15スレ目421-LAS2

421 名前:再び・・・ その1[sage] 投稿日:2009/08/25(火) 22:54:08 ID:???
初投下です。お手柔らかに。

「パパ、あたし行くね」
アスカは父親にウィンクして一目散に駆け出した。
「バカシンジ!一人で現世に戻ってどうするっちゅーの!!」
そう叫ぶと深遠の淵を飛び降りた。

「うっ、くっ・・・」
赤い海から這い出たアスカは、白い砂浜を見渡した。
(あれは?)
アスカは不自然に立ち並ぶ数本の棒切れを見つけ近づいた。
棒切れにはアスカと掘り込んである。
「なにこれ?アタシの墓?ふざけんじゃないっちゅーの!!」
力いっぱい蹴りこむと、やけにあっさりと折れた。
「あいつこの近くにいるのね」
丘を一つ越えるとシンジはいた。
「さて、アスカ。覚悟はいいわね。死ぬ気でいくわよ」
自問自答を終えたアスカはシンジの元に向かった。

422 名前:再び・・・ その2[sage] 投稿日:2009/08/25(火) 22:55:28 ID:???
シンジは呆然としていた。
なにもかもが元通りの世界に帰ってきたはずなのに。
視界には赤い海と白い砂浜、廃墟が広がる死の荒野。
人の姿は見えない、人の形をしたレイの巨大な屍が横たわるだけだ。
(ボクは、ボクは・・・こんな世界を望んだんじゃない・・・)
何時間たったのだろうか、ふと人の気配を感じてシンジは横を向いた。
そこにプラグスーツ姿に左目右腕に包帯をしたアスカが横たわっていた。

シンジの心は恐怖と殺意と狂気に包まれた。
(また、ボクをバカにしにきたのか。そんなにボクが憎いのか!?)
シンジはアスカの首を絞めていた。殺すつもりで絞めていた。
アスカがシンジの頬を撫でなければアスカは死んでいただろう。
「気持ち悪い」
そして、シンジは壊れた。

423 名前:再び・・・ その3[sage] 投稿日:2009/08/25(火) 22:56:39 ID:???
雨が降ってきた。
アスカは立ち上がりシンジを見下ろした。
「このバカ」
アスカはシンジを廃屋の中に引きずり入れた。
廃屋から衣類、食料をかき集め、廃材を薪に火を灯した。
そしてシンジの衣類を全て剥ぎ取り、自分のプラグスーツを脱ぎ捨てる。
「バカシンジ、私を見なさいよ。見たがってたでしょ。オカズにしなさいよ」
シンジはピクリともしない、その瞳は虚空を見つめるばかりだった。
「見ろっていってるのよぉ!」
アスカはシンジを蹴り飛ばした。
何度も蹴り飛ばしているうちに爪が割れ、血まみれになり、足の甲は赤く
はれ上がっていた。あまりの痛さに蹴れなくなったのか、
足の裏を叩きつけはじめた。
「これでトドメよ!」カカトを鼻に叩きつける。
グチャという音とともにシンジの鼻がつぶれ鼻血が噴出した。
「これでオアイコ、貸し借りなし。恨みもなしよ」
大量の血が喉に流れ込み、むせるシンジを抱き起こし、鼻血を吸出し、
すばやく鼻に脱脂綿を詰め込む。
シンジの血まみれの体を濡れたタオルで拭きあげ、傷の手当を始めた。
シンジと自分の手当てが終わり、黄色いワンピースを着たアスカはシンジの
かたわらに寄り添いドロのように眠り込んだ。

424 名前:再び・・・ その4[sage] 投稿日:2009/08/25(火) 22:58:22 ID:???
数日、生死の境をさまよったシンジはアスカの懸命な看護で生きながらえた。
食べ物を食べようとしないシンジに、アスカは自らの咀嚼したものを無理やり食べさせた。
「食べないと直らないのよ」
動くことのできないシンジに、どこから見つけてきたのかオムツをあてがった。
「まったく赤ちゃんなみに手がかかるのに、これは凶暴ね」
数日で体の傷は癒えたが、壊れた心を修復するのは難しかった。
いまだにシンジの瞳は虚空を見つめたままだった。
それでもアスカは根気強くシンジに話かけていた。
自分の全てを知ってもらいたい、その一心で語り続けた。

「まぶし」
日の光で目を覚ましたアスカはおもてに飛び出した。
「シンジ!お日様よ!空が見えるよ!」
アスカはシンジを抱えあげて外に連れ出した。
昨日まで空を覆っていた暗雲は消えうせ、抜けるような蒼空が広がっている。
シンジを下ろし、傍らに寄り添い座るアスカ。
「今日は外で食事しようシンジ」


