118-参-予算委員会-14号 平成02年05月28日
平成二年五月二十八日(月曜日)
午前十時開会
在日外国人の人権
○竹村泰子君 在日外国人の人権の問題についてお伺いしたいと思います。
五月四日の朝日新聞の「論壇」にこういう記がございました。「外国人を「罪人」視する日本という一人の日本人男性と結婚したイギリス人性の投稿が掲載されておりました。それは就労ビザを婚姻ビザに変更するときに提出を求められた書類についてであります。それは次のような書類だったそうです。これはまことに不思議なことなんですけれども、ちょっとお聞きください。「二人の就業契約書、在職証明書、昨年度の所得証明、住民票、アパートの契約書、」、この辺までは仕方がないかと思いますけれども、その次に、「最寄りの駅から自宅までの詳細な地図、二人が一緒に写った写真、いつどこでどうやって出会ったかを説明する文書、出会った時になぜ二人がそこにいたのかを説明する文書、二人の両親と兄弟姉妹全員の職業と年収」、これだけ要求されているんです。
そこで法務大臣に次の質問をしたいと思いますけれども、なぜこのような書類が必要なのでしょうか。
○国務大臣(長谷川信君) 詳細についてはまだよく熟知いたしておりませんが、今委員のおっしゃいましたことがもし事実であるとすれば、これは若干行き過ぎの感がなきにしもあらずであります。そういうことでございますが、しかし、この間私一回視察に行ったんですよ、入管の現場に。そうしましたら、座る場所がないというのはわかるけれども、立っている場所もないくらいですね。それで数百人の人がごった返しておりまして、ああいうところでいろいろ事務処理をやっていれば若干不親切とそしられるようなことがなきにしもあらずだというふうに私も思っているわけでございます。
ただ、今お話がございましたように、全く予想せざるような書類の提出を要求されたということになりますと、これはいろいろ問題でございますので、入管局長来ておりますので、詳細にひとつ御答弁をさせていただきます。
偽装結婚の問題について
○政府委員(股野景親君) お答え申し上げます。
ただいま御指摘になりました新聞の投稿でございますが、この内容について私どもの方でも調査をいたしました。
現在、日本で日本人との婚姻を理由として日本に居住するものとしての在留資格を希望する人たちの数が年々非常にふえております。その中で、まことに不幸なことでございますが、形式上はまことに結婚の形を見事にとった、しかし内容的には結婚の事実が認められず、単に日本に在留するための手段として結婚を利用しようとするいわゆる偽装婚というものが現にあるという点が入管当局の大きな問題でございまして、その意味で、審査を行う際にただいま御指摘のありましたようなもののおおむね資料の提出を求めているわけでございます。
ただ、今回のこの「論壇」に投稿されました方に求めました書類の中で、一部ほかの目的の書類の様式と同じ様式を使っている関係上、若干担当官の説明不足の点もあったと承知いたしておりますので、この辺は是正をいたすべきだと思っております。しかし結婚が真正に行われているということを入国審査官ないし資格変更の担当をいたします審査官が判断するについては、どうしても通常の書類のみならず、やはり結婚が真正に行われている、こういうことを立証する手段をいただくというために、ただいま御指摘のような書類を提示いただいておるわけですが、今後はやはりこういう点もよく考えながら適正な運用をさらに図っていくよう私どもとしても検討してまいりたいと思います。
まことにそういう意味で、申請なさる方についていろいろ御不自由な点もあるんですが、他方、日本人が外国に参りましても、いろいろ入管当局の審査というものは各国でもいろいろございまして、特に、例えばイギリスの場合におきましても同じような問題が日本人の場合でもある程度経験があるという点もひとつ御理解を願いたいと思います。
イギリスでの結婚の際の書類について
○竹村泰子君 若干ほかの用向きに使う書類がまじっていたということですが、それはどの書類でどういう目的に使われたのでしょうか。
それからイギリスでそのようにこれらに似たような条件の書類を提出させられるということが事実あるんですか。
○政府委員(股野景親君) ほかの目的と同様に使われておった同じ書式というのは、これは親族の職業、年収を示した書類でございます。これは永住許可を求めるときに、その生計扶養能力を確かめるために求めている書式で、これについての書き込みは必要なくて、その点についての説明が不十分だったということでございます。
