形成体としての原口背唇部と誘導

原口背唇部は、原腸胚初期にはじまる原腸の陥入と共に、胚の胞胚腔に引きずり込まれ、原腸の一部を構成することになる。
すると、原口背唇部だった領域の原腸は、外胚葉を裏打ちするように、その裏側に密着することになる。
原口背唇部だった原腸領域と距離が接近している外胚葉部分は、神経管へと分化するように影響を受け、距離的に遠い外胚葉部分は、影響を受けないためにそのまま表皮へと分化することになる。

シュペーマンは、原口背唇部のはたらきの発見をうけて、他の領域に影響を与えて予定運命を決定することを誘導と呼び、誘導する能力をもつ部分を形成体(オーガナイザー)と呼んだ。

原口背唇部は外胚葉から神経を誘導するが、誘導をうけて形成された神経はさらに、表皮に影響を与えることで、眼のレンズを誘導することになる。
胚が発生する際にはこのように、一連の誘導が連鎖的に起こっており、このことを誘導の連鎖という。
このことを、イモリの眼がどのようにして形成されるのかを例にして詳しく見てゆこう。
最終更新:2009年05月21日 18:42
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