425 名前:再び・・・ その5[sage] 投稿日:2009/08/25(火) 23:03:46 ID:???
夕刻、太陽が水平線に沈んでいくにつれて、空は藍、紫、橙、赤の
グラデーションに彩られていく
二人は1日中飽きることなく空を見上げていた。
太陽が見えなくなると次は月が主役となり夜空を照らす。
月の蒼白い光は思っていたより明るく、あたりを神秘的に映し出した。
「今日は暑かったね。いっぱい汗かいちゃったね。体拭いてあげるね」
アスカは濡れたタオルでシンジの体を拭きあげる。
そしてシンジの前で服を脱ぎ捨て、体を拭き始める。
月明かりにアスカの裸体が照らされる。
「きれいだよ、アスカ」
シンジに向き直るアスカ。シンジは微笑みながらアスカを見つめていた。
「シ、シンジ。アタシがわかるの?」
アスカはシンジの前にヒザをつき、シンジの手を握りしめた。
「今までありがとうアスカ」
「シンジぃー」
アスカはシンジに飛びつき、そのまま押し倒した。
泣きじゃくるアスカをやさしく抱きしめるシンジ。
その夜、二人は永遠の愛を誓い結ばれた。

前編終了です。
後半も構想していますが、今更純粋LASでないのに気づいた・・・
どうするか・・・

431 名前:再び・・・ その6[sage] 投稿日:2009/08/26(水) 23:06:43 ID:???
二人の蜜月は1週間ほど続いた。
その間、二人はかたときも互いから離れることがなかった。
疲れきり眠りに落ち、先に目を覚ました方が寝ているものの上に乗り、
互いの体液と精液でどろどろに融けた性器を結合させる。
腹が減ると手近の食べ物を、のどが渇けば水を口移しで分けあった。
いよいよ、辺りから集めた食料も底を尽いたある日。

「シンジ!ネルフへ行きましょう!」アスカは突然叫んだ。
「どうしたのさアスカ、急に」シンジは面倒くさそうに寝返った。
「もう、この辺りに食料はないわ。でもネルフ本部なら非常用の備蓄食料があるはずよ」
「そうかなー、N2爆弾で吹っ飛んじゃったんじゃないかなー」
まだ、寝ていたいよという態度のシンジにアスカはカチンときて、
シンジの股間を軽く踏んづけた。
「早く起きないと潰すわよ・・・」徐々に足に体重をかけるアスカ。
「ま、待ってよ。起きるよ!」シンジはたまらず飛び起きた。


432 名前:再び・・・ その7[sage] 投稿日:2009/08/26(水) 23:08:56 ID:???
「痛ったー」下着をはいたアスカ思わずそう洩らした。
「どうしたの?」キョトンした目でシンジが尋ねる。
「あんたのせいよ。」
「ボクのせい?」
「あんたのこいつがアタシの体を傷モノにしたんじゃない!」
アスカはシンジの股間を握り締めた。
「アンタはさんざんアタシの中に出しまくって気持ち良かったかもしれないけどさ」
シンジの股間は膨張し始めた。
「アタシは痛くてたまんなかったのよ。・・・最初だけだけどね」
アスカは膨張したそれをきつく握った。シンジの目が白黒し始める。
「おかげでアタシのここ、すっかりアンタのこれ型になっちゃったのよ」
「アンタ、あの夜の誓い覚えているわよね?」
シンジの顔色は紅潮し脂汗が浮かびだした。
「もちろん・・・だよ」
「言ってみて」
「ボクは君だけのもの。ボクのすべては君だけのもの」
「アタシはアナタだけのもの。アタシのすべてはあなただけのもの」
アスカはシンジの手を自らの下腹に押し当てた。
「やさしく撫でて」
シンジは言われるままにアスカの下腹を撫でた。そして、
「い、痛いの痛いのトンデケー」と叫んだ。


433 名前:再び・・・ その8[sage] 投稿日:2009/08/26(水) 23:11:12 ID:???
アスカはプラグスーツを身に着け、シンジは厚手のデニムと皮ジャンを着込んだ。
「少し暑いかもしれないけど、なにがあるか判らないから用心にこしたことはないわ」
プラグスーツを着込んだアスカの目はエヴァンゲリオンパイロットの目に変わっていた。
二人はネルフ本部へと歩き始めた。