他方、英国について、私ども英国の場合に配偶者として英国に入る場合の規則も調べてみたのでございますが、英国でも同じく永続的に生活をともにする意思を有し、それから婚姻当事者同士が実際に会ったことがあるということ、さらには生活ができる必要な居住場所が確保され、かつ自己及び被扶養者の生計が十分に確保される、こういったようなことを英国においても規則として求めておるということでございます。
○竹村泰子君 この方は、特に今おっしゃった二人の両親と兄弟姉妹全員の職業と年収を記した書類、括弧して「これは到底、用意できそうにありません」と言っていらっしゃるんですけれども、それは年金のために必要とおっしゃいますが、同居していない場合あるいは一緒に住んでいない場合とか、家族として今散り散りばらばらに外国にもしかしたら住んでいらっしゃるかもしれない、そういう場合にもこういうのは必要なのかどうか。
それから全国の出入国管理事務所でおおむねこのような書類の提出を求めているのでしょうか、どうでしょうか。
○政府委員(股野景親君) ただいまの御指摘の親族の職業そして収入というものについては、これは必要ございませんで、その点は必要がなかったので、現実にこの方もその点は書き込んでおられません。また、それで書式も受理されたわけでございます。
他方、全国の入国管理局で原則としてほぼ同程度の書類の御提出を願っているという事実はございます。
○竹村泰子君 これで偽装結婚の確認が、これだけの書類がそろったら偽装結婚を確認することが可能なのですか。
○政府委員(股野景親君) 平成元年において、ある在留資格から日本人の配偶者または子への在留資格の変更を申請し、許可された数というのは一万七千六百五十九件に及んでおります。非常に数が多いということでございます。これだけの数を扱っておりますので、どうしても書類審査ということによらざるを得ないわけで、実際、申請の数がもっと少ないときには入国審査官ないし資格変更の審査官はいろいろ現場へ自分で足を運んで調査することもできたんですが、現在はそれがなかなか難しい状況で、どうしても書類審査でこういうことをお願いするという事情があるという点を御了解願いたいと思います。
○竹村泰子君 確認できるかどうかとお聞きしているんです。
○政府委員(股野景親君) これらの書類をもってその判断をさせていただいております。
○竹村泰子君 答弁していただきたいんですが、これで確認、これだけの書類を提出させて、偽装結婚は確かにこれは偽装でありこれは本当であるという確認ができたんでしょうか。
○政府委員(股野景親君) こういうものの調査をさせていただいた結果、偽装と判定されたケースがございます。
○竹村泰子君 判定できたのがございますということですが、全部完璧にできないわけですよね。それなのに、少ない職員の手でこれだけの労力をかけたところでその本来の目的である偽装結婚の確認はほとんど不可能であり、ただこれは怪しいという心証を得るだけだという、しかも申請者のプライバシーの侵害という重大な損失をつくり出している。このような行政の非効率さは改めなければならないと思いますが、大臣いかがですか。
○国務大臣(長谷川信君) 今いろいろ御指摘がございました点、必ずしもなきにしもあらずだと私も思っております。したがいまして、要するに国の玄関、入り口でございますので、外国人に与える印象等々もいろいろ十分考慮しなきゃなりませんので、今後とも、幸いにしましてこの予算をいただいてかなり改善ができる見通しがついておりますので、若干ひとつ時間をかしていただきたいというふうに考えております。
詳細については、ちょっと政府委員に御説明させます。
○政府委員(股野景親君) ただいま委員からも御指摘のありました点、申請者に対するいろいろなお願いということについて、十分我々も適切な手続が踏まれるよう今後ともいろいろな面で検討を加えてまいりたいと存じております。
○竹村泰子君 この問題につきまして私ちょっと説明をお伺いしましたとき、次の二つの点に疑問を感じました。
初めの点は、このように非効率な審査事務の根拠となっている通達などの指導文書の提供を求めたんですけれども、法務省は通達を公表しないことになっているとのお答えでございました。いつから、どのような理由で、どの確認文書によってこのような方針になったんでしょうか。法務省にも文書管理規程または秘密文書管理規程があると思いますけれども、通達のすべてが秘密の取り扱いになっているんでしょうか、いかがでしょうか。
○国務大臣(長谷川信君) 大変恐縮でございますが、専門的な御質問でございますので担当局長の方から御答弁させていただきます。
