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ミッション№ | 名前 | 特殊条件 | 人数 | 戦利品 | 備考 |
上級 №A0053 |
07 / 09 / 28 ~ 07 / 11 / 30 小次郎伝 |
なし | 2人 | 水月LV3 剣舞LV3 鬼道LV3 (3ポイント) |
プロローグ |
京に程近い山の中に佐々木小次郎の姿があった。 天下泰平の世として長く続いた大江戸幕府には、刀の為に生き抜く者は減り、小次郎を満足させる剣豪は失われつつあった。京を探し回り新撰組にも出会ったが彼らは刀のみに生きるのではなく、時代の為にその身を費やしていた。そのため一度も刀を交えることなく京を離れたのだった。 小次郎 「以前の私であれば寝る間もなく相手が押し寄せたものだが、この世では無名の存在。おいそれと刀を交えてくれる相手などおらぬか・・・。」 そんなことを口にしながら岩肌に腰を下ろし、しばしの休憩をしていた小次郎の背後に忍び寄る影が現れた。その影は殺気を隠すことなく小次郎に近付いていった。 |
SC0208 羅刹 ★★★★ 体1250 / 攻230 / 防220 6 / 2 / 9 / 9 / 10 敵サポカ 剣舞 LV2 鬼道 LV2 機雷 LV2 |
小次郎 「この殺気・・・、何者だ!」 背後の殺気に気付いた小次郎は振り向きざまに小刀を投げ、距離を置いた。 羅刹 「貴様、佐々木小次郎だな。我が主の命により、貴様の命頂戴する。」 型は違うが両手に刀を持つその構えに懐かしいものを感じながら小次郎は、刺客が並みの腕前ではないことを感じ取っていた。 小次郎 「何者か知らぬが、私に刀を向けたこと後悔させてやろう。」 |
敗北時 | 小次郎 「くっ、これほどの剣豪だとは・・・、お主の名はなんという?」 羅刹 「名など忘れた。・・・だが今は羅刹と呼ばれている。」 小次郎 「羅刹・・・。今一度勝負!」 |
SC0232 天下無双 宮本武蔵 ★★★★★ 体1900 / 攻250 / 防250 20 / 10 / 20 / 5 / 5 敵サポカ 修羅 LV1 修羅 LV3 水月 LV3 剣舞 LV3 |
風車のように旋回する刃に間合いを読み切れず、小次郎は予想以上の苦戦を強いられた。 小次郎 「間合いを読ませないと言うのならば、その刀ごと斬り伏せるまで。」 刀ごと斬るなど、常人には無い自由な発想こそが数々の戦いの場を斬り抜けることで得た経験であった。その言葉が偽りで無いことは、次の瞬間に明らかになった。振り下ろした刀で羅刹の右の刃を斬り、そして返す刀で左の刃を斬り裂いた。 羅刹 「化け物か!」 それまで無表情だった羅刹の顔が驚愕に染まった。 武蔵 「そこまでだ、小次郎。」 小次郎が武器を失った羅刹に向けて刀を振りかぶったその時、1人の男が声を発した。 小次郎 「なっ武蔵なのか?」 そこに立っていた男の姿を見て小次郎は戦っている最中と言うことさえ忘れてしまった。 武蔵 「羅刹。お前は下がれ!」 羅刹は茫然と立つ小次郎の隙を見逃しはしなかった。懐の小太刀を握り、襲おうとしたその時武蔵は再び声を発し、今度は小次郎を救った。 武蔵 「最初から小次郎の相手は俺がやるんだった。邪魔して悪いな羅刹。」 その言葉に羅刹は一瞬殺意を込めて武蔵を睨み、現れた時のように影に消えた。 小次郎 「お主、本当に武蔵か?」 武蔵 「疑うんだったらその刀で試してみるんだな。」 時代を超え、いま再び剣の道を極めた者が刀を交えた。 |
敗北時 | 小次郎 「確かにこの強さは私の知っている武蔵だ。いや、・・・強いことは確かだが、何かが違うか。」 |
エピローグ |
伝説の剣豪たちの戦いは、巌流島の再現にはならなかった。一度は破れた小次郎が武蔵を圧倒したのだった。 小次郎 「その構え、太刀筋、すべて私の知る武蔵その者だが、剣の重さが違う。武芸者としての覚悟を黄泉路に忘れてきたか、武蔵?」 武蔵 「・・・俺の剣が薄っぺらいとでも言うのか?再び刀を振るうことに喜びを感じていた俺の剣が・・・。」 同じ黄泉路より戻った2人の剣豪であったが、その剣術には大きな差が生まれていた。だが、その事実に2人気付きたくは無いと思っていた。理由はそれぞれ違っていたが。 武蔵 「認められるものか。一度俺の剣に負けた小次郎が勝つなど・・・。」 小次郎 「武芸者としての誇りも無くしたか。武蔵、お主に負けてから死してもなお勝つために精進した私と、私に勝ったことで剣を極めたなどと満足した者の差が出たのだ!」 小次郎の言葉には偽りがあった。武蔵が満足するはずが無いことを知っていたからだ。だが、現実は武蔵と小次郎には大きな差が生じていた。勝った小次郎でさえも、死しても望んでいた戦いがこのような形で終わることを納得したくなかったのだった。 小次郎 「さらばだ、武蔵・・・。」 こうして小次郎と武蔵の戦いは静かに幕を閉じた。複雑な心中の小次郎は慌しく立ち去り、その場には武蔵の刀が残された。しばしの時が過ぎたのち、武蔵の刀は淡い光に包まれ、蛍のように小さく飛び去っていった。まるで主の下へ帰るかのように。黄泉路ではなく、現世へその光は留まったのだった。 |