Modの作成


詳細は公式ドキュメントであるModding.pdf(インストールフォルダ内のdocフォルダにあります)に書いてあるので、ここは基本的な部分(武具とユニット)だけです。
なお、最近のバージョンではパッチを当てた際にドキュメントも更新されるようになったので、最新版を適用済みであれば最新版に沿ったドキュメントになっています。わざわざ公式ページから落とさなくても構いません。

Modファイルの保存場所

ゲームディレクトリのModsの中に拡張子.dm ファイル(中身はテキスト)で保存する

基本的な構造

#を頭にした文が命令
#{命令文} "ステータス等"

Modのファイルに必要な情報

#modname Modの名前
#version Modのバージョン

Modファイルの最初に必要な情報。最低これだけあれば、何もしないModができる

#description Modの解説文

一覧で右クリックしたときに表示される解説文の指定。自分用のModなら無くても構わない

#icon 画像ファイル

アイコンを作るとModの選択時や、Modが有効な時にタイトル画面に表示される。画像の大きさは 128×32か256×64 のTGA形式かSGI形式。
アイコンがあるとタイトル画面を見ただけでアクティブかどうかがわかるようになるので、たとえ自分用でも適当な画像を指定しておくと無難。


武器を設定する場合

#selectweapon 武器番号

色々と設定する命令を書く

#end

防具を設定する場合

#selectarmor 武器番号

色々と設定する命令を書く

#end

ユニットを設定する場合

#selectmonster ユニット番号

色々と設定する命令を書く

#end

一つの武具やユニット毎に selectxxx ~ end で括ること。
ユニットや武具の番号は、使いたいユニットを選択した後、Shift+Iキーで見る事ができる
色々と設定する時の命令は公式ドキュメントを参照。英語だがゲームの単語がわかれば大体は理解できる。

ユニットの特殊技能は既存のものに追加される
例えばaquaticなユニットに新たにamphibianを付けても両方が着いた状態になってしまう。
選択したユニットの特殊技能などをリセットしたい場合は#clear等の命令を使う

ユニットや武具を新たに作る

#newweapon 新武器番号
色々と設定する命令を書く
#end

#newarmor 新防具番号
色々と設定する命令を書く
#end

#newmonster 新ユニット番号
色々と設定する命令を書く
#end

利用できる番号は公式ドキュメントを参照。

新しく作る場合は、ステータスが無い状態なので、必要なステータスを全て設定する必要がある。
#copystats 既存ユニットの番号 で既存ユニットのステータスをコピー
#copyspr 既存ユニットの番号 で既存ユニットの外見を利用できる

利用できるグラフィック

TGA形式かSGI形式、色は24-32ビット。
大きさは縦横が、8、16、32、64、128ドットのどれかであれば良い。
ただし128×128をいっぱいに使うと、ゲーム時の司令官の表示枠からはみ出る。

ユニットの設定時に #spr1 画像ファイル で通常のアイコン
#spr2 画像ファイル で戦闘時のパターンを設定できる

Modの使い方

Modsディレクトリにdm形式のファイルが正しく入っていると、
ゲームのPreferencesのMod Preferencesで作成したModの名前が表示される。
これを選択してEnableにすれば有効になる。

なお、セーブ済みのゲームをプレイする際は、そのゲームが開始したときにEnableになっていた通りの状態に自動的に切り替えてくれる。プレイ中の追加や削除は許されない(必要なModファイルが見つからないと再開すらできない)。
しかし、Enable状態のModファイルを編集した場合は感知しないので注意。細かい修正ならともかく、あまりに大きな変更をするといろいろな部分がおかしくなる可能性が高い(とくにIDが変わるのはご法度)。


以下、Modの例 中の文をコピーして保存すればModとして利用可能


#modname"No Change"
#version 1

何の変化もないMod

Modの例(神にMilitiaを追加してみる)


#modname "Militia is God"
#version 1

#selectmonster 30
#startdom 1
#end

このModを有効にした後、ゲームで神を選択する時、Militia(盾なし)が選択肢として表示される。

Modの例(Militiaの姿をKnightにしてみる)


#modname "Militia is Knight"
#version 1

#selectmonster 30
#copyspr 22
#end

このModを有効にすると、Militia(盾なし)がKnightの見た目で表示される。ただし中身はMilitia。

Modの例(合わせると)

#modname "Militia is ..."
#version 1

#selectmonster 30
#startdom 1
#copyspr 22
#end

結果は想像通り。なおModの命令は上から実行していく。

#selectmonster 30
#copyspr 22
#end

#selectmonster 22
#copyspr 30
#end

例えば、この様に書くとMilitiaの絵をKnightに変えた後、Knightの絵を(すでにKnightに変わった)Militiaの絵に変えるのでKnightの方は絵は変わらない。