「誰もいないね」シンジは暗い目で呟いた。道中、人の姿はどこにも見られなかった。
「あの世界はね、とても気持ちいいもの」アスカはシンジの手を取りキュッと握った。
「ここに戻りたいと思う人がいなくても仕方ないわ」
アスカは歩くのを止め、瓦礫に腰かけた。
「パパと話したの。心の壁が無くなってパパの本心が判ったわ。パパはママと
変わらない位、アタシを愛してくれていた」
「お義母さんもママほどでないけど、アタシを心配してくれていた」
「アンタがここに戻ってこなければ、アタシもずっとあの世界に居たかった」
「ゴメン。アスカ・・・」シンジはうなだれ、涙をこぼした。
「謝ることないのよシンジ。ここに戻ってくることはアタシが決めたことだもの」
アスカはシンジの頭を抱きしめた。
「アンタのいない世界なんてアタシには無意味なのよ」
「どうして?」
「シンジを見ていたいの。シンジの困った顔と怒った顔と泣いた顔と恥ずかしそうな顔と
・・・笑った顔をずーと見てたいの。・・・シンジが好きなの、大好きなの!」
アスカは両手でシンジの顔を挟み、シンジの瞳を見つめた。
そして、唇を重ね、舌を絡ませた互いの唾液をむさぼりあった。
唇を離した時に糸を引いた唾液を舌で舐め取ったアスカは意地悪そうな顔で囁いた。
「続きはネルフに着いてからね」


434 名前:再び・・・ その9[sage] 投稿日:2009/08/26(水) 23:16:04 ID:???
「イヤッホー!!」
アスカは放置されていたYAGR-3Bの操縦席に乗り込み奇声を上げていた。
「もう、サイコー!」
不必要な急上昇、急降下を繰り返す機体はギシギシと不気味な音を立てている。
「ア、アスカー!早く着陸してよー!空中分解しちゃうよー!!」
「なに、情けないこと言ってんのよ!それ!もう一丁!!」
ピーピーピー!燃料切れアラームが鳴り響く。
「やば!燃料切れ?!」
アスカの手が素早くコンソールの上を動く。
「シンジ!頭抱えて姿勢を低くして!早く!!」
「ど、どうしたの?!アスカ!」
「落ちるわよー!!!」
目の前に水面が迫る。バシャーン!
YAGR-3Bはピラミッド前の人口池に派手な水しぶきを撒き散らし不時着した。

「原因は燃料漏れね。まあ、助かったし良しとしよう」
厚着のせいで溺れかけたシンジはたまったものでない。
「冗談じゃないよ。死に掛けたよ」
「あら、ちゃんと助けてあげたじゃない」まったく悪びれた様子のないアスカ。
生来がアクシデント好きのせいなのか生き生きとしている。
「ほら、もう少しだから、がんばろう」
アスカの差し出した手を握り、シンジは立ち上がった。

今日はこれにてご免

441 名前:再び・・・ その10[sage] 投稿日:2009/08/27(木) 21:38:17 ID:???
記録番号 1
今日から記録をつけることにした。
アタシ達がネルフ本部に来てから2週間たった。
ネルフのライフラインは外界から独立しているため、かろうじて機能している。
電気はソーラー、地熱発電。水は地下水。
ただし、機能は大半が破壊されているため最小限の供給だ。
それでも二人が生きていくには十分すぎる。
思惑通り地下シェルターには備蓄食料が一生かけても食べきれない位保管してあった。
その他生活必需品もだ。
ただ、冷凍庫は機能停止しているため生鮮食料が全滅だ。
ああ、お肉食べたかったなー。

記録番号 2
大発見!なんと温泉まで湧いている。温泉、気持ち良かったー。
こんな施設があるなんて知らなかった。どうやら高級職員用の秘匿施設らしい。
お湯に浸かっていると体と心が癒されるのが実感できる。
「湯治って言うんだよ」シンジが今まで見せたことのない、呆けた顔で教えてくれた。
アタシは新しいシンジの表情を見つけて嬉しかった。
嬉しくてシンジに抱きついてキスして愛してもらった。
かなりのぼせてしまったけど・・・

記録番号 8
今、シンジとカジ農園の脇に二人の愛の巣を設営中。
緊急災害用の仮設住宅だけど気候変動の少ない今ではこれで十分だ。
シンジは畑の世話を始めた。
カジさんの作っていた野菜やスイカをアタシに食べさせると言って張り切っている。
期待してるよシンジ。

442 名前:再び・・・ その11[sage] 投稿日:2009/08/27(木) 21:40:21 ID:???
記録番号 16
碇邸にライフラインが開通した。蛇口から流れでる水、暗くなった部屋に灯る電気の灯り。
今まで当たり前のことにとても感動した。シンジと二人で分かち合うこの暖かな気持ち。
いつまでも大切にしたい。

でも、おトイレは水洗じゃないのよね。「畑の肥料に肥が必要だから」というのが理由。
生命の循環を改めて実感したわ。シンジすごい!

