DNA鑑定の時など、DNAを化学的に分析しようとすると、分析対象のDNAサンプルが大量に必要になる。
そのような時に、DNAを短時間で大量に増幅する方法がPCR(法)である(PCRとは、Polymerase Chain Reaction:ポリメラーゼ連鎖反応の略)。
その手法をまとめると以下のようになる。
- 目的のDNAを含む溶液を95℃にまで加熱させる。
- プライマー(後述)をDNAに結合させる。
- DNAポリメラーゼを作用させ、DNAを合成させる。
- 1〜3の過程を繰り返す。
例えば、1〜3の過程を20回繰り返せば、目的のDNAを220≒100万倍にまで増幅できる。
PCRのキモになるのが、「DNAは高温に強い物質である」ということと、「プライマーにより、増殖させるDNAの領域を限定できる」という二点である。
DNAはタンパク質とは異なり、極めて安定な物質で、100℃を超える熱水中でもその構造が破壊されることはない。
ただし、二重らせんはほどけるし、その後、温度を下げても、二重らせんが自然に回復されることはない。
つまり、温度を一度上げ下げするだけで、独立した一本鎖DNAを二本、用意することができる。
あとは、この一本鎖DNAにDNAポリメラーゼを作用すれば、DNAは勝手に合成・増殖される。
プライマーとは、DNAが合成(複製)する際に必要となる短いDNA断片である。
PCRでは、目的の領域をはさむように、二つのプライマーをDNAに結合させる。
そうすることにより、そのプライマーにはさまれた領域のDNAだけが増殖されることになる。
最終更新:2009年05月23日 19:03