膠着状況の打破

アリーナの声に応じて、剣を構えるクラウド
だが、彼は傍らのアリーナを征するように片手を広げるのであった。
「さっきからずっと話は聞いていたし、戦いも見ていた、何はともあれ傷を治してくれたのは事実だ」
話しながらもクラウドは構えを解かず、じっとデスピサロを睨みつける。
(武神覇斬が決まればおそらくは倒せる、だけどしくじれば2人とも死ぬ)
「出来れば、俺たちをこのまま見逃してくれないか?」

「何をたわごとを」
一笑に付せるデスピサロだったが、彼もまた冷静に頭の中で計算をめぐらせる。
(この構えからみて、クラウドとやらかなりの手練、おそらくライアンと同等かそれ以上、
しかもこうなると、アリーナの存在が厄介になるな)
だが、あのような子供騙しに引っ掛かった挙句、見逃すのでは腹の虫が納まらないし、
何より責任を感じているであろうサマンサに申し訳が立たない。
たとえこの場限りの、かりそめの縁だとしても、王族として自分を慕う者が掻された恥は、
ぬぐってやらねばならぬ。

膠着状態が続く中、そのサマンサだが、
「・・・・」
先ほどから暗い目でうつむき、何やら呪文を口ずさんでいる。
その言葉を聞いたデスピサロの顔色が変わる。

「バカな、こんな場所でドラゴラムなどと!」
ドラゴラム、という言葉を聞いてアリーナもまた血相を変える。
「クラウド!逃げるわよ、あの魔法使い、ドラゴンに変身しようとしてるわ!」
地下道に大声が響き渡る、しかしサマンサは怒りで完全に頭に血が上ってしまっているのか、
詠唱を止めはしない。

アリーナとクラウドは一目散で壁を蹴り地下道の彼方へと消えていく。
そのがら空きの背中に一撃を加えることもせず、デスピサロはサマンサの襟首を掴む。
「やめぬか!お前らしくもない」

「はい」
その明快な回答にデスピサロは拍子抜けし、思わずサマンサを掴んだまま転びそうになってしまった。
「ドラゴラム、ではなかったのだな」
「はい、膠着状態から抜け出せぬようでしたので、あえて一芝居を・・・それにしても先ほどの失態はなんと詫びれば
しかも、あのような小娘に」

「いや、あれは余の責任でもある、またお前に助けられたな、あの状況が続いていればどうなっていたか」
ねぎらいの笑顔をサマンサに向けると、そのままデスピサロは壁にもたれ座りこむ。
「流石に疲れた、しばらく休むか」
そんなデスピサロの顔色をうかがいながらサマンサは意を決し、先刻からの疑問を思いきって口にする。

「あの、休むついでにお願いがあります・・・ロザリーという方のことをお聞かせ下さいませんか?」
ロザリー、という言葉を聞いてデスピサロの表情が一瞬、微妙なものへと変わる。
が、サマンサがそれに気がつく前にその表情は消えていた。

「ロザリーの事か・・・・いいだろう、憎しみも恨みも消えることは無いが
それでも振り帰る事が出来るだけの時間は流れた、その代わり少し長くなるぞ」

【デスピサロ 所持品:正義のそろばん 『光の玉』について書かれた本
 第一行動方針:休息
 第二行動方針:腕輪を探す
 最終行動方針:勝利者となる】
【サマンサ 所持品:勲章
 第一行動方針:休息
 基本行動方針:デスピサロを手伝う
 最終行動方針:生き残る】
【現在位置:地下通路(大陸中央付近)】

【クラウド 所持品:ガンブレード
 第一行動方針:仲間(エアリスティファ)を探す】
【アリーナ 所持武器:イオの書×3 リフレクトリング ピンクのレオタード
 第一行動方針:ソロを止める(倒してでも)
 第二行動方針:クラウドをティファに会わせる
 最終行動方針:ゲームを抜ける】
【現在位置:地下通路(大陸中央付近)】


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最終更新:2011年07月17日 15:51
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