記録番号 31
畑の世話が楽しい。手間をかければかけるだけ大きく育つ野菜達。
今日、食卓にトマトが並んだ。生き残った苗についていた実を世話したものだ。おいしかった。
「これは、カジさんからのプレゼントだね」素直に頷けた。ありがとうカジさん。

あと、たぶん妊娠した。生理がこない。ツワリ?っいうのかな。吐き気が止まらない。
シンジがとても心配してくれる。これはこれで嬉しい。でもかなり不安。
アタシのお腹に赤ちゃんがいるなんてとても信じられない。

記録番号 32
医療室で妊娠検査薬を発見。結果、陽性だった。
妊娠に関する医学書を持ち出し、二人で読み漁った。
まじめに保健体育の授業なんて聞いていなかったので新鮮だ。
学んでいるうちに、なんとかなるんじゃないかという気がしてきた。
「シンジ、アタシ赤ちゃんとがんばるわ。無事産んでみせる!」
アタシはシンジの前で宣言した。
「ボ、ボクもがんばるぞ。ボクにできる事はなんでも言ってね!」
緊張してやや興奮気味のシンジ表情発見。
アタシ達は約束ごとを作った。それは・・・
「安定期までSEX禁止」
多分4ヶ月位SEXができないと思われる。
シンジは基本淡白なので、手やお口での処理で満足しそうだけど、
アタシが果たしてガマンできるのか・・・なんか自信がないなー。

443 名前:再び・・・ その12[sage] 投稿日:2009/08/27(木) 21:43:35 ID:???
記録番号 64
シンジの様子がおかしい。アタシが寝付くと一人でどこかへ出かけていく。
どこへ行くのか聞きたいけど、なんか怖いような気もする。今晩尾行してみる。
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その晩、シンジはアスカが寝付くのを確認してベッドから抜け出した。
物音を立てないようにこっそりと外へ出て行く。
寝た振りをいていたアスカは「よっこらしょ」とかけ声をかけて起き上がり、
シンジの尾行を始めた。
シンジは懐中電灯を灯しながら移動しているので容易に追跡できた。行き先はネルフ本部。
本部内部は非常灯の明かりで薄暗いながらもライト無しで移動できた。
シンジは調理室に入っていく、アスカは調理室のドアの前で立ち止まった。
(さて、これからどうしよう。今すぐ入っていっても決定的証拠は掴めそうにないし。
でも、なんで私に黙ってこそこそしてるのよ、バカシンジ!っといけない、もうバカシンジと言わないって決めたのよね。胎教にも良く無いわ)
「ああ、だめだ!全然良くないよ!」
突然シンジの叫び声が聞こえた。アスカは耳をすました。
「ちっともうまく出来ないじゃないか!何度練習したらうまくなるんだ!」
(シンジの他に誰か居るの?戻ってきた人がいるの?!…ところで、なんの練習よ?)
「こんなのグチョグチョなだけで、ちっとも良くない!」
「やり直しだ!今日は夜通しで攻めまくるぞ!」
「いいか、お前はボクのものだ!ちゃんと言うことを聞け!」
ピシャーン!なにかを叩いた音が聞こえる。
「そうだよ、お利巧だね。ちゃんと言うことを聞いていれば優しくしてあげるからね」
ブチーン!!アスカの理性の紐が切れた。


444 名前:再び・・・ その13[sage] 投稿日:2009/08/27(木) 21:49:09 ID:???
「ブゥアカシンジー!!」驚き振り向いたシンジは般若の顔を見た。
確かに般若だった。
「ア、アスカー?!!」シンジのあまりのショックでその場にへたりこんだ。
「アンタ!アタシを裏切ったのねー!!!!」
「ご、誤解だよ、アスカ。ボ、ボクはただ…」
「問答無用!ぶっ殺す!!」アスカは中華鍋を手に取り、シンジに向かってジリジリとにじり寄った。
「相手の女も仲良く地獄に送ってあげるわ。でもそれで済むなんて思わないでよ。
アタシもすぐ後を追っていくから、地獄でもアンタを殺し続けるから。覚悟なさいよ」
「へっ?女?」
「とぼけるんじゃないわよ!あたしに隠れてここで女を匿ってたのね」アスカは中華鍋を振り上げた。
「女なんていないよ!よく周りを見てよ!ここにはボクとアスカしかいないよ!!」
アスカは中華鍋を振り上げたまま、周囲をきょろきょろと見渡した。
「あれ?だれもいない?」
「当たり前じゃないか、落ち着いてよアスカ。とりあえず中華鍋降ろしてくれないかな」
アスカは中華鍋を放り投げた。グワンガランと激しい音を立てて鍋は落下した。
「でも、アンタ誰かと話してたじゃない?」アスカはシンジの前にしゃがみこんだ。
「あれは、独り言だよ。独り言でも言ってなきゃ怖くてさ…」
上目遣いで見上げるシンジにキュンキュンし始めたアスカはシンジを抱きしめた。


