「ギルティ・プレジャーズへようこそ。我々は貴方がたの下僕です。この上無く邪悪な願いを現実のものとして差し上げましょう」
異能
・不死なる運命のヴァンパイア:S++
蝙蝠や狼、霧などへの変身能力、非常に高い再生能力による不死性、人は勿論獣を遥かに凌駕する強力な身体能力、抵抗力の弱い者を魅了する魔眼などのヴァンパイアとして王道的な能力と、ヴァン=クラウス・カルザリア固有の特性。
ヴァンパイアの集団の主であるマスターヴァンパイアらしく、ヴァンパイアが備える基本的な能力の全てが他のヴァンパイアを容易く圧倒するほどの非常に高い次元で完成している。
特に不死性、再生能力はマスターヴァンパイアとしても常軌を逸したレベルとなっており、死亡状態からの蘇生すらも可能とする。
それらとは別にヴァン=クラウス・カルザリア独自の特性として、一度でも自身にダメージを与えたもの克服し耐性を得るという性質を持ち、銀などのヴァンパイアに対する明確で致命的な弱点ですらも一度でもその傷を受ければ克服し、耐性を得る。
ただしこれは呪術的なものであり、克服による耐性を得る事ができるものは、その由来から他者から与えられる苦難に限られる。そのため自分の意思で銀などによって己の体を傷つけても、それを克服し耐性を得るのは不可能。
この性質は太陽や流水などの意思のないものへの耐性を得ることは基本的に無いが、他者によって太陽や流水を利用した攻撃を受けるなど、他者から与えられる苦難という条件を満たした場合は耐性を獲得することが可能。
また、ヴァンパイアとしても常軌を逸した再生能力によって、致命傷を受け、その傷を癒すために行われる第一段階の仮初の死、肉体を完全に失うことによる第二段階の喪失の死、そして第三段階の真の死の三つに分割されている。
克服の性質によって得た耐性は永続的に引き継がれるが、この耐性は肉体が得るものであるため、第二段階の喪失の死によって肉体を完全に失うと、克服の性質によって得た耐性はすべて失われる。
結果として完全に殺し切らない限り永久的に弱点を克服していくため、ヴァンパイアとしての身体能力や変身能力以上にその生存能力が強力であり、戦闘能力を高めるための模擬的な戦闘などでは発揮されないものの、互いの存在を滅ぼし合う真の戦闘によってその真価が発揮される。
保有技能
・変身技能:A-
ヴァンパイアの持つ肉体の変形能力、変身能力に関する熟練を現す技能。
変身先の大きさや数、強さなどに幅を持たせる事が可能で、例として腕のみを狼のそれに変えたり、体の一部を蝙蝠に変えて使い魔として使役する事が可能。
完全な変身だけではなく、半変身という変身前と変身先の中間位置的な存在にも変身する事が可能であり、その汎用性、応用能力は非常に高い。
霧に変身する事によって束縛から逃れたり、体の一部を狼や蝙蝠に変えて間接的な攻勢をかける事や、またその数を多くする事によって群体による複数攻撃すらも可能とする。
ヴァンパイアとして古典的であり、また典型的な能力でありながらもそれを極める事で高い戦闘能力を発揮する、基本を突き詰めれば奥義となるという諺を体現している技能。
・魔術:B++
ヴァンパイアは魔術を扱うとされる一般的な認識と違わず、魔術の行使を可能とする技術。
鬼やその他の筋力に秀でるというそれらの種族の特性と同じく、ヴァンパイアの特性に因んだ並の魔術師を凌駕する威力、効果を誇る。
この魔術はヴァンパイアという種族の魔性を利用したものであり、魔力を消費するという原理は同一であるものの、その組成は理論的な側面を持つ、人の扱う一般的な魔術とは異なり、種族としての特性のものであるため、ともすれば魔術とすら認識されない。
種族的な特性というその根本的な性質上、技能というよりは異能という形容するのがより妥当。
長い年月をかけて研鑽されたものであり、高い技量を誇るが、専門では無いために熟達の魔術師のそれと比べるとやや劣るものの、変身能力とあわせてそのヴァン=クラウス・カルザリアの高い戦闘能力を支える要因の一端となっている。
プロフィール
強大な力を持つマスターヴァンパイア。ヴァンパイア・クラブ『Guilty Pleasures』のオーナー。
肉体年齢は25歳で停止していると公言しているが実年齢は不明。千年を生きるヴァンパイア、カインの末裔など出自には様々な説があるが、真相は知れず、噂話の域を出ない。
マスターヴァンパイアとして正確な数こそ不明だが決して少なくない数のヴァンパイアを率いている。勢力としての規模は不明だが、ヴァン=クラウス・カルザリア本人の実力などとあわせ、異能都市の戦力図を構築するに当たって決して無視は出来ない勢力とされる。
性格はいかにも一般的にイメージされるヴァンパイアらしい貴族的な性格であり、芸術を好み、どこか退廃的で陰鬱でありながらも魔性ともとれる不可思議な魅力があり、魅入られる者は少なくないが、あまりにも王道的とすら言えるその言動にはある種の疑惑が常に付きまとう。
その殆どが謎に包まれた人物ではあるものの、高い実力を持つ事は確実であり、その勢力とともに異能都市の影、巨大な闇の一角に君臨する。
容姿
艶のある黒髪に深い色合いをした黒の瞳を持つ、青白い肌をした不可思議な魅力と貴族的な気品を感じさせる痩身の美男。
金糸銀糸で華麗な刺繍の施された古風で貴族的な白いシャツと、細身の黒いスラックスという簡素だがその容姿とあわせて気品を感じさせる装いを好む。
銀を克服した状態では銀のアクセサリをつけるなど、自身が耐性を持つものに関わりのある装身具を身に装する服飾的な趣味を持つ。
ヴァンパイアの身体的特徴から例外となる事なく犬歯が鋭い乱杭歯に変化しているが、古典的な吸血鬼小説のヴァンパイアが棲家を訪ねてきた者に対してその本質を気取られないようにするのと同じように、基本的にそれを見せる事は無い。
最終更新:2009年08月19日 14:43