カイの記憶では、そこは剣神
タケハヤを祭るほこらであった・・・。
そう、彼はどこかそこに見覚えがあった。そこに居た傷を負った男、そして少年を背に庇い剣を携えた少女。
そして、彼らを狙う暗殺者達。
カイは反射的に剣を抜いていた、この二人を救わねばならない。暗殺者との間にカイ達は割って入った。
彼らは自らを“
虚無の道”と名乗った。カイ達を見て、「予言の通りであった・・・」とも。
狭く、暗い祠の中。辛くも暗殺者達をしりぞけたカイ達は、怪我を負った男性を治療した。彼は
スパーダと名乗り、自らはソードマウンターと呼ばれる剣の部族の者だと身を明かした。少女は
イェルダと名乗った、そして子供はカイ達をぼぅっと見たままであった、どうやら口が利けないらしい。イェルダは彼を幼い頃に拾い、自らの弟のように彼を育てていると語った。彼らの居た村はすでに”虚無の道”により滅ぼされてしまい、残ったものは隠れ里へ逃れたと語った。
カイ達は、その隠れ里へとイェルダたちを送り届けるも、“虚無の道”と結託したオークの部族が隠れ里を血眼に探し、見つかるのはじかんの問題だと語った。
部族の長であったスパーダが戻り、ソードマウンター達は気力を取り戻すも、山3つ分の勢力を集めたオーク軍に勝つ事はとうてい難しい。
スパーダはある提案をカイ達に託した。
盾の部族、彼らが遺したアーティファクトが、星海湖の底に眠る海底神殿に残されている、それを持ち帰り起動させれば、勝機はあると・・・。
タイムリミットは1週間。
カイ達は、水の底に潜る船を持つと呼ばれる、海賊
ジェット=トラッシュマンなる人物を探すため、城塞都市
ポートフォールを訪れた。
そこで待ち受けていたのはジェット・・・、ではなく、赤眼海賊団頭目、血眼
アハディと呼ばれる悪漢であった。
彼に騙され、血眼アハディの船で絶体絶命の所、アハディの部下の一人が、海に向かって信号弾を送った。
裏切り?いやちがう、彼こそは、いや彼女こそ、
海蛇海賊団副船長
ビュール、そして信号の先。波が盛り上がり、その巨体が姿をあらわす。
シーサーペント号、それこそ海底を往く、海蛇海賊団の象徴、ジェット=トラッシュマンの船であった。
シーサーペント号に非難し、カイ達はアハディを退け、彼もろとも沈んでゆく船を見届けた。
ジェットは、カイ達に会い、
アベルの纏う紅いクロークを見て。自らを“
レッドクローク”なる団体に所属する者だと明かした。カイ達は、事情を説明し、ジェットの船で海底神殿まで行く約束を取り付けた。
海底神殿は、広大な星海湖の深くに在った。忘れられ朽ちたその神殿は、悠久の時にあるかのごとく荘厳であった。シーサーペント号は空気の残る一画に隣接し、カイ達は内部へと侵入。だがそこには既に“虚無の道”の追ってが差し迫っていた。
暗殺者達を退け、海底神殿の深く、静寂の中に安置された盾がひとつあった。それこそが、あらゆる災厄を退けると云われた“
ナシカの盾”と呼ばれる、盾の部族のアーティファクトであった。しかしながら、まだ追っては差し迫っていた。暗殺者はアザハッドと名乗った、彼は無い両手の代わり、その両足付けられたブレードブーツにてカイ達を襲った。
辛くも勝利したカイ達は、ナシカの盾を片手にシーサーペント号に逃れ、無事、隠れ里に帰り、ナシカの盾の力にてオーク達を退けた。
しかし、それで終わりではなかった・・・。すべてを見届けて去ってゆくシーサーペント号、その姿が海の彼方にて爆破され、崩れてゆく。カイ達は唖然とその光景を見届けるしかなかった。
すべてを終え、カイ達はスパーダ達に別れを告げた。そしてカイは、ずっと自らの中に在った違和感に気が付いた。そのきっかけはイェルダに付きっ切りだった子供が、自らの名を明かしたのだ。“カイ”その名を。
カイは思い出した、自らの目の前で惨殺された養父と義姉の姿を。そして同時にそれを自らの手で救い、失ったすべてを取り戻した記憶を・・・・。運命は流転したのである。
その違和感、は一瞬の激痛と共に記憶を呼び覚ました。自らがたどった運命を、自らの手で取り戻したのであった。そして、大切な家族を、滅びるはずであったソードマウンター氏族、最強の剣の部族を自らの手で護ったのであった。
やがて、その部族から英雄と呼ばれる者が存在するのか?運命はそこにあったのかもしれない、カイ達は気がつけば、ホームに帰ってきていた。運命の旅は一度終わりを告げたのであった・・・・。
また、次の扉が選定されるそのときまで、一時の休息をカイ達は取った。数々の謎を残しながら・・・・。
最終更新:2013年06月25日 12:57