445 名前:再び・・・ その14[sage] 投稿日:2009/08/27(木) 21:51:21 ID:???
「ところでさ、アンタここでなにをしてるの?」
「そ、そうだ!」シンジはアスカを立ち上げて、ちいさな冷蔵庫の前に向かった。
「実はね、スイカアイスを作ってたんだ」シンジは冷蔵庫からトレイを取り出してアスカの前に置いた。それを見たアスカの喉がゴクリと鳴る。
「アスカ、悪阻で食べられるものがないし、もしかしたら好物のアイスなら食べれるかなと思って。
ちょうどスイカも収穫できたしスイカでも良かったんだけど、アイスのほうが余計に喜ぶかと思ってさ。…て、アスカどうしたの?」
アスカはシンジの思いやりに感動していたが、それよりも目の前にあるスイカアイスに心を奪われていた。
「これ、食べていいよね?」
「え?いいけど、これ失敗さ?!」いいという返事が聞こえた途端、アスカはアイスを貪るように食べ始めた。
「うまーい!!!」瞬く間にアイスを食べつくしたアスカは、まな板の上のスイカに目をつけた。
脇に置いてある包丁を手に取るとスイカを一刀両断にした。
「す、すご…」目を丸くするシンジをよそに、アスカは手でスイカをえぐり取り食べ始めた。
「なんか、暴走した初号機みたいだ…」シンジは軽い戦慄を覚えた。
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記録番号 65
今日もお腹一杯にスイカを食べた。悪阻の時は食べたいものを食べればいいらしい。
赤ちゃんのためにもがんばって食べるぞ。
アイスもいっぱい食べたかったけど、お腹こわすから1日2本に制限された。


446 名前:再び・・・ その15[sage] 投稿日:2009/08/27(木) 21:54:27 ID:???
記録番号 128
今日はかなりキテいた。久しぶりのシンジとのSEX。
最初、大きくなったお腹を気にして膨張率が70%だったけど、
あたしの中に入った途端120%になり即果てた。
もちろんそんなんで許すわけも無く、即復活させた。
医学書にバックスタイルがお腹の負担が軽いとあるので、バックでしてもらう。
子宮が降りてきているので、あまり深く挿入できない。
シンジもオッカナビックリで動いている。
実はシンジのが子宮を突くたびにアタシはイッていた。
なので、シンジが動き続けている間、イキッぱなしだった。
どうやら気絶したらしい。シンジの呼ぶ声で気がついた。
なので、あまり記憶がない。はずかし。妊娠して体に変化が出始めたのかな。

記録番号 256
陣痛が始まって2日経った。もう、死んじゃいたいくらい苦しい。
でも死ねない。死んでたまるか。アタシ達はしあわせな家庭を作るんだ。
アタシもシンジを得られなかったシアワセを作るんだ。
早く出てきて、アタシ達のかわいい赤ちゃん。
ウー、グルジィー・・・・

代筆 碇シンジ
今日、元気な女の子が産まれた。アスカは母になった。ボクは父だ。
黒い髪、黒い瞳。アスカが言うにはボクそっくりらしい。
今、目の前でアスカの乳首に一生懸命吸い付いている。
名前は未来と名づけた。この子に祝福された未来が訪れますように。


今日はここまで
458 名前:再び・・・ その16[sage] 投稿日:2009/08/29(土) 01:45:25 ID:???
「MAGI、SEXってなに?」
メルキオール「生殖行為」バルタザール「体で愛し合うこと」カスパー「キモチいいこと」
「むう、よくわかんないよ!もっと具体的に教えてよ」少女は端末に悪態をついた。
メルキオール「男性器と女性器の結合」バルタザール「赤ちゃんを作る行為」カスパー「ビデオ準備中」
ブン!画面がブラックアウトして再表示される。
メルキオール「却下」バルタザール「却下」カスパー「了承中止」
「もういいよ。じゃあバカップル!」
メルキオール「発情抑制できない男女」バルタザール「人前でも愛しあえる恋人同士」カスパー「シンジ・アスカ」

「やっぱりそうなんだ」未来はイスの背もたれに寄りかかりキイキイと音を立てた。
ふと鏡に目をやり自分の姿を確認する。
黒髪は短く切りそろえている。黒い瞳とミルク色の肌。長い手足とくびれたウエスト。
胸は発展途上中。
「未来の顔はほんとにパパ似ね。肌とスタイルはママを受け継いでヨカッタワー」
どうせなら全部ママ似で良かったのにと未来は思う。
母親は今年で28歳。子供を3人産んだと思えない抜群のプロポーションを維持している。
赤みがかった金髪、碧眼、ミルク色の肌。娘の未来でさえその美貌に憧れている。
父親は長年の畑仕事で肌は黒く日焼けしているが昔は色白で線の細い少年だったらしい。
引き締まった体と190cm近い身長。母親のいうところの甘いマスク?がポイントだそうだ。

