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第 13 回 勉強会 report : CD Magnesium sulfate for treating of acute asthma

日時:平成22年12月19日 14:00より 参加者9名で行いました。

JAMA ユーザーズガイドの19章に出てきたコクランレビューを読むことで、システマティックレビューのがっちりした形を体感していただくのが今回の目標でした。
しかし、そこは臨床で使用できる情報活用力をつける目的のEBMーOSAKAの勉強会。シナリオにそってレビューを討議していきます。


シナリオ
一般内科の病棟担当のあなた(薬剤師)は、喘息が悪化した26歳の女性Aさんが再度来院しているとの連絡を受けた。

Aさんは2週間前に救急科に入院し、気管支拡張薬による治療、そして短期間の経口ステロイドの処方を受けて退院した。
また、最近飼い始めたばかりの猫を処分するようにすすめられたものの、それができないていた。
2週間前に救急科を退院した時点では、1秒量(FEV1)は予測値の78%だったが、今では予測値の41%となり、最大呼気流量(PEFR)は予測値の13%になっている。
さらに、動脈血ガスはpH 7.37、PaO2 69mmHg、PaCO2 44mmHgである。
担当医は、気管支拡張薬と副腎皮質ステロイド薬による治療を開始し、中等症病棟で治療するのがベストではないかと考えていたが、
担当医の後輩のDrが硫酸マグネシウムの静注治療を提案し、今回のトピックを扱った Cochrane library のレビューを印刷して持ってきた。
(JAMA医学文献ユーザーズガイドよりアレンジ)

【シナリオのPI(E)CO】
P:26歳の女性Aさん
2週間前に喘息発作にて入院→退院
気管支拡張薬+経口ステロイド
猫を飼っている
退院時、FEV1は予測値の78%→現在、FEV1は予測値の41%、PEFRは予測値の13%
動脈血ガス pH7.37、PaO2 69mmHg、PaCO2 44mmHg
血液ガスの読み方(PDFファイルです。注意!)
PaO2はかなり低いが、他はそこまでの数値ではないかも。

I(E):現在の治療+硫酸Mgの静注を行う

C:現在の治療のみで、硫酸Mgの静注を行わない

O:救急科受診の減少
入院の必要がなくなる
レスキューの減少
喘息発作をなくす
FEV1、PEFRを下げない
猫を飼えるようになる

使った論文は以下です
Magnesium sulfate for treating exacerbations of acute asthma in the emergency department.
(2009年版)
急性期病棟において急な喘息増悪の処置に硫酸マグネシウムを使用することができるかどうかをまとめたコクランライブラリ上のシステマティックレビューです。

コクラン共同計画とはなにか


【論文のPI(E)CO】
P:救急科を受診した急性喘息患者(大人と小児)
I(E):硫酸Mgの静注を行う
C:硫酸Mgの静注を行わない
O:primary outcome 入院

結果:
1次アウトカムの入院 :OR=0.54,95%CI=0.33-0.88(Peto OR)
結果には研究間でのばらつきあり。(異質性検定 P=0.00093 I2=76%)

重症の喘息群:OR=0.14,95%CI=0.07-0.30(異質性検定 P=0.97,I2=0.0%) 
中等度の喘息群:OR=1.36,95%CI=0.72-2.54(異質性検定 P=0.96,I2=0.0%)

ちなみに、JAMAユーザーズガイドのP500、図19ー2における表(2000年時のデータ)と今回のCD(2009年)とでは結果の表現方法が違いました。
重み付けを考えて統合した結果が今回のデータ表現として使われています。
値は違うけど、フォレストプロットの雰囲気は同じようなものです。
(Peto Odds Ratio:期待値との差分を分散で割ってexpをとったもの)

結果としては、重症喘息群と中等度喘息群とを統合すると異質性が出ている →この2群は性質が違う可能性があると考えていい。


コクランライブラリのレビューは大変まとまっていて見やすいのですが、ややもすると知識だけを得ようとしてしまいます。
ここは自らが対面している現実(シナリオ)に適用ができるのかをきちんと見極めることが重要になってきます。
つまりは「いつサブグループ解析を信頼するか。」(JAMAユーザーズガイド20.4章)という判断です。
整理された論文というのは、すぐに自分も「その通りだ!」と簡単に思ってしまいがちですが、実は整理した側の論点を鮮明にさせておかなければなりません。
自分のおかれている状況と違う論点であったかもしれないからです。製薬メーカーで作成されるパンフレットにも同様のことがいえると思われます。
簡単に見やすく整理されている論文ほど強制力が強くなりがちなのですね。


その他:
硫酸マグネシウム注射や吸入は日本においては適応がありません。
その話から「ラシックス吸入」の話題へ展開がありました。
http://blog.livedoor.jp/kotaroworld/archives/51279720.html
ラシックス吸入が喘息やCOPDに有効であるという論文データ(N Engl J Med 321:1069-1073,1989)に関連した論文を
個人でも読みましょうかという話になりましたね。
 
(@neyapen  wrote)

* おまけ*
主催者が風邪をひいてしまい、皆様にご迷惑をおかけしました。
勉強会の setting をして、neyapen さんにお任せして帰らせていただきました。
何の心配もしていませんでしたが、さすがは、GW に慣れておられる参加者の皆様ですね。

今回の勉強会report をお願いした所、neyapen さんとburiko さんが名乗り出てくださりました。

buriko さんからいただいたまとめは、こちらです。
ありがとうございます。

そして、ラシックス吸入の論文の話・・・続きは、web でしましょうね。

ヾ(*'-'*)  ta_nto wrote

最終更新:2011年01月05日 22:44
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