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ヒトの代謝異常

食物として摂取するタンパク質は、フェニルアラニンやチロシンなどのアミノ酸が含まれており、他の生体物質の合成には欠かすことができない。
しかし、そういったアミノ酸が過剰に摂取されると、フェニルアラニン→チロシン→アルカプトンと代謝されて、最終的には水と二酸化炭素に分解される。

しかし、フェニルアラニン代謝に関与する酵素を欠くと、その下流に位置する代謝産物が利用できなくなり、フェニルケトン尿症やアルカブトン尿症などの病気がおこる。
これらの病気はそれぞれ、特有の酵素を合成する遺伝子の異常にもとづくもので、劣性の遺伝形質である。

フェニルケトン尿症

上図中の遺伝子Pに異常が起こるため、フェニルアラニンをチロシンに変える酵素が正常に機能しなくなる。
そのため、体内に蓄積したフェニルアラニンへとフェニルケトンに変って、それが尿中に排出される。

乳幼児期にフェニルアラニンの摂取量を減らさないと心身発育不全などがおこる。
フェニルアラニン含有量の少ない人工ミルクで育てることによって、障害を予防することができる。

クレチン症

上図中の遺伝子Cに異常が起こるため、チロシンからチロキシン(甲状腺ホルモン)に変える酵素が正常に機能しなくなる。
そのため、チロキシが生成されず、発達障害や代謝異常などが起こる。

アルビノ

上図中の遺伝子Mに異常が起こるため、チロシンからメラニンを合成する酵素が正常に機能しなくなる。
そのため、メラニン色素が合成できず、皮膚・毛・虹彩などが黒くならない。
白子症とも呼ばれ、ヒトでは乳白色の皮膚から血液が透けて薄いピンクに見える。

アルカプトン尿症

上図中の遺伝子Hに異常が起こるため、アルカプトンを分解する酵素が正常に機能しなくなる。
そのため、アルカブトンが体内に蓄積し、そのまま尿中に排出される。
アルカプトンは空気に触れると黒く変化するので黒尿症ともよばれる。
最終更新:2009年05月23日 15:21
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