また同じステータスを操作すると、下の命令が先の命令を上書きすることになる。


MOD制作に役立つもの

MODを一から作ろうとした場合、ユニットの画像の用意に苦労したり、不慣れな間は記述法に戸惑うこともしばしばです。
幸い、そうした点をある程度緩和してくれるものがいくつか存在しますので、MOD作製に興味はあれども手が出せずに居る方は、以下に紹介するものを利用してみても良いでしょう。

Dominions 3 Mod Editor


その名の通り、MOD制作を支援するツールです。英語ツールですが、GUIを介してMODを編集できるので、不慣れな人には最適のツールと言えます。また通常のテキストエディタと同じように編集することもできます(文法チェック機能付き)。
最新版のMOD環境にも対応済みのため、安心して利用できるでしょう。たまにGUIの挙動が不安定になることもありますが、その際はテキストを直接編集して対応してください。

Organized unit sprites for 3.17


Dominions3のユニット画像を抽出したファイルです。スクリーンショットの切り抜きでは無いそうで、サイズも適正なものになっています。
ファイル形式がtgaのため、Windows標準のツールでは開けませんが、検索すれば編集や閲覧が可能なツールがすぐに見つかるでしょう。
公開されているMODはこれらの画像を切り張りしたりして作られたものが多いようです。既存のユニットと並べても違和感のないものを作りたい場合、これを元に作製すると良いでしょう。

Dom3 DB


Dominions3の総合的なデータベースです。ユニット・武器・防具などのプレイにも関係するデータに加え、使用できる効果音の一覧や、飛び道具(射撃武器用)の画像の一覧なども含みます。
手作業で制作されているため、間違いも少なくないようですが、エクセルなどで開ける形式であるため、その機能を利用して検索やフィルタリングが可能なのが長所です。
多数のシートが存在しますが、末尾のほうには魔法スキルやMagic Site配置地形のビットマスクを一覧化したものもあります。毎回計算して出すのが面倒、もしくは不安なのであれば、これを利用すると良いでしょう。

ちなみに、ダウンロードリンクの先にはイベントリストも置いてあります(dom3_events.zip)。イベントで出現し得るユニットなどを把握したい場合などに役立てられるでしょう。

Spell Guide


バージョン3.24当時の魔法データをまとめたものです。エクセルなどで閲覧できますので、その機能を用いたフィルタなどで必要なデータを抽出できます。
またMODにおいて必要となる、EffectやDamageの組み合わせによる効果を一覧化したTXTファイルも付属しています。公式PDFには全てのEffectは網羅されていないため、魔法をいろいろと作りたい場合はほぼ必須です。
さらにBitmaskerというファイルでは、ビットマスク形式で数値を指定すべき部分(Buff効果の内容やSpec)の数値を簡単に得られ、また数値からその内容を得ることができます。
当時は不明だった点が明記されていなかったり、やや古いデータであったりはするものの、大方の要素は最新版でも通用しますので、重宝するでしょう。

Mapped spell flightsprites and explsprites


魔法のエフェクトを決定する2種の設定(explsprは武器でも使用します)に、どのような数値を入れるとどのようなエフェクトになるかを一覧化したものです。エクセルで閲覧可能な形式となっています。
魔法に使用できるエフェクトの種類は非常に多様であり、既存の魔法のコピーでは得られないであろうエフェクトも無数に存在します。演出に凝りたい方には必須です。


新ユニット作成時のお約束

ほとんどのことはModding.pdfを読めば十分にわかりますが、いくつか気付きにくく、留意すべき点を挙げます。
ここで挙げるのは主にデフォルトの調整に可能な限り近付けるための知識です。ある程度のお約束はpdfにも書かれていますが、忘れると気付かないままになりやすい点もあるので注意してください。



精鋭や騎兵はgcostを高めに

ごく当然のことですが、技能的に優れた兵は金銭コストを高くするべきです。基本的な人間の兵士は10ですが、より戦闘スキルや士気が高い兵は高額に、逆に民兵のような兵は安くなります。
ここで注意すべきなのは、装備が優れているだけで金銭コストを上げてはならないということです。デフォルトのバランスは、技能面(=訓練費)を金銭で、装備を資源で補填する仕様となっています。
たとえ重歩兵であっても、兵士自身が軽歩兵と変わらない技量しか持たないのであれば金銭コストを上げる必要はありません。

それが指揮官であれば、その指揮上限の高さや、所有する魔法スキルも考慮するべきでしょう。また指揮官そのものが兵より高めの調整になっていますし、基本的に指揮官は対応する兵よりも技量に優れるようになっています。
またSacred指定を受けているユニットは維持費が安いため、一般的な基準より高く指定される傾向にあります。他の特殊能力もある程度は考慮すべきです。

