ク・ホリン (クー・フーリン) Cu Chhlainn
アルスター神話の "赤枝の騎士団" の中の英雄。
現在アイルランドでも国民的英雄として人気がある。
太陽神ルーとデヒテラの息子。[Cu]とはゲール語で犬のことで、「ホリンの犬」の意味。
子供の頃はセタンタと呼ばれていた。
"ある日、セタンタが他の子供達と得意のハーリングをして遊んでいたら、アルスターのコノート王が通りかかった。
王はセタンタという子供のハーリングがとても上手な姿が気に入ったので、ご褒美として
これから行く途中だった、金持ちの鍛冶の名匠クーリン(クラン)の屋敷でおこなわれる宴に招待した。
まだゲームが終了していなかったため、セタンタは館の宴に後から行くことになり、王は先に屋敷へ行った。
さてその屋敷にはクーリン自慢の100匹分の犬の力を持ち、10人の戦士も打ち負かすという番犬がいた。
クーリンは招待客が全て来たと思いこみ、宴が始まると番犬を庭に放してしまった。
そのとき恐ろしい犬の咆哮が聞こえ、皆が子供が八つ裂きにされたかと思い庭へ行ってみると、番犬を柱に打ち付けて殺したセタンタの姿があった。
セタンタは大事なクーリンの番犬を殺してしまったことを謝り、
代わりの番犬がみつかるまで、自分がクーリンへ仕えると申し出たことから、「ク(犬)・ホリン」と呼ばれるようになった。"
アイルランドでは、犬は勇気や美と関連して考えられていたため、現在でもクのつく名前は珍しくないそうだ。
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