アリアハン大陸の最北東、大海に面した森の淵。
真上に昇った太陽が、揺れる水面(みなも)に映し出され、たゆたうように輝いている。
アルスが
ゾーマより受け取ったメダルに刻印されていた紋章、
それと同じものが、まるで一種の誇りのように、胸に大きく描かれた緑色の服。
そして額には大きなゴーグル。
そんな身なりの一風変わった少年が、
海面に足を浸し、バシャバシャと水飛沫を上げながら、
膝の上の
アイテムをジット見つめていた。
サマルトリアの王子――
アーサーは、
自分に支給されたアイテムの理解に苦しんでいた。
(一見、剣なのですが……
この、なんとも持ちにくい柄の形状は何なのでしょうか?
そしてさらに謎なのは、この引き金です……。
これは一種の
ボウガンのようなものなのでしょうか?
相手に剣であると思わせておいて、油断した相手を遠距離から仕留める……?
なるほど!きっとそうに違いありませんよ!!)
アーサーはアイテムを手に取り、立ち上がった。
それを数メートル離れた木の方に向け、シッカリと狙いを定めてトリガーを引いた。
カチッ………………カチッ…………カチカチカチカチ…………
(………………おかしいですね
新種のボウガンと思わせておいて、やはり剣なのでしょうか……?)
アーサーは次にそのアイテムを、剣として両手でシッカリと持ち構えてみた。
そして、近くの木の梢に激しく斬りつけてみた。
バサバサバッサ……パラパラ……
(…………切れ味も最悪ですね……。
ひょっとしたら棍棒のように、敵に叩きつけることでその真価を発揮するのかも!
では早速、手ごろな岩でも……)
こうして、アーサーはひとりで無駄に時間を浪費していた。
【アーサー(サマルトリアの王子) 所持品:
ガンブレード
行動方針:謎のアイテムを理解したい】
【現在位置:島最北東の森の淵】
最終更新:2011年07月17日 20:09