他に金銭コストに関わるのは、馬や戦車などの乗り物です。これは後述する資源コストにも絡むことですが、同時に金銭コストも増額します。
このあたりの調整は少々厄介ですが、デフォルトで存在する騎兵や戦車兵のコストと能力を見て、適当と思われる値を設定すると良いでしょう。

なお、CBMでは兵のコストがいくらか削減されました。これはProductivity天秤で資源を増やしても、金が足りないがために結局は数を出すことができないという問題への対策です。
もしこちらのバランスに合わせたいのであれば、下級兵は基本よりも少し安くし、上級兵も値上がりの幅を抑えると良いでしょう。細かい数値はとても書けないので、しっかりと合わせるつもりならCBMの中身を見てみてください。


騎兵にはressizeを

騎兵は(人間であれば)サイズ3が標準ですが、実はサイズ設定に応じて資源コストの計算式も自動的に変動する仕様になっています(巨人などは同じ装備品でも多くの資源を喰うように)。
しかし人間の騎兵の資源コストはあくまでも人間大で計算されるべきなので、そのことをゲームに教えてやらねばなりません。この時に使うのがressize命令で、この場合は2を指定しておけばOKです。

この設定は騎兵以外にも、翼の分でサイズが大きく指定されているCaelumの有翼人などでも必要となります。忘れていると無駄に資源を喰うユニットになってしまうので、十分に注意してください。


重騎兵は個別にrcostを

騎兵は上記したようにressizeを用い、人間の分の資源だけを計算するように指定しますが、多くの重騎兵はさらに馬自身も(見た目上は)装甲されており、この分の資源は自分で指定するようになっています。
何の追加もなければrcostは1だけですが、重騎兵はデフォルトのバランスでは8~15程度を追加します。とくに重装な騎士では20の追加がされています。
なお、デフォルトの設定では馬の装甲は防御力に反映しない方針のようです。一方で、その重量ゆえかこれが為されている騎兵はマップ移動力が低い傾向にあります。

当然、戦車も作製に資源が必要なはずなので、適当な量を追加するべきです。性能は別としても、豪華なものだとより高くなります。
ただし、戦車は多少ながら防御力に貢献するものと見なされているらしく、防具とは別に素の防御力が高めに設定されています(人間の戦車だと5)。こちらも忘れずに設定しておきましょう。

ちなみに、CBMではこれらの資源消費が大幅に抑えられ、騎兵が使いやすくなっています。こちらのバランスに合わせるのであれば、やはりCBMの中を見て基準を理解しておいた方が良いでしょう。


ap、encの指定は兵科によって分ける

apはそのユニットの行動ポイントを指定し、encは戦闘行動による疲労の度合いを指定するものですが、この数値は装備の重量に応じて自動的に調整される仕様になっています。
このため、歩兵や弓兵は細かいことを考える必要はなく、その種族の平均的な値を指定しておけばOKです。

一方、騎兵(mountedフラグ付き)は装備重量の影響を受けなくなっているため、自分で指定しなくてはなりません。当然重騎兵であれば行動ポイントは少し控えめにするべきでしょう。
ただし、encについては装備のことを考慮する必要はありません。その種族の基準値(通常は3)に1を加算するだけで十分です。


mapmoveは常に自分で指定

自動調整される行動ポイントと違い、マップ移動力を指定するmapmoveは兵科を問わず装備による影響を受けません。こちらは常に自分で指定するべきです。
一般的な生物は2、騎兵や戦車などの敏捷な兵や、アンデッドや魔法生物などの疲れ知らずの兵は3が基準です。逆に極端に鈍重・重装備な場合は-1するべきでしょう。騎兵の場合、馬の装甲度合が移動力に反映される傾向にあります。

なお、飛行能力はこれを自動的に+1する機能があります(ただし3より大きくはなりません)。mapmoveはその兵が飛行なしでどれぐらい行軍できるかを考えて設定しておきましょう。


固有の名前を付けたい場合もnametypeで

残念ながら、現在のバージョンでは英雄などに対して特定の名前を持たせる命令がありません。その代わり、nametypeの空き枠を1つ専用にしてやることで、少々強引ながら特定の名前を付けることができます。
この方式の欠点は、言うまでもなくnametype枠の消費が激しすぎることです。他に多くの国MODを入れている人にとっては、競合の恐れが強いためにやや使い辛くなるでしょう。
とはいえ、せっかくのユニーク指揮官なら固有の名前はつけておきたいものです。全員が無理なら主要なものだけに妥協するなどしてやりくりしましょう。


