報道記事 > 保育園・学童保育

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都内初の公設民営「こども園」 台東区の旧済美小(産経新聞/2009/04/02)

http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/tokyo/090402/tky0904022145016-n1.htm
 台東区寿の旧済美小学校校舎に開設された認定こども園「ことぶきこども園」と「寿子ども家庭支援センター」が2日、開園、開所式を行い、地域住民や関係者150人が出席した。
 両施設は1日に開設され利用が始まっている。幼稚園と保育所の機能を持つ区内で2カ所目の認定こども園はNPO法人「子育て台東」が運営し、都内初の公設民営方式という。区教委学務課は「民間ノウハウを生かし幅広いサービスを提供したい」と説明。家庭支援センターは区内3カ所目。
2009.4.2 21:43

認可保育園:3割が待機児童 東京・港区は65%--親の会調査(毎日新聞/2009/06/19)

http://mainichi.jp/life/edu/child/archive/news/2009/06/20090616ddm012100014000c.html
 保育園や学童保育に子どもを通わせる親で作る「保育園を考える親の会」(普光院亜紀代表)は15日、待機児童に関するアンケートの結果を公表した。認可保育園に入所を申請し、今年春に入ることのできた児童の割合(入所決定率)は平均72・6%で、10人に3人が待機児童だった。

 調査は、待機児童が多いとされる東京23区と首都圏の主要市、政令指定都市(新潟市、静岡市、浜松市、岡山市除く)の計95市区を対象に今年4月に実施し、85市区から回答を得た。

 それによると、入所決定率が最も低いのは東京都港区の34・7%で、希望しても3人に1人しか入れない厳しさだった。子育て世代が多い千葉県流山市(46・3%)、神奈川県鎌倉市(51・7%)がこれに続いた。待機児童がゼロだったのは千葉県の我孫子市と野田市だけだった。

 年齢別に入所決定率をみると、2歳児が63・4%で最も低く、次いで1歳児の64・8%、3歳児の78・5%。2歳児はこれまで、1歳児に比べ入りやすいとされてきたが入所が難しくなっていることが分かった。また、東京都港区、大田区などでは、本来は入所が優先される母子家庭など「ひとり親世帯」の児童でも待機を強いられていることが明らかになった。各市区の保育担当者に最近の入所申請の特徴を複数回答で聞いたところ、「求職中の申請が増えている」が69・2%で最も多かった。【山崎友記子】
毎日新聞 2009年6月16日 東京朝刊

待機児童、首都圏で急増 94市区調査、共働き影響(朝日新聞/2009/06/29)

http://www.asahi.com/national/update/0629/TKY200906280235.html
 認可保育園に申し込んでも入れない待機児童が4月1日時点で、県庁所在市や東京23区など94市区で計1万4478人いることが、朝日新聞社の集計でわかった。首都圏で急増しており、前年比で3割程度増えている。景気悪化で働き始める専業主婦が増えているのが影響しているようだ。
 6月に県庁所在市、政令指定市、中核市と東京23区の計94市区を対象に待機児童数を調べた。最も多かったのが横浜市で1290人(前年比82%増)、次いで川崎市713人(22%増)、仙台市620人(16%減)。名古屋市約600人(40%増)、福岡市473人(56%増)などで、東京23区は4613人(53%増)だった。
 厚生労働省と東京都が公表した昨年4月1日現在の政令指定市、中核市、東京23区の計79市区の待機児童数は1万303人で、今年は1万3707人と33%増えている。
 厚労省は待機児童解消のため、園児1人当たりの面積などの基準が満たされていれば定員を超えて受け入れることを認めている。今回の調査対象の自治体の多くが定員超過しており、超過率(5月時点)1割以上が10自治体。大阪府高槻市は14%、兵庫県西宮市と北海道旭川市が12%など。
 個別の園ごとにみると、「詰め込み」状態もあった。福島市や宇都宮市では25%超の園があった。高槻市や大分市の園は、1歳児クラスで定員の倍を受け入れたところも。待機児童は年度末にかけて増える傾向にあり、08年度末時点で、超過率が福島市で52%、北九州市で53%という園があった。

 少子化で乳幼児人口は減少傾向だが、共働き世帯の増加で保育園の利用者数は5年間で約10万人増えている。待機児童が多い自治体は、将来の保育需要を予測して保育園の整備計画を作る。しかし、用地や、運営する事業者を探すのに時間がかかり、新設はなかなか進まないのが実情だ。
 昨年度新設された認可園は39自治体で113園。横浜市は18カ所新設するなどして定員枠を1300人分増やしたが、予測を上回る申し込みがあり、過去最高の待機児童数に。市子育て支援課は「景気悪化で働きに出る人が増えているほか、マンション建設で子育て世帯が流入してきたなど複合的な理由が考えられる」という。(森川敬子、前田育穂、佐々波幸子)
2009年6月29日5時30分朝日新聞

認可保育所、入所厳しい(読売新聞/2009/07/03)

http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/mixnews/20090703ok02.htm?from=nwlb
2歳児、申請の63%…親の会が調査
 今年4月に認可保育所の入所を希望しながら入れないケースが続出したことを受け、保護者らでつくる「保育園を考える親の会」(東京)が全国の政令市や首都圏の自治体などに対し、入所状況の実態調査を行った。
 認可保育所の入所申請数に対する入所決定の割合(入所決定率)は、2歳児が63%、1歳児が65%で、厳しい現状が浮かびあがった。
 親の会は4月、全国の政令市と東京23区、神奈川、千葉、埼玉県の人口の比較的多い市などを対象にアンケート調査を実施。このうち、6月初めまでに有効な回答のあった67市区のデータを分析した。
 この67市区だけでも、国の基準を満たし自治体から認可を受けた認可保育所に、計2万7261人が入所申請をしながら入れなかった。
 入所決定率は全体で73%で、最も低かったのは東京都港区の35%だった。年齢別では1、2歳が最も狭き門で、ゼロ歳児82%、3歳児79%などだった。
 優先されることの多いひとり親家庭でも、入所できないケースが多く見られた。東京都内では、申請したひとり親24人中10人しか入所できない区があり、別の区でも52人中24人にとどまった。
 各自治体の担当者に、認可保育所に入れない待機児童対策の課題を自由記述で書いてもらったところ、「用地や建物の確保」「財源確保」が目立った。不況による共働きの増加などで、今年は、都市部を中心に待機児童が増加している。
 親の会代表の普光院亜紀さんは、「緊急性の高いひとり親家庭の子の入所まで困難になっており、国や自治体には緊急対策のほか、認可保育所の中長期的な整備計画の見直しを期待したい」と話している。
(2009年7月3日 読売新聞)

