幕間インタールード③

「――――腹痛だって?」

はい、と私は答えました。今先輩は腹痛でお休みしていますと。

「呪いとか、毒とかの類・・・ではないってことだよね。まあ彼女たちがいるし、君の護りもある。その辺は心配するまでもないか」
「病気ってのも在り得ないし・・・となると心因性のもの、かなあ」

参ったな、とダヴィンチちゃんさんは頭を掻いています。
心因性のものとなれば彼女たちやダヴィンチちゃんさんにできることは非常に限られます。

私たちは先輩のことを『わかってあげる』能力が著しく欠けているのですから。
何を苦しいと思うのか、その想定ができないのです。

「スタッフの協力にも限界がある。そもそも彼らは専門家じゃあない」
「医者のサーヴァント――――は二人とも『旧い』知識しかないしな。メンタルケアとなると難しい」
「・・・そもそも何でこのタイミングでそんな腹痛になったんだろうか?■■■が現状をそんなに憂いているのかい?」

私にも分かりません。私たちには分かりません。
数多の英霊の夢に触れ、その都度乗り越えてきた■■■。
先輩が憂うような状況、というのは正直言って想定できないからです。
本当に、何故――――

「原因が分からない以上は安静にしてもらうほかない。ないわけだけど――――」
「分からないってのは納まりが悪いな。こういう時に専門家がいてくれれば・・・」

失敬、とダヴィンチちゃんさんは話題を切ります。
『彼』の事は私の前では極力話さないように。私もまだ『彼』の事に関してはさほど整理はついていないのですから。
――――迂闊に触れられると激昂くらいはしてしまう。それ位には、まだ。

「まあ、今までの疲れがでたものだと思おう。別に内臓には異常はなかったんだろ?」
「数日くらいゆっくり寝ててもらおうじゃないか。」
「――――直近の課題もないしね。」

~本日はここまで~

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最終更新:2018年03月29日 23:57