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ヤマブドウ(学名:Vitis coignetiae)は、ブドウ科のつる性落葉低木樹である。

果実を生食あるいは果実酒にしていたが、近年、ワイン、ジャム、ジュースの原料として活用する動きがある。従来、野山で自生しているものを収穫することから、ほ場で栽培することを始める地域がみられ始めた。

つる性の低木落葉樹である。随は褐色で、若い枝や葉にはくも毛がある。蔓(つる)は、葉に対生する巻き髭で他の植物等に巻き付き、高く上る。葉は10- 30cm程の大きさで互生し、柄元に窪みのある五角形様で裏面に茶褐色の毛が生える。秋には、紅葉する。 初夏に開花し、花は葉に対生する花柄に黄緑色の小花が多数着花する。萼(がく)は輪形で、花弁および雄しべは5つ、雌しべは1つからなる。雌雄異株で、雌しべは健全であるが、発芽能力のない花粉しか持たない雄しべを有する雌花(正確には機能的雌花)しか咲かない雌株と発芽能力のある花粉を持つ雄しべは有するが、雌しべの柱頭が退化しているため、受粉・受精ができない雄花(正確には機能的雄花)しか咲かない雄株に分かれる。果実は雌株のみに生り、雄株は花粉提供のみである。マスカットなどの栽培品種と違って、1樹だけでは果実が生らない。そのため、雌木と雄木を混植する必要がある。 果実は球形で秋に熟し黒紫色になる。甘酸っぱく、生食できる。品質は安定しないが、日本の在来種として見直す動きがある。

日本では近年、ワインの原料としても注目されており、他種との交雑など品種改良の動きも見られる。また、韓国の全羅北道では製品化されている。

冷涼地に自生する野生種で、サハリン島(ロシア)、南千島、日本列島(うち、北海道、本州、四国)、および、鬱陵島(韓国)に分布する。

生食のほか、ジャム、ジュース、シロップ漬けなどに利用される。また、実を乾燥させ、ドライフルーツ(干し山葡萄)としても食される。 近年、ヤマブドウを原料としてワインを醸造・販売する地域が出てきた。北海道十勝地域の池田町では、1963年、果実酒試験醸造免許を取得し、翌年、ヤマブドウを原料とした「十勝アイヌ山葡萄酒」を醸造、第4回国際ワインコンペティションにて銀賞が授与された。

栽培化にあたり、系統選抜や栽培種などとの交配による品種改良もみられる。例えば、山形県では、大きな果房をつけ、裂果も少なく病気も強い「Y0」「Y1」「Y2」系統が選別された。また、岩手県では、「涼実紫(すすみむらさき)一号」などが選別され、品種登録もなされた。山梨大学では、ワイン用品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンと交配した「ヤマソービニオン」を育成、栽培されている。

ヤマブドウの樹皮(蔓)は、日本では籠を始めとする収納用品などの材料として古くから利用されてきた。北海道のアイヌは、ヤマブドウの樹皮でシトカプ・ケリ(葡萄蔓の靴)と呼ばれる草鞋を編んで履いていた。ゴムのように粘性の高い強靭な繊維からなる日本産のヤマブドウの樹皮は、それだけに癖の強い性質でもあり、加工しないままでは極めて使いづらいため、なめし加工を施すことで利用可能な状態にする。
最終更新:2013年01月30日 17:32