花の名前 サクラ その2

サクラのおおもとの原産地はヒマラヤ近郊と考えられており、北半球の温帯に広範に分布している。日本では少なくとも数百万年前から自生しているとされ、鮮新世の地層とされる三朝層群からムカシヤマザクラの葉の化石が見つかっている。また、各地で気候に適応し、ほぼ日本全土で生育が可能である。さまざまな自然環境に合わせて多様な種類が生まれており、日本においてもいくつかの固有種が見られる。たとえばソメイヨシノの片親であるオオシマザクラは伊豆大島など、南部暖帯に自生する固有種とされる。

桜の花は日本人に非常に親しまれ、園芸用樹として好まれた。エドヒガンやヤマザクラ、オオシマザクラなどは比較的に変性を起こしやすい種であり、このため、園芸技術の発達に伴ってこれらを用いた品種改良が多く行われた。代表的なものはソメイヨシノであり、この種はオオシマザクラとエドヒガン群の特徴を持っている。また、ヤマザクラなどは一枝だけに限って突然変異することもあり、その枝を挿し木や接木にすることによって新たな品種とすることもある。現在、固有種・交配種を含め600種以上の品種が存在するとされる[1]園芸種をサトザクラとまとめて分類することもある。現代では遺伝子情報が良くわかるようになり、品種の特定がよりしやすくなった。理研では重イオンビームの照射による新品種の開発をしている
樹木としては中高木から低木程度の大きさであることが多い。皮は水平方向に裂け目が出来るものが多い。サクラ属の葉の形は多くの物で楕円形であり、枝に互生し、葉の端はぎざぎざの鋸状になっていることが多い。また、葉に薄い細毛が生えるものも少なくない。葉は秋になると紅葉する。サクラは根から新たな茎が生える種類も多い。(ひこばえとも言う)不定根も良く発生する。

開花期は種によってばらつきがあるが主だったものでは早いと3月中旬頃から、遅いものは5月中旬頃までである。日本においては1月、沖縄のカンヒザクラを皮切りに、カンザクラが2月頃、ヤマザクラが3月下旬、ソメイヨシノが4月上旬、ヤエザクラが4月中旬くらいに見頃を迎え、カスミザクラは5月上旬くらいまで花を咲かす。特にソメイヨシノで顕著であるが、葉が出そろう前に花が咲きそろう。同じバラ科に属しているモモやウメは花柄が短く枝に付くように咲くが、サクラの品種はこれらと違って長い花柄をもっており、花が枝からはなれて咲く。

花びらは五枚から百数十枚までさまざまであり、多くのものが白から桃色である。花弁が五枚までのものを一重、五枚から十枚のものを半八重、十枚以上の花弁をもつものを八重と言う。また、花弁が非常に多く、一枚一枚が細長い場合、菊咲きと称する。さらに萼、花弁、雄蕊の中にさらに萼、花弁、雄蕊のある二重構造のものも見られ、これは段咲きと呼ばれる。花弁の枚数の増え方には雄蕊が花弁に変化するものと、花弁や雄蕊そのものが倍数加する変化が見られる[9]。花観賞用の園芸品種としても好まれたためにさまざまな姿の花が見られる。

開花期間は花見によく使われるソメイヨシノが短く、満開から一週間程度で花が散る。これに比べヤエザクラはより長い期間花を咲かせ続ける。その他、温度や雨が散る散らないの原因になる。花が咲いた後に気温が下がる花冷えが起こると、花は長く持ち、咲いた後に雨が降ると早く散る。花が散り頃に葉が混ざって生えた状態から初夏過ぎまでを葉桜と呼ぶ
サクラは花芽を作ると葉で休眠ホルモンを作り休眠し、一定の寒さに置かれることによって花の蕾が休眠打破の状態になり、その後暖かくなり始めると開花を迎える。この工程は一般的には冬から春にかけて行われることが多いが、秋に何らかの影響で葉がなくなった場合休眠ホルモンが足りず、寒い日を二~三日経てその後小春日和になるとこの条件を満たしてしまい狂い咲きが起きる。また、狂い咲きとは別に十月頃に花を咲かせる品種も存在する[10]。

近年、サクラが以前に比べ若干早く咲く現象も見られている。また、九州では桜前線の南下現象が見られるようになった[11]。冬が暖かすぎると休眠打破が起こりにくいため、暖かい九州南部では開花が遅れていると考えられる。これには温暖化の影響が見られ、また、都市部で開花が早まることはヒートアイランド現象も少なからず影響している。これらの要因は季節学的な自然環境の変化を端的に表す指標にもなっている。

サクラは木を傷つけるとそこから腐りやすい性質を持つ。この特性から「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という諺まである。このため、花見の宴会でサクラの木を折る観光客の被害によってサクラが弱ってしまうことが多い。一方、枝が混んできた場合は適切な剪定を行うと樹勢が回復する場合もある。青森県の弘前市では同じバラ科のリンゴの剪定技術をサクラに応用することで同地に生えていたソメイヨシノの樹勢を回復することに成功している。剪定の際は不要な枝を根元から切り取り、その傷口を消毒し保護剤で保護する。

本来、特に自生種は病害にも害虫にもそれほど弱くはないが、人為的に集中して植えられている場合や人工的に作られた品種はこれらに弱くなる場合もある。桜の病気としてはテングス病や根頭がんしゅ病が、害虫などとしては蛾の幼虫やアブラムシ、カイガラムシなどがよく知られている。また、キノコなどの菌類の発生も桜の生育を妨げる。いずれも桜の密集地では互いに伝染し、集団発生する可能性がある。

桜は生育環境さえ良ければ非常に長寿になる。日本三大桜がいずれも樹齢千年を超える老古木となっているほか、五大桜も古木が多く、それ以外にも有名で長寿の一本桜が多く存在する[12]。寿命60年という説があるソメイヨシノでも樹齢100歳を超えるものはあり、樹木には事実上寿命と言うものはない。育つ環境が良く、健康状態の良い木は年齢を重ねても華麗に花を咲かす。
参照 wikipedia サクラ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%AF%E3%83%A9


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最終更新:2011年02月21日 14:41
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