魔力の高い指揮官は必要に応じて年齢設定を

指揮官の初期年齢は、その指揮能力や魔法スキルから自動的に計算が行われる仕様ですが、英雄など標準的な実力を超える指揮官を作製した場合、意図しないほどに高齢になってしまう可能性があります。
一般的な指揮官であればそのままにしておくのがバランス的にも世界観的にも好都合でしょう(魔法の習得に年月がかかるものという扱いと思われます)が、独特の設定背景の元に作られた指揮官なら年齢を再設定しておくのが妥当です。
年齢の指定方法は2つあり、startageを使用すると直接指定、olderを使用すると自動計算された数値から一定値を加算・減算できます。ただし、どちらの場合でも、指揮官の生成ごとに乱数によるいくらかの増減があります。


聖魔法を持たせた場合はSacred能力をセットで

ごく一部の例外を除き、聖魔法の所有者はSacredであるのが普通です(もちろん聖魔法なしでSacredだけという場合はあります)。確実に発生するわけではないようですが、この原則を破るとゲームのクラッシュを招くとの報告もあります。
これにより彼らは確実に神の祝福を受けられ、維持費も低下するため、総じて高コストに設定されます。また国によっては生贄の儀式やReanimateにより大きな影響力を持つため、そういった国ではさらに慎重な設定が必要です。


神の初期設定魔法スキルは控えめに

神の初期魔法スキルは、とくに高レベルの魔法スキルを確保しようとした際に非常に大きな影響力があります。これは魔法スキルの強化に必要とされるポイントの計算に起因します。
たとえば、初期スキルがレベル3の属性をレベル9(上位祝福発動)まで上げようとしたならば、レベル0から上げる場合と比べて最低でも194ポイントの節約となり、新魔法属性の追加コストが高い神だとさらに大きな差が出ます。
よって、その魔力を強みとする前提の設計でもない限り、無闇に初期設定の魔力を上げるのは避けるべきです。デフォルトでも、優秀な魔力に高い身体能力まで持つCyclopsやPrince of Deathは少々強すぎるとの意見もあるほどです。
ただしCBM環境下など、神の個性がより強められている環境であれば少し派手な調整でも問題ありません。もっとも、CBMであってもCyclopsやPrince of Deathはむしろ弱体化傾向に調整されています。

なお、神に聖魔法およびSacred属性を付加できるのはバグと見なされており、利用しているとゲームがクラッシュする可能性があるとの報告があります。神は祝福を受けられない仕様でもありますので、これらの設定は避けるべきでしょう。


画像作成の仕方


画像作成の仕方(別リンク)引用させていただいてます。
ttp://airest.blogspot.jp/2008/06/tga2.html

①通常通り、加工したい画像を開く
②GIMP本窓のFuzzy select toolを選択(魔法の杖の用なアイコン)
③透過させたい部分を杖アイコンで選択させる
④右クリ→編集→背景色で塗りつぶすを選択
⑤うまく塗りつぶせたら加工したい画像の窓の
 レイヤー→透明部分→色を透明度に
⑥色を透明度にの窓の「最初□を透明度に」でhtml表記を000000(黒)でOKを押す
 (透過させたい部分が市松模様の様な透過表記になっていれば成功です。)


⑦加工した画像の窓からファイル→別名で保存→
 ファイルタイプの選択→TarGA画像→保存→もう一度保存

画像加工が終わったら、dom3editor1.0.2等で調整
(一から作るのは大変なので他のmodを使いキャラ追加させてもらうのが楽です)

終わり。

画像の作り方?の問題で戦闘で死ぬとfsa bad tga fileのエラーでます。
作ってみたら実際一人ずつためしてみてください。ご迷惑おかけしてすみません。



コメント

  • 画像の背景透過は完全な黒(RGBで0,0,0)であれば自動的にやってくれるものと思われます。逆に透過色の指定があると、影部分(RGB255,0,255)の処理をしてくれなくなるかもしれません。 -- 名無しさん (2012-06-17 20:08:08)
  • 画像は256色→Fullcolorにする場合はGimpだとインデックスカラーになってるのでRGBにする必要有り。透明色関係はRGBだけなら黒、RGBAになるときちんと透明化処理が必要です。わずかでも不透明なら不透明になります。 -- 不思議戦争の人 (2012-08-06 14:29:18)
  • 紹介されている画像の詰め合わせはRGBで適切な透過がされる状態になっています。他の公開済みMODも基本的にこれに準ずるようなので、何か事情がなければアルファチャンネル無しでの作製を推奨します。 -- 名無しさん (2012-08-06 15:47:51)
  • Dominions 3 Mod Editorが更新されました(バージョン1.1) -- 名無しさん (2012-12-21 15:54:54)
  • nextspellを使うとき、newspellをnext対象とするときは「next先を先に記述する」必要がある様子。エラーが出て諦めた方向け。 -- 名無しさん (2013-04-06 00:48:08)
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最終更新:2013年04月06日 00:48
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