459 名前:再び・・・ その16[sage] 投稿日:2009/08/29(土) 01:46:31 ID:???
こんな二人でも気になることがあり、幼いころ尋ねてみたことがある。
「ねえ、ママ。この手と目はどうしたの?」未来はアスカの豊かな乳房に、
顔をスリスリしながら尋ねた。
「これはね・・・、ママが悪者と戦ってヤラレちゃった時のものよ」
「エエ?!ママかわいそう!でもパパがいたらヤラレなかったかもね!」
アスカはニコッと愛娘に微笑んだ。そしてシンジに向き直りボソッと呟いた。
「ホントに。パパがいてくれたらね」ジトッした視線をシンジに向ける。
「ハハハ・・・」シンジはアスカから目を逸らし、乾いた笑い声を出した。
「ねえ、パパ。どうして鼻がちょっと曲がっているの?どうして前歯がないの?」
「それはね・・・」答えようとしたシンジは殺気のこもった視線に気が付いた。
(余計なこと言ったら殺すわよ)シンジは縮こまり小さく答えた。
「とても大切な人と仲直りした時に、そう、転んでぶつけたんだ」
「パパ、カッコワルイー」アスカのヒザの上でキャッキャッとはしゃぐ未来。
「あの時のこと思い出したら興奮してきちゃった、ア・ナ・タ」
獲物を見つけた猫のような目でアスカはペロッ舌なめずりをした。
「未来ちゃん、今日は早くネンネしようね。特別にオッパイチュウチュウさせてあげる」
「ヤッター!」未来はアスカのオッパイが大好きで、5歳になるまでは寝る前の日課だった。
「シンジ、今日は寝たふりしても勘弁しないからね」

「あの時できたのが眞歌か・・・」
13歳の多感な少女は「バカップル」な両親のバカッぷりを思い返しクスッと笑った。


460 名前:再び・・・ その18[sage] 投稿日:2009/08/29(土) 01:48:38 ID:???
未来がMAGIと出会ったのは12歳の時、両親に連れられて「ネルフ本部」見学に
行った時だった。中央司令室で見つけた「専用端末」なぜか興味をかられ、父親に
頼み込んで持ち帰ってきた。
「壊れているんじゃないかな?」電源スイッチを押しても作動しない端末を前にシンジは
未来に説明した。それでもあきらめきれない未来は端末を捨てる事ができなかった。

「未来ちゃん、はじめまして」
未来は夢を見ている。未来の夢には見たことのない人たちが日々現れる。
生きて動いている人間は家族以外に見たことがない未来には夢がとても楽しみであった。
「はじめまして。・・・冬月先生、今日は若い女の人ですね」
「伊吹マヤ君だ。君が持っている端末の持ち主だよ」
冬月は未来の夢にしばしば現れ、両親に関わりのある人達を連れてくる。
この前は缶ビールというものを両手に持った派手な格好のきれいな女性を連れてきた。
彼女は未来を見た途端、手にした缶ビールを放り投げ抱きついてきた。
ひとしきり泣いたあと、休む間もなく両親のことについての質問を投げかけてきた。
そのとき「バカップル」という単語を知った。
「また、来るね未来ちゃん」名残惜しそうに何度も何度も振り返り去っていく姿がとても
印象に残った。彼女の名前はミサト。

「マヤさん、あの端末壊れちゃってるみたいなの」
「多分バッテリー切れね。ネルフ謹製品は10年放置した位で壊れたりしないわ」
「どうすればいいの?」
「ソーラーバッテリーだから光のあたる場所に置いておけばいいわよ。それと…」
マヤは未来に近寄り、耳元でこっそり囁いた。
「アクセスパスワードが必要なの。パスワードは」
OKUHTIREVOL マヤは頬を赤く染めている。
「シンジくんとアスカに言っちゃだめよ。約束ね」
「伊吹くん、この世界で隠し事は無駄だぞ」
オホンと咳払いした冬月がニヤッと笑う。
「わかっていますよ。でもあの子達には秘密にしておきたいんです」


461 名前:再び・・・ その19[sage] 投稿日:2009/08/29(土) 01:49:54 ID:???
未来は目を覚ますと早速端末を調べてみてLEDランプが赤く点灯していることを確認した。
電源スイッチを押すとブンと音が鳴り、画面に見た事もない文字が羅列される。
マコ支援プログラムと一瞬表示され、見慣れた文字が表示された。「パスワード」
教えられた通り入力するとカラフルな画面に切り替わり端末が挨拶をしてきた。
メルキオール「おはよう」バルタザール「朝ご飯たべた?」カスパー「ちゃんと化粧している」
「お、おはよう。まだご飯たべてない。化粧ってなに?」
日本語とドイツ語の読み書きはできるが、キーボードで文字を入力することができない未来は
端末に向かって話しかけた。

