序章「古城の試練

アベル、トル、カイの三人は濃い霧の中を歩いていた、どこからきてどこへ行くのか。あるべきものが三人には欠如していた・・・・。
それは記憶。“ナーダレス”その単語のみが三人を繋ぐわずかなキーワードだった。険しい山道を行く三人はやがて旧い城へとたどり着く。

 「運命に抗いし者達よ、己に課せられた運命の真価を問いたくばわが試練に応えよ」

3人は古城の門をくぐり、無機質な城の中に張り巡らされた罠を掻い潜り。やがて声にしたがい、試練を潜り抜けた。
その先は、霧に閉ざされた街があった。
 ”ミストヴェール”そう呼ばれたその街にはまだ建物はおろか、人の気配はなかった。
中央の神殿を除いて・・・。

 神殿をくぐるとそこで待っていた者は声の主、自らをガルディアと名乗る老人が居た。
彼は運命に抗う者を選定する観測者であり、同時に“ホーム”と呼ばれた神殿の管理者でもあった。神殿は運命神アルモニア=ミラを祭る神殿であった。
 アベル達を迎えいれたのは、ガルディアを含む3人。ヘレンパールと呼ばれた、盲目の巫女。そして小さな妖精のセルヴォーであった。
 ガルディアは再度、アベル達に問うた。自らに課せられた運命、それを確かめる覚悟はあるかと。アベル達は自らの運命の一部をおぼろげに思い出す。
 ”巨悪に対抗する英雄を蘇らせる”“破壊神ナーダレス” この二つをキーワードに彼らは自らの運命に対峙する覚悟を決めた。

 そして招かれたのは神殿の奥、そこは“扉の間”と呼ばれる空間であり、その名の通り。螺旋階段の周りを様々な形状を持つ扉が渦巻いていた。そしてその扉達はガルディアの命により、選定される。

 「運命にしたがいし扉よ、いざ来たれ」

無数の扉のうち、アベル達の運命に交差する扉が選ばれた。アベル達はその扉を開き、自ら嵐の渦中に飛び込んでいった。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2013年06月24日 18:51