派生元のゴアトランスがそもそもインドのゴア地方で発生し始めた音楽なので、多少宗教味が残った楽曲も少なくない。サンプリング元などにも使われることが時たまある。が、こちらは踊ることと陶酔感を出すことに特化している点で異なる。
レイブ文化と一緒に成長したジャンルで、曲風も陶酔感を引き出すように作られている。
そっち系との繋がりも深い。
曲作り
全体的にストイックに仕上げる。恍惚感を引き出すための音楽なので、1, 2小節のループと、8小節単位ぐらいの展開で踊りやすいように曲を作っていく。
構成
大きく分けて
イントロ、
ブレイク、
コーラス(サビ)、
アウトロに分かれ、ブレイクとコーラスは交互に来る。盛り上がりと静かになる部分が交互に来ると思えばいい。
ブレイク部分の作り込みは意外にも難しい。ここはアーティストによって全く違うので、自分で研究するしかない。
パート
大きく分けて
ドラム、
ベース、
ウワモノ。サイケデリックトランスはどの曲でもメイン部分の構成はほとんど変わらない。
良くも悪くも
Nexus2に作りこまれた音がみんな入っていて非常に便利なので、面倒な部分だけは甘えてもいいかもしれない。足りなければPsytrance Expansionを買うのもいいだろう。
もし本気でやるのならば、
ハードシンセに手を出すという方法もある。
サイケデリックトランスのキックは
リリースが短めである。低音が間延びしないように、また重く長くなりすぎないように注意すれば、そこまで難しい部類には入らない。生ドラムの
サンプリングに
コンプレッサーを掛けて、
EQで上手く調節するだけでもそれなりのものが出来るはず。
4分打ちでループさせるだけで問題ないが、ところどころ抜いたり、展開の最後の部分だけリズムを変えたり、連打したり変化を付けてやるとよりそれっぽくなる。
複数同時に鳴らすことも普通にある。
大抵は16分音符で
クローズを刻み、8分音符のうち、キックが鳴っていない方でオープンを鳴らす。
色々パターンを変えてあげたり、
ライドのような音を入れても面白いだろう。
音は707、808、909系統や、適当なダンスミュージック用のものを元に使って作りこんでいけばいい。
これもハイハット同様、特に言うことはない。適当なサンプリングを加工すればいい。
2拍目、4拍目に入れたり、盛り上がるところの前(
ビルドアップ)の連打に使ったりする。
サイケデリックトランスっぽさを出すための重要なポイント。拍の頭はキックと被るので、
- キックと被る部分は鳴らさない
- 小さく鳴らす
- サイドチェインコンプレッションを使う
などの処理を行い、低音が被りすぎないように注意する。
リズムは一定のパターンで鳴らす。よくあるものとして、
- 16分音符でひたすら鳴らす
- 三連8分で鳴らす
- 「ドッドド」のように、上記パターンの一部を抜く
といったものがある。
フィルターは
ローパス一択。アタック、サスティン、リリースは最小で構わない。ディケイで調節する。
レゾナンスは少し強めに掛けた方がPsy-Tranceっぽくなる。
フリケンシーは耳で聴きながら調節すれば難しくないはずだ。
あとはEQで整えてあげるだけで様になる。アタックを短め(5~50ms程度)にし、
レシオ、
スレッショルドもきつめにしたコンプレッサーを掛けると、よりアタック感が出る。
LSDによる幻覚を想像させるような、えげつないレゾナンスが掛かった音に仕上げていく。ここは、
アーティストによってある程度個性が分かれてくるところ。
アタックは最小、リリースは短め。ディケイとサスティンはお好みで。ディケイは長すぎない方が使いやすい。
フィルターは
レゾナンスを大きく上げることが重要。
LFOで
フリケンシーや
レゾナンスを
オートメーション(自動で周期的に動かしてあげること)させても良いが、できれば手でオートメーションを描いてあげた方がいい。
自由度も高くなるし、展開を作りこむことができるので「ループさせただけです」感が減る。
曲の後ろで薄く鳴らしたりするのに使う。展開中のブレイクでは、持続音を出すのに必須。
フィルターは必須といってもいいぐらいのエフェクター。これ無しにサイケデリックトランスは作れない。
独特のえぐい音は、
ローパスフィルターの
レゾナンスを高くした状態で、
フリケンシーや
レゾナンスを動かしてあげると出来る。
ゲートなどでリードの音を途切れさせても良いだろう。リバーブは深く掛け過ぎないように注意する。あくまで空間を意識させる程度にとどめること。
サブジャンル
大体これ。正式名称はナイトフルオン。
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サイケデリックトランスの中でも、特に攻撃的でエグイ音作りで聴かせ、
恍惚感を引き出すことに特化しているジャンル。
音数も他と比べてあまり多くない。
ダークほどのエグみは無く、爽やかさや壮大さ、荘厳さといったものが強い。
プログレッシブ
トランスにも近め。
音数が特に少なく、それぞれの音も短いもの。
最終更新:2015年12月30日 11:48