○政府委員(股野景親君) こういう審査に当たりまして、いろいろな資料の提出をお願いするということは、これは入管法及びそれの施行規則に基づいて行っていることでございまして、それでは個々の審査に当たってどういう点を審査のポイントとしていくかという審査の要領につきましては、これは内部的に基準を設けておるわけでございまして、この点についてはまさに審査の実態になりますので、物によっては全体についての御説明を控えさせていただきたいと考えている次第でございます。
○竹村泰子君 この在日の外国の方たちに、就労ビザを婚姻ビザに変更するときにどんな書類を提出するかぐらいのことを出したって別にどうってことはないと思いますけれどもね。どうしてそういうふうにすべてを囲い込まれるのか非常に不思議に思います。これはどういう命令系統で通達があって、こういうたくさんの書類を出さなければ就労ビザを婚姻ビザに変更してもらえないのか。しかも、この方は御夫婦で手続をするのに一日かかりました、そして小さな狭い部屋に、さっきもちょっとお答えがありましたけれども、「三人の係官が、七十人ほどの順番待ちをしている外国人の用件を処理していました。イスは十脚しかなく、そのうち四つはたまたま二人の妊婦が使い、中にはしゃがみこんでいる人もいました。」というふうな状態で、本当に私どもも第一線といいますか、外国人を迎え入れる最前線でありますので、とても不思議に思うのです。
もう一つの疑問は、日本は人権後進国とよく言われますが、行政サービスによります人権の侵害が非常に多い。欧米諸国における在留資格認定業務が申請者に対してどのような書類の提出を求めているか調査していただきたいんですけれども、法務省はこれを実施していないとおっしゃいます。日本の国際感覚や人権感覚を改善するためにも、これはすぐに実施すべきではないかと思いますが、大臣いかがでしょうか。
○政府委員(股野景親君) 各国のこういう入国管理局による審査について、どういう審査の手続が行われているかについてのお互いに入管当局同士の情報交換を行っておりますが、審査の実態にわたりますと、これはなかなか各国ともそれぞれの事情がございまして、私どもとしても、たとえ当方が要請してもその要請に十分に応じていただけないという事情もございます。したがって、私どもとしては、基本的に法律、さらにはそれの施行規則等の情報を得るということと、あとは個別の情報交換ということでさせていただいておりますので、どうしてもその調査には限界があるという点を御了解願いたいと思います。
○竹村泰子君 初めから限界があると言わないで、やる気があるかどうかという問題であると思うんですけれども、今後引き続き調査をしていただきたいと思います。
大蔵大臣、これは法務省の中の人員配置の問題かもしれませんけれども、七十人もの人に対していすが十脚しかなくて、二人で丸一日つぶしてしまったというのは、余りにも貧しい経済大国の姿ではないんでしょうか。初めて日本へ来た人もこの日本の最前線の姿に驚くのではないかと思いますけれども、もう少しこういったところにも、国際化を言うならば、手の届いた温かい予算配分をということをお願いしたいと思います。
もう一つ、関係する省庁で滞日あるいは在日の外国人に対する総合的な相談業務や窓口、そういったものも考えることはできないでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、各省庁それぞれに対外的な窓口をどういうふうにしておられるか現場を十分に存じておるわけではございませんので、他の分野についてお答えをする能力は持っておりません。
ただ、たまたま就任後税関業務の実態を見に参りました機会に、成田の入管のスペースに比して非常に多い来訪者と申しましょうか、そうした状況も見せていただきました。施設整備の上で御要請があれば、必要な部分については対応していかなければならないと思います。
123-衆-法務委員会-4号 平成04年03月27日
平成四年三月二十七日(金曜日)
午後一時開議
○木島委員 私からは指紋押捺の問題についてお尋ねしたいと思います。
(中略)
○木島委員 入管法二十二条が永住許可の要件であります。いろいろありますが、一つは「素行が善良であること。」二つは「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること。」とあります。先ほど他の委員からの質問に対する答えの中で、必ずしも永住許可を取った永住者の方が長く日本にいるとは限らないという趣旨の御答弁もありました。ところが、どこで線を引くかが大体問題なんだ、一般的には永住者の方が我が国への定着性がある、例外的な場合はあるけれども、その例外を考えると区別がわからなくなるから、一般的なことを考えて永住者か非永住者かで線を切ったんだという答弁でしたね。果たして、その一般、例外ということで区別ができるんでしょうか、どうなんですか。
