ヒストリー
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研究も終わりに近づいたある日、淡島博士はオステルンの研究所内で一人の人物の姿を見かけました。篝松博士といって、世界中の紛争地域に出かけては人をさらい、人体実験を繰り返しているという、黒い噂の絶えない狂気の科学者です。

淡島博士は研究の新しいスポンサーの正体に疑念を抱き、調査を開始しました。すると一連のできごとの背後には、「マハト」と呼ばれる謎の組織が暗躍していることがわかりました。

マハトは国際的な秘密結社です。その理念は、自由や力への意思を持つ人間が、そうでない劣等な人間を支配すること。実際マハトは巨大な多国籍企業を傘下に収め、世界中に大私兵集団を展開しています。

ですが、彼らはそれで満足したわけではありません。人間が生物としての欠点から解放され、自らの意志でより強力な存在へと進化する方法を模索しました。こうして設立されたのが、シルヴァプラナ機関です。

シルヴァプラナ機関の科学者たちは、人間の肉体を思い通りに改変するための道具として、ナノマシン「DT」開発を始めました。淡島、戻橋、緋瓦らの研究プロジェクトにも早くから着目しており、世論操作や政治家への圧力で研究を中止させたのです。

そして傘下のオステルン社で淡島らに研究を続けさせ、他の場所で行われていた研究の結果も統合し、DTを完成させたのでした。

篝松博士は、このシルヴァプラナ機関の中心人物の一人でした。最初はスイス、後に日本で研究を続け、DTを使って「リオーグ」と呼ばれる新しいタイプの改造人間(サイボーグ)を作っていたのです。

シルヴァプラナ機関は他にも、「ライマージ」と呼ばれるミュータントを研究しているフォイエルバッハ博士、「DTam」と呼ばれるロボットを作っているクズネツキー博士などが在籍しています。
最終更新:2022年06月26日 01:28