花粉が葯から飛び出して、柱頭の先端に付着することを受粉と呼ぶ.
受粉した花粉は、柱頭の水分を吸収して体積を増加させる.
その結果、花粉管と呼ばれる管状構造が胚のうに向かって徐々に伸びてゆく.
花粉管に見られるこの伸長は、助細胞から放出される化学物質による正の化学走性による.
花粉は花粉管細胞と雄原細胞から構成されるが、花粉管の伸長中、花粉管細胞中の花粉管核は常に管の先端に位置し、つまり、管の伸長にともなって花粉管核は胚のうへと接近してゆくことになる.
もう一つの細胞である雄原細胞は、花粉管核の後を追うように花粉管の中を移動してゆく.
そしてその際、精原細胞は体細胞分裂を起こして、二つの精細胞を形成する.
花粉管が胚のうに到達すると、この二つの精細胞は胚のうに侵入して、一つが卵細胞(n)と受精し、もう一つが中央細胞(極核:n+n)と受精する.
二種類の受精が同時に起こることから、被子植物独特のこの受精様式を重複受精と呼ぶ.
受精後、卵細胞からは胚(n+n→2n)が、中央細胞からは胚乳(3n)が生じる.
最終更新:2009年05月21日 17:09