生物のからだがどのように出来上がるのかという疑問は昔から存在していた。
その疑問に対し、以前は、配偶子の中に極めて小さな子供が入れ子状に封入されていて、発生プロセスとは、その小さな子供がそのまま相似的に成長して大きくなることであると考えられていたこともあった。
この考えは前成説と呼ばれる。
前成説に対し、からだの様々なパーツの形状や機能は、発生プロセスの途中で順番に決まってゆくとする考えを後成説と呼ぶ。
現在では、入れ子のような単純な前成説は否定され、後成説のほうが有力な状況ではあるが、「小さな子供」のかわりに遺伝子を持ち出す、いわば現代版前成説が唱えられることもあり、どちらかの説が完全勝利するような単純な結末にはなっていない。
最終更新:2009年05月21日 17:41