民間300保育園を新設 受け入れ3万人増 『待機児童』改善も(東京新聞/2009/07/30)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009073002000056.html
 主要保育サービス各社が、今後三年間に合計で三百を超える新規の保育園経営に乗り出すことが共同通信社の調べで分かった。ピジョングループ(東京)など主要八社の既存園は約五百四十で一挙に一・五倍に増える。大都市部中心で一園当たりの平均定員数から試算すると約三万人分、受け入れ人数が上乗せされる。
 公立保育園は自治体財政の悪化で減少が続いており、民間企業の事業拡大は待機児童問題の改善につながりそうだ。
 母親の職場復帰などで需要が増大、補助金使途の柔軟化など政府の規制緩和方針も新規開設を後押しした。ビジネスチャンス拡大で新たな企業の参入も期待できる。
 ただ保育ビジネスは現状では収益性が低い上、子どもを預かるという業務の特殊性もある。事業の定着は安定経営と育児モラルの両立が鍵だ。
 こどもの森(東京)とJPホールディングス(名古屋)は、いずれも最大約五十園を開業する方針。両社は、行政から運営費や補助金が支給される「認可保育園」と「認証保育園」を中心に増やすとしている。こどもの森の久芳敬裕会長は「金融危機以降、自治体から新園設置を強く要望されているため」と説明する。
 運送大手、アートコーポレーション(大阪府大東市)傘下のコティとグレースは、病院内や事業所内託児所を中心に計百園程度を新設。園数を二百と倍増し「業界ナンバーワンを目指す」としている。
 最大手のピジョングループは、事業所内託児所を年間五~七園開設したい考え。ポピンズコーポレーション(東京)は年間十園程度、タスク・フォース(大阪)も十~十五園を、それぞれ開業する計画だ。
 企業による認可保育園は、二〇〇〇年から設立可能になったが、経営環境が厳しく公立、私立合わせた全体の数%にとどまっている。

◆子育て支援 主要争点に
 与野党は総選挙に向けたマニフェスト(政権公約)で子育て支援を重要課題と位置付け、保育園や児童手当の拡充などを打ち出している。厳しい財政状況下で予算をどう確保するかも含め大きな争点となりそうだ。
 政府、与党は二〇〇九年度補正予算を活用し、小学校入学前三年間の子どもに三万六千円を支給。ただ、これは同年度一回限りの措置。公明党はさらに、児童手当の対象年齢の上限を小学六年生から中学三年生に引き上げると公約に明記した。三十一日に公約を発表する自民党も幼児教育の無償化や、出産した女性の仕事復帰支援などを検討している。
 これに対し民主党は、年間三十一万二千円の「子ども手当」新設や出産一時金の増額などを公約に盛り込んだ。財源として所得税の配偶者・扶養控除を廃止する方針。
 社民党も「子ども手当」の新設や、就学前の子どもの医療費を無料にすることを提言。共産党は認可保育園の拡充などを掲げている。
2009年7月30日 朝刊

杉並区 区立幼稚園廃止へ 幼保一体化の『子供園』に(東京新聞/2009/08/03)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20090803/CK2009080302000055.html
 杉並区は来年四月から三年間かけて、区立の全六幼稚園を廃止し、幼稚園と保育園の機能を一体化させた独自施設「子供園」に移行する方針を決めた。幼稚園の定員充足率が七割を下回る一方で、三歳児以上の保育ニーズが高まっていることを受けた改革で、区は「待機児童解消につなげたい」としている。 (小川慎一)
 杉並区によると、幼稚園は主に専業主婦世帯の四、五歳児に午前九時~午後二時まで幼児教育を実施。新設する子供園は保護者が働いているかどうかにかかわらず、三~五歳児を午前七時半~午後六時半まで受け入れる。
 また幼稚園教諭以外に、新たに保育士を配置し、区独自の就学前のプログラムを実施する。保育料は区立幼稚園(月額八千円)や区保育室(同二万五千円~三万六千五百円)を参考に定める予定だ。
 区教委の加藤貴幸学務課長は「保育園を利用する保護者が子どもに幼児教育を受けさせたいというニーズや、幼稚園を長時間利用したいという声も高まっており、そうしたことに対応する改革をしていきたい」と話した。
 区は二〇一〇年度に下高井戸と堀ノ内の二園を子供園にし、一二年度までに残りの四園も順次移行する。八月中に区民から意見を募り、十一月の区議会に条例案を提出する方針。
 都内では品川区が〇二年度に独自の幼保一体化施設を開設している。〇六年には国の指針に基づき、都道府県が条例で幼保一体化施設を認定する「認定子ども園」制度が始まり、現在都内には公私立含めて三十三カ所ある。 
2009年8月3日

【衆院選 暮らしと選択】(2)「子育て」 政策どう後押し(フジビジネスアイ/2009/08/05)

http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200908050005a.nwc
 「入れてもらえる保育園がなかった」

 東京都豊島区に住む女性(21)はこう嘆く。

 福祉関係の仕事に就く夫(21)の月収は手取りで約15万円。景気悪化が家計をじわりと圧迫している。このため、「若いうちに稼いで、将来のためにお金をためておきたい」との思いから本格的に仕事探しを始めた。

 ネックとなったのは1歳の長男の育児。認可保育園に何度も申請を出したが、届くのは選考漏れの通知ばかり。入園順位に影響するのは収入ではなく、勤務状況なのだ。これから仕事に就こうとする求職者よりもフルタイムで働いている人が優先される。

 求職中の女性にとって認可園の壁は厚く、ようやく見つかったのは認可園よりも条件が緩やかで入りやすい認証保育所。国の基準を満たす認可園に比べ、入所費用の高さなどで満足できない点もあったが、やむを得なかった。