私の方からちょっと数字を示したいと思うのです。法務委員会の調査室から配付をされました資料によりますと、日本に在留している外国人登録者数が百万を超えて、百七万五千三百十七人だ。その内訳ですが、永住者等が六十四万五千四百三十八人である。これが、今回指紋押捺義務が廃止されるわけですね。ですからいいわけです。それでは、そのほかの人たちはどういう人か。留学生、就学生、研修生、就労が認められている一般的在留資格による在留者、そして日本人の配偶者等であります。その数がこの資料に書いてあるんです。留学生が四万八千七百十五人、就学生が三万五千五百九十五人、研修生が一万三千二百四十一九人、就労が認められている一般的在留資格による在留者が六万一千五百六十五人に対して、日本人の配偶者等が何と十三万二百十八人なんですよ。圧倒的多数が日本人の配偶者等なんですね。そうすると、日本人がいる、その正式に結婚して届け山もした外国人の妻とか夫、それが十三万人もいるんですよ。その配偶者が日本人である、こんなに定着性が高いものはないんじゃないですか、どうなんですか。
○本間政府委員 入管法上の在留資格で申します日本人の配偶者等というのは、それは配偶者そのものぽかりではなくて、日本人の子供である者という意味でいわゆる二世の方々、これが入っているわけでございます。最近、ブラジル等南米の方々が大勢日本に来ておられます。それらの方々の多くがこの範疇の、この在留資格によって在留しているということで、この数がふえているというのが最近の傾向でございます。
○木島委員 だから、私が言ったのは、一年以上の在留者の中の非常に多数の部分は日本人の配偶者等で十三万人を超えている、それは配偶者が日本人なんですから、こんなに定着性の高い外国人はないわけですね。そういう人たちが、外国人で法務大臣から永住許可をもらった人間よりも日本への定着性が弱いなんということはとても言えないと思うのですね。そうしますと、法務省の先ほどからの説明によって、永住者は定着性が高い、しかし非永住者である一年以上の在留者については一定着性が低い、だから片や署名で特定し,片や指紋で特定する合理的な根拠があるんだという説明ですね。それしか説明できていないわけでしょう。その説が、この実態は全然崩れてしまうと思うのですよ。合理的に説明してください。
○高橋政府委員 「日本人の配偶者等」ということのカテゴリーの人たちは、日本人との何らかの身分関係におきましてここの日本に在留することを認められた人たちでございまして、この人たちが必ずしも定着性があるということではないわけでございます。したがって、定着性ということに関しましては、この永住者と非永住者ということで分けることに何か合理的でないということに
はならないのではないかというふうに考えております。
○木島委員 そうすると、法務省の言う定着というのは何ですか。日本に長くいたか、短くしかいなかったか、そういう長さなんですか。どうなんですか。
○本間政府委員 基本的には日本に長期間いるということがやはり基礎にはなっております。それと同時に、日本の土地で、日本の社会で骨を埋めてもいいという決心をして恐らく永住されているんだろうと思います。そういう意味で、社会への親しみといいますか、一つの関係その他がおのずと変わってきますし、それは単に年数の差というよりもその人の生活実態の差、いわゆる質の差のようなものに変じていくんじゃないだろうかという意味で、永住者、特別永住者というものは、この同一人性確認の手段の点については特別の扱いができるという判断でございます。
○木島委員 単なる日本に在留する期間、そういうもめよりも日本に骨を埋めるかどうかだ、そういう質的なものなんだということだと、まさに日本人と結婚したあるいは結婚して日本人の子供だ、こんなに日本に骨を埋めることが客観的に明らかな人たちはいないじゃないですか。これこそまさに定着性の最たるものではないか。その人たちが十三万人もいて、いわゆる今度の法改正によっても指紋を強要される非永住者の圧倒的多数だということになると、全く説明できないと思うのですよ。どうですか。
○本間政府委員 先ほども申し上げましたけれども、「日本人の配偶者等」と書いてありますので、「等」の方が実態は多いわけでございまして、私ども、今の資料の中に、そのうちに何人が日本人の配偶者で、何人がその日本人の血を引いた二世、三世であるのか、こういった区別がありませんが、実態として、最近ブラジル、ペルー、そういうところから来ますところの二世、三世の方というのがこういう在留資格を与えられているということでございますので、その実態はいわゆる奥さんとかだんなさんというものよりもそういった方々が多いということを先ほど御説明申し上げました。
