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第 3 回 勉強会 report : JOETSU Diabetes Prevention Trial

2/7(日)は、3回目の勉強会。
忙しいでしょうに、9人が参加してくれました。

随分、RCT の check 読みに慣れてこられたので、
今回から、RCT の吟味の進行役(チューター)を順番にお願いした所、立候補者がでました。

チューターされた方、突然だったから、大変でしたね~お疲れ様~☆

周囲の参加者が、途中から発言を活発にするように、フォローしてくださったので、
段々、よい流れができていきました。
いい仲間です~☆

さて、今日読んだ論文は、JOETSU Diabetes Prevention Trial(上越スタディー)。

すでに、DPP study や、DPS study などで、
生活環境の改善で、2型糖尿病の発症が抑制できることは、明らかにされていますが、
これまでの生活環境改善介入試験では、膨大な資金とスタッフ数が必要だったそう。

より少ない資金とスタッフ数で、実現が容易な「1泊2日短期入院プログラム」を開発し、
IGT から 2型糖尿病発症への抑制効果がどの程度あるかを検討されたそうです。

非常に丁寧な解析をされている印象を持った論文でした。
サブ解析は、多重比較なので、Bonferoni法 を使用しています。

周辺情報としては、DPP study と DPS study を紹介しました。

こういう論文を吟味する時は、『 患者の病態 』と『 介入の詳細な内容 』が似ているか、
をよく読み取らないと比べられませんね。
まぁ。論文の PECO がやっぱり大切ということです。

それに、『 指導者を均一に教育できているか 』も大切なポイント。
simple な指導ほど、均一化しやすいでしょうね。

それから、勉強会で伝え損ねたのですが、DM発症抑制を検討した論文は、
clinical outcome を検討した論文でないので、推奨度が下がるようです。
DM の発症によって、予後が悪くなるだろう~
という予測しかできないということなのでしょう。

論文の吟味の後、この論文の結果から、
『 薬剤師が IGT 患者さんへの指導で、取り組めること 』
をテーマに皆さんと、検討しました。

  • 「1泊2日短期入院+3ヶ月に一度のフォロー」は、診療所で無理なので、
「20-30分の指導+3ヶ月に一度のフォロー」なら、企画可能。
  • 院外薬局で契約している、管理栄養士と連携を取って指導を検討可能。
  • 診療所に管理栄養士がいなければ、薬剤師が代わりができる可能性あり。
  • OGTT2時間血糖値は、事業所診療所では社内なので測定しやすいが、病院の外来では難しい。
→ HbAic や食後2時血糖など、代替値の利用が可能でないか?
  • 服薬指導の時に、いつも指導を心がけるだけでも効果が出ないだろうか?
  • IGTの方は、薬の処方がないと、薬局に立ち寄ってくれないから、把握が難しい。
  • 高血圧や脂質異常症で服薬されている患者さんが、IGTでないかを日頃からカルテでcheckして、 患者さんをフォローするなら、できるかもしれない。
  • 窓口で指導が長くなると、急いでいる患者さんが嫌がるので、資料提供や3ヶ月に一度のフォローならできそう。

以上、私の記憶に残っている意見を挙げました。
(抜けているご意見ありましたら、教えてね。)

薬局だけでできそうな意見が多かったのが、印象的でした。

まぁ、特定健診や一般健診などをされている診療所では、
ナースや保健師や管理栄養士が、指導する役を担うことが多いので、
薬剤師の出る幕がない・・・そんな実体も反映されているのでしょうね。

施設によっては、保健師や管理栄養士が不在の施設なら、医師にこの論文を提供して、
指導内容について、相談するという方法もあるかも。

薬剤師も栄養の知識はかなり持っているハズですもの。

私は、自施設に関係しそうな情報をみつけたら、とりあえず、回覧に紛れ込ませます。
とにかく、Dr に見てもらいましょう!!!