 厚生労働省の調査では、昨年4月の全国の待機児童数は1万9550人で前年比9.8%増を記録し、昨年10月には4万人を突破した。豊島区によると、今年4月の待機児童は昨年に比べて約2倍に達した。

 子育て世代の親らでつくる「保育園を考える親の会」代表の普光院(ふこういん)亜紀さんは「不況で苦しくなった家計を助けるため、母親が働きに出ざるを得なくなったことが保育所不足に追い打ちをかけているのではないか」とみている。

 政府・与党は2009年度補正予算で、2500億円に拡充した「安心こども基金」を使って子育て世帯の支援強化に乗り出している。しかし、不満の解消には至っていない。今回の総選挙では、不況や少子化を背景にして「子育て」が大きな争点に浮上している。

 ≪「共働き」着実に増加≫

 共働き世帯の数は着実に増加している。1997年に専業主婦世帯を上回り、2007年には1000万の大台を突破。専業主婦世帯より約186万世帯も多くなった。「夫は仕事、妻は専業主婦」という政府が想定してきた「標準家庭」は少数派になりつつある。

 ただ、舛添要一厚生労働相は「共働きの場合、夫婦がへとへとになったら出産や育児はできない」と共働き世帯で今後、少子化が一段と進む恐れがあると懸念する。子育てと仕事をどのように両立させ、それを政策でどこまで後押しするが問われている。

 衆院選に向け、自民党は3~5歳児の幼児教育の無償化などの子育て支援策をマニフェスト(政権公約)に盛り込んだ。これは収入が低い割に子育てなどで出費がかさむ若年層世帯の教育負担を軽減するための政策で、予算規模は年間約7900億円にのぼる見通しだ。

 一方、民主党がマニフェストに掲げる目玉が「子ども手当」の創設だ。中学卒業まで子供1人当たり月額2万6000円を給付する仕組みで、子供が多い世帯ほど基本的に恩恵が大きい。中学生以下の子供が3人いれば、その世帯には年間で総額93万6000円が給付される計算だ。

  ≪手当の持続性に疑問≫

 この子ども手当に必要な予算規模は、年間で5兆円を超える。民主党では巨額な財源を確保する一環として、子ども手当の創設に合わせて所得税の配偶者控除と扶養控除の廃止を含めた見直しに取り組む構えだ。子供を持たない専業主婦世帯では負担増になるが、民主党では負担増の世帯は全体の約4%にとどまるとしている。

 民主党の試算によると、年収500万円世帯(65歳未満の専業主婦世帯)の場合、子供がいなければ年間3万8000円の増税となる。これに対し、2歳の子供がいる専業主婦世帯の場合、同13万4000円の収入増となるという。

 しかし、与謝野馨財務相は「専業主婦などの配偶者は家事をする労働者でもある。(配偶者控除を)一律で廃止するのは不公平ではないか。子ども手当は気前のいい話だが、5年、10年と続くデザインを確保することから議論してほしい」と批判する。

 5月に長女が生まれたばかりの大阪市内に住む40歳代の自営業者は「お金がもらえるならばうれしい」と民主党の子ども手当を歓迎する。一方で「本当にそんな政策がずっと続けられるのかがわからない」と不安も漏らす。どの候補者に一票を投じるかはまだ決めていない。
2009/8/5

『安心して預けたい』 子育て支援 増える待機児童(東京新聞(埼玉県)/2009/08/04)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20090804/CK2009080402000097.html
 「三年で就学前三年間の幼児教育を無料化する」(自民党)
 「中学卒業まで一人月二万六千円の子供手当を創設」(民主党)
 今回の総選挙で政権維持を訴える自民党、政権奪取を目指す民主党のマニフェスト(政権公約)は、大盤振る舞いの競演という様相だ。
 「お金の支給はありがたいけど、財源の裏付けはどうなのか。安心して安定的に預けられる保育環境の整備が、一番大事だ」
 長女(4つ)と次女(2つ)を育てる新座市の女性(36)は、今ひとつ政治に期待を持てないでいる。長女を幼稚園に通わせているが、四月から地元で働き先を見つけたため、次女を預けようと認可保育所の入所を申し込んだ。だが二月下旬、市から来たのは「入所不承諾通知」。満員のため入所の「待機児童」となるという知らせだ。「すごくショックでした」と振り返る。
 東京都内の出版社に勤めていた女性は、長女を出産後に退職。新たに見つけた働き先は子育て支援の民間非営利活動法人(NPO法人)で、週五日間働くことになっていた。自分のキャリアを生かせるという思いもあった。だが、次女の預け先が見つからない。さんざん探して選んだのは、認可外の家庭保育室だった。
 長女の延長保育料も含めると、自分の月給七万~八万円を超える約九万円が保育料に消えていく。それでも働き続けるのは「自分のキャリアのための先行投資」だ。それも、家庭保育室の対象が二歳までのため、来春に次女が保育所に入れなければ頓挫してしまう。
 経済情勢の急速な悪化で働き手の給与やボーナスが減って家計を直撃。働きに出たいという主婦が増え、保育所ニーズが急速に高まった。待機児童は増加の傾向。「働きたくても働けない」実態を、政治はほとんど改善できていない。
 “保育難民”をどう政治は解決してくれるのか。今回の総選挙で、女性は「出産後に女性が再就職、再チャレンジをできる環境を整えてくれる政党を選びたい」と言う。
 子育て支援をしているNPO法人「ファミリーねっと スマイリ」(川越市)の鈴木静代表は「待機児童数はあくまで氷山の一角。実際は認可保育所をあきらめ、家庭保育室などに預ける人も多い」と指摘。「とにかく、認可保育所の定員を増やす政策が急務だ」と訴えている。 (石井友恵)
2009年8月4日

保育所が国交省内に10月オープン、一般利用OK(読売新聞/2009/08/08)

http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/mixnews/20090808ok03.htm
霞が関ママを支援、裁判員にも朗報
 中央省庁が集まる東京・霞が関で、国土交通省が今年10月、役所だけでなく、周辺地域の企業に勤める人の子供を幅広く受け入れる保育所を省内に開設する。
 こうした保育所は霞が関では初めて。女性官僚の活躍を支援する狙いがあるが、裁判員裁判で東京地裁に足を運ぶ子育て中の裁判員にも朗報となりそうだ。