○木島委員 いや、日本人の子供ならもっと土着性が強い、定着性が強い、日本に骨を埋めることがもっと――配偶者ですと離婚するということがありますけれども、子供ならもう血がつながってしまっているわけですから、もっともっと法務省の説明によっても我が国への定着性が高いと言わざるを得ないわけです。全然今回の法務省の説明は破綻しておる、もう全部一律に押捺を廃止すべきではないかと私は思わざるを得ないわけであります。支離滅裂だと思います。
そこで、ちょっと質問を変えます。
今回、永住者については指紋押捺義務が廃止されるというのですが、入管法二十二条で言う永住許可が年間どのくらい法務大臣から出されているのか、数字を述べてください。
○本間政府委員 平成二年、一番最近の数字で申し上げます。
一般永住というのが五千大百六十三人を許可しております。
○木島委員 そのうち指紋押捺義務のない一年未満の在留者から法務大臣の許可が得られて永住者になった、そういう数字は大体どのくらいいるのでしょうか。
○本間政府委員 手元に資料がございません。調べられませんでしたのでそこは明確じゃございませんけれども、一年未満の在留期間で永住を認められるという場合は非常にまれというか少ないのではないかというふうに考えてはおります。
○木島委員 わかりました。要するに、ほとんどすべての者が一年以上の在留者、いわゆる指紋押捺義務のある者から法務大臣の許可によって永住者になるということだと思うのです。
じゃ、ついでに、日本に在留しなくて外国にいて、そして直接法務大臣の許可をもらってしまって日本の永住者になる、そういう道は開けているのでしょうか。
○本間政府委員 永住許可の要件は先ほど先生もお挙げになったとおりでございますが、そこの判断に当たりましては、やはり在日歴、その間の在留状況等総合的に判断して、その許可をすべきかどうかということを決しているというのが今の運用でございますので、外国にいてストレートに永住許可が取れるということにはならないといいますが、実際にはございません。
○木島委員 今回法改正で、いわゆる永住者に対しては指紋押捺義務を免除する、廃止するんだということなんですが、今私が実態を聞きますと、それはほとんどすべて一年以上の日本の在留者で、そしてようやく法務大臣の許可を得て永住者になる。そうすると、結局は何のことはない、そこでもう指紋を押捺させられているということになるわけですね。まさに羊頭狗肉といいますか、欺瞞のような感じがしないでもないわけであります。そういうことになるわけですね。永住者に対して今法改正によって指紋押捺義務をなくしてあげますよといっても、結局は、特別永住者は別ですよ、永住者についてはもうその前段階で既に指紋が一回とられているということになるわけでしょう。
○本間政府委員 一般永住の方、確かに一回は指紋押捺をとられたであろうと思います。
○木島委員 そうすると、一般永住者については今回の法改正で指紋押捺義務がなくなるといっても、結局今の入管法の体系、外登法の体系から実際は指紋押捺がとられている、しかし特別永住者についてはそういうことはないということになりますと、これは今度は特別永住者と一般永住者との間での差が出てきてしまうということになると思うのです。特に配偶者や子供の場合はそういう差が大きな差として出てくるかと思うのですが、これは法務省、国際人権規約上、平等の観点にもとるとお考えではないですか。
○高橋政府委員 この制度自体、今先生おっしゃったようなケースを見ますと、何となく一つのファミリーの中で、あるいは同じ永住者といっても結局は指紋を押捺するから特別永住者と永住者の間に差ができるのではないかということで法のもとの平等に反するのではないかということでございますけれども、基本的に私たちのこの新しい制度は、合理的な理由があって区別するのであって、人権規約には反していないというふうに考えております。
○木島委員 時間が来たから終わりますが、どうも今回の改正法案は、結局永住者と非永住者の間でも説明が合理的にできないほど矛盾がある。それから、永住者と特別永住者の間でも、まともな説明ができないほど合理的な理由がないと言わざるを得ないわけです。
なぜこういうことが生ずるかというと、結局、一年以上の在留者について相変わらず指紋押捺義務を残そうとするかたくなな政府の態度にその根源があるわけです。それをなくさないことには私は国際人権規約違反のそしりを免れないと思うわけでありまして、政府、法務省が押捺義務をなくすように配慮されますことを心から期待いたしまして、質問を終わらせていただきます。
最終更新:2009年02月07日 08:20