超小型大容量太陽光発電装置



(きっかけ)

インターネットでは、太陽光発電を自作している人たちの記事が
多く見ることができます。たいへんな刺激になります。

記事の多さから考えても、実際に自作を楽しんでおられる方は
日本では数十万人、世界中なら数億人はいるかもしれません。

太陽光パネルも性能(発電効率)が、出始めの頃と比べると格段に
向上しているようで、かなりのことができるようです。

また、完成品である小型のポータブル太陽光発電装置もたくさんの
種類が販売されていて、選択技は何百種類もあります。

その多くは、100Wレベルのかなり大きなパネルになっています。

パネルの一辺が1mを超える、かなり大きなもので、重くて
取り扱いには、ぶつけたりしないように注意を要します。

しかし、そのほとんどが、蓄電池は10Ah程度の小さなものです。

いつかは自作してみようと思っていましたので、発想を逆にして
屋根やベランダを必要としない、小さな太陽光発電パネルで、
大容量のカーバッテリーに充電する装置を作ってみました。

屋上とか、広い庭やベランダがあれば、完成品を購入して
それで終了ですが、それにしても価格が高すぎます。

幸い、南向けの窓がありますのでチャレンジすることにしました。

目的は、自分の部屋の照明を、すべて太陽パワーで補うという
小心者(しょうしんもの)にふさわしい、ささやかなものです。

小心者は慎重です。しかし、たまには大胆なこともします。




(コントローラーは不要です)

今回は、太陽光発電には必要とされているソーラーチャージ
コントローラーを除外して、可能な限りシンプルな装置を
考えました。

満充電状態の蓄電池に、大電流を流し続けると蓄電池は過充電で
破損し、まれに破裂します。蓄電池のご臨終です。

一般的な安物の鉛蓄電池の場合は、ニッカドやニッケル水素、
リチウムイオンなどの充電電池とは異なり、放電を続けてしまうと
過放電になり、破裂はしませんが、やはり、蓄電池はご臨終です。

ソーラーチャージコントローラーは、これらの過充電や過放電を
防いでくれるだけでなく、蓄電池から太陽光パネルへ、電流が
逆流するのを防ぐ役割も担っています。

そこでまず、太陽光発電パネルに、逆流防止整流子の内蔵された
ものを選ぶことにしました。

ショットキダイオードと呼ばれている整流素子は、低損失で、
大きなパネル向きには大容量のものもあります。

目的が、LED電球による部屋の照明ですので、放電はせいぜい
20Wまで、通常は10Wで1000ルーメンもあれば充分です。

家庭用のAC100Vで作動するのが、家庭用のものと互換性もあって
何かと便利ですのでカーインバーターのものを使用します。

カーインバーターに関しては、ダイナミックに安くなり、
カーショップでも、ホームセンターでも、家電量販店でも、
秋葉原や日本橋などの電気街でも購入することができて、
価格も千円台です。

蓄電池は、容量や価格面でカーバッテリーが最適でしょう。

乗用車用の28Ahが、容量の割には安く、100Ahあたりでは
9000円を切る破格の価格になります。

Panasonicの40B19R(28Ah)は、ネットで調べても2500円から
5323円と、信じられない安い価格で販売されています。

LED電球を点灯するのは夜間ですから、満充電状態なら、
Panasonicの6W(485ルーメン)を3個、夜間10時間を
2晩も照らすことができる計算になります。

LED電球は指向性が強いので、天井に2カ所と電気スタンドの
合計3個ですが、1455ルーメンは明るすぎて、実際は天井には
1カ所でも、ハンダ付けなどの細かい作業も苦になりません。

したがって、バッテリーを満充電にしておけば、3日間、雨が
続いて充電できなくても、使用できることになります。

理論値や計算値通りになることは、あり得ないのが世の常ですから
バッテリーは2個用意することにしました。

1個分の価格で2個も買えるとは思っていませんでした。

2個を並列につなぐことはせず、それぞれ単体で使用します。

カーインバーターは、15パーセントもの発熱ロスを出すという
大きな欠点を持っていますが、バッテリーの電圧が11.5Vまで
低下すると、自動的に電源が落ちるという大きな長所ももって
います。

この機能が大変重要で、これによりバッテリーの過放電を防ぐ
ことができます。

これを利用して、ソーラーチャージコントローラーの役割である
逆流防止と過放電防止は解決したことになり、残りは過充電対策のみ
になります。

そしてここで再び計算をしてみると、消費電力が最大で18Wなので
毎晩10時間使用するとして、180W/日の消費電力になります。

したがって、30Wの太陽光発電パネルを毎日6時間充電すれば
収支のバランスがとれるという計算値が得られます。

計算通りにいかないのが世の中ですが、目安にはなります。

インバーターの発熱ロスが15パーセント、消費電力も毎晩
10時間も1455ルーメンで使用するわけがないので、1/3カットして
20Wの太陽光発電パネルをさがすことにしました。