 国交省が入る中央合同庁舎3号館に新たに開設されるのは「かすみがせき保育園」。受け入れるのは0~5歳児で、定員は30人。待機児童対策のため、東京都が独自に認証する認証保育所として設置され、職員の会議室として使っていた庁舎地下1階の約150平方メートルのスペースを改修して使用する。長時間勤務となりがちな役所の仕事にも配慮し、開園時間は午前7時半から午後10時まで。
 霞が関には、文部科学省の共済組合が同省内に保育所を設置しているが、職員の子供の受け入れを優先している。これに対し、かすみがせき保育園では、一般の利用を幅広く受け入れる。
 また、同園は一時保育を受け入れる。国交省の近くには東京地裁があり、裁判員が子供を預けてから裁判所に行くことも可能だ。
 中央省庁への女性進出は年々進んでおり、今年度採用の事務系のキャリア官僚では、女性の割合が初めて3割を超えた。ただ、国交省は技術職の割合が多く、中央省庁の中でも女性の割合は低い。管理職に占める女性の割合も0・6%と、全省庁平均(1・7%)を大きく下回っており、国交省では、保育所開設により、女性の活躍を支援していきたいとしている。
 園児の募集は今月20日から受け付ける。問い合わせは、運営会社の小学館集英社プロダクション(03・3500・3513)。

 認証保育所 
広い施設面積が確保できないなど、厚生労働省の「認可保育所」の基準を満たしていなくても、自治体が独自の基準を定めて認証した保育所。民間企業等の事業者に運営費などを補助する。東京都は2001年に導入し、今年8月1日現在で都内で457か所ある。利用者は区市町村に申し込むのではなく、保育所と直接契約する。
(2009年8月8日 読売新聞)

埼玉県、企業内保育所を11件助成 09年度、問い合わせ数は減る(日経新聞/2009/08/11)

http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20090811c3b1104711.html
 埼玉県は11日、企業内保育所の整備費に対する今年度分の助成先を発表した。選定されたのは11件と昨年度に比べて2件の増加にとどまった。県では今年、保育所の待機児童数が4年ぶりに増えるなど保育需要は高まっているが、運営費の負担を考え、設置に踏み切れない企業が多いとみている。
 助成が決まったのは、富士住建(上尾市)や狭山中央病院(狭山市)、埼玉東部ヤクルト販売(さいたま市)など。11カ所で102人を受け入れることができる。1カ所当たりの助成は改修費や備品購入費などとして500万円まで。県は今年度予算に企業内保育所の整備助成費として5000万円を計上している。
 問い合わせ件数をみても昨年度分は52件あったが、今年度分は42件に減った。県は「景気悪化で福利厚生まで手がまわらない企業が増えたのではないか」(子育て支援課)とみる。

県政の盲点(3)/施設増でも満員(朝日新聞(茨城県)/2009/08/13)

http://mytown.asahi.com/ibaraki/news.php?k_id=08000000908130002
 4歳の一人息子を持つ水戸市内の母親(25)は、昨年末からの半年間、希望する認可保育所に入所できない待機児童の問題に直面していた。脳の大病を患った息子が回復し、母子家庭のため、仕事に専念しなければならなくなった。
 認可保育所にこだわった。所得控除があり、自分の年収なら無料で済むからだ。さらに、「小さいときから勉強ばかりさせるのは嫌だったので、遊べる時間が長いところを探した」。水戸中心部で働くことを想定し、通勤に便利なことも重視した。
 30件近い保育所に電話をかけた。条件にあった5、6件を訪れると、すべて定員超過で断られた。無認可保育所もあったが、保育料の月額は4万~5万円。収入の目星すらついていなかった母親にとって、あまりに高すぎた。
 「貯金を切り崩す日々。いつになったら入所できるのか」。1人で探すのは無理だと思い、知人の紹介で地元の市議に相談した。市の課長にも通じ、6月に息子を入所させることができた。
 「市の担当者は何も教えてくれない。市議を頼らなければ、今も入所はできていなかったかもしれない」
     ■
 県は05年度に策定した総合計画「元気いばらき戦略プラン」で、04年に277人いた待機児童数を10年度中にはゼロにする目標を掲げた。重点戦略の一つ「ストップ少子化への挑戦」に位置づけられる重要課題だった。
 しかし、待機児童は減るどころか、今年4月1日現在、県内には396人いる。最も多い水戸市の140人を始めとし、ひたちなか市76人、つくば市49人と続く。
 背景には共働きの増加や、核家族化の一層の進行があると見られる。入所希望児童数は04年の3万8694人から、4万2339人(09年4月1日現在)に増加した。それに対応して認可保育所の施設整備も進み、定員は4万2648人(同)に増えてはいる。数字上は入所希望数よりも定員が多いが、両親にとって満足のいく保育所が案外少ないため、待機状態の子どもが増えるという仕組みだ。
 ひたちなか市も、定員数は足りているのに待機児童問題が発生しているという。市児童福祉課によると、「地域間の偏在」が大きな理由だという。子どもを預けたい場所の保育所は満員で、そうでもない保育所には空きが生じている。
 同課は「財政問題や今後の見通しを考えると、保護者の要求通り、安易に保育所の整備はできない。今必要でも、いずれ子供たちは大きくなり、保育所が必要でなくなる可能性もある」と説明する。
     ■
 定員に達しているかどうかはともかく、保育所の増加に伴い、県の財政負担額も膨らんでいる。
 保育所の建設などは市町村や社会福祉法人などが負担する。県が負担するのは人件費など運営費の一部で、当初予算ベースで、05年度には約28億円だったが、今年度は約35億円を計上した。
 県子ども家庭課は「待機児童数が減ればいいがそうとも言えない。このまま少子高齢化が進めば、将来的には施設過多になり定員割れになる。どうしたらこの状況を改善できるのか……。このままでは10年度中に0人にするのは無理だ」と話す。問題が解決しないのに、財政負担ばかりが費やされる危険な構図が潜んでいる。(岡村夏樹)
2009年08月13日

