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<p>02 俺の学校に手を出すな!</p> <p>「緊急事態です。校舎内に何者かの侵入を許してしまいました。数は2名。恐らく、先日と同一人物かと思われます」</p> <p> 班の責任者である黒川が淡々とした口調で言う。職員室には、天、クロ、七星、黒崎に加え、警戒態勢でなくとも普段から学校に寝泊りしている、歴史担当のリョクが集まっていた。</p> <p>「……で?クロさん」</p> <p>天は引きつった笑みを浮かべ、クロの胸倉を掴む。</p> <p>「あなたは一体何をしていたんですの?」</p> <p> クロがのこのこと職員室に戻ってきたのは、職員室に全員集まった後だった。怜悧と大介はもう動ける状態ではないらしく、校庭に待機させているそうだ。天に吊るし上げられたクロは、げほげほと咳き込みながら答える。</p> <p>「いやあ……、なんつーか、ちょっと油断してたのかなー。参ったよホント、はっ、はははー」</p> <p>乾いた笑い声を上げるクロに、5人分の冷たい視線が集まる。クロはゴホン、とわざとらしく咳払いすると、黒川に向かって尋ねる。</p> <p>「これからどうするんだ?」</p> <p> 「侵入者を捕らえます。2人ずつ3組に分かれて、それぞれ別の校舎を捜索。見つけ次第、取り押さえて下さい。魔法使用の許可は下りているので、手段は選ばなくて結構です」</p> <p>「魔獣は?」</p> <p>天が訊くと、黒川は表情を更に険しくする。</p> <p> 「既に侵入者が魔獣と『契約』を交わしてしまった可能性があります。しかし、そうでない場合──契約が失敗しているのだとしたら、魔獣は暴走しているかもしれません。もし遭遇した場合、捕獲が理想ですが、手に負えないと感じたら無理をせずに退却、或いは倒してしまっても構いません」</p> <p>黒川の言葉に、全員が無言で頷き、それぞれ職員室を出ていった。</p> <p> </p> <p>「あら?」</p> <p>A棟を捜索していた黒川と黒崎は、階段を下りようとして、ふと足を止めた。</p> <p>「誰かいますね」</p> <p>声を潜めて言う黒川に対し、黒崎は口端を吊り上げにたりと笑うと、薄暗い廊下に向かって呼び掛けた。</p> <p>「前置きはいらないからさっさと出てきなさいよ。私と黒川先生のコンビ、人呼んで『ブラック・イーグルス』が相手してあげるから」</p> <p>「呼ばれてませんから!つか、ブラックを付けたら何でも格好良くなると思ったら大間違いですよ!」</p> <p>「あら?じゃあゴールデン・イーグルスにしとく?」</p> <p>「それじゃ東北の球団でしょうが!しかも肝心の『黒』を抜かしてどうすんですか!」</p> <p> 止むを得ず突っ込み役に徹する黒川だったが、背後で床を蹴る音が聞こえ表情を硬くする。咄嗟に振り返るが誰も居ない、上か──目線を上げると、そこにあったのは真っ黒な人影、天井を踏みつけて加速し向かってくる。狙ってくるなら頭か、首か──一瞬の志向の末、防御に構えた腕に鈍い衝撃が走る、しかし足首に受けたダメージのせいで踏ん張りが利かず、階段下まで弾き飛ばされる。</p> <p>「黒川先生!」</p> <p> 駆け寄ろうとする黒崎だったが、ふと躊躇するように足を止める。その隙を相手は見逃さない。腰に携えていたスプレー缶を手に取り黒崎に向かい吹き付ける。反射的に後ろに跳んでかわすが</p>
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