桜が散っていた。
「もう葉桜じゃない...」
帰宅途中、一駅前で降りて桜並木を見ようと思っていたのに。
ちらほらと、若い緑が見えた。
もう少し早く来ればよかった、と軽く落胆していると、前に見慣れた影があった。
「進藤..先生...?」
影がこちらを見やった。
「香坂?お前、ここで何してる..」
「お前はやめて...あなたこそ、ここでひとりでお花見? 寂しいわね」
自分も同じなのだが、口から出るのは悪態ばかり。
「そんなとこだ。ひとりも悪くない。」
ふと、夜桜を見上げる進藤の顔を見ると、月明かりに照らされ、やけに妖艶に見えた。
「..お互い、寂しいわね...」
進藤が驚いた顔で振り向いた。たまきがそんなことを呟くとは。秘めていた想いが爆発しそうになる
。
「すぐ近くなんだが..俺の部屋に来るか?コーヒーでもいれよう。そこからでも、桜は見える。」
たまきが目を見開いて見つめてくる。
進藤も自分自身の言葉に微かな衝撃を抱いた。
たまきは、驚きながらも、誘いにのることにした。胸の高鳴りに気づかないふりをしながら。
部屋に着くと、誘い文句通りに進藤はコーヒーをいれてくれた。
少し長めの沈黙の後、進藤に促され、ベランダに出ると、さっきの桜並木が一望できた。
「綺麗...」
月明かりに照らされた桜が、あたりをぼぅっと照らしているようにも見えた。
「絶好の花見ポイントね。」
そう言いながら、進藤を見つめると、進藤はいきなりたまきに口づけた。
決して激しくはないが、甘く、溶けそうなほどに熱く、長いキス。
唇を話して、互いを見つめあう。
もう、言葉は何もいらない気がした。
そのまま部屋の中に戻り、また口づける。
今度は、息もできないほど激しく、乱暴だった。
舌と舌を絡ませ、互いの唾液も飲み下し、獣のように求めあった。
「ん..ぁ.ふ....んんっ..」
淫らな喘ぎがこぼれる。
それに欲情した進藤は、耐えきれなくなって、たまきを床に押し倒した。
ずっと唇を味わっていた進藤の唇が、ゆっくり、でも確実にたまきの感じそうな所を攻めた。
耳のあたりに触れると、
「はっ..うぅ....んぁっ!」
と、一際高い声をあげた。進藤は気をよくして、乱れる女の耳に舌を差し入れ、軽くかき回した。
「いやぁぁっ...ん..ぁっ」
さらに高い声があがる。
「そんなに、イイか...?」
不敵な笑みを浮かべながら聞いても、拗ねたのか、たまきは答えなかった。
「なぁ、もう、我慢できそうにないんだ」
そう言うと、いきなりスカートの中に手を入れ下着を引きずりおろした。
「いやぁぁぁっ!」
いきなりの激しい行為に抗議の声を上げても、進藤は無視して現れた指を這わせた。
くちゅっ...
淫猥な水音が部屋に響く。
「ぃや...ぃゃ...っやめっ..」
いくら喘いでも、進藤は聞く耳を持たない。
むしろ、たまきが喘げば喘ぐほど、進藤の牡の部分がどんどん増殖してくる。
もう、理性を保つことなどできなかった。
たまきのスカートも完全にまくりあげる。
そしてジッパーを下げ、徐に自身の十分に固く、太くなったモノを取り出し、たまきのいやらしく濡
れた部分に押し付ける。
もう、何も聞こえなかった。
そしてそのまま、たまきの叫びには耳を貸さず、強引に花園の中に自身を押し込んだ。
たまきは淫らすぎる喘ぎ声をもらして、最初こそ嫌がったが、だんだんもっと強く犯されることを望
んだ。
進藤は、夢中で己の腰を動かし、牡の部分で牝の締め付けを楽しんだ。
激しい蹂躙の末、一際長く甲高い喘ぎを残し、たまきは果てた。
服をきちんと身につけ、下半身だけ露出した淫らな姿で。
進藤も強い締め付けに耐えきれず、熱く、濃い液体をたまきの中に放った。
―熱く燃えた2人を、月明かりに照らされた妖しい夜桜が見つめていた。