【衆院選2009 府内の現場から】(2)子育て支援(産経新聞(大阪府)/2009/08/13)

http://sankei.jp.msn.com/region/kinki/osaka/090813/osk0908130227002-n1.htm
 ■保育所探しも再就職も超難関
 あわただしく出勤準備を済ませ、長女(2)を自転車に乗せて約20分かけて民間保育所まで送り届ける。「ちょっと遠いですけど、入所できただけでも運がよかった。ぜいたくはいえないですよ」。大阪市旭区の事務職の女性(30)はニコリと笑って、長女の頭をなでた。
 結婚後、専業主婦をしていたが、長女が1歳になった昨年7月から再就職を目指して保育所探しを始めた。会社員の夫の収入だけでは家計の不安もあったためだ。
 早速、区役所に長女の保育所への入所について問い合わせたが「求職中は優先順位は低い。働きながら待っている方が多くいるので…」と言われた。聞いてはいたが、初めて現実の厳しさを知った。
 一方で再就職活動も、不況の影響もあり、順調にはいかなかった。保育所の一時預かりを利用しながら、20社以上の企業に応募したが不採用が続き、今年6月になってようやく公共機関での非正規の職を見つけた。

 「なんとか働きたい」。複数の保育所の一時預かりで2カ月をつなぎながら、今月からようやく空きがでた保育所に長女を預けることができた。
 市によると、市内での認可保育所の入所待機児童は今年4月現在608人。特に新築マンションの建設が続いた西淀川区や、福島区、中央区、鶴見区などでの待機児童数が目立っている。
 国は昨年2月、少子化対策の一環として、「新待機児童ゼロ作戦」を発表。平成29年度までの10年間に、未就学児の保育サービスの利用者数を現在約200万人から100万人増やして約300万人する目標を設定し、平成22年度末までの3年間を「集中重点期間」として取り組みを強化している。
 大阪市でも毎年入所枠を拡大。21年度末には待機児童を「ゼロ」にすることを目標にしているが、笠井康孝・待機児童担当課長代理は「待機児童数以上の枠を拡大することから、計算上では“ゼロ”になる」と話す。
 しかし、認可保育所の入所をはじめからあきらめている家庭もあるほか、新たな需要の喚起で希望者は増える可能性もある。事務職の女性は「数字上でも制度が充実するのはありがたいけど、それで働きやすくなるのかな」と漏らす。
 20社以上を受けた再就職活動では、担当者から「結婚していますか。子供はいますか」と矢継ぎ早に聞かれ、正直に答えると「じゃ無理です」と一方的に電話を切られたこともあったという。
 女性の長女を預かる保育所の園長は「残業を終えたお母さんたちが疲れた様子で、ぎりぎりの時間に飛び込んでくる姿が目立つようになった。母親だけに負担をかけず、子供たちをみんなの財産だと思って、社会全体で支える仕組みづくりが必要だと思う」と話していた。(中井美樹)
2009.8.13 02:27

09衆院選 声が聞こえますか(4)待機児童(読売新聞(愛知県)/2009/08/14)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/aichi/news/20090814-OYT8T00074.htm
 「働きたい。でも子どもを預かってくれる場所がない」――。景気の低迷が続く中、家計を助けるため子どもを預けて働きに出たくても、認可保育所への入所を断られ、立ち往生する親が増えている。衆院選で各党が重点施策に掲げる「子育て支援」だが、現場の悲鳴は届いているのか。(中村桂子)

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 名古屋市中区。明るい日差しの差しこむビルの2階に、子どもたちの元気な声が響く。24時間保育の「ぴーかぶー」(古賀真琴社長)。一時預かりも含め、50人前後の子どもを、スタッフ5人と学生ボランティアが交代で保育している。
 同市中村区に住む吉川めぐみさん(30)は毎朝、2歳になったばかりの俐玖(りく)君を連れ、満員電車に揺られてここにやって来る。夕方5時までの事務職だが、仕事が立て込んでくればそうも言っていられない。「自宅から3分の所に認可保育所があるのですが、複数の待機児童がいて、入所は当分無理だと言われました」
 出産前に勤めていた会社は育児休業制度が整っていなかったためやむなく退社した。「正社員でないと預かってもらいにくい、預けなければ働けない」というジレンマの中、職安通いと保育所探しを続けた。「働く側の状況をもう少し分かってほしい」というのが本音だ。
 中区の後藤美佳子さん(34)も、1歳の男の子を抱えながら、一級建築士として働く。育休中に預け先を探したが見つからず、育休の半年延長を申請し、退職の危機を何とか乗り越えた。「公務員のような長期休業制があったら、とも思いますが、そんなに休んでいたら技術の進歩に追いつけない。難しいですね」
 政権選択に向け、各党がマニフェストを競い合うのが、今回の衆院選の特徴だ。中でも「子育て支援」は力点の一つになっている。
 待機児童解消に向けた関連部分では、「新待機児童ゼロ作戦等による保育サービスの集中整備」(自民党)、「空き教室などの活用で保育所を増やし待機児童を解消」(民主党)、「待機児童ゼロを目指し延長保育、休日保育、保育ママなど多様なサービスを拡充」(公明党)、「国・自治体の責任で計画的に認可保育所を建設」(共産党)――などと、さまざまに知恵を絞っている。
 急速に宅地開発が進み、待機児童数が同市内で最も多い緑区では、各保育園への問い合わせが増えており、「無認可施設にさえ入れない子が出ている」と明かす公立保育園長もいる。同区の元保母深谷信子さん(59)が言う。「金銭的支援より、いつでも誰でも必要な時に子どもを預けられる施設を整えることの方が大切だと思います。子育てに際して多くの選択権が持てる社会であってほしい」

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【待機児童】希望しながら、認可保育所に入れない児童を指す。名古屋市の場合、今年春の時点で前年比167人増の595人。2年連続の増加で、6割が入所希望理由に「求職活動」を挙げた。
(2009年8月14日 読売新聞)

