草木も眠る丑三つ時、をさらに越えて現在午前4時
こんな真夜中から叩き起こされた俺は超不機嫌
「そ、れ、で、この自称サンタとかいう不法侵入者は一体何をしに来たんだ!!?」

「だーかーらー、私は願いを叶えに来てあげたのよっ、それもドンケツのあなたたちの為に!!ありがたく思いなさいよ!」
目の前の自称サンタは、長袖ミニスカの赤装束に白くて大きな袋、そしてやたらでかいトナカイを連れていた

「いいか、赤くて白い袋持ってれば誰でもサンタになれる訳じゃねーんだよ、性別からして違うだろうが」
「今時のサンタは男女平等なの!!誰だって子供のヒーローにはなれるんだよ!!」
「やかましい、現代のひねくれたガキはヒーローに石をぶつけて着ぐるみを脱がせるぞ」
「アンタがそんな卑屈な育ち方しても他皆が皆同じだと思わないよーに!!」

盗人猛々しいというか、亮の家に忍び込んで発見され、挙句の果てにサンタと主張する女、更には暴言のオマケまでついてきた
もう・・・この女を単刀直入に一言で言い表すなら・・・

                      ただのサンタのコスプレ、である

黒髪のストレートヘアーにメガネ、釣り目の学級委員長タイプのような、そんな容姿である
普段ならばそのサンタコスのギャップに少しは萌えるなりしたのだろうが、今はとにかく眠い

「さて、くすぐりノミ逝っとこーか」
俺はいい加減ベッドに戻りたいのだ、こんなイカれた女とのやり取りなぞ面倒なだけだ
俺の動作から数秒遅れて、相手ストッパーで移動だけが封じられた女がアクションを開始する
「きゃハハハハハハハハハハハハハハハハハハっっッ!!!ひゃっ、やめっ、あっ、そこは・・・っきャー!!!」
またも絶叫と笑い声が響く、体中をかきむしり、擦り合わせている

「どうやって忍び込んだか、お前は一体誰なのか、ホントの事吐く気になったら呼べ」

 そのまま亮が立ち去ろうとした時、ふと袋が視界に入った
一体この袋には何が詰まっているのだろうか
興味に釣られ、持ち主が涙を流しながら笑い続けてるのをいいことに、袋の封を解いて袋の中身を覗いてみる

そこには・・・ドラえもんのポケットで見たのと同じ光景が広がっていた


ジングルベ~ル、ジングルベ~ル、鈴が鳴る~、今日は楽しいクリスマス

いつもと違ってテレビじゃクリスマス特有の楽しい番組が盛りだくさん
年忘れ歌合戦や芸人さんのクイズや、楽しい楽しいクリスマス、さーてどれにしようか

『・・・マテェェェェェェェッッ!!!!!』

「ンだよトラ、今日は愉快なツラに一段と磨きがかかってるな」
それ以上馬鹿丸出しの大声を出すならいっその事声帯と鼓膜を切り取って二度と音を感じれないように・・・

『今日は一段と毒舌に凄みが増しているぞ、っつーかおま・・・
何故クリスマスを一人寂しくテレビを見て過ごす!?』

「・・・・・・」
人の地雷の上でタップダンスを踊ってる気分はどうだ?さぞ楽しいだろうな殺されたいのか?
『いや・・・だからな、お前なら酒池肉林のハーレムなり一日アイドルをレンタルするとか・・・』
「だからそういうのが嫌なんだよ」
俺は、クリスマスを一緒に過ごすのは、卑怯な手、具体的にはドラポケットに頼らず
俺の事を真摯に見つめてくれる女性と、って決めて・・・
『あぁダメだ、こりゃ重症だ・・・一体どこに何十回頭をぶつけたんだ・・・』

「と言う訳で、俺はテレビ見るのに忙しいの」
トラをシッシッ、と追い払うと亮はテレビに向き直った
えーと・・・そうだな・・・この某「撮ったどー!!」で一世を風靡した芸人の出る番組なんか良さそうだ
伝説の巨大ウツボか・・・どんなのだろう

まさしく哀れな生き物を見る目で冷ややかな視線を送りつつ、亮に聞こえない声でトラがつぶやいた
『悲しい・・・悲しすぎるよ・・・
この秘密基地に引きこもってテレビに夢中になってる人間に一体どこの誰が惚れ込むんだ・・・そのくらい分かるだろう
天よ・・・願わくばこの寂しい男の聖夜をもうほんの少しだけ充実したものにして・・・
それがダメならせめてどうかこの男の幻想の世界を打ち砕いてやってください・・・』



「つ、ま、り、その願いを叶えに来ちゃった訳!?」
「そ、そ、そゆ事よ、あんなクリスマスが終わる直前の願いなんかホントは聞かないんだからね、これは特別なのよ!!」
「・・・・・・」
亮としては非常に納得の行かない展開である
自分が狂人扱いされ、その治療の為に夜中に叩き起こされたのだ、これでニコニコ笑ってられるヤツなら本格的に治療が必要だ