他職種 と コミュニケーションを取って、業務を広げるというきっかけに、
RCT の提供は、強い見方になることがあるかも。

適用可能な場面を、みんなで考えるには、良い論文でしたね。
ある程度、想定できる場面を考えておくことが、臨床適用する時に役立ちます。

翌日に、勉強会が楽しかった~というご意見をいただきました。
お役に立てる内容にするよう、励みますね~♪

それから、予定していた PECO 立てができなくて、ごめんなさい。
次回、必ずしましょう♪

最後に、論文の要点は以下。

■ 論文のPECO
P:
 20~70歳の男女、BMI 24.6±3.9kg/m2の新規IGT 426人。
  ;空腹時血糖値≧100mg/dL or HbA1c 5.2~6.4%
  ;IGT(ADA2003に拠る);収縮期血圧<150mmHg,拡張期血圧<100mmHg
   除外基準:糖尿病発症患者・糖代謝に影響を及ぼす薬剤を内服;高血圧、
   高脂血症(総TC<300mg/dL、TG <220mg/dL,LDL-C<180mg/dL)

E1: 1泊2日短期入院
→  入院中  マンツーマン or グループで9レッスンの糖尿病教室(20-40分/回)
      (栄養療法)自分の標準体重にあった25-30/kgの食事(うち脂肪は20-25%)。
      (運動療法)入院中はラジオ体操
    退院後は、30分/日 5回/week walking or ラジオ体操
    退院後3ヵ月ごとの外来受診で採血・尿・体重・腹囲・血圧を測定し,
    結果を5~10分程度内科医が提示
    30 分の糖尿病療養指導 (糖尿病協会ガイドブックで栄養療法と運動療法)
                           6ヵ月毎の adherence check!
E2: 糖尿病教育・支援群
 →  E1の入院の代わりに、20-30分間の個別の糖尿病療養指導
          +指示書(健康的な生活の重要性を解説)
     以後、3ヵ月ごとの外来受診で採血・尿・体重・腹囲・血圧を測定し,
     結果を5~10分程度内科医が提示
     30 分の糖尿病療養指導 (糖尿病協会ガイドブックで栄養療法と運動療法)
                     6ヵ月毎の adherence check!

C: コントロール群
 →  IGTの一般的な情報提供(DM、Diet、Lifestyleの改善)を医師から指示書の提供
     個別の指示やグループカウンセリング・・・なし。
     3ヵ月ごとの外来受診で採血,尿,体重,腹囲,血圧を測定し,
     結果を5~10分程度内科医が示す。

O:主要アウトカム評価項目 → 血糖測定値による2型糖尿病の発症率。

■ この試験の結果は信頼できるか~内的妥当性(デザイン)の吟味
デザイン : PROBE,解析者と評価者はマスキング,多施設 ITT解析、費用対効果分析あり
追跡率 : STH 97% DES 96% controlo 94%

■ 結果は何か?
新規にIGTと診断された426例(平均年齢51歳,BMI 24.6kg/m2)を平均3.1年追跡

●評価項目
  • 糖尿病発症率
1泊2日短期入院群 :8.0例/100人・年,RRR 42%↓95%CI 33-51% 3年NNT:7 95%CI 5-11
糖尿病教育・支援群 :10.7例/100人・年,RRR 27%↓95% CI 15-37% 3年NNT:11 95%CI 8-16
対照群 :13.2例 /100人・年

  • 3群とも、ベースラインに比較して空腹時血糖値、75g OGTT 2h値、HbA1c 3年間で有意に上昇
  • 3年間の空腹時血糖値、75g OGTT 2h値、HbA1cの各上昇率は、3群で有意に異なった。
  • 体重低下は、1泊2日短期入院群が、その他の群に比べて有意に低下。(STH -2.1、DES -1.2、control +0.4kg)
  • 体重で補正すると、DM罹患率について、有意差がなくなる。
  • 腹囲は、3群ともベースラインと比較して有意にup
  • 3年間の腹囲の上昇率は、3群で有意に異なった。
  • LDLは、6ヶ月で有意に STH<DES
  • 1年後のLDLは、有意に STH+DES<control
  • HDLは、3群ともベースラインと比較して有意にdown
  • STH、DESのHDLは、3年後有意差なし
  • cost-benefits 3年間の実費:STH $1470、DES $1090
  • 社会的な観点でDM予防:STH $21800 DES $ 26350
  • IGT → DM の年間罹患率 control group 群 13.2%, (1.5–15.7%) by epidemiological data
  • STH 群 incidence of type 2 diabetes 42% ↓in 3 years
     DPP (58% in 2.8 years) 、DPS (58% in 3.2 years), 
     DaQing study (31, 42, and 46% in 6 years)、the Malmo¨study (33% in 5 years)
  • STH 群: diet 4時間指導 → 最初の3ヶ月の介入でほとんどの参加者の体重と検査データが改善
  • STH 群:体重4.3% ↓ at 1 year 、2.3% ↓ at 3 years
     DPP (6.9% at 1 year and 4.3% at 3 years),
     DPS (4.7% at 1 year and 3.9% at 2 years)

ヾ(*'-'*)
最終更新:2010年11月29日 13:43
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