待機児童問題と保育園業界の動向!安心こども基金を活用(サーチナニュース/2009/08/19)

http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0819&f=business_0819_077.shtml
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0819&f=business_0819_090.shtml&pt=large
■深刻化する保育園の待機児童問題
  衆院選マニフェストで自民党、民主党の両党が「子育て支援策」を競い合う事態となっている。子育て支援事業が脚光を浴びる情勢になっているが、そのなかで保育園業界の動向にスポットを当ててみたい。
  子育て支援のなかでも、最も社会的に深刻なのが保育園の待機児童問題である。少子化が進行している一方で、不況の長期化があり家計所得が伸びないことから主婦層の共働きニーズが増加している。しかし、共働きをするには乳幼児を保育園に預けることが必要になる。
  ところが、保育園の定員はすでに埋まっており、申請して待機することが常態化している。厚生労働省は、従来、待機児童は全国で2万人としてきた。さすがに、リーマン・ショック後に4万人と倍増のデータを公表している。ただし、これはあくまで申請件数であり、「保育園不足が最も深刻な首都圏では待機児童が80万人と推定される」(業界筋)という見方が出ている。
  仮に、新規保育園が年間100園規模のペースで開設されるとしても、1園の定員は80名~100名であり、8000名~1万人の定員増でしかない。施設不足に加え、保育士の養成、訓練、教育などが追いつかない面があり、人的な供給・補充も大きなネックになっている。
  これまでのトレンドでいえば、年間100園の新規開園は最大限のものであり、例えそれが実現できても潜在的な待機児童数からみるとハード・ソフトとも絶対数が不足していることは覆いようがない。

■「安心こども基金」--保育園新開設に補助金を追加
  保育園業界では、規制緩和が促進され、民営化の流れが規定路線となっている。国、厚生労働省が、保育園待機児童問題の解決にテコ入れしてきているのが株式会社、社会福祉法人の民間保育園である。国、厚生労働省、それに自治体は、株式会社、社会福祉法人の民間保育園のなかで運営能力・同実績のある法人をコンペで選択・指定し、業務を委託している。民間保育園を認可保育園として運営を任せるというやり方である。
  国、厚労省は民間保育園が運営する認可保育園には運営費に補助金を出している。認可保育園では、国、厚労省が50%、都道府県25%、区・市町村が25%の比率で補助金が出されている。また東京都では、深刻な保育園不足問題を抱えていることから独自システムの認証保育園を進めており、ここでも東京都50%、区・市町村50%の比率で民間保育園運営に補助金が出されている。
  政府、自民党はこうした運営費への補助金に加え、小渕優子・少子化担当相が中心となり、「安心こども基金」(2500億円)を創設した。「安心こども基金」は、09年、10年の2年間限定で供給される補助金で、保育園施設整備促進に狙いがある。保育園建設費(施設整備費、建設準備費、改修費)、不動産賃貸費(土地購入費は除外)に補助金が出される。(情報提供:日本インタビュ新聞社 Media-IR)

高学年受け入れピンチ 学童保育「困った」 浜北区(静岡新聞/2009/08/22)

http://www.shizushin.com/news/local/west/20090822000000000056.htm
 不況の影響で共働きや母子家庭などの児童を放課後に預かる学童保育のニーズが高まる中、1市1制度を進める浜松市で、浜北区の学童保育所が積極的に進めてきた高学年保育が存続の危機にひんしている。12市町村が合併した市内は旧自治体ごとの制度の違いが大きく、調整の難しさが浮き彫りになっている。
 市は対象児童を基本的に1~3年生とし、定員の範囲内で高学年も受け入れ可能、としている。もともと4年生以上も受け入れてきた浜北区の11の保育所は7施設で定員を超え、高学年の割合はいずれも約2~5割とニーズは高い。
 長年にわたり学童保育に携わってきた浜北区の保育所の女性主任は「浜北区はスタッフや保護者の連携や組織が整っている」とした上で、「高学年は低学年の世話をして成長し、低学年はそれを見て学ぶ」と教育的な効果も強調する。
 浜北区の保育所運営を受託するNPO「学童保育はまきた」の池沼成夫理事長(55)は「市の基準が徹底されれば将来的に高学年を断らざるを得ない。合併でサービスが低下するのはおかしい」と困惑している。
 一方、東区の和田小は希望者が定員を大幅に超えていて1、2年生しか受け入れられずにいる。学校敷地内では場所が確保できず、公民館など近くの公共施設を使うケースもある。旧浜松市域と浜北区、天竜区では運営母体が違うため開所日数、開所時間、料金などでも差がある。
 浜松市内の保育所はことし5カ所増えて計85カ所。定員計3700人のところ3825人が在籍するが、拡充が追いつかず待機児童も多い。2011年には71人以上の保育所への国の補助金が廃止されるため、市は分割や新設を促進して対応する。「山間部と市街地などでは親の就労状況やニーズなどが全く違う。現状に沿った施策を検討していく」(次世代育成課)としている。
2009/08/22

マニフェストと現場(5) 保育所の内と外で(中日新聞(静岡県)/2009/08/24)

http://www.chunichi.co.jp/article/feature/09_sousenkyo/shizuoka/CK2009082402000199.html
待機児童 いつ解消
 袋井市内で保育所を運営する杉山由美子さん(39)は、入所希望の母親に断りの電話を入れた時の返事を、忘れられずにいる。
 「あきらめました」
 育児休業後の復帰を望んでいたのに、保育の側が応えられなかった。杉山さんの所を含め、どこも定員がいっぱいだった。
 杉山さんは訴える。「働くお母さんのために、子どもを預けられる場がもっと必要」

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 子育て支援の必要性が叫ばれ始めたのは、きのうきょうではない。だが、政治は手をこまねいてきた。衆院選の各党マニフェストでさえ、いまひとつ焦点が合っていない。
 リストに挙がる施策の多くは「お金」絡みだ。民主なら出産一時金(55万円)や中学卒業までの子ども手当(1人月額2万6000円)など。自民なら3~5歳児の教育費無償化や低所得者の高校授業料無償化など。
 子育て中の袋井市の20代の女性はぼやく。「あげると言うならもらうけど、ばらまきより先にやることがあるのでは」