トラ
『ま、まさかこんな事になるとは・・・』
あぁ誰だって予測できないだろうよ・・・
『ドラえもんがいるんだ、サンタがいたって不思議じゃない』
ケニィの時も同じ事言ってたよな
『男一人寂しい夜に女が尋ねてきたんだ、喜べよ、結果オーライじゃないか』
俺の事を狂人扱いした事への反省はナシですか・・・寂しい夜?大きなお世話だ・・・喜べ?ザケんな・・・

            • ぷちぃ

『・・・亮?』
俺の中で何かがキレた音がした

「ところで、サンタというからには何かプレゼントをくれるんだよな?」
俺は、しげしげと袋を眺めながら聞く
「えぇ、勿論、アナタにだって精神治療の手助けになりそうなものを差し上げま・・・勝手に触らないで!!」

「あー、ダメか」
残念ながら袋から俺が好きな物を取り出せる訳では無いようだ

真っ向からトライして敗れた俺は、ショージキデンパを使ってこのサンタに質問した
「おい、とりあえずどうやったらこの袋から道具を取り出せる?」

「その袋の中に・・・欲しい物を書いた紙を入れると・・・代わりにその道具が出てきます・・・
紙に書いた道具が出てくるのは一度きりで、同じ人が2つ目を書いても効果はありません・・・」

虚ろな声ですらすらと答える、ありがとよ
「えーと・・・」
適当なボールペンで、一つの注文をする

ソレを入れると同時に出てきたのは、四角く梱包されて中身は分からないが、恐らく紙の内容通りの玩具だろう

俺がサンタを見た時、俺の笑顔を見たサンタの顔に恐怖がよぎった・・・気がする


サンタコスの女が悲鳴を上げる
「やめっ、やめてぇ!!」
サンタの足は、相手ストッパーという道具で一切動けないようになっている
手は、スーパー手袋をつけた俺が左手で両方の手を抑えている

そして俺のもう片方の手には、非常に大きな形の、男根を模した玩具が握られていた

先程の紙には、「一度使うと性欲が滾って仕方がなくなる超極太バイブ」と書かれていた

「やめてっ、そんなの入る訳無いじゃないっ」
サンタは必至に逃げようとするが、この状態じゃ身動き自体取れない

既に、俺の手に握られたバイブは、彼女のスカートの下へともぐりこんでいる
「二度と、人の家に、不法侵入、するな」

バイブで、割れ目にグリグリ押し続けると段々と先っぽが入るようになってきた

小さく、小さくゴリゴリと、右手でバイブを押し込み、中へと抉り込む作業

最初の内はやめてやめてと言っていたサンタも段々大人しくなってきた
抜いて、入れて、の度に小さな喘ぎ声を漏らし、声にも艶が見て取れた
原理は不明だが、あの傲岸不遜なサンタが短時間で落ちたのだ、注文は見事に再現されているらしい

さて、これで準備はいい筈だ

最後の詰めとして、今までの緩やかなペースとは打って変わって激しくバイブを突き入れる

「ひゃ、が、あぁぁっっ!!は、激しっ、ん、んぅーっ!!うぁっ、かっ、はぎぁッッ───!!!」
スーパー手袋付きの腕力でガンガンと乱暴に奥の奥まで突き入れる、まだバイブは大部分を残している、コレ、ホントに人間用?

「はーっ・・・はーっ・・・」
声も絶え絶えといった様子のサンタを見やり、一気にバイブを引き抜く、サンタが息を呑む、が声は出さなかった
引き抜いたバイブは床に投げ捨てた

「ほいよ、後は好きにしろ」

そう言って、俺はサンタの手を開放し、一直線に自室へと戻る、
俺の役目は終わった、あとはサンタが勝手に堕ちる、【八つ当たり】完了、今は柔らかなベッドが最優先だ

「え・・・え・・・?・・・・・・」
何故?何故いきなり・・・急に快感が冷めて、現実が近付く、嫌だ
あの男を追いかけようにも男に何かされてから足が動かない、そもそも追いかけてどうするというのだ

いきなり突き放され、おあずけを食らった状態になったサンタの目が宙を彷徨い、バイブの所で止まった




そして、サンタは例年通り、今年も北極の自宅でぬくぬくと、クリスマスまで一年を過ごす
小さな椅子に腰掛け、暖炉の前で暖を取る、いつ、どこでも同じ、メガネ、ストレート、赤いサンタ服の格好、だが今年のサンタは
ミニスカの中に下着は無く、下半身に伸ばされた右手が、膣に半分入りきっているバイブを、慣れた手つきでスライドして自らを慰めている
そして、ほんの少し息が荒くなり、激しさを増したバイブを、ことさら深く突き入れ、絶頂感と軽い痺れが背筋を駆け抜ける
行為に区切りがついたので、一気にバイブを引き抜く、僅かに振動しているバイブを止め、それを暖炉の上に置く
恐らくまた暫くしたら再開するに違いない

他人の目にどう映るかはわからないが、彼女は肉欲に没頭し、何も考えなくて済むのがこの上なく心地よかった

暇になったら適度に外に出るとしよう、ランダムに震えるバイブレータ機能もあるようなので、人前でやってみるのも面白いかもしれない
違った形状のバイブだって買って試してみたい、それを買うのを他の人に見られたら・・・構う事は無いか

来年のクリスマスが楽しみだ、最後に寄る家はもう決めてある、その事を考えると、またも下半身が疼きだすのだ

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最終更新:2008年12月26日 18:09