音声入力処理中……終了

メルキオール「朝食を抜くと午前中の思考活動に支障」バルタザール「食べないと元気でないわよ」カスパー「男をだます女の常とう手段」
「未来、ご飯できたよー」シンジの呼ぶ声がする。
「MAGIご飯食べてくるね!」
メルキオール「効率よく速やかに摂取」バルタザール「早く食べてきなさい」カスパー「食べ過ぎるなよ」
この日、未来はMAGIという最高の教師を手に入れた。


462 名前:再び・・・ その20[sage] 投稿日:2009/08/29(土) 01:53:25 ID:???
二人の悩み シンジサイド
最近、未来の態度が冷たいように感じる。
未来も13歳、あと1月で14歳になるのだから当たり前といえば当たり前だけど。
ボクの14歳は悲惨で惨めで嫌な思い出しかない。
だから、「未来には可能な限り愛情をそそぎ込みたい。嫌がられるくらい」…あれ?もしかしてそれが原因?
眞歌は8歳女の子、拓は6歳男の子。
眞歌はアスカの髪と瞳を黒くしてそのまま小さくした感じだ。この子はとても口数が少なく、
内向的でおとなしい。どうやらボクの性格をそのまま受け継いだらしい。
アスカよりボクに懐いている、パパッ子だ。寝る時もボクとアスカの間に割って入るため
触れ合いコミュニケーション不足だとアスカがぼやいている。
拓は…レイにそっくりだ、金髪、碧眼のレイ。未来にからかわれ度々女の子の服を
着せられることがあるがまるで違和感がない。見た目は女の子そのものだが、ちゃんと
おちんちんは付いている。それもかなり立派だ。
眞歌には積極性を、拓には男らしさを引き出したい思っているがなかなかむずかしい。
そしてアスカだ。未来が生まれてしばらくは子育てに追われてSEXの回数が減ったけど、
未来が兄弟達の世話ができるようになってからは、以前にも増して回数が増えた。
ただ、アスカの体が出産後の変化でイキやすくなったせいで射精回数が減ったのが幸いだ。
アスカとのSEXするのが嫌な訳ではないけど、あまり頻繁だと子供達に感づかれてしまい気まずい。
いや、もう未来にはバレバレなのだろう。これも冷たくされている一因のような気がする。
最近は畑作業の休憩時間、子供達が昼寝している時を見計らってトウモロコシ畑でするのが
日課になのだが、ボクとアスカが腕を組みながら戻ってくると、未来が起きていて、
「パパとママってホント愛し合ってるのね」とからかわれた。
回数を減らそうと相談したことがあったが、ひどい目にあった。スイカアイス事件の時以上に荒れて本気で殺される覚悟した。
その後の仲直りで4人目を授かった。現在6ヶ月目だ。
最後に文明の再興。これが一番深刻な問題だよ。
まずは人口を増やさなければならない。いくらボクとアスカがガンバっても限界がある。
いずれ子供達に近親結婚を強いる時がくるのかもしれない。それを思うととても憂鬱な気分になる。

463 名前:再び・・・ その21[sage] 投稿日:2009/08/29(土) 02:01:36 ID:???
アスカサイド
最近シンジが冷たい。アタシを見ている回数が減っている。アタシを触る回数が減っている。
子供がかわいいのはわかるけど、アタシをないがしろにするのは話が別だ。
アタシを見て、アタシを触って!…ハッ?いけない!トラウマが再発しちゃう。
明日のお昼休み、シンジに責任とってもらおーと。

眞歌はとってもおしゃべりなのにシンジの前だと無口になる…なんで?
アタシとシンジの間で寝ちゃうのでシンジに絡みつけなくなって、ちょっと寂しい。
でも、アタシの小さい頃にそっくりなので、小さいアタシがシンジに甘えてると思って許しちゃう。
そうだ、眞歌サンドイッチにしてシンジに抱き付いてみよう。