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 保育所に入れたくても入れない「待機児童」の数は、昨年全国で約2万人に上った。
 袋井市の場合、今年4月で49人を数え、県内では人口が9倍の浜松市(134人)に次ぐ多さ。人口1000人当たりの出生率が11・8人と高く、県内23市のトップを誇ることが、逆にジレンマを招く。
 「『このままじゃ死んじゃう』と懇願して、ようやく受け入れてくれる所が見つかった。涙が出た」。同市の30代の女性は振り返る。離婚して3人の子を養うことになり、1日も早く仕事に出ようとしたが、10カ所、20カ所と手当たり次第に電話して「満員」と断られ続けた。
 県子育て支援室によると、施設基準などを満たす認可保育所の県内総定員はここ5年で7・5%(約3500人)増えたが、不況の家計圧迫もあってか、子どもを預けて働きたい母親も増え、需要に追いつかない。
 児童受け入れの自由度が高い認可外の保育所も増えつつあるが、待機解消には至らない。ゼロ歳児の保育料が月5万円程度になるなど高めで、母子家庭などでは負担が厳しい。パートの収入と差し引きであまり残らない場合には「働く意味があるのか考えてしまう」との声も漏れる。
 選挙戦で女性の就労支援が取り上げられることはある。自民党の細田博之幹事長は公示後の遊説で「雇用保険の『お金』を使い、結婚、出産、子育てで休んでいた女性を再雇用する企業に助成金を出す」との考えを披露した。
 だが、保育所を探す母親たちにとっては歯がゆい。「働く以前の問題なのよ」と。そして、堂々巡りの思いにかられている。「私たちのことを分かってくれる政治家は、いったいどこにいるの?」
(掛川支局・河野貴子)
2009年8月24日

保育所整備 求める声(読売新聞/2009/08/25)

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/kyousei/security/20090825-OYT8T00796.htm
 衆院選で大きな争点になっている子育て支援策。各政党が掲げる政権公約(マニフェスト)では、「幼児教育の無償化」(自民)、「子ども手当の支給」(民主)などが注目されているが、働く母親たちには、保育サービスの充実を求める声が根強い。(野口博文、写真も)

待機児童4万人超
 東京都三鷹市の女性会社員(35)は今年5月、2人目の妊娠を喜んだ。
 「長女を認可保育所に入れることができ安心したので、もう1人を産もうと思えた」と振り返る。
 2007年5月に長女を出産し、育児休業を取得。認可保育所への入所を申し込んだがいっぱいで、選考に漏れた。どうにか抽選で入れた無認可保育所は、駅前のビルの一室で、日当たりが悪く、子どもが遊べる庭もない。それなのに、保育料は月7万円近く。認可保育所なら2万円以上も安い。
 もう1人産んで同じ保育所に預けることになれば、保育料は計14万円にも上る。同市の場合、認可保育所なら2人目は半額なので、合わせて6万円ほどで済む。高額な保育料がネックとなり、「長女が認可保育所に転園できるまでは産まない」と女性は心に決めていた。
 今年2月下旬、やっと転園がかない、4月から利用を始めた。2人目の妊娠が分かったのは間もなくだ。
 厚生労働省によると、認可保育所に入所を申し込みながら、満員で入れない「待機児童」は全国で4万184人(08年10月現在)。「保育園を考える親の会」代表の普光院亜紀さん(52)は「育児休業を取得する女性が増えたのに、職場復帰を支える保育支援が置き去りにされている。少子化対策のためにも、保育所整備が不可欠だ」と指摘する。

重い保育料負担
 無認可保育所の保育料負担の重さを訴える声は切実だ。東京・港区の女性会社員(31)は、月12万円の保育料を負担する。月給の半分ほどが消えてしまう。
 昨年3月に男児を出産した。以前住んでいた世田谷区は待機児童が比較的多いため、わざわざ港区に引っ越した。職場に近く、認可保育所に入れる可能性がより高いと見込んだからだが、選考に通らなかった。女性は「高額な保育料は、働き続けるために必要な一時の出費だと思って我慢するしかない」と話す。
 これから仕事に就こうとする母親が保育所探しに困るケースも多い。川崎市のフリー編集者の女性(37)の2人の子どもの預け先は無認可保育所だ。
 1人目の妊娠を機に出版社を退職したため、認可保育所への入所を申し込んだ時点では、次の職場は決まっていなかった。市の担当者から「会社にフルタイムで復帰予定の女性を優先せざるを得ない」と告げられた。今は出版社でパートとして働く女性は、「私もフルタイムで働くつもりだったのに、預けることができないなんて……」と憤る。
 各政党とも政権公約で、待機児童の解消に触れているが、自民党が幼児教育の無償化の費用として約8000億円、民主党は子ども手当の費用として5兆3000億円を打ち出すなど、アピール合戦ばかりが目立っている。
 第一生命経済研究所主任研究員の松田茂樹さんは「経済支援が中心で、保育サービスの拡充に力を入れているようには感じない。さらに、具体策や財源の明示が乏しい」と批判。その上で、無認可保育所の保育料を下げるため補助金を増やしたり、認可保育所の受け入れ人数の基準を緊急的に緩和したりといった、実効性のある具体策が必要だと指摘している。
(2009年8月25日 読売新聞)

新規参入は断固阻止!! 保育園業界に巣くう利権の闇(ダイヤモンド/2009/11/06)

http://diamond.jp/series/closeup/09_11_21_001/
保育園に入れない子どもが増加している。その一方で、保育園の新規開設は遅々として進んでいない。株式会社などによる新規参入に、既存の保育園が政治力まで使い反対してきたからだ。その背景には、既存の保育園の経営が利権化し、職員の待遇が恵まれていることがある。保育園業界の闇を追った。

 経営感覚ゼロでも客が万来し、税金はかからず、補助金はジャブジャブ。職員には、高給取りがごろごろいる。100年に一度の不況など、どこ吹く風──。
 今どき、そんな夢のような業界がある。保育園業界だ。
 なにしろ保育園の需要は急増している。2009年4月時点で、認可保育園に申し込みをしているが入園できない待機児童数は、全国で約2万5000人。しかも、この1年で29.8%増と過去最大の増加を示している。
 さらに、はなから諦めて申し込みをしていない潜在的な待機児童数は80万人と推計される。
 これだけ需要があるのに保育園はなぜ増えないのか。その答えは、新規参入の難しさにある。保育園業界が、新規参入を断固として阻止しているのである。

