アジ・ダハーカ

+ 基本情報
  出典:『アヴェスター』、『シャー・ナーメ』
  属性:ドラゴン
伝承地域:イラン
 大きさ:翼を広げると、天を覆い隠すほど。推定全長500 - 800㎞。

ゾロアスター教の邪神アンラ・マンユが世界を破壊するために作り出された悪龍。

概要

3頭3口6目の姿をしており、頭はそれぞれが苦痛、苦悩、死を表している。手足はないが、広げると天を覆い隠すほど巨大な翼をもっている。

残酷で狡賢く、人語も理解でき、千の魔法(例えば、炎、水、雷、風、氷、毒、変身、バリア、治癒など)を習得しており、神々を苦しめるほどの威力がある。剣などで斬りつけると、傷口から体内に宿していた有毒の生物や害虫が解放され、やがて世界を埋め尽くすという。

名前について、アジは「蛇」という意味だが、ダハーカの意味はよくわかっていない。

作中での活躍

『アヴェスター』では最高神アフラ・マズダーとその息子の炎の神アータルと「輝く光輪」を巡り争った。千の魔法を使って敵対勢力を苦しめ光輪を奪い取ろうとしたが、アタールがアジ・ダハーカの口の中に入り、そこで燃え上がり、「地上に来られないように、決して世界を破壊できないようにする」と言うと萎縮して退いたという。

その後、原初の人間イマを殺し、イマの2人の娘を奪ったが、英雄スラエータオナに奪い返され、頭・首、心臓を撃たれて殺されかけたが、スラエータオナが切り付けたときに傷口から大量の蟲がでてきたので、これらの蟲が世界を埋め尽くすことを懸念したスラエータオナによって生きたままイランの名峰、ダマーヴァンド山の地中深くに幽閉された。そして、世界の終焉が来たときにアジ・ダハーカは復活し、世界の三分の一を貪り食い、最終的には英雄クルサースパに殺されることが決まっているとされている。

『シャー・ナーメ』では肩から蛇を生やした人間の姿の悪王ザッハークという名前で登場し、フェリドゥーン(スラエータオナのこと)に退治された。

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最終更新:2025年06月14日 22:31