胚のさまざまな部位が将来どのような組織や器官に分化するのかを予定運命と呼ぶ。
ドイツの生物学者フォークトは、1925年ごろ、イモリの胞胚や初期原腸胚の表面を、毒性の低い様々な色素で染め分けて(局所生体染色法)、それぞれの領域がどのような分化を遂げるかを追跡した。
そして、予定運命を胞胚上にマッピングして示した図である予定運命図(原基分布図)を完成させた。
予定運命図の見方は次の通り。
まず、地図の「原点」に相当するのが原口の位置である(上下左右はあまり関係ない)。
原口の少し動物極側に脊索、さらに進んで神経板→表皮と続く(下図のように脊索領域を、脊索の前部(脊索前板)と後部(脊索後部)に分けることもある)。
表皮と神経板、つまり外胚葉領域の反対側には内胚葉、外胚葉と内胚葉にはさまれた領域は中胚葉となる。
中胚葉には脊索が含まれ、脊索の隣に体節、さらにその隣に側板が位置することになる。
中胚葉における脊索・体節・側板の位置関係はそのまま、尾芽胚横断面におけるそれぞれの位置関係に反映される。
つまり、脊索の隣は体節、脊索とは離れた位置に側板がくる。
最終更新:2009年05月21日 18:39