認可園には多額の補助金 年収1200万円の園長も
 保育園には、認可保育園と認可外保育園がある。認可保育園は文字どおり自治体の認可を受けたもので、国や自治体から潤沢な補助金を受け取っている。国費だけでも、年間3000億円程度が認可保育園に投入されている。
 認可外保育園には、一部に東京都独自の補助金を受けられる認証保育園などがあるが、多くが補助金をまったく受けられないベビーホテルなどで、設置は自由だ。
 認可外保育園が全国で約7300なのに対して、認可保育園は約2万3000。さらに、認可保育園は、自治体による公立認可保育園と社会福祉法人などによる私立認可保育園に分かれ、その数は半々である。
 そして、認可保育園と認可外保育園の経営には、天国と地獄ほどの差がある。認可保育園の経営は楽で非常においしいのだ。
 認可保育園は認可外保育園がもらうことのできない巨額の施設整備費を受け取っているため、園舎は立派で、園庭も大きい。それでいて、月謝の平均は約2万円と安い。これも補助金のおかげだ。
 たとえば東京都では、私立認可保育園で約30万円、公立では約50万円を、0歳児1人当たりの保育費用として毎月補助している。だから、月謝が安いのだ。
 一方、都心の認可外保育園の多くは、雑居ビルで運営され、0歳児の月謝は6万~7万円かかる。
 これだけ差があれば、認可保育園には黙っていても園児は集まる。そして、園児が集まれば、それだけ多くの補助金が入ってくる。
 おかげで、認可保育園の経営者に経営感覚は育ちにくい。「複数の物品の納入業者から見積もりを取って、値引きさせるという当たり前のことすらやらない園もある」(認可保育園関係者)。
 さらに、保育園経営が“利権化”している面もある。
 私立認可保育園の多くは社会福祉法人によって運営されている。社会福祉法人は地域の篤志家などが自らの財を提供して設立し、保育園運営を始めたケースが多い。
 しかし、補助金事業で公的側面が強いにもかかわらず、後任の理事長も自ら決めることができる。現在では、二代目、三代目と、後を継いでいる保育園も多い。また法人税を支払う必要がなく、一族を職員として雇うことも多い。
 儲けの裏技もある。私立認可保育園の職員の給与の支払いにも補助金が投入されているが、その額は、およそ世間一般での“大卒で30歳程度”に設定されている。
 ところが、一部の私立認可保育園では、女性職員は30歳までに辞めるように仕向けつつ、なるべく若い職員を中心にして人件費を抑えている。実際の賃金と補助金との差額が、利得になるからだ。
 さらに、社会福祉法人の理事長は給与額を自分で決めることができる。こうして「合法的に私腹を肥やす」(認可保育園関係者)のだ。
 一方、公立認可保育園に目を向ければ、園長、職員、双方が待遇面で恵まれている。
 保育園の問題に詳しい、鈴木亘・学習院大学教授は、「東京23区の保育士の平均年収は800万円を超え、園長の給与は約1200万円。園長は都庁の局長レベルだ」と明かす。他の地域でも、地域の公務員に準じているという。
 もちろんすべての認可保育園が、利権ばかりを気にしているわけではなく、熱意を持って保育にかかわっている良質な園もある。しかし、制度全体の設計が、放漫経営や利権目当てを生みやすい構造になっていることは否めない。
 そして、これだけの利権や特権をやすやすと手放すわけがない。保育園業界は、団結して新規参入を阻止してきた。
 認可保育園の新設は地方自治体が判断し、株式会社の参入など規制緩和は政府が決定する。つまり、あらゆるレベルで政治がかかわってくる。そこで、保育園業界は強い政治力を備えるようになった。
 その代表格が保育3団体だ。日本保育協会、全国私立保育園連盟、全国保育園協議会連盟は強い政治力を持ち、厚生労働省の部会などにも参加している。
 加えて、23区の公立認可保育園は共産党系の労働組合の影響が強い。また、全国の他の公立認可保育園は自治労(全日本自治団体労働組合)の影響が強い。現在、全国の自治体で公立認可保育園を民間に委託する動きが相次いでいるが、これらの団体を背景に、組織的に委託反対運動を起こしているのだ。
 猛反発の成果は上々だ。2000年に、国は株式会社などによる保育園設置を形式上認めたが、その中身は骨抜きだ。特殊な会計基準を強要され、補助金は既存の認可保育園に比べたら利用できないものも多かった。
 なにより、政治力を気にしてか、株式会社による申請があっても、自治体が認可しないことも多い。株式会社などによる認可保育園は、全体の2%以下にとどまっている。
 待機児童の解消という目的を果たすには、認可保育園の闇を照らし出していく一方で、制度の運用面も見直す必要がある。
 認可保育園への入園は、親の働き方などを点数化してその優先度を決めるが、そこで優遇されるのは正社員夫婦だ。非正規社員やパートで働いている場合は、点数が低い。正社員は忙しい、という理屈だ。
 認可保育園に入れなかった場合、認可外保育園に預けざるをえない。良質な認可外保育園もあるが、安かろう悪かろうといったところも多く、かつて死亡事故も起きている。弱者に優しい制度になっていないのだ。
 小学校前までの教育にかける国費の額で、日本は先進国24ヵ国のうち、最下位に近い。認可保育園を増やすのはいいが、予算が限られたなかで数だけ増やしても、一園当たりの補助金は薄まり、保育の質は落ちてしまう。本来なら、予算の増額を目指すべきなのだ。
 民主党が進める子ども手当も、現金での支給では遊興費に消えかねない。広く薄く予算配分するより、重点配分する視点も必要だろう。教育産業向けに使途を限定したバウチャー(クーポン)として発券するのも有効かもしれない。
 ただ、いずれにしても劣悪な認可外保育園のチェック体制や、既存の認可保育園のムダを削減するような改革、新規参入の緩和など制度全体の見直しもセットで導入することが必要だろう。
 それには、既得権を手にしている保育園業界からの猛反発が起こる。加えて、現在200万人いる認可保育園に通う子どもの親たちも、見方によっては既得権者といえる。改革によって今通っている認可保育園のサービスが見直されるとしたら、親たちから反対の声が上がりかねない。
 自民党政権では長年この構図にメスを入れられずにいた。民主党への政権交代は、国民が利権にとらわれた自民党にノーを突きつけた結果ともいえる。民主党には、しがらみを断って改革をする勇気が求められているのではないか。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 清水量介)
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