穴を掘ると、なんだか楽しくなってきて、悲しい気持ちも吹き飛んじゃうよ!」
「モルモル!(穴に誰かが落ちれば二度おいしいモル!)」
「それに、掘って掘って掘り進んでいけば、その人のところにひょっこり出ちゃうかもよ?」
「モルモル!(信じるものは救われるモル!)」
そう言うと、舞とアズマはお花が咲いてない場所を選んで、スコップで穴を掘り始めました。
穴掘りは、古代の人類が住居と安全を得るために行った知恵と本能の高度な融合の形で、すばらしい行為です。
それに気付いたのでしょうか、女の人も、ちょっと躊躇ってからスコップを手に取ります。
「ざくざーく掘ってー、地面は柔らかー♪ いい汗たーっぷり、水分摂ーってね♪」
「はあはあ。本当だ、私、なんだか楽しくなってきちゃった!はあはあ」
「モルモル!(その調子モル!)」
女の人から土の匂いが漂う頃には、とっても楽しい気分になってきました。
みんな穴掘りの魅力でラリってきたようです。
「穴掘ろーぜ!穴掘ろーぜ!穴掘ろーぜ!」
「モルモル!モルモル!モルモル!(落とそーぜモル!落とそーぜモル!落とそーぜモル!)」
「堀りりん!堀りりん!堀りりん!」
高速穴掘り能力『でこぼこフレンズ』を持つ舞とモグラのアズマは、女の人を置いてくすごいスピードで穴を掘り進めます。
しょうがないのです。つい熱中してしまったのです。
横に曲がったり上にのぼったり、並んではちゃめちゃに掘りながら、舞とアズマはくすくす笑い合います。
「今日もいい事したね!」
「モルモル!(いい事すると気持ちいいモル!)」
「明日もお散歩しようね!」
「モルモル!(明日はちゃんと落とし穴掘るモル!)」
「明日はどこに行こうかなぁ・・・わっ!」
そうしてるうちに、ぼこっと音がして、舞とアズマは開けた場所に出てきます。
きょろきょろと見回せば、今まで過ごしていた世界とは違う、よく分からない場所です。
そんなひとりと一匹の頭の中に、謎の声が聞こえてきてました――
めでたしめでたし?