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秋森良樹編 第??話『女だけの島(1)』


 五月晴れに恵まれた日曜日。珍しく早起きして窓を開けると
さわやかな風が「おはよう」と耳元で挨拶をしている錯覚を受けるような
晴れやかな日だった。
 今日はきっとなにか良い事がある、そう何の確信もなく思えるように
晴れ渡った空を見上げて、早朝の特撮放送時間前に「ナンパに行くぞ」と、
とてつもなく元気にかけてきた友人の電話を「眠いから」と一蹴した、そんな日。

 カタカタカタカタカタ……

 俺は朝からキーボードを叩いていた。我ながら不健康極まりないと思うが、
これは俺の野望を次の段階へ移すために必要な準備作業だったりする。
 スペアポケットを手に入れてから、俺はツキまくっていると思う。
 学校中の憧れの的の美人女教師。
 ちょくちょく下駄箱やロッカー、机の中にラブレターが入れられている幼馴染。
 モデル並みの容姿と人当たりの良さに親衛隊が出来ている三年生のお嬢様。
 入学して一月と経たない内に、俺はこれだけの女を恋人……愛人? いや、呼び方なんて
どうでもいい。大切なのは三人もの美女・美少女と男と女の関係になれた事だ。以来、俺は
三人をとっかえひっかえ……時には教師と幼馴染とで3Pに興じる事もあるが……
愛し合っているが、やはり、それでも満足できない欲望と言う物がある。
 ハーレム。
 男に生まれた者なら、俺でなくとも一度は夢見る、最大の浪漫。

 そして俺には、それを実現させる力があった。
 あまり秘密道具について知識を持っていない俺がそれらを使いこなすには、やはり
それなりの知識がいる。そこでとあるHP(ttp://www1.linkclub.or.jp/~o-jiro/fan/dora/)で
道具の一覧を見たのだが……相手を操ったり洗脳したりするするアイテムがかなりある事に
まず驚いた。命令を強制的に聞かせる『階級ワッペン』に、思考を操作する『心吹き込みマイク』、
催眠術をかけられる『催眠グラス』『催眠ふりこ』……『あいあいパラソル』や
『自信ぐらつ機』なんかもこの範疇だろう。
 これらの道具が一つでも/または他の道具と組み合わせてあれば、ハーレムなんて
作るのはたやすいだろう。
 すぐに実行しても良かったが、俺はまず、ハーレムを『練習』しようと思った。
 なぜって? ……情けない話だが、無数の女を前にして、俺はビビらない自信がない。今だって
あの三人をマンツーマンで相手にする時はいいんだが、二人以上で迫られると、いろんな意味で
腰が引けちまう。このままじゃ、いざっ!という時に使い物にならないかもしれないと、
俺はビビッちまってるわけだ。
 で、どうやって練習するかといえば……俺はキーを打つのをやめて、少し堅くなっている
肩をほぐしつつ、脇に綺麗にそろえられた『絵本入り込み靴』を眺めた。
 『絵本入り込み靴』はその名の通り本の中に入りこむ事が出来るアイテムだ。ならすぐに
エロ本に飛び込めば良いだろうと思うだろ? だが、この案には意外な欠点があったんだ。
 この道具の能力は『本の中に自由に入りこめる』というだけ。決して『物語の主人公と入れ替わる』
という能力を持っているわけじゃない。

 この時点で、俺の持ってるエロ漫画は全滅。女が主役で集団に痴漢されるって話なら俺も
参加出来るのだが、『他の男と一緒に』と言うのが気に食わない。『クロススイッチ』を
使って入れ替わってもみたが、現実と違って漫画の中では名前が主人公の物に固定されていて
萎えた。『主役はめ込み機』で先に主人公を自分に置き換えてから入っても、自分の顔をした
別人がいるだけだった。『とっかえバー』を使えば完全に入れ替われるだろうが、下手すると
自分が元に戻れなくなる可能性が高いためパス。
 なら写真集関係はどうかというと、これもあまり良くはなかった。グラビアは俺に向かって
ポーズを次々決めてくれるのだが、掲載分が全部出るとその女は消滅してしまうし、なら、と
途中で襲いかかっても同じ。投稿系の『パンチラ・逆さ撮り』の類だと、その瞬間ごとに連続で
立ち会えるが、あまりに早すぎて一枚ごとに絵柄のまったく違うパラパラマンガを見ているような
感じだった。無論、『タンマウォッチ』で止めてしまってはH出来ないのは言うまでもない。
 そんなわけで俺は靴を使ってエロ本の中に飛び込むのを諦めかけていたのだが……
ここでまたまた『ピカンッ!』と俺の頭に電球が灯ったのだ。
 やり方は簡単。自分好みの話の本を作ればいい、主人公の登場しない本を。いわゆる、
『設定集』というヤツだ。……それも、ご都合主義満載の、な。
 本を作るにしても、イチイチ製本所に持っていく必要もなく、ワープロソフトで
作った物をプリンタで印刷し、二つ折りにしてホチキスで止めて行くだけだ。前にアニメヲタクの
ダチが貸してくれた『コピー本』とか言うのと同じ作りだな。

 少しの休憩をはさみ、俺は作業を再開する。

 文章を書くのは苦手な俺だが、スケベ心の為せる技か、早朝から始めて昼過ぎには
とりあえず形になった。
 中身は俺の欲望と妄想を叩きつけまくった設定と、その世界を説明する形のプロローグ
掲載され、本編は次の本から始まるという『引き』を入れてある。プロローグは
完全な設定資料では入れない事が分かったために、急遽追加した部分だ。
 靴痕とシワのついた表紙に書かれた表題は『ハーレム:女護ヶ島』。女護ヶ島とは
ハーレムについて調べた時に引っかかったキーワードで、若い女だけが住む島の事。
この島に流れ着いた男はいたれりつくせりのハーレムを楽しめるが、その女たちは魔物で、
疲れて眠った男を頭から貪り食ってしまうらしい。
 俺はこの話を徹底的にエロで染め上げた。今からその楽園に行く事が出来るかと思うと
興奮で胸はバクバク、股間はビンビンになっている。俺は深呼吸をしながら『靴』をはき、
出来たばかりの本の上に飛び乗った。

 さあ、魅惑の世界へ潜入(ダイブ・イン)っ!




☆次回予告

?「さぁて、次回のSSは?」
良樹「主人公の秋森良樹だ。まったくここの作者は、いちいち理屈こねてねーで
   さっさとヤらせろってんだ。今回の話だって、本編の俺の童貞卒業が
   しばらく後になるから、それまでの場繋ぎだそうだし……まったく、
   これだからストーリーを作りたいだけの3流作家はよぉ……。でも、
   その俺の初めての相手ってのが……ぐふふ。

   で、次回の番外のネタは、『男の楽園っ! やっぱりお姉様でしょ』
   『同年代の体も捨てがたし』『ろりぃたぼでぇにク~ラクラ』の三本だっ!」

?「次回もまた、見てくださいね~。ンガンン」

良樹「……て、ちょっと待てっ! 俺はロリじゃねぇぞっ!? 勝手に締めるな、
   そこの謎の女っ!!」

                            』


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最終更新:2007年05月20日 06:03