- 天皇の神格性
- 通説
- 皇室の祖先である天照大神は最高神である
- 最高神の子孫である天皇も同様に神である
- 最高神の子孫全てが神であるわけではなく、天皇位を継承したものが神と呼ばれる
- 天皇位を継承した者のみと限定される理由があるはずである
- 古代国家における祭政一致の政治体制を確立することで天皇号が成立し、天皇=神の定型が完成した(鳥越憲三郎説)
- 古代国家の政治体制の基本は祭政分離の兄弟統治であった
- 壬申の乱に勝利した後の天武朝で祭政一致を見る
- したがって、天皇および天皇=神の成立時期は天武朝である
- 記紀の記述では常に兄弟統治をしているわけではなく、むしろ、兄弟統治の方が稀。
- 天皇は天命を受けた高祖から天命を継承するから神なのである
- 中国における王朝の開始は、天帝-天命-天子-高祖を構成して説明がなされる
- 日本書紀神代紀では、天照大神-天壌無窮の神勅-天孫-皇祖=ニニギ命という構成である
- 神武即位前紀“ 神日本磐余彦天皇曰く……皇祖皇考乃神乃聖にして……天祖の降跡りましてより以逮、今に一百七十九萬二千四百七十余歳なり”
- 近代でも天皇家は自らの神聖性の根本が「天命=天壌 無窮の神勅」であることに言及
- 明治五年、琉球藩冊立の詔「朕上天ノ景命ニ膺り 萬世一系ノ帝祚ヲ紹ギ奄ニ四海ヲ有チ八荒ニ君臨ス……」
- 大正四年即位礼ノ勅語「朕祖宗ノ遺烈ヲ承ケ……天壤無窮ノ神勅ニ依リテ萬世一系ノ帝位ヲ伝ヘ………」
- 皇祖としての天智天皇
- 代々の天皇、代々の皇子らに匹敵する程の領地を持つ
- 斉明が皇祖母尊・斉明の母吉備姫、欽明の母糠手姫が皇祖母命
- 天命を受けている
- 天智七年条時人曰、天命将及乎
- 「淡海先帝の命を受けたまふに及びて、帝業恢開……」
- 『続日本紀』孝謙天平宝字元年 藤原仲麻呂の上奏文「淡海大津宮御字皇帝は天縦聖君なり………」
- 「天命開別天皇」はアマノミコトでは意味が通らない
- 元明・聖武・孝謙・桓武の即位の詔「この食す国(治める国)は淡海大津宮御宇天皇(天智)の定め賜える不改常典により出来た」とある
- 結論
- 天命をもって統治の正当性とする考え方は、近代歴史哲学では認められない
- 天命は2度降りた、一度はニニギ命、二度目は天智天皇である
- したがって、大和朝廷の成立は天智天皇に始まるとみてよい
- 10世紀成立の延喜式には、国忌の規定があり、平安以前の天皇は、天智天皇のみである
- 天皇の初称は天智である。懐風藻序文に「受命帝業恢開」の記事がある
- 大和王朝の出発は天智である。 倭の五王、好大王碑の倭は大和朝廷と解すべきではない(天智以前は豪族に過ぎない)
- 天照大神が大和朝廷で最高神に昇格したのは天智に天命を降したからである
- 「ヤマト」の表記の変化が天智受命により説明できる
最終更新:2010年02月06日 21:14