(太陽光発電パネル)

地球規模で見ますと、現在地球上では18テラワットの電力が
使用されています。

標準的な原子力発電所は100万キロワットですから、原発が
18000基も必要になります。

一方で、世界中ではメガソーラーの太陽光発電設備が続々と
誕生しています。

メガソーラーなら1800万基も必要になります。

ギガソーラーなら原発と同じで18000基になりますが
地球上にはそれだけの広い場所がありません。

夜間や雨の日は発電できないので、すべてを太陽光発電に
頼るのは不可能です。

しかし、風力発電ならテラワットどころか、その千倍の
ペタワットの発電が24時間可能になります。

大気全体では1873テラワット、地上では428テラワットが
発電可能とされています。

これはアメリカの国立研究所のデータで電子版でも公開
されています。

したがって、化石燃料や原発に頼らなくても、将来は人類の
エネルギー源は、自然エネルギーの組み合わせで、何とかなる
わけですが、それはまだ先のことです。

個人のレベルでは、まだまだキロワットの段階ですが
全世界で1億人が100ワットの太陽光発電をすれば、
それだけでも原発10基分は不要になります。

そのような大きな志(こころざし)は持ち合わせていませんが
たまには大きなことを考えるのも楽しいものです。

現に、世界中の僻地(へきち)では、太陽光発電は流行に
なっていて、急ピッチで照明が増え続けています。

照明の次は、地下水の汲み上げポンプと、生活必需品的な
存在になっています。

結局、発電パネルは、ネットで調べまくり、悩んだあげくに
過充電対策の簡単な小型に決めました。

秋葉原なら秋月電子通商、日本橋ならデジットでたくさん
売れているヒット商品を選びました。

手軽に持ち運べるコンパクトで軽いものでハイパワー品は
12W品です。B4サイズで、重量は1.5kgです。

同じ商品を、楽天市場なら2倍、他店では4倍とか5倍の
価格で売っています。

中国製のいいところは定格の3割や4割アップのパワーを
平気で出すので15W程度は期待できます。

逆流防止には、低損失のショットキダイオード整流素子が
内蔵されています。





(照明は電気代無料に)

屋根の上に設置する大型パネルは、水平面に30度前後の角度で
南向けに設置されるのが普通ですので、定格出力は晴天日の
10:00から14:00の4時間に限定されます。

小型のパネルなら、角度調整が容易で、南向けにヒモで吊した
お粗末な状態でも、朝は東向けに、夕方は西向けに、
太陽光線の入射角が、パネル面に直角になる位置の調整が容易です。

電流と電圧を測っても、8時間は定格以上の14Wを発電します。
正午前後は、15W発電にまで達します。

晴天の日なら、お粗末な発電装置でも、2枚で230Wの電力が
得られることがわかりました。

消費電力は、LED電球3個を、毎晩10時間使用して180W、
インバーターのロスを含めると210Wと、かなりいい線です。

7月は、2枚のパネルと2個のカーバッテリーで、部屋の
照明は、すべて太陽光発電で補うことができました。

8月になって、雷雨の日が多くなり、発電能力は低下しましたが
バッテリーが2個あるおかげで、何とか持ちこたえました。

カーバッテリーはキャパが350Wもあるので、2個で700W、
この選択は間違っていなかったようです。

9月なって、カーバッテリーを1個追加し3個にしました。

発電能力が、わずかに消費電力を上回ることがわかってきた
からです。

過充電対策のため、バッテリーが負荷をかけた状態で12.9Vに
達したときに、充電を停止していたのですが、バッテリーが
2個とも満充電状態が、十数回もあったので3個あれば
余裕が生まれます。

当初は、自分の部屋の照明だけが目的でしたが、28Wの
小型液晶テレビと10Wのカーナビ用液晶テレビの2台が
加わりました。

ソーラーチャージコントローラーは、販売店の人が言うように
複数のパネルを一元管理するときの必需品で、シンプルな
装置で、ある程度仕組みがわかっているなら不要です。

車載用電気冷蔵庫やパソコン、HOゲージのDCC鉄道模型なども
正常に機能することは確認していますので、太陽光発電の
仕組みもだいたい理解できたので、もうワンセットぐらいは
増設しようかどうかと悩んでいます。


太陽光を電気に変える方法を発見した人はエライ。





















































































































































































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最終更新:2012年09月13日 15:40