拓はレイにそっくりだ。でも嫌な気はしない。なんせ男の子だし、シンジを取られる心配はない!
と思うけど、カヲルのこともあるしシンジの方が心配だ。


464 名前:再び・・・ その22[sage] 投稿日:2009/08/29(土) 02:02:48 ID:???
それからバカシンジ!こともあろうにSEXの回数を減らそうと言ってきた!
アタシに飽きたの?SEXばかり求める女に嫌気がさしたの?アタシ色情狂なの?
バカにしないで、アタシはアンタと一つになりたい。ただそれだけを願っているのに!
その手段がSEXなのよ。会話も大切、触れ合いも大切、でも一番ストレートでわかりやすい
表現方法がSEXじゃない!アンタをアタシの体の中に受け入れるのよ。
なんの守りも抵抗もできない体の中に!他の男なんて考えられない!
いくらさみしくても、アンタが他の女とSEXしても、アンタ以外の男に体を開けない!
アンタ以外の男に触られるのもイヤ!アンタを本当に愛してしまったのだから!
失いたくないと心が叫ぶから!だからアンタだけなの、アタシを狂わしていいのは!
愛していいのは!何度生まれ変わっても、別人になってもアタシの心は変わらない!
必ずアンタを見つけ出して、アンタと一つになるの!
…一つになるってことは全てを得て、全てを失うこと。
アンタはアタシの全てを得て、アンタ自身の全てを失うの。それがいやなら…
一緒に死んでシンジ。アンタの全てがアタシの物にならないなら、アタシなにもいらない。
また、生まれ変わってやり直しましょう、シンジ。愛してる。

…かなり激昂したけどシンジを殺さないですんでよかったとシミジミ思う。

は?文明の再興?アタシはシンジいればそれでいいの。
なるようにしかならないのよ。滅んだら滅んだでいいじゃない。
アタシ達が愛し合った事実は残るんだから。それでいいじゃない。気楽に行こシンジ!

466 名前:再び・・・ その23[sage] 投稿日:2009/08/29(土) 09:48:11 ID:???
「冬月先生、お久ぶりですね。どうしてたんですか?」
「ああ、どうしても君に合わせたい男がいてね。連れてくるのに一苦労だよ」
冬月の後ろから全身黒尽くめの男が現れた。サングラスとひげが威圧感を増している。
男は黙ったまま、未来の顔を凝視している。
「碇、どうした?」
(碇?)
「冬月、帰るぞ」男はぶっきらぼうにそう言うとキビスをかえす。
「おじいちゃん?」男の歩みが止まる。
「ゲンドウおじいちゃんだよね!」未来は男に駆け寄り正面に回り込んだ。
「私がわかるのか?」
「MAGIがね、碇指令は私のおじいちゃんだって教えてくたの」
「メルキオールもバルタザールも教えてくれなかったけど、カスパーがそう言ったの。
写真は見れなかったけど、カスパーのいう特徴そのままだったから」
「おじいちゃん、眼鏡外して」ゲンドウは戸惑いつつもサングラスを外した。
「しゃがんで!」未来はゲンドウに顔を近づけのぞき込んだ。
「パパと同じ目をしてる。やっぱり親子ね!」
「キミもシンジと同じ目をしている。さわってもいいか?」
「うん!」
ゲンドウは白い手袋を外した。そして恐る恐る未来の頬に触れた。
「柔らかいな。そして、あたたかい…抱きしめてもいいか?」
「いいよ、でもあまりきつくしないでね」
ゲンドウは羽根細工の人形を抱きしめるように、ゆっくりと優しく未来を抱きしめた。
「碇、うらやましいな」冬月がポツリとこぼした。


467 名前:再び・・・ 結[sage] 投稿日:2009/08/29(土) 09:52:37 ID:???
「パパ、ママ、私、海が見たい」
反対する両親をなんとか説得した未来はMAGIから教えられた格納庫に家族を連れ出した。
ネルフ仕様のYAGR-3Bを見つけたアスカは歓喜して我先に乗り込む。
眼下に広がる緑の大地、澄み渡る蒼い空、そして地平に広がる赤い海。
そこにレイの姿はなかった。
白い砂浜に咲く一輪のビーチパラソルの花。
波打ち際で走り回る3人の子供たち。
子供たちのはしゃぐ声が海に吸い込まれていく。

「楽しそうだね。ほんとに楽しそう」
「ボク達は生きるのに必死すぎて、こんなささいな楽しみを忘れていたよ」
アスカは膝枕しているシンジの頭を撫でながら子供たちを見つめている。

子供たちは退屈していた。楽しそうな声がするゆりかごの外が気になって仕方ない。
子供たちの好奇心は限界を超えた。

いつのまにか眠っていた二人は、子供たちの笑い声で目を覚ました。
目を疑った。砂浜には数え切れない子供たちの姿があった。
赤い海から次々と現れる子供たち、やがて後を追うように大人たちが現れた。

未来がなにか叫んでいる。
「おじいちゃん、先生、ミサトさん早く!」
「「ヱッ?!」」シンジとアスカは向き合って、もう一度、「「ヱヱーッ?!」と叫んだ。
未来の後から、眞歌の手を引くゲンドウと拓を抱き上げた冬月、大きく手を振るミサトが
現れる。その3人だけではない、懐かしい人々が後からこちらに向かってくる。

再び、満ちる子供たちの笑い声
再び、人の歴史が始まる。

この日から海はその青さを取り戻していった。

終劇

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最終更新:2011年01月26日 19:27
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