ヒストリー
7
渉/ジン
殺されそうになった
いずみを間一髪のところで救出したのは、
DTの強力な治療能力を持った
ジンでした。ジンは回収された
綾乃のバラバラ死体を追って、
教団施設内に潜入していたのです。
いずみの救出には成功したジンですが、逆に教団の
対DT兵器の攻撃により、DTごと意識を破壊されてしまいます。ジンは死ぬ直前、無理を承知でその場にいた
渉の肉体への移住を試みます。一方ジンの肉体の方は、DTを全て破壊され、本来のウシの姿に戻ってしまいました。
普通、ヒトには
DTセルは感染しません。しかしごくまれに、DTセルに拒絶反応を示さない、特殊な体質の人間もいます。数百万人に一人といわれる限られた特異体質の持ち主だけが、
DTマスターになれるのです。
驚異的な偶然か、それともジンに見分ける力があったのか、渉は
マスター能力の持ち主でした。渉の体の中に、ジンが急速にネットワークを張り巡らせました。DTが脳に入り込み、渉の記憶は書き換えられました。
新しい渉にとって、全ては既に知っていることになりました。DTの開発史や、自分の肉体を改変する方法、火炎を出す技術や、身の回りの
有機物を別の生物に変える方法。それら全ては子供の頃から何度も教えられ、訓練を受けたことであるかのように思えてきました。
渉は、
黒川に対する反撃を開始しました。黒川も
リオーグ戦闘員などを差し向けますが、DTマスターである
渉/ジンの圧倒的な力の前には、なすすべもありません。戦いの結果は明らかでした。渉の
合成した凶暴な獣の餌食となり、黒川は絶命しました。
最